ツーリングBlog [Full Notch !]

関東を拠点にあちこち旅する在住ライダーのツーリングレポート。

交通量の少ない山深い道や交通関係施設、史跡などが好物。

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→Ninja1000 SX(20)と乗り継いでいます。




四連休初日、晴天に恵まれて後楽日和。
感染症対策のため、俄かに世間のアウトドア志向が強くなった上、オリンピックの交通規制も影響して渋滞が予想されます。
ということでピーク時間をずらした快適ツーリングを目論みました。
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行き先は山梨南部と静岡の県境で、ルートはこんな感じ。

 


さて、まずは出発ですが、首都高はオリンピックの円滑開催のために交通量を減らすべく、6〜22時に入り口ETCを通過すると1000円プラス
正直ガソリン代も高いですし、ずっと休日割引がないことに比べたら一過性の1000円くらいどうってことないのですが、交通量を減らす施策には賛同しましょうということでその時間を回避。
反対に、乗るなら深夜でよろしくということで0〜4時は半額となっているので、これを狙った3:30発です。
首都高から中央道で、夜明けとともに笛吹へ。
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まずは鳥坂峠を目指して県道36号を南へ。
5:00を回ったばかりですが、すでに日の出を迎えています。
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木々に囲まれた気持ちのいい直線道路。
30度を超える真夏日の予報ですが、さすがに早朝はひんやり。
メッシュジャケットの下は厚めの長袖ですが、スクリーンも一段あげて走ります。
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峠の登りは楽しいヘアピンの連続。
まるで山ごと人工的に作られたかのような機械的に整ったヘアピンは朝のウォームアップにぴったり。
タイヤが柔らかめのT32なのでグルービング加工も気になりません。
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峠道のてっぺんで新鳥坂トンネルをくぐります。
拝み勾配のついたながーいトンネルは外界よりも更にひんやり。
今が7月後半だということを忘れてしまうような冷涼な空気が満ちています。
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トンネルを抜けた後、道はいちど東にむいてからUターン。
西に向かって進んでいきます。
芦川沿いに家が点々と立ち並ぶ道は、山間部の川沿いにある独特の雰囲気。
日の出から30分以上経ちましたが、左右の山に阻まれた町にはまだ日が射しこんできません。
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奥の山の上のほうは太陽の恩恵を受け始めています。
これからあの山を駆け登り、上九一色へ。
今日のルートは富士の裾野を回り込むように、山間を登ったり降ったりを続ける予定。
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上九一色の中心部からは、県道113号に入るべく脇道へ。
富士五湖と甲府盆地の間に位置する僅かな平地にある山村ですが、中世からつづく由緒ある地名です。
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県道は狭くて曲がりくねっていますが、路面は綺麗で走りやすい。
このまま下部の町まで抜けていく算段・・・
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でしたが、残念ながらご覧の通り。
事前に調べてきてはいたのですが、ここの通行止めは情報にありませんでした・・・
仕方ないので引き返します。
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元々は県道113号から林道経由で県道416号に入り、下部まで抜けたあと本栖みちこと国道300号で戻ってくる予定でしたが、先に本栖みちを走ってしまいましょう。
上九一色まで戻って、国道139号精進ブルーラインで女坂峠へ。
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通行止め看板が比較的すぐに現れたのでタイムロスはほとんどなし。
まだまだ太陽は届いていませんが、標高がずんずん上がるので気温が下がっていきます。
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峠を上り切って精進湖隧道を抜けたら、精進湖です。
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湖畔の高原には濃い霧がたちこめていました。
甲府側からみた空模様ではまったく想像もできない事態。
外輪山に囲まれて下界と隔絶された富士五湖周辺の気候がよくわかるお天気です。
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精進湖から離れたら、国道300号との交点で西に向かって右折、本栖湖の湖畔を通りすぎます。
霧の湖畔はなかなかに幻想的。
時間はちょうど6:00、すでに活動をはじめたキャンパーや、ボートを浮かべる釣り人が散見されます。
下界が熱帯夜でウンウン唸っている時に朝霧の中で釣りを楽しむのはなかなかにクレバーですね。
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本栖湖から中ノ倉トンネルで中ノ倉峠を越えると、晴天が戻ってきました。
