ツーリングBlog [Full Notch !]

関東を拠点にあちこち旅する在住ライダーのツーリングレポート。

交通量の少ない山深い道や交通関係施設、史跡などが好物。

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→Ninja1000 SX(20)と乗り継いでいます。


タイヤ交換も終わり、お盆の旅行シーズンも落ち着いたことですし、そろそろ泊まりのツーリングを解禁することにしました。
go to キャンペーンも数百万人が利用して感染者2桁とかなので、十分に対策をしていれば大丈夫でしょう!

ということで、定番の夏の一泊ツーリングである能登・富山方面を目指すことにしました。
今回は内容が濃いので二部構成で書きます。後半の内容はこちら
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1日目のルートはこんな感じ

 


富山・能登には過去既に何度訪れいることですし、今回はちょっと嗜好を変えてプランを組みました。
途中の寄り道は有峰湖だけということにして、最短距離で富山方面へ走ります。
出発は3:30とし、夜明け前に中央道を西へ。
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岡谷JCTからは長野道へ入り、松本ICへ向かいます。
山の向こうから徐々に太陽が出てきて、盆地にはまだ日が当たりませんが西側の山々には朝日が差し込んでいます。
地形の立体感がよくわかるすばらしい時間帯。
空は綺麗に透き通っていて、優しい青色をしています。
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松本からは、国道158号線で西へ進みます。
時間は6:00を回ったところ、やっと日が差し込んできました。
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158号は高山・上高地方面へ。
この道、すごく綺麗で楽しいワインディングロードなのですが、上高地へ向かう観光客の唯一のアクセス道路なので路線バスやゆったり走行の車がめちゃくちゃ多い。
急峻な地形から来るトンネルや急カーブが多く、ペースがめちゃくちゃ遅いので、普段は全然楽しめないんですが、この時間だと交通量も少なくてスイスイ!!
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梓川沿いに遡上していくと、まずは稲核(いねこき)ダムが右手に見えます。
アーチ形状が綺麗なダムですね。
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続いて水殿(みどの)ダムが右手に見えてきます。
只見川や天竜川もそうなんですが、ダムがたくさんある川はそれだけ水量も勾配も多いということです。
雪解け水が大量に集まる気候、侵食によって削られる地面など、どれをとっても地形が急峻になる要素に満ちています。
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そして最後に安房峠までの道で最も上流にある奈川渡(ながわど)ダム。
これらを合わせて梓川3ダムと呼ぶそう。
ここで国道は奈川渡ダムの上をわたって、上高地方面へ向かってトンネルの連続区間に入っていきます。




