さて、 やっと慣らし運転が終わって、
全開でツーリングもしてきたので、満を待してインプレッション書きます!
2018年モデルが既に発表になっていますが、
このカラー(メタリックスーパーブラック)は継続販売されますし、
スペックに変更がないので2018年モデルと同一と思っていただいて問題ないかと!

そうそう、以下の画像はカラーリングがオリジナルだったり
アクセサリの取り付けをしたあとの写真になります。
詳細は納車記事参照でお願いします。
いきなり総評からいってしまいます。
「軽くて手軽でそこそこパワーのあるスポーツツアラー」これに尽きます。
200kgを切った車重、高速巡航に不足のないトルク、
太すぎないタイヤと控えめな燃料消費、
快適性を犠牲にせずにスポーツライドを可能にするバランス。
このあたりがこのバイクのウリですね。
よく言えばオールラウンダー、悪く言えば器用貧乏かも?w
フルカウル250からのステップアップや、ちょっと600SS疲れたぜって人、
ネイキッドの防風性のなさをなんとかしたい人には一押しですね。

細かいところいきましょう、まずはスタイリングから。
2018年モデルで完全に一新された見た目は、
ZX-10R譲りの「牙」のついたフロントフェイスと、
直線基調のシャープなデザインになりました。
特にフロントの形状はかなり鋭角になりましたね。

こちらがNinja650Rと呼ばれていた2011年モデルまでのデザイン。
(写真は系列のNinja400R)

そして2016年までの先代のNinja650

で、今回のモデルチェンジです。
鼻先がすっと伸びて、見るからにエッジがきいたことがわかります。
ライトは以前から変更なしの片目点灯です。
正面向かって左側、ライダーからみて右側がロービーム、反対側がハイビームです。

ハンドルはNinja1000やNina250のように、トップブリッジ上にマウントされた
アップライトなセパレートハンドルに変更になりました。
ライディングポジションはNinja250よりもさらにハンドルが高めの
ツアラーポジションです。おそらく先代の650とほとんど変わりません。
アクセサリのマウントポイントはバーハンドルより少ないので
ナビマウントなどの装備が追加で必要になるかも。
バーハンドルのコンバージョンキットも既に出ているようです。
ミラーは畳んだところと開いたところでカチッと止められる
折れにくいヒンジタイプに変更。最近のカワサキ車はみんなこれですね。
ウィンドスクリーンの調整も先代と変わらず、ボルトオンでの3段階です。
レバーはブレーキ・クラッチともに握りの調整が可能。ありがたい。
ハザードランプもついてます。これ地味に必要なんですよね。

メーターには引き続きアナログのタコメーターと液晶のセットが採用。
液晶はネガタイプ(黒バックタイプ)に変更になりました。
視認性は非常に高いですし、見た目もキリッと締まります。
新しい表示要素は、ギアポジションインジケータとシフトアップインジケータですね。
それから時計が常時表示になったのも大きいかな。
レッドゾーンに近づくと針が赤くなる演出、たまりませんねー。
表示は上部がODO/TRIP A/TRIP B、下部が瞬間燃費/平均燃費/航続距離です。
守口大根@m_daikon2017/06/16 19:57:44
次に車体。
燃料タンク容量は15Lと1L減少しました。
航続距離が減るんじゃないか・・・と思いましたが、
燃費が向上しているのでおそらく以前のモデル以上に走れます。
燃費は高速で30〜32km/L、下道で24〜28km/Lといったところ。
平均して27〜28km/Lをみておけば間違いないので、400kmは走れる計算です。
そうそう、燃料タンクのキャップが新しくなってまして、
固定ボルトが露出しないタイプです。
このボルトに水が溜まって真っ白になってしまうと格好悪いですからね。
地味にいい変更だと思います。錆びないし。

カウルの防風性能は、先代よりスリムになったものの
エアフローが進化していて、よりプロテクト性能が上がっている感じ。
太ももや肩にあたる風をうまくカウルのエッジで飛ばしてますし、
ミラーの前端部に角度をつけて、ハンドルに当たる風も減らしています。
スクリーンも鋭角になりましたが、巻き込み風が減ったのか防風範囲は変わらず。
一番下で胸まで、真ん中で肩まで、一番上でおでこまでといった感じ。

フレームは完全新設計。ダブルパイプからトラスになりました。
足つきは168cmの僕がまたがって、かかとがつくかつかないかくらい。
おそらく150cm台中盤の人でもローダウンせずに乗れるでしょう。
シート高の数値以上に、スリムな車体は足つきの良さが際立ちます。
スイングアームはアルミに変更。
サスペンションもオフセットされた直付のものから
リンク式のホリゾンタルバックリンクになりました。
開発者のインタビューにもありましたが、サスペンションの味付けは
あえて柔らかくして、ライダーの積極的な姿勢変更を促すような設定になっています。

