ということで、交換いたしましたのでファーストインプレッションなど書いていこうかなと思います。
Pirelli Angel STやBridgestone S21の頃からですが、浅い溝でトレッドデザインを工夫するようになりましたね。

T31は「T」のタイヤなので、ツーリング寄りのタイヤです。
まだ雨天走行はしていませんが、見るからに溝の比率が多く、排水性能高そうです。
センターにも溝が横切っていますが、ロードノイズは気になりませんでした。
まぁバイクはエンジン音もあれば風切音もあるので、そこは誤差ですよね。
S22よりもラウンド形状が半円に近い(尖っていない)ので、倒し始めがゆったりします。
それは同時に直進安定性が高いということでもあり、トラック通りにありがちなアスファルトの轍を踏んだときに、目に見えてブレが少なかったですね。
「旋回する?」「ほんとに?」「じゃあ曲がろう」という感じでワンテンポある、重量バイクのツーリングで疲れない性格。
カーブではバンク角を変えてもリニアに旋回が追従してくれる感覚があります。
10度くらいの軽い切り返しから45度くらいまで、どこで走っても「すいー」っと滑っていきます。
(Ninja1000SXだとバンク角が正確にわかるのいいですねw)
S22は「この辺が得意だよ!」って感じの角度があって、35度〜40度くらいのバンクでぴったりハマる感じでした。
倒し始めも鋭敏で、「曲がるよね?よっしゃ!」というような。
反面、40度以上のバンクは速度乗せてタイヤを潰さないと・・・という感触だったので、ほとんど使いませんでしたが、「飛ばす」人だともう一段楽しいところ使えるんじゃないかな。

リアも同じく溝が多め。
耐摩耗性能が高いはずなので、その影響もあってか表面のコンパウンドは少しS22よりコリコリと歯応えのある印象。
ただしそのぶんケーシングが柔らかいので、路面の小さなギャップや小石を踏んだときの吸収力はめちゃくちゃ高いです。
自分はロードインフォメーションが少なめのほうが好みなので、T30に引き続きこの方向性が維持されたのはとても嬉しいです。
「よくしなるステンレス鋼板に真綿を巻き付けたのがS22」「柔軟なワイヤメッシュにシリコン被覆をしたのがT31」という感じ。
リアタイヤはT30から引き続き3LCという技術が採用されていて、センターに硬くてしっかりした耐摩耗性の高いコンパウンド、ショルダーにグリップ重視の柔らかいコンパウンドが配置されています。
S22はさらにリッチに5LCです。
さらに、T31からCap&Baseというテクノロジーも追加。
こちらはセンターの硬いコンパウンドがショルダーの基部にも回り込むって感じです。
ハイグリップなショルダーにも硬い基礎をつけてしっかりさせようね、という思想ですね。

コーナリング中のライン調整やブレーキの踏み増しでもがっつり安定していました。
リア主導で素直に回っていってくれる印象。
空気圧純正でも「ちょっと低いんじゃないか?」って疑うくらいふんわりと衝撃をいなしてくれるので、走っているときの快適感・安心感が半端ないです。
耐摩耗重視だからといって公道レベルでドライでのグリップが不足するようなこともなく、接地感がものすごく、路面に粘着しているようなライディングができます。
ツーリングタイヤのウリの一つに低温でのグリップ力やあたたまりやすさの指標があり、T31ではそこが進化したことも謳われています・・・が、多分冬まで持たないと思うので、その部分の感想は別途w

さて、これまで履いていたS22(OEM)の話もしましょう。
まずOEMってなんぞやというと、タイヤにおいてはいわゆる純正装着品のことです。
名前こそ市販品と同じ名を謳っているものの、実質は車種専用にカスタムされたり、万人向けに懐を広くしたタイヤだったり、実は市販品とは違うモノなんですよね。
(一緒の場合もあるかもしれないけど、一般的には別モノです)
Ninja1000SXの純正装着タイヤは先述の通りBridgestoneのS22。
ここから先のS22の話は、全部OEMタイヤのことです。
パターンは市販品と同じで、街乗りもできるスポーツタイヤって感じですね。

OEMは低温でのグリップやあたたまりやすさを重視しているのか、路面温度50度近い真夏の高速道路で休まず高速巡航するとグレイニングができていることがありました。
(出先なので写真残してなかったですが、結構大粒のがぶりぶりと)
サーキットユースに耐えられる市販S22はそんなこと起きないですが、反面冷えた路面で使うとグリップしない性格もあるはずなので、純正品はやや低温寄りに作られてるんじゃないかな?と予測。
冬のツーリングで「タイヤあっためてから走れよ」とは言えないですからねw

乗り方にもよるでしょうけれど、自分は11500kmくらいでフロントが先にスリップサインとなりました。
市販のS20Evoもこのくらいで終わったので、耐摩耗性能は同じくらいと見ていいかと思います。
涼しい日はあまり減らず、暑い日にはマジかってくらいガッツリ減りましたw
倒し始めの旋回感が鋭く、小刻みな進路調整や一定バンクでのコーナリングが楽しいタイヤでした。
14年モデルの時はどのタイヤもリアから先に終わってたので、フロントが先に終わったのは初めて。
自分はスピード出すのはそんなに好きじゃないんですが、低速からガンガンアクセル開けて加速するのは大好きなので、リア削りがちなんですよね。
フロントが先に終わったのはキャスターがたった影響でフロントに荷重が乗せやすくなったおかげかも。
リアもスリップサインまで1mm以下だったので、偏りがあるわけではないです。

カーブの出口でガバッと開ける乗り方が見て取れるような、センターとショルダーの間くらいのささくれ感w
冬は走りませんでしたが、4月の明け方でも8月の昼間でもグリップに不安はなく、きもちよく倒せるタイヤでした。
反面、雨天での走行は荷重が乗っていないと結構簡単にヌルッと滑り出すシチュエーションが結構ありました。
そこはドライグリップとのトレードオフでもあるので、「Sだから」という感じでしょうか。
高速コーナリングにも耐えられるようケーシングが固めで、グリップを稼ぐためにコンパウンドが柔らかめな印象。
新車時に「リッターバイクなのにこんなに軽く倒せる!」「安定しているのに鋭く曲がれる!」と思わせるのは、このタイヤの性格のおかげによるところが大きいでしょうね。

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