標高がぐんぐん上がるのにつれて、気温が下がり気味。
外気温計は16度を指し、やや肌寒い中を走ります。
この時間だけは直射日光がありがたい。
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安房峠に近づくと、沿道の険しさはいよいよ増し、道路沿いの崖には崩れたあとの岩肌が露出しているところが何箇所も目につきます。
これに巻き込まれたらと思うと・・・!
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トンネル区間を抜けたら、安房峠を越える最後の一歩。
いつもはつづら折れの旧道を好んで走るのですが、今年は残念ながら春の大雨で土砂災害が起こり、旧道はまだ閉鎖中。
有料道路の安房峠道路を使って一気に貫きます。
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すいすいっと抜けてしまえば、そこは平湯温泉。
時間はここで7:00を周りました。
国道158号線とはここでオサラバして、国道471号線で北西に向かいます。
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空は青の深みをどんどん増し、気温も急激にあがってきます。
さきほどまであれだけ頼もしかった直射日光も、ここにきては恨めしい。
奥飛騨村上温泉あたりを抜けて、高原川方面へ。
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宝橋で高原川を渡ると、国道は西へ折れます。
ここから先はわずかな雨でも通行規制がかかる立地。
梓川沿いに負けず劣らずの、名だたる暴れ川です。
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川岸には大きな岩がゴロゴロと幾重にも折り重なっていて、増水時の水勢を感じさせますが、晴れている日はおだやか。
鳥の声とともに気持ちの良いせせらぎの音を聞かせて、旅情を盛り上げてくれます。
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ここが雪深い場所であることをものがたる、道路端を指す標識が点々とつづきます。
この辺りの田んぼは既に刈り取りが行われていますね。
8月ももう数日で終わりであることを思いださせられます。
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本郷のあたりで、国道から飛越高原天の夕顔の道へ入ります。
正確には「飛越山地大規模林業圏開発林道 高山・大山線」だそうで、ニックネームも本名も随分と豪奢な感じですw
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道はいちど金木戸川沿いに北東に向かってから山へ入り、地形を選ぶように小さい蛇行と大きい蛇行を繰り返して北へ向かっていきます。
林道とはいえ有峰ダムへの交通路。
工事車両も通れるように作られた道は楽しいワインディングロードです。
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途中の丘には牛が放牧されていました。
奥飛騨山之村牧場だそうです。
ジャージー牛をメインで飼っているんだとか。
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その山之村からは県道484号に入り、すこしののち有峰林道方面へ分岐します。
注意書きは物々しいですが、その実、気持ちの良い快走路がつづきます。
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少し登ればまもなく、有峰林道は東谷料金所に到着!
時間は8:30くらい、ここで通行料を支払い、いざ有峰湖へ。
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有峰林道は、有峰湖をぐるっと取り囲む整備された林道。
周遊道路といっても差し支えない気持ちの良い道です。
ただし東岸線だけは通行不可で、車で一周することはできません。
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林道は11月に入ると閉鎖され、6月や場所によっては7月になるまでオープンしないので、実質全線通行可能なのは5ヶ月間だけ。
更に6:00から20:00までしか通行が許可されていないので、1日の間でも14時間だけ。
そんな辿りつきづらい林道でも、訪れるだけの魅力があるんですよね。
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気持ちの良い木漏れ日の中、湖を右手に見て山道を快走します。
一部狭いところはありますが、退避場もしっかり整備されていて、トイレや駐車場も各所にあるのでバイクで流して走るにはもってこい。
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都心ではめったにお目にかかれないこんな看板もあるので、法規に従ってクラクションを鳴らします。
とはいえ、対向車とは全線で2台しか逢いませんでしたが・・・。
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南半分では湖からやや離れたところを走りますが、北半分では湖岸に近いところへ。
さわやかに揺れる水面と、標高が高くて涼しい空気を楽しみながら走っていくと、あっというまに有峰ダムです。
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有峰湖を形成する巨大なダム。
なんとこの巨大なダムひとつで、和田川第一、和田川第二、有峰第一、有峰第二、有峰ダムという5つの発電所を賄っているというから驚き・・・。
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そんな有峰ダムのてっぺんを林道は渡ります。
片側交互通行ですが、ダムが巨大なだけに待ち時間も長い!
もちろん、待ち時間に見合うだけの景色があるんですけどね。




ダムを渡ったら、林道を亀谷方面へ降ります。
遠くに名残惜しく見えるダムを背にして、トンネルをいくつも潜り抜け、和田川沿いに標高を下げていきます。
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常願寺川との合流付近まで降りてくると、灼熱の夏の日差しがこんにちは。
ここで時間は9:30を少し過ぎたあたりです。
8月の晴れの日、気温はもちろん真夏日です。
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次の目的地はこちら、有峰口駅。
その名の通り、有峰へ向かう登山の玄関口となる小さな駅です。
列車の時刻にあわせては、狭い駅前に有峰ダム・折立キャンプ場へのバスが発着します。
駅前が小さ過ぎて切り返せないので、バスがバックで入ってく豪快さw

今回の「寄り道ツーリング」で「嗜好を変え」るところをここからスタートし、午前10時を前にしてツーリングとしてはここで一区切りです。
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有峰口駅は富山地方鉄道立山線の無人駅です。
ここで単線の列車が二つにわかれてすれ違うダイヤが基本。
左右綺麗に対称なY字のレールが美しい。
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北側には旧ホーム跡地も残っていました。
かつての貨物ホームかな?
ここからは立山線に乗って富山駅まで向かいます。
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途中の横江駅までは登山電車のように川岸の山肌に張り付いてゆっくりゆっくり進みます。
横江から先、岩峅寺で不二越上滝線と、寺田駅で本線と接続しつつ、富山平野をトコトコと富山駅へ向かいます。
有峰口から50分、まったりとローカル線の旅です。
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バイクを彼方においたまま電鉄富山には11ごろ到着。(ちゃんと駐輪スペースに停めましたw)
北陸新幹線の開業で綺麗で立派になった富山駅にどどーんと到着です。
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今日の宿が富山駅なので、どっちみちここにはまたくるのですが、折り返しの電車の時間までしばし散策。
この3月に南北接続が完了し、富山港方面と富山城方面が交互に行き来できるようになりました。
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新幹線も通るような大きな駅の中央をレトロな路面電車や最新鋭の低床トラムが混じってつっきる様子、なかなか面白い街の景色だと思います。
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さて、30分ほど時間をつぶして、ふたたび電鉄富山へ。
バイクを置きっぱなしにするわけにはいかないので、有峰口へ向かいます。
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不二越上滝線で戻ってもいいかなと思っていましたが、たまたま「赤いの」がいたので立山線で戻ることに。
左の赤も、右の緑も元々大阪・京都を走っていた京阪電車の車両を平成初期に譲り受けたものなのですが、赤いのは当時の色を復刻してるんですね。
地元が沿線なので、30年近い時を経て当時の姿のまま再会、という感じです。
今回これが目的での寄り道だったのでした。