フレームの剛性があがって、かなりしっかりした乗り味に変わりましたね。
以前の650の持ち味だった「バネのしなるように走る」感じを捨てて、
「軽くスキップするように走る」印象を受けました。
タイヤもスポーツ寄りのものに変更されているので、
猫足で路面に吸い付くような安定感のあるコーナリングから、
エッジで食いつくような鋭いコーナリングができるようになりました。

続いて足回り。
サスペンションとタイヤは、純正設定だとちょっと落ち着きがない感じ。
ギャップに弱いですし、ふわふわと跳ねる感じがして安定しません。
僕はリアサスペンションのプリロードを純正の3に+2して、5段目にセットしました。
MAX7段なので、体格の大きい方はもう少し締めてもいいでしょう。
タイヤはOEM専用タイヤとなる、DUNLOP SPORTMAX D214。
空気圧はフロントが225kPa、リアが250kPaですが、
僕はフロント200kPa、リア225kPaくらいにしました。約10%ダウンですね。
このセッティングだと純正圧よりは安心してライディングでき、
人馬一体感が出てきました。体格が近い人はおためしあれ。

コーナリングは、先代もそうでしたが、直進安定性が非常に高いのと
ハンドルがものすごくアップライトなので、
曲げるのにちょっとしたコツが必要かもしれません。
荷重はシートに乗せるのではなく、中腰になるつもりで
積極的に内側のステップに載せていき、
外脚の内腿をつかって上体をバイクにぶらさげる感じ。
リーンウィズだと思ったより2本くらい外側のラインをトレスしてしまいますが、
思い切って(見た目悪いですが)ぐっと体重移動すれば気持ちいいライントレースができます。
寝かし込みはカウンターステアのきっかけがあるとスパッといきます。

惜しむらくは、タイヤがダメです。ダメすぎます。
純正のD214は接地感がなく、ウェットグリップも非常に低い上
リーン時の旋回傾向が薄いので、中間のバンク角では
車重のわりには倒してもあまり曲がらない怖いバイクという印象になりがち。
倒しきればそれなりに曲がるんですが、
接地感が薄いので路面が悪いと怖くてマトモに倒せません。
路面のギャップもよく拾うので、そんなによくないサスペンションと相まって
すごく神経質で乗りにくいバイクに感じてしまいます。
タイヤを変えるまではこのバイクの本領は発揮されないとみていいでしょう。
タイヤ交換したら切り返しや旋回は体感3倍くらいよくなりますよ。

アクセサリの話も欠かせません。
最近の流れですが、ETCが標準装備になっています。
別途購入すると2万円程度はするものですから、これはありがたいですね。
インジケータがメーターに内蔵されてるのも後付け感がなくGood。
それから多くの人が購入するであろうヘルメットロックも標準装備。
もちろんワンキー対応で別の鍵を持ち運ぶ必要なし。
アシスト&スリッパークラッチもついてます。
大型パラツインはエンブレが強いので、
リアロックしない安心感というのは利点が大きいかも。
アシストでクラッチが軽いのも、指が痛くなりがちな人にはいいですね。
僕はオプションでリアキャリアだけとりつけましたが、
ソフトのサイドケースやハイスクリーン、
エンジンスライダーなどなど、発売時からラインナップ済みです。

お次は大事なエンジン。
基本的には水冷パラツイン、180度クランクのエンジンで
先代と変わりがないのですが、味付けは結構変わっています。
まず排気音は、アイドリングがだいぶ太い音になりましたね。
これはEuro4対応になって規制が変わったことによるかなと。
トルクの出かたは大きく3段階。
2000〜4000は徐々に盛り上がってくる、街乗りに適した扱いやすい特性。
4000〜6000はパンチの効いたパルス感のある出力。
ぐいぐい車体を前に進めていく力強さを感じます。
6000から上は、比較的フラットにずっと続く高出力の領域。
振動はパラツインなりにはあります。
巡航するときは共振の大きい回転数は避けるべきですね。

4気筒だと回転があがればあがるほど
トルクが盛り上がってくる味付けが一般的ですが、
こいつは回転数の半分くらいまでにぐっと強いところを持ってきて
上はそのまま余裕をもたせた感じになっています。
600SSなんかとは正反対の味付けで、中低回転を積極的に使う
ツーリングライドにもってこいと言えるでしょう。
車体が軽いのもあいまって、
常用域の加速感でNinja1000と大差ないのは嬉しい誤算でした。
反面、回せるだけ回して突き抜けるような加速を味わいたい方は
マフラー変更等のカスタマイズをしないと満足しないかも。
そういう人はパラツイン選ばないかw
海外の動画や他のインプレ記事を見る限り、
最高速度は多分メーター読み190km/h、実測180km/hのリミッター付きです。
タイヤのレンジ的にも車体の剛性的にも、
サーキットに行ったところでそれ以上出すべきじゃないでしょうね。
常用だと6速4000rpmで85km/h、6000rpmで127km/hです。

