5日の土曜日は晴れ予報を覆す急な雨。
おとなしく自宅で充電日とし、6日はガッツリ走ろう!
ということで房総半島にいってきました。

行き先は伊豆か浜松か・・・と考えて、結局前の夜は決めきれずに眠りにおちたのですが、朝起きてみると前日の雨が乾き切っておらず、気温もいまいち。
こんな状況で遠出するのは楽しみよりつらみがおおいぞ!ということで、房総に足を向けたのでした。

出発は遅めの7:30、それでも気温は3〜5度くらいで、さすが12月。
とはいえ、下道の速度域であればNinja1000SXの優秀なカウルが風をいなしてくれるので寒さはかなりマシ。
しっかり着込んでいれば震えるというほどではありません。
順調に国道16号から国道297号へ入り、まずは房総半島を横断します。

時計が8:30を回る頃になると、さすがに空も青くなってきました。
ウエットとドライが50:50だった路面も、ドライ80くらいまで回復。

大多喜のあたりで9:00を周り、ちょっと小腹がすいたので朝食にします。
某パン屋さん系コンビニでピザトーストと甘いコーヒーを補給。
うまい!

国道297号とはここで分かれて、国道465号へ乗り換え、さらに東へ。
今日の計画はタイトルの通り、いすみ鉄道〜小湊鉄道を辿るルートです。
東から順に沿線を辿り、西に向かって走るべく、まずは東端の大原駅へ。

と、その前に、せっかく房総半島を横断したので、太平洋を拝んでおくことにします。
大原漁港の高台から港を見下ろして一息。
ではスタート地点に向かいましょう!

港から程近く、塩田川の河口付近に大原駅はあります。
JRの外房線と連絡するため、駅舎の主役はJR。
外房線も充分にローカル線ですが、そこはさすがJRといった風格。

対するいすみ鉄道の駅は、おとなりのこちら。
こじんまりして可愛い駅舎です。
元々はこちらも国鉄ですけどね。

いすみ鉄道は、他の房総半島のローカル列車の例に漏れず、度重なる存続危機に直面しています。
そのたび、社長を公募したり新たな手を打って生き残りを図ってきましたが、その一環がこのいすみ鉄道カラーの自販機で、沿線のあちこちで見かけます。
売り上げの数%がいすみ鉄道の収入になるのだとか。
休憩時のコーヒーはできるだけこの色の自販機で買おうかな。

大原駅のホームはシンプルな1面2線。
南側は完全に行き止まりの構造になっていて、JRの線路に近い1番線の北側に連絡線があります。
駅を出たらすぐに単線。

そうそう、今日はバイクで駅巡りをするので列車には乗らないつもりですが、せっかく駅を楽しませてもらうんだから鉄道会社にもちゃんとお金を払わなきゃいけません。
そうでないとタダ乗りになっちゃいますからね。(乗ってないけどタダ乗り・・・?)
本当は駅ごとに入場券を買うということになるのですが、無人駅が多く、お金を払う手段がない!
ということで、とりあえずフリー乗車券を購入。
これだと何回でも乗り降りできるので、駅への入出場もフリーパスです。

さて、大原駅の次は西大原駅・・・ですが、さすがに数が数だし、なーんにもない駅も多く、全駅を紹介するわけにはいかず。
全駅立ち寄って写真を撮って回りましたが、見どころのある駅だけかいつまんでご紹介します。
西大原の次、上総東駅は開けたところにある見通しのいい駅です。

この駅の見所は、構内踏切のすぐ脇にある信号機。
普通、鉄道の(道路もそうか)信号機って高いところについているのが当たり前なので、目線の高さにあるのって新鮮ですね。
信号が切り替わる「音」すら聞くことができるこの位置は貴重。

よっぽどでないと撮影できないであろう、ど正面至近距離のショットも撮影し放題です。
もちろん列車が接近してる時にここに立ってると運行に支障するので、列車がいない時にしましょう。

お次は新田野駅。
国道から見ると、ちょっとした倉庫にしか見えませんが、生垣の脇からホームに入るとごらんの風景。
田園地帯につーんと伸びたまっすぐな線路が美しいですね。
ここで列車の往来を見るのは雰囲気がありそうです。
利用者の多い路線では絶対にゆるされない歪み放題のレールも茶目っ気があっていいですね。

その次は国吉駅。
ここは商工会館と駅が同じ建物を共用しているため、綺麗で立派な駅舎で、売店も併設されています。

国吉駅には、久留里線で使われていたキハ30が動態保存されています。
この日も元気にアイドリングしていました。
外吊式のドアや前面強化改造のプレートが印象的。

次の上総中川駅は・・・
せっかくの立派な一枚板の駅名板が無造作に立てかけられていました。
すごく綺麗な状態に見えるので、何かのトラブルで外れたのかな・・・?