ちょうど箱の中でドライアイスを溶かしているような天気といえばわかりやすい。
鳥坂峠ほど機械的ではないものの、大きくて広いカーブの続く本栖みちをひたすら降っていきます。
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途中にある南アルプス展望台からは、眼下の下部と富士川の向こうの南アルプスを一望できます。
富士川沿いにも雲が立ち込めていますね。
これだけ日差しがつよければ、ものの1時間でカラッと晴れに変わるでしょう。
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やや谷底に近づいてきた太陽光線を見上げつつの下りみち。
3速から4速のエンブレを気持ちよくうならせ、ブレーキなしで駆け降りていきます。
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2月に通過した際にも見た中之倉バイパスの工事は絶賛進行中。
峠が全部なくなるわけではありませんが、いくつかの楽しいカーブは近いうち走り納めかも。
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下部まで降りてきたら、山の上から下部温泉郷の看板がお出迎え。
時間は6:30を回りました。
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下部温泉駅からは、県道415号から林道湯之奥猪之頭線に乗るべく山を登っていきます。
本来のルートでは本栖みちを東に登ったあとこの道で下部に降りてくる予定でしたが、通行止めがあったので逆に辿っています。
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道は下部川沿いに東へ向かってのぼります。
河床に広く堆積した砂利が、この一帯が盛んな崩落地であることを物語ります。
隆起や水流による掘削よりも早い速度で堆積が進むってことですからね。
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県道は湯之奥の集落につきあたっておわり、ここからは林道。
集落の中をつづらおれで登っていく登坂路はコンクリート舗装です。
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国道標識の鉄板流用の特徴的な看板はクリスタルラインでも見ましたね
山梨県あるあるなのかな。
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林道に入っていきなりあらわれる巨大な砂防工。
遠目にみて変わった色をしてるなと思ったら、表面が木組ですね。
水の流れ方を見るに、中には普通のコンクリートの砂防ダムがあるみたいですが
開口部にも一部木を被せて水を通しているようす。
面白いなあ。
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林道は片側1車線のセンターラインなし。
橋梁部は14t規制です。
0.2tしかないバイクはすいすいと登っていきます。
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時間は7:00をまわり、本日はじめての直射日光に照らされます。
こうなると一気に体感温度があがってきますね。
全線舗装で交通量もそれほど少なくはない林道ですが、落石が散らかりっぱなしになっている区間は要注意。
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峠のてっぺんで湯之奥猪之頭トンネルを潜ります。
名前があまりにもそのまますぎて笑ってしまう。
林道はここまでで、この先は市道。
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トンネルの東側に直結している黄金橋からは富士山が真正面に見えます。
朝の早い時間帯なので東をむいたら逆光になり、シルエットがはっきり見える幻想的な風景。
ここで日の出を撮影したり、太陽が上り切ったあと順光で眺める富士山は美しいだろうなあ。
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さすがに正午までまだ5時間もある今、それを待つわけにはいきません。
景色を堪能したあとは山を降り始めます。
木漏れ日がキラキラして美しい。
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片峠なので下りはすぐおしまい。
道は朝霧高原の端に到着。
富士山はまだ同じように正面に見えていますが、地形が一気に開けます。
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当初ルートでは下部から富士川沿いに降って東名で帰る予定でしたが、逆方向に走ってきたのでこの先のルートを考えねばなりません。
作戦を練るついでに水分補給と小休止をすべく、ひとまず田貫湖湖畔に来ました。
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元々「狸沼」と呼ばれる沼地だったこの場所は、農業用水確保のための堤防建設によって水量豊富な湖となりました。
富士山がよく見え、周辺も堤防で平に均されたこの地形はキャンプに登山に別荘にと、一大観光スポットとなっています。
いやー、たしかにこれは人が集まるのもうなずける。
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肝心のルートは、富士宮に抜けて東名で戻ってもよし、国道469号で富士川沿いの当初予定に戻ってもよし、といった感じでしたが、暑い中富士宮市街の渋滞にはまりたくない。
となると北に戻るか・・・ということで、国道139号に復帰して朝霧高原を抜けていきます。