公式のプロモ動画も是非是非
最後にお決まりのスペックシートです。
燃費
実測27〜28km/L(街乗り/高速) レギュラーガソリン仕様。
航続距離400km程度。
スペック:
車体
全長2055mm/全幅740mm/全高1135mm
軸距
1410mm
地上高
130mm
シート高
790mm
キャスター/トレール
24.0度/100mm
ハンドル切れ角
32度
ブレーキ
フロント300mm/リア220mm
装備重量
193㎏
エンジン形式
水冷4st DOHC 並列2気筒 180度クランク
排気量
649cm3
ボア/ストローク
83mm/60mm
圧縮比
10.8
最高出力
50kw-68ps(8000rpm)
最大トルク
65N.m-6.6kgf.m(6500rpm)
燃料タンク容量
15L
タイヤサイズ
120/70-17/160/60-17
コメント
コメント一覧 (10)
当方5年前に大型免許を取得しましたが、未だ所有しておりません。
ニンジャ650は数日前に宇都宮のカワサキ店で跨ってきました(167cmでも安心できるシート高でした)
気になっているのは、他にスズキのV-STROM650、ヤマハのTMAX530などです。
ジャンルが大分違いますが、長距離を楽に安心して走ることができるオートバイを物色中です。ワンタンクで500kmくらい走れれば嬉しいです。
ニンジャ650良いですね!インプレありがとうございました!
バイク選択のお役にたてて幸いです!
Ninja650は長距離が楽でスポーツも楽しいバイクですね。
ワンタンクで走れる距離をお求めなら、ご検討中のV-Stromや
兄弟車のVersysのほうがタンクが大きくていいかもしれませんねえ。
サスのフニャフニャ感、分かります。
500kmほど走ったのですが2速に入れるときにガコンって感じがありますが、そんな感じってありましたか?
色々と情報交換できたらと思います。
サスの感触とタイヤは本当に残念なポイントです。
私が乗ってる限りは2速に入れた時の違和感は覚えたことがないですね。
Nから1へのカワサキ独特の衝撃音はおなじみですけれど・・・。
クラッチ切ってからしばらく待って回転落とすとか、
ブリッピングを多めにやってからチェンジすると
回転差が大きくなるので、そういう音が鳴るかもしれませんね。
昨日、400kmほど走ったのですが、気持ちゆっくりシフトアップするとNからローに入れたときみたく感じて、早く操作すると感じないってパターンでした…。
そろそろ1ヶ月点検なのでショップでも訪ねてみます。
今、「これ400?」って聞かれて「650です」って答えたときの反応が楽しいです(^w^)
650は珍しい排気量なので、なかなか知ってる人じゃないと当たらないですよね。
車体サイズも250並ですし!
大変詳しく書いてあり参考になりました。
最近、MT-07を事故って廃車。
次のバイクを同じくMT-07にするか、どうせお金出すなら別のバイクにするかと思い新型Ninja650の情報を収集していたところです。
初代Ninja650のアメリカ版、Ninja650Rに5年ほど乗ってましたが、タイヤのイマイチ感は伝統なのでしょうか(苦笑
足回りはMT-07の方がマシ、なんて評価もあるようですが、ロングツーでも疲れにくいフルカウルは魅力ですね。
歴代Ninja650とは方向性を変えてスポーツ走行寄りにしてきたのかと思ってたんですが、そうでも無さそうなのが印象的です。
暫く悶々としながら情報収集してみようと思います(笑)
MT-07は確かにかなり性格の近いバイクですね。
機敏な楽しさのMT、安定感と長距離のNinjaといったところでしょうか。
間をとってZ650もなかなかよいと思いますよー。
試乗してサスペンションが柔らかくかんじたので最初からオーリンズのリアサスを投入(笑)
加速時の沈み込みが無くなりドンドン前に進んで行く感じに変わりました。
フロントはバネが無いので油種変更、油面の調整で対応してます。
固くなるよりコシが出る感じなのでお勧めします。
参考にしてみて下さい。
もうオーリンズの対応ショックが出てるんですね。
減衰が強くなるとリアのばたつきも抑えられそうでいいですね。
フロントは油面とフルード交換あたり定番ですが、やっぱり効果あるんですね。