昨日にひきつづき、天気の良い土日を利用してツーリングするぞ!
今日は以前鉄道旅行で訪れた小海線沿いと軽井沢周辺へむけ、ちょっと趣向をかえたプランとします。
いつも「バイクでどこ走るか」をメインに考えがちですが、走行距離はほどほどにして、立ち寄りを増やそうという魂胆です。

ルートはこんな感じで短め。
スタートは中央道。
以前の訪問というのが小海線の乗り通しだったので、同じように小淵沢駅方面から走ります。
出発は5:00、途中の釈迦堂PAで休憩して、長坂ICまで走ります。
釈迦堂PAから望む南アルプスの山々は冠雪がはじまり、神々しい姿。
富士もそうですが、やっぱり山は雪化粧されると3割増で格好いい。

長坂到着は7:00すぎ。
すっかり夜が明け、空は昨日にも増して透き通っていて、絵に描いたような一面雲ひとつない秋晴れ!!
ただしめっちゃくちゃ寒いw

ここで集合し、F3 800と自分のツーマンセルで動きます。
最初の目的地へ向かって県道32号線から国道141号線に入り、清里を越えて北へ進みます。
清里はいつもツーリングの最後に寄ることが多いので、朝方に走り抜けるのは新鮮。

まず訪れたのはここ、野辺山駅の少し南に位置する、JR鉄道最高地点です。
この場所は名前の通り、JR全路線のうちで最も高いところに位置する線路です。
昭和初期にここで活躍したSLの動輪も展示されています。
ちなみに野辺山駅も、JR最高標高駅。

最高地点付近にはこじんまりとした駐車場と、ドライブインや売店、ホテル、キャンプ場も立地します。
野辺山駅から2kmほどの距離なので、歩いて訪れることもできますね。
時間がまだ早いのでドライブインは営業開始前。

こんな感じのなんでもない踏切ですが、ここに至るまでの勾配が野を越え山を越え、1375mもあるんですよね。
ギリギリ長野ですが、数百mいけば山梨との県境にあたる場所です。

夜の間も晴れ空だったので放射冷却で気温が低い。
6時台の野辺山は氷点下で、-3.3度まで下がっていました。
一瞬凍結を心配しましたが、日当たりがバッチリなおかげで3度まで回復。
いやいや、それでも十分寒いですけどね。

さて、最高点を少し散策したあとは5分ほど移動し、こちらの施設へ。
国立天文台の野辺山宇宙電波観測所です。
標高が高く、周りを山に囲まれた野辺山は大気や電波的雑音の影響を受けずに天体観測するのに最適な立地なんですね。

この施設のメインはこちら、45m電波望遠鏡。
足元と銘板だけでも相当な大きさ。

全景はこちら、どどーんと巨大な一本モノ!
まるで要塞のような威容が青い空にそびえ立ちます。

近くに立ち並ぶ中くらいのパラボラはミリ波干渉計。
こちらはレールの上に乗っかっていて、おそろいのアンテナの並びをレールに載せて自在に変えることで様々な天体の観測を行います。
同じ形のアンテナがいくつも空を向いているのは画的に映えますね!

小さくて大量に生えているのはヘリオグラフ。
それぞれのアンテナや観測設備にしっかりした解説パネルもついていて、機械好き・大きいもの好きにはたまらない施設ですね。

併設の文化施設農村文化情報交流館から、施設の全景をパノラマで。
周辺も庭園のように綺麗に管理されていていい雰囲気です。
施設の敷地は広く、ざっと一通り歩いて回るだけでも結構時間を使います。
見学歩道やベンチ、トイレなどの設備は充実しているので、ちょっとした公園みたい。

天文台の広大な敷地を1時間ほどブラついたら、そのまま小海線沿いに北上。
八ヶ岳の山麓にある牧草地帯をゆったり走ります。
標高も少し下がり、太陽ものぼって気温もずいぶん上がってきたので快適な走行。

鉄路がぐるっと千曲川沿いに佐久広瀬へ迂回するところ、道路はクネクネとカーブで標高を下げていきます。
楽しいワインディングロードですが、下りはイエローラインの一車線、残念ながらトラックとなかよし走行。

千曲川や小海線と再び合流してからは、それぞれ右へ左へと絡みながら進みます。
のどかな秋の風景、すすき野原が風にそよいで目に優しい。

八千穂からは、並行する中部横断道の無料区間に入って佐久北まで。
遠くに望む冠雪した浅間山と、眼下に広がる佐久平。
火山地帯ならではの、広がる盆地を見下ろす道は本当に走ってて気持ちがいいですね!
甲府や阿蘇なんかもこんな感じです。

佐久平の真ん中で小海線とお別れし、国道18号線に入って中軽井沢方面へ。
信濃追分あたりから軽井沢駅前までは渋滞気味。
この辺は観光地への要衝になるので仕方ないですね。
給油と休憩をほどほどに挟み、碓氷峠の旧道に向かいます。

軽井沢通過で時間は11:30。
沿道の木々もいろづきはじめ、綺麗なグラデーションになっていました。
明媚に整備された観光地、青い空白い雲、赤黄緑とカラフルな木々。
ただまっすぐ走っているだけでも最高だなこれは・・・

オープンカーの隊列に挟まれつつ碓氷峠を下り始めて中腹あたり、ちょうど正午を回ったころに熊ノ平駐車場に到着です。
ここでしばしバイクを降り、熊ノ平からアプトの道ハイキングコースをつまみ食いするハイキングの開始です。
駐車場から階段を登っていくと、ホームと変電所の跡地に到着です。