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さっき超えてきた外輪の山を左手にみつつ、そよ風の流れる高原を進みます。
時間は8:00に近づき、日差しも夏の力強さになってきました。
と、これだけ書くと気持ちのいい高原ツーリングですが、堆肥の匂いがすげえ・・・
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時間が時間なので車も増えてきました。
ゆったり交通の流れにあわせて走り、本栖湖からは朝走ったルートを逆に辿るように精進湖で国道358号に。
上九一色まで戻ってきたら、鳥坂峠には入らず、そのまま国道を北へ走って右左口峠へ。
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右左口峠(うばくち)は通常右左口隧道でサクッと抜けますが、旧道が県道113号に指定されています。
今日は短めだし、最後に峠をもう一本走るか・・・と思ったのが運の尽き。
すでに看板に「未舗装あり」と書かれていますが、県道だしフラットダートでしょと思っていました。
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最初はよくある狭小県道でした。路面の苔や落石はご愛嬌。
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しかし舗装が荒れてきます。
未舗装があるので舗装が荒れてても別にいいのですが、荒れ方がひどい。
舗装表面が割れただけにとどまらず、ずいぶんと路盤が流出して段差が・・・
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やがて舗装が消えます。
道路中央の草はすくすくと育ち、ガードレールの足はすべて堆積物で埋まり、轍に散らばった落石も粒がでかい!
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挙げ句の果てにはアンコントローラブルな洗い越しが登場。
コンクリートと大きめの石でうまいこと流そうと錯誤した形跡はありますが、その中に角ばった結構大きな落石も落ちているし、コンクリート外も思いっきり洗堀されてガッタガタ。
幸いにもここ数日晴れが続いたおかげでぬかるみがなかったので走り切ることができましたが、とにかくデカい石と水流による溝が怖い道でした・・・
オフ車でも結構気を使うような道路ですね。
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汗だくになりながら20分ほどかけて峠の頂に。
誇らしげに「中道町」の看板がありますが、中道町は2006年に合併で消滅しています。
自治体が看板の手入れをあきらめるような道なんですね・・・
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サミットには自然に割れたんだか、そういう風に作ったんだかわからない中道往還の看板がありました。
結構歴史のある街道なんですね・・・だったらもっと手入れしてよとも思いますがw
鞄から水をとりだして一気飲みして、呼吸を整えたら下り坂。
当然上りより下りの方が怖いですし、悲しきかな登りとほぼ同じ距離があります。
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北側の下り道はさらにタチが悪い。
南側はまだ林業や工事をやっているであろう箇所があり、道幅だけは広めに確保されていました。
こちらは交通量が少なく、軽トラくらいしか通っていないのか、草ボーボーで有効に使える路面が少ないし、轍も細い。
同じように汗だくになりながら、ほとんど1速を使って20分かけて降っていきます。
230kgのリッターツアラーで走る道ではないですね。
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しかしまあ、苦労しただけのご褒美はありました。
眼下に見下ろす甲府盆地の景色は1人締め。
休憩時間含めて1時間くらいかけてこの峠を越えましたが、1台の車も1人の歩行者も見なかったので、本当に独り占めです。
右左口峠、オフ車にお乗りの方にはぜひおすすめのルートとなっております。
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9:00過ぎになってやっと峠道から解放。
幸いパンクにも見舞われずに走り抜けることができました。
トンネルで抜けたら5km、5〜6分の距離です!
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峠道を抜け切ったら、あとは甲府の快走路。
見通しのいいカーブをゆるやかに下り、クールダウンラップといった感じ。
すぐ近くの甲府南ICから中央道に乗って、まっすぐ帰路につきます。
中央道の下りは38kmの渋滞、東名の下りは37kmの渋滞でしたが、さすがに10時台に帰るような人は少数派で、上りは渋滞ゼロの快走。
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オリンピックの交通整理に協力すべく、最後は高井戸で降りて山手通り経由で。
予報通り30度を超えた気温の中、都内が渋滞していない時間に帰ってきたのは正解だったと痛感。IMG_3717




結局渋滞には1度もひっかからず、午前のうちに自宅に無事到着。
高速100km/h楽チン巡航も、舗装された峠を45度バンクで抜けるのも、オフロードをスタンディングで抜けるのも、なんでもできるスポーツツアラーを堪能した1日でした。
走行距離は控えめの427.8km
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ODOは44052kmになりました。
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