新東名の6車線(片側3車線)区間が延長したので走りにいこうと企てました。
もちろん高速だけ走ってもつまらないので、Twitterのフォロワーさんが話題にしていた岳南電車を絡めて走ってきました。

ルートはこちら
出発は4:30ごろ。
行きは新東名で帰りは東名かな、ということで、まずは御殿場から新東名へ。
最低気温は7度か8度の予報でしたが、標高が上がるともちろん下がってしまいます。
寒い寒いと言っていたら、足柄超えでついにメーターの外気温計が0度に・・・
速度を上げると酷く冷えるので、80km/h巡航!

幸い御殿場JCTを過ぎてからは太陽もあがり、気温は5度くらいまで回復。
6:00の御殿場は富士山が朝日に照らされてオレンジに染まります。
富士の頭は冠雪していますが、まだチョロチョロといった感じ。

駿河湾の海岸線も日の出でオレンジ色。
水平線までよく見えます。

6車線(片側3車線)化工事が済んだところは、ご覧の通りこれまで路肩扱いにしてつぶしていた幅を再舗装。
車線のど真ん中に舗装の継ぎ目があるのはバイク的にイヤンな感じですが、渋滞したり前が詰まるよりはよほどいいですね!!

120km/h試行区間ではないものの、将来的な速度UPを見越して速度標識も二段付け。
新東名を走ったことのある人ならみんなわかると思いますが、この道路は120km/hどころか140km/hくらいで走っても十分快適。
何十年も前の法律にあわせて100km/h上限ってのはあまりに前時代的なので、ガンガン規制緩和していってほしいですねえ。

藤枝岡部〜島田金谷まではまだ工事が終わっていません。
とはいえ、残る区間も年度内の共用開始を予定しているだけあって、トンネルや平坦部はかなりできあがっていました。
舗装や白線だけでなく、看板や照明なんかもしっかり移設工事されています。

だーっと走って浜松SA、時間は7:30を過ぎたあたり。
今週もスカッと晴れていい天気です。
凝り固まった体をほぐしつつ、ホットコーヒーで一息。
給油もここで済ませます。

岳南電車を絡めるには富士市まで戻らねばなりませんが、タッチアンドゴーもつまんないので、ループ走行にならないための精算も兼ねて一度下に寄り道。
浜松いなさJCTまで新東名をちょっと走り、南へ転進。

そのまま三ヶ日JCTまでいって、東名を少しだけ東へ戻り、最初のICである三ヶ日ICで下道へ。

目的はそう、タイトルのとおり浜名湖。
県道310号線から国道301号線へ入り、湖畔を走ります。
時間は8:00を回って、冬装備ならあたたかいと感じるくらいの気温に。
ぐるりと回って南側。
新幹線の見えるコンビニでパンを買ってカロリー補給。
しかし新幹線の走行音は静かですね。
空気抵抗も少なければレールの継ぎ目もないので、ものすごくジェントルな通過です。

ぐるりと回って東側まで。
人によってはお休みを増やして4連休ということもあり、ヨットハーバーやキャンプ場も賑わっていました。

浜名湖を半周したら、浜松西ICから東名高速へ復帰。
東へ戻ります。

ちょくちょく暖を取るためにコーヒーを飲んでしまったのでトイレが近い!
日本平PAでトイレ休憩を挟んで進みます。

天竜川、大井川、安倍川と大きな川を越えて、最後に富士川を越えたら富士ICで下道へ。

やってきました岳南電車の拠点駅、吉原駅。
しかしここの駅前、バイクを止められる駐車場がない。
小規模なコインパーキングや駅前駐車場もありますが、どれも2輪は禁止なんですよね。

路駐しても・・・という気持ちはちょっとありますが(もちろん駐禁じゃない道路にね)、今回はちょっと離れたところにある砂山公園に停めることにします。
ここは海を望む防波堤に沿うように作られた公園。
近くに田子の浦港もあるので、港に出入りする船もよく見えます。

海に向かってパノラマ。
左手には伊豆半島と、ぐるっと回り込むような駿河湾。
右側は松原で有名な三保や日本坂の海に落ち込む崖も見えます。

富士市なのでもちろん富士山もくっきり。
これから乗る岳南電車は「全駅から富士山が見える」のもウリのようで、当然ここからも眺望できます。

駅までは1km弱。
てくてくと歩いて移動します。

途中、ちょうど徒歩ルート上にあった鈴川の富士塚へも立ち寄ってみます。
ここは富士山へ登山する際、海抜0mから標高3376mまでキッチリ登るためのコースの起点にもなっているらしい。
古くは富士の登山にいく人々の禊の場になったとかなってないとか。
ノーチェックでしたがいいスポットを発見できました。

ちょっとした遊歩道のような参道の真ん中に鎮座する富士塚。
この塚そのものはただの展望スペースのように見えますが・・・

富士山に正面を向けて作られています。
こうやって「親子富士」として見てねとのことw
思いっきり望遠で圧縮効果つかって撮ると面白そう。

塚の上からひと拝み。
来年は山開きできるんでしょうか・・・?