城見ヶ丘駅を挟んで、その次は大多喜駅。
いすみ鉄道の本社所在駅だけあって、さすがに作りが立派!
大多喜城の城下なので、お城のイメージの駅施設です。

正面には大多喜町の観光協会も。
お土産販売やレンタサイクルの貸し出しなども行っていて、地域観光の拠点になっています。

駅のすぐ脇には大手門。
こちらは歴史的建造物とか復元とか関係なく、昭和末期に建築された観光用のもの。

一応「大手門」と名がついていますが、本来の大多喜城の大手門は駅の反対側です。

大多喜駅はいすみ鉄道の拠点駅だけあって、車庫や整備施設、側線もたくさん。
ちょうど側線で「急行そと房」のヘッドマークをつけたキハ52が待機していました。
この急行、曜日や天気によって名前が変わるという面白要素もあり。

小谷松駅をはさんで、東総元駅。
ここは桜の模様の小窓が特徴的な待合室を持ちます。
駅自体は平凡な1面1線の通過駅ですが、ちょっとした意匠が印象に残ります。

久ヶ原・総元と進み、西畑駅も待合室の丸窓がかわいい。
京都の源光庵リスペクトかな?

駅自体は大きくカーブし、こじんまりとしています。
レールの継ぎ目の「カックン」具合がなかなかに小気味よく揺れそう。

つづいては上総中野駅。
ここで駅の雰囲気がガラッと変わります。
それもそのはず、この駅はいすみ鉄道の終点にして、同時に小湊鉄道の終点でもあります。
両鉄道の結節点というわけで、ここから先は小湊鉄道沿線になります。
小湊鉄道の成り立ちには国鉄は絡まず、純然たる私鉄。
現在はアクアラインを通る路線などバス事業が主体になっています。

ホームは真ん中の島と駅舎側にそれぞれ。
手前の赤錆が浮いている線路が小湊鉄道の線路。
赤錆の理由は、2020年台風14号の影響による部分運休。
隣の養老渓谷駅〜上総中野駅間はバス・タクシーによる代替輸送となっています。

駅舎側から見て、手前の小湊鉄道の線路はここで行き止まり。
島式ホームの手前側には線路がすでに存在せず、奥側のいすみ鉄道の線路もここで行き止まりです。
一番奥の側線でいすみ〜小湊の行き来ができるようになっていますが、直通列車があるわけではありません。
どちらも非電化ローカル線、合併してしまえば・・・と思ってしまうのは素人考えなのかなあ。

不通区間を挟んで、おとなりは養老渓谷駅。
駅前は売店が出たり音楽を流したり、お祭りの様相でした。
元々観光の窓口であるうえ、現在はここが折り返し駅になっているだけあって活気があります。
フリーきっぷが見当たらなかったので、とりあえず養老渓谷から五井駅までの乗車券を購入して鉄道会社にお布施。
小湊鉄道側は有人駅も多いので、構内に入りたい駅で個別に入場券を買っていくことにします。

上総大久保駅をはさみ、月崎駅。
こちらは駅自体は無人駅であるものの・・・

乗車券類の販売が向かいのコンビニに委託されているという珍しい形態。
駅に商店が併設されている構造はよく見ますが、道路挟んで向かいというのはあんまりないかも。

飯給駅を挟んで、今度は里見駅。

ひろーい駅構内は、かつて砂利採集線があった名残。
現在は近隣にある小中一貫校への通学駅として機能しています。
砂利採集線も一部が公開されているとか?