アプトの道とは、1963年に廃線となった信越本線の旧線跡を利用したハイキングコース。
軽井沢駅〜横川駅のうち、途中の熊ノ平〜横川駅が公開されています。
軽井沢への現役路線は、碓氷峠を通らず安中榛名から迂回して軽井沢まで至る長野新幹線なので、碓氷峠の鉄道路線で現役のものは既にありません。
新線のほうも新幹線の開通によって1997年に廃止になっているため、アプトの道は「信越本線廃線区間の旧線跡」という立ち位置ですね。
熊ノ平から横川方面をみて、左の二本が新線、右が旧線でアプトの道で、右側画面外にもう一本旧線時代の停留線が残ります。

熊ノ平には神社も建立され、脇には土砂災害の慰霊碑も。
かつてこの区間が単線だったころは、唯一の平坦地として列車のすれ違いを行う重要な駅でしたが、複線化されてからはその必要もなくなり、信号所に降格して変電施設のみ利用されていました。
熊ノ平では新旧線ともに同じ敷地を経由するものの、新線はトンネル技術の向上により旧線より高い位置で山の深いところを通るため、この先お互いの線路ほとんど見えません。

横川〜軽井沢、通称「横軽」の旧線は1892年の開通。
120年前の設備だけあって、基本的にはレンガづくりです。
横川まで歩き通すと片道6kmと少し、往復12〜13kmほどあるので、今回は熊ノ平〜めがね橋の1.2kmだけを往復で歩きます。

熊ノ平側からみて、めがね橋までには10〜6号まで5つのトンネルがあり、その間を橋梁や盛土でつないでいきます。
うっすら紅葉した山と古いトンネル。
静かなその情景からは、かつてここが輸送の大動脈だった面影は想像しづらいですね。

開通当時は蒸気機関でしたが、あまりの勾配とトンネルの多さに鉄道員の傷病や事故が多発し、国内の幹線で最初に電化された区間でもあります。
電化しても普通の鉄輪では滑ってしまい登りきれない勾配のため、1963年まで歯車つきのレールを使ったアプト式の機関車が利用されていました。
これが「アプトの道」と呼ばれている所以ですね。
トンネルの構造には電化当時のものと思しき碍子や通信線の造作が残ります。

こちらは日本瓦製造の社紋が刻印された煉瓦。
こういうディテールが楽しめるのも、徒歩ならではです。

トンネル内は照明がついていて、安全に歩けます。
各トンネルには鉄道トンネルならではの退避坑が転々とあるのが特徴的。
廃線になった時期も早かったので、コンクリートで補強もされていません。
黒ずんだレンガは蒸気機関車が走っていた当時の煤によるもの。
綺麗なレンガは補修だったり、表面が風化して削れ落ちたり。

6号トンネルは他とくらべてやや長く、途中に山肌に露出した区間があるため、外の見える横穴が数カ所にあいています。
トンネル内に漏れ出る外光はなんだか不思議な感覚ですね。

「トンネルの外」はこんな感じ。
土砂の流入防止のためコンクリート壁が作られているのが惜しい・・・
外側も当然レンガです。

トンネルの天井にも換気口がポッカリ口を開けています。
山を深く貫くトンネルではなく、煙の出る機関車を使っていたからこその設備ですね。

6号トンネルを抜けたら、めがね橋こと碓氷第三橋梁のお目見え。
碓氷川をひとまたぎにする、おおきなレンガの橋です。
もちろん橋上もハイキングコースなので歩いて渡れます。
こんなに高く、勾配も強いレンガの橋で、しかも綺麗に保存されているものはなかなかないですよね。
下流側には碓氷峠旧道、上流側には新線の橋も見えます。
めがね橋には、少し歩道を歩いたところに駐車場が用意されているので、ここも熊ノ平と同じくハイキングコースから車道まで降りることができます。
歩道を降りてアーチを下から眺めます。

この巨大さ・・・。
もちろん、最近の高速道路や新幹線のコンクリート橋に比べれば小さいのですが、それでもこの大きさのものを120年前に、しかもレンガ積みで作ったというのが驚き・・・・
真っ青な空とのコントラストがまるで合成写真のよう。

写真が歪んでるわけではなく、左の軽井沢方面に向かって登り坂の橋です。
綺麗にそろったアーチが美しく、欠けはじめてまだらになったレンガが生々しい。
ここを列車が走る姿は相当に荘厳だったはず。

めがね橋からは、熊ノ平まで上りのハイキングコースをひたすら歩き、約1.5時間のハイキングを終えます。
気温は10度、真冬のような気温のはずが、汗だくになってトンネル内のひんやりした空気が気持ちいい!!

バイクを拾って峠を下り、横川駅の脇にある碓氷鉄道文化むらの脇を通って、峠の釜飯本舗おぎのやへ。
時間は14:00、ここで遅めのお昼にします。
ほどよい疲労感と空腹感。

食べるのはもちろん峠の釜飯!!
これも横軽が現役だった時代に横川駅の駅弁として発案されたのが元。
益子焼きの釜に入った具沢山の炊き込みご飯です。

そしてコーヒーソフトw
まさか10月末に高原でソフトクリームを食うことになるとは思わなかった。

今日のツーリングはこれにて終了とし、おぎのやで解散。
15:00には高速に乗り、上信越道から関越道と乗り継いでまっすぐ家路へ。
最後まで完璧な晴れ模様、自宅付近からも富士山のシルエットが夕焼けにクッキリと浮かび上がっていました。

そんなこんなで、今日の走行は高速比率高めの467.8kmでした。
下道を走ってなくても、観測所内や廃線跡を歩き回ったのでいつもより大変だった!

ODOはちょうど20000kmになりました!
もとい、なるようにちょっとだけ回り道して帰宅しましたw

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