普段は2013年に追加で譲渡された二階建て車両も使ってダブルデッカーエキスプレスという観光列車も営業しているのですが、折からの疫病の影響で現在は休止中。
当時を思い出すには平屋のほうがむしろ都合がよかったかもですね。
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お昼も近いので、駅前で買ったお寿司をお供にします。
ローカル線で再びまったり山へ。
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稲穂のたわわに実った田んぼを眺めつつ、ゆったり走るローカル線の車窓は、「ツーリング」とは似つかわしくないものの、「旅行」としてはこれ以上ない贅沢。
明け方前に自宅を出て、300km先の富山で列車の旅をするってのは、なかなか人に説明しづらい旅行プランですねw




有峰口に戻ったら時間は12:30目前。
‪Ninja1000SX‬くんお久しぶり、ということで、列車のルートをトレースするように富山市街へ。
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雪国特有の縦型の信号、除雪ポール、歩道という名の雪捨てスペース。
気温が都内と同じでも、この景色だけで随分涼しく感じられます。
実際、田んぼから吹いてくる風はひんやり気持ちいい!
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稲穂はすっかり色づき、頭を垂れていました。
奥飛騨のほうは収穫済でしたが、このあたりも来週には収穫といった感じです。
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地鉄で回り道するつもりが最短で戻ってきてしまったのと、途中のペースがよかったことがあいまって、ホテルのチェックインまで3時間ほど余ってしまいました。
再び山に入るのはちょっと億劫だったので、バイクを止められて景色のいい涼しいところということで、射水方面へ。
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目的地はこちら、海王丸パーク。
駐車場無料の広い海沿いの公園ということで、バイクもそこそこいて賑わっていました。
臨港地帯が好きなのは東京・千葉のライダーも富山のライダーも同じなんですね。
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海と橋と帆船を眺めつつ、しばし休憩。
十数分座っているだけでもどんどん雲の形が変わっていくのは、さすが日本海と立山連峰のせめぎ合い。
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海王丸パークに接続する、港の入り口をひとまたぎにする新湊大橋。
取り付け部のループやその立地が、ベイブリッジとゲートブリッジとレインボーブリッジのハイブリッドといった趣。
風もほどよく吹いていて、爽快感抜群でした。


 

遠くの方にやや怪しい雨雲を察知したので、まだ予定時間までは1時間ほどあるものの、ホテルに向かいます。
神通川を越え、再び富山駅方面へ。
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時間は15:00、まだ寝るには早い!ということで、泊まりツーリングの醍醐味である風呂と酒。
止まったホテルは眺望をウリにした大浴場。
天然温泉のお風呂も好きですが、風呂が広くて景色がよければ人工泉でも全くかまわん!
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そして湯上り一発。
帰り道を考えなくていいってのは最高ですね。
注ぎたての生ビールで髭を作ってさっぱり。
まだ16時なのにw
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夕食までは再び富山駅を散策。
お昼に来た時は慌ただしかったので、路面電車を眺めたり。
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信号が変わるたびにこの密度で行き来するのが見れるので、ベンチに座ってじっとしているだけでも飽きませんね。
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あとは入場券を買って新幹線を眺めたり。
東京から2.5時間でかっ飛んでくるんだからすごいよなーとも思いつつ。
冬に来るならこっちですね。
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散策している間に17時を回ったので、少し早いですが食事をして今日の締め。
目当てのお店の暖簾が出てなかったので、駅前で適当に回転寿司屋に入って地物のお魚をいただきます。

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この日の走行距離は、ワインディングをそこそこ走ったものの、最短で突っ走ってきたのもあって444.7kmでした。
後半へつづく
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