駅構内の側線には貨車も留置展示されています。
放置といったほうが似合う風体ではありますが・・・

無蓋車が2両、有蓋車が1両で、どれも2軸車。
有蓋車はガラス窓の形が物置みたいで面白いですね。

高滝駅・上総久保駅・上総鶴舞駅と続き、上総川間駅。
小湊鉄道の駅は、町おこしの一環なのかどの駅にもイルミネーションが取り付けられています。
それはそれでいい努力だと思うのですが、取り付け方が雑だったりホーム自体が汚れているのもあって、なんかこう、蔦が絡み付いているように見えて逆効果感が・・・。

上総川間駅の脇には、いちはらxアートミックスで作られたスーツケースの壁がそびえています。

アート作品とのことですが、屋外に無造作にスーツケースを埋め込んだ壁があるのはなんかこう・・・
シュールというか、コンクリートの成分も漏出しておどろおどろしい感じ。
形容し難いけど、「わー綺麗だね」とはならないですね。

おとなりは上総牛久駅。
こちらの駅は旧市街中心部でもあり、小湊鉄道バスのターミナルでもあり。
駅前には広い敷地が用意されています。

その一角に、駅を見下ろせる展望スペースが作られていました。
せっかくなので登ってみると・・・

駅構内を一望。
上総牛久駅は折り返し列車も多いので、線路も3本が現役です。
ここから先は信号閉塞も近代的な自動制御、白の見慣れた地上子がポツポツと軌間に並びます。

使われている線路が多いとはいえ、駅構内はオーソドックスな感じ。
ここは夜間滞泊(運行終了後の車庫がわり)車両が多いので、むしろ終電後のほうが賑やかかもしれません。

昭和初期か?と思うような注意書きと警告灯がいい味を出しています。
令和ですよ令和・・・

馬立駅を挟み、お次は光風台。
これまで木造ばかりだった駅舎が急に鉄骨作りになり、駅名もなんだかモダンな感じ。
それもそのはず、ここは光風台団地の開発に伴って新設された駅です。
いわゆるニュータウン的な立ち位置ですね。
とはいえ、開業は1976年と44年前・・・他が古すぎるんですよね。

駅も構内踏切ではなく、リッチに跨線橋。
とはいえ、一本またぐだけなら構内踏切のほうが使いやすくはありますが、人が多いとこちらが安全には違いない。
エレベーターもエスカレーターもないので、大変バリアブルではあります。

ホームには屋根があり、景色も他のいすみ・小湊の駅とは一線を画します。
ここだけ別の路線みたいですね。
ここに国鉄形の単行気動車が滑り込む景色は結構なギャップがありそう。

上総山田・上総三又・海士有木・上総村上と進んでいき、最後は五井駅で終点です。
こちらはJRの内房線との連絡駅。

五井駅は小湊鉄道の拠点。
国鉄標準色の気動車がゴロゴロしていますが、撮影日は2020年。
レトロでノスタルジックな空気が漂います。
車両も屋根上にクーラーが乗っていなくて、架線もないのでスッキリしているのがいいですね。

ということで、とりとめのない感じになりましたがいすみ鉄道14駅、小湊鉄道18駅で、重複駅を差し引いて合計31駅を梯子するツーリングもここでゴールです。
さすがにこれだけたくさん寄り道して、バイクを降りてヘルメットを脱いで・・・また乗って・・・と繰り返すと疲れますw
乗車しての乗り通しは以前に一度やったことがありますが、冬のバイクに乗りづらい季節にまた再訪したいですね。

帰りは湾岸に出て、そのまま国道16号から国道357号に乗り、まっすぐ帰宅です。
フル下道、各駅停車の旅で11.5時間、走行距離はわずか206.3km。
表定速度17.9km/hというスローリーなツーリングでした!

ODOは25586kmになりました。

コメント
コメント一覧 (5)
自分は、バイクで走るだけがツーリングとは考えてなくて、こうして鉄道に乗ったりする旅は賛成派です。
ところで、忍千の風防は純正ですか?
純正でも、それほどの防風効果があるのですか?
風防はメーカーオプションのハイスクリーンです。
完全防備とは行きませんが、防寒能力はかなり高いと思いますよー。
もちろん、アドベンチャースタイルとかメガスポーツとか、上には上がいますがw
ハイスクリーンを装着してるんですね。
メーカー品なら、見た目も違和感なくて良いですね。
実は、こちらのブログにお邪魔し始めたのは、ニンジャ650の購入を検討しているためです。
ニンジャ650のスクリーンは、防風効果が期待出来ないそうですが、やはり交換した方が良いのでしょうか?
ネイキッドとかに比べると当然優秀ですが、大柄のツアラーよりは効果少ない・・・というありきたりな感想になってしまいますが、不思議と不満を感じず純正のまま乗ってました。
体格などにもよりますし、中途半端に肩に風が当たると肩こりにも繋がるので、純正でしばらく乗ってみてから検討した方が良いと思いますね!
情報ありがとうございます。
購入までまだ期間がありますが、参考にさせていただきます。