さて、戻ってきました吉原駅。
南側から連絡通路を通って、岳南電車の駅舎がある北口へ。

こちらの大きくて長いホームはJR用。
天下の東海道本線であるぞよ。

岳南電車は駐車場の脇の小道に入って・・・

こちらのこじんまりした駅舎。
入り口がわかりにくいですが、ほとんどの乗客はJRからの乗り換え。
JR駅構内と跨線橋で直接つながっています。

ホームは1面2線。
鉄骨で組まれていて見通しが良く、涼しげな風景ですね。

過去、岳南電車の駅や沿線を舞台にした映像作品が紹介されていました。

終点の車止めには見慣れた容器も。
この容器、つい先週軽井沢で見た気がする・・・!
なんでここにw

有人駅である吉原駅では窓口で切符が買えます。
無人駅だとバスのように整理券をとって降りる駅の駅員さんや運転手さんに精算してもらいます。
切符は厚紙で作られた、いわゆる硬券。
1日パスなんかもありますが、せっかくなので買いましょう。

裏面にも印字。
終点である岳南江尾まで往復します。

出発待ちの車窓から一枚。
全駅から見えるだけあって、のっけから富士山大写し。
うまいこと窓の真ん中に駅名標と富士山が重なってくれました。

車窓はこんな感じ。
基本的に単線、車両も単行〜2両編成のローカルな列車です。
9駅を20分ほど、各駅停車で結びます。
吉原の周辺は港があることもあって工場立地が多く、プラントや旧市街の間を縫うように走っていくのが特徴的。
この車窓にも、線路を飛び越すように工場設備が横切っています。
あっというまに岳南江尾、乗ってきたのは右側の緑色です。
列車は30分に1本ということで、列車で全部回るのはちょっと時間を食いすぎる。
乗ってきた電車の折り返しにそのまま乗って、吉原に戻ります。

折り返しまでのわずかな時間で何枚か写真をパシャリ。
岳南江尾駅は無人駅なので、乗る時は手ぶらです。
右奥に見える高架線は新幹線ですね。

駅舎自体はこじんまりしています。
岳南電車は元々、町外れの駅から中心街を結ぶかたわら、沿線にある製紙工場や自動車部品工場を結ぶ貨物輸送を主としていました。
しかし2012年に貨物列車が廃止された結果、ある種「おまけ」であった旅客輸送のみが残ってしまい、公的支援によってなんとか採算を維持しています。
そういう経緯があるからか、単に需要なのか、なんとなく退廃的な空気がいいですね。

さて、行って帰って吉原駅。
再び公園まで徒歩で戻り、バイクに跨ります。
列車で途中下車しなかったかわりに、バイクでいくつか駅を巡ることに。
全部紹介するとキリがないので割愛しますが、まず外せないのは岳南富士岡駅。
基本無人駅ですが、近隣にある高校生の利用が多いので通学時間帯のみ有人。
写真を撮ってる時も十数人ほど高校生が出入りしていました。

岳南富士岡駅を紹介したい理由はこれ。
かつて岳南鉄道の主力業務であった貨物輸送に活躍した機関車が展示保管されています。

駅構内から撮れば機関車の向こうに富士山も望めます。
こちらの2両、状態はまぁ・・・という感じ。
雨晒しだから仕方ないですね。

こっちはまだ業務用に使うこともあるようで、多少綺麗。
電気機関車の側面に大きなガラス窓があるのって珍しいですね。

奥には製紙工場からの輸送で一番活躍した有蓋車も。
今貨物列車はほとんどコンテナかタンクで、もう貨車として見るより払い下げの倉庫としてみる機会のほうが多いですよね。
2軸車両自体もかなり珍しい気がします。

もう一箇所は、終点である岳南江尾駅・・・の脇にあるこの踏切。
さっき電車で来た時に奥に見えた新幹線の高架下にあります。

これの何が珍しいかというと、バッテンの上についている丸いの。
踏切の警報音を、電子音でなく、昔ながらの物理的な鐘で鳴らしている「電鈴式」の踏切です。

動作するとこんな感じ。
「カンカンカン」だか「チンチンチン」だか、乾いた音がレトロでよい・・・。
車両が京王の払下げ改造だったりというのもあって、刺さる人には刺さる感じの沿線風景ですね。
他にも、ファミレスの駐車場を通らないと入れない本吉原駅とか、巨大工場の名前を冠しているのに1日100人も使っていない駅とか、個性的で面白い駅がたくさんあるので、興味のある方はぜひ探訪してくださいね!
と、そんな感じで高速半分、鉄道半分、ずっと富士山を横目に見ていたツーリングでした。
最後に撮影スポットで富士と新幹線を絡めておしまい。
駿河湾沼津SAのスマートICから新東名に乗り、そのまま帰宅です。

距離的にはほとんど高速でしたが、距離は666.1km

ODOは20765kmになりました。

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