3月も3週目に入り、やっと気温が安定してきました。
前日は千葉県内のあちこちで冠水が発生するような大雨でしたが、おかげで日曜日は終日晴れ。
距離を伸ばして浜松方面に向かいました。
ルートはこちら
先日の県道59号伊豆横断に味をしめ、今日も県道走破を狙います。
部分部分では走ったことがあるのですが、通しで走ったことがない63号をメインディッシュに据え、帰りに189号も走ってしまう欲張りプラン。
スタートは6:00、東名高速で富士山を横目に走ります。
2月末に見た時より雪が深くなっている気がするけれど、足柄でも5度くらいあって走りやすい。
久々の長距離なので、意識して休憩を多めにとりつつ新東名を進行。
駿河湾沼津SAで体をほぐし、静岡SAでも止まってガソリンを補給。
そのまま浜松浜北ICで高速を降ります。
浜北からは国道152号BPで北へ進みます。
ここで時間は8:30をまわり、空は早くも真っ青です。
春になって感染者も落ち着いたとはいえ、首都圏は緊急事態宣言継続中。
今回は現地での外食も控えることにして、コンビニで軽く軽食をとります。
どっちにしろ山中は立ち寄れる場所がないんですけどね。
152号とはすぐ別れ、国道362号で二俣川沿いに。
谷間をぐるっと回り込むと、太陽が稜線から出たり隠れたり。
362号ともすぐにお別れし、ここから県道63号線がスタート。
・・・正確にはこっちがゴールですが、とにかく全線走ります。
県道に入ったらすぐにセンターラインは消滅。
白いガードレールと沿道の電柱、雑多に生え散らかした杉林。
ザ・日本の山道といった感じですね。
最初の峠に向けて県道283と少しだけ重複する区間を過ぎたら、浜松市を離れて森町に向かうべくひと山越えます。
この峠は交通量も少ないようで、路面は苔むして、枯葉も散りっぱなし。
慣れた地元の車が残したであろう2条の轍だけがオンロードです。
昨日の雨が川になっている箇所もあり、この峠は最徐行。
峠を越えてしばらく降ると、こんどは林道の入り口が右に左にと見えてきます。
林道があるということは当然林業が行われていて、このあたりは杉の木も枝打ちされて手入れが行き届いていますね。
凍結にも落石にも注意とのお達しですが、もう季節的に凍結は問題なさそう。
道はそのままてんてんと、地図に名前の出ていない集落を繋いでいきます。
最初ほどの苔むした道はもうないものの、舗装がぼろぼろだたったり路肩が落ちていたりとハードな道が続きますが、春らしく、あちこちに色とりどりの花が咲いていて気分を盛り上げてくれます。
草木や花は自然のものと思われがちですが、こんなに綺麗な花をつけているのも、他の木々に埋もれずに立っているのも、人の手入れがあればこそ。
春野に抜ける県道389号との分岐をやりすごせば、まもなく三倉川沿いに降ります。
ここで一旦県道56号との重複区間。
わずか750mのランデブーを済ませ、63号はまた山の中に入っていきます。
あがって、さがって、まがって。
引き続き、狭い県道を2速3速ばかり使って走っていきます。
低回転からのトルクを生かしたと吹け上がりはNinja1000系列のエンジンの一番気持ちいいところなので楽しいもんです。
ときおり斜面に現れる茶畑で視界が開けて、「山間部」という文字通りの景色を楽しみます。
こちらの峠は割と通行が多いようで、道はおとなしめ。
とはいえ所詮は静岡内陸の県道、舗装はガタガタで落石は多め。
ゼブラ模様になった木漏れ日がバイザーを乱反射させ、落石を隠すのでタチが悪い。
リアが流れるのは多少仕方ないですが、不意にフロントが流れるとひやっとしますね。
バコン!と大きな音を立てて落石を弾くたび、「ここでパンクしたらレッカー3時間くらい待ちそう」などと考えてしまいます。
平松峠を越えたあたりで、にわかに視界が開たので一時停止。
斜面が切り開かれて谷底まで一面茶畑になっており、絶景スポットになっていました!
山向こうの高台までしっかり見通しが効いて、箱庭感がすごいですね。
この距離感は実物を見ないと伝わらない。
さらに降っていくと、大井川につきあたって、川根の街へ。
久々に「集落」ではなく「街」と言える風景です。
ここで時間は10:30。
今日の計画では、ここでやっと山道は1/3といったところ。
一旦コーヒーブレイクしましょう。
ガソリンは早めに入れたのでまだ大丈夫ですね。
家山駅から川根温泉駅の先まで、しばし道はおだやかな川沿いのルート。
広い大井川の河床に架かる鉄道橋は、大井川鐵道大井川本線の大井川第一橋梁。
「井」の字がゲシュタルト崩壊しそうですね!#####
笹間川ダムの脇で道は大井川を離れ、また山の中へ。
川根本町へは63号をやっつけたあとに周り道してたどり着く予定です。
ダム湖には入浴剤でも入れたかのようなグリーンの水がいっぱい。
今日は風が強いので、湖面の漣がキラキラと輝いていて、まさに宝石のターコイズといった感。
ダム湖の上端を迎え、湖が川になって少しいくと、ここでも綺麗な花が真っ青な空を覆っていました。
ちょっとした広場になっているところに、一株だけ堂々と聳えているのが美しいですね。
ぐぐっとカーブを曲がってきた先、視界一面に淡いピンク色が広がるのは、思わず声が出るほどの景色なんですが、iPhone12のカメラはいまいち桃色に強くないから伝わらないんだなあ。
稜線に目を向けると、まだまだ冬枯れなままの山と土砂が流れて禿げた斜面に、空だけがやたらと青くて安い合成写真のよう。
時間も11時と昼が近くなってきて交通量も増えてきたので、適宜止まって離合する車に道をゆずります。
このあたりは首都圏からも近いですから、あっちのナンバーの車も結構走っていますね。
石上の交差点で笹間川とは別れます。
ここから先はストリートビューの撮影時点では通行止めだった様子。
通れるか半信半疑でしたが、問題なくいけそうです。
最後の1区間、峠道を切り返して上がっていくと県道32号に突き当たります。
藤枝駅、すぐそこかのように書かれていますがここからだと道のりで27kmもあるぞ・・・!
記念すべき0.0kmのキロポストを撮影して、前半戦終了。
ひと山越えるごとに表情の変わる面白い道でしたが、総じて狭くて急で汚れていて最高でした!!
ゴールとみせかけて、ここからもしばし県道32号で似たような道を進みます。
一瞬藤枝市に入り、そのまま静岡市へ。
32号は県道362号につきあたり。
山道は一旦お休みして、ここからは、先ほど別れた大井川鐵道の終点である井川駅に向かって国道を北へ。
国道は、さすが国道。
道に枝がない!落石が脇によけられている!センターラインがばっちりある!
今日これまで32〜33度くらいしかとれていなかったバンクが一気に40度超え。
あくまで山道なのでヘアピンや高低差はありますが、とにかく「危なげない」道です。
快調に走っていくと、千頭駅の対岸に出ました。
千頭駅は大井川鉄道の大井川本線と井川線の結節点。
この駅には以前立ち寄ったので、今日はスルー。
県道77号に乗り換え、さらに北へ向かいます。
この先は、東の大井川沿いに接岨峡温泉、西の寸又川沿いに寸又峡温泉があり、山向こうには口坂本温泉も。
さらに奥大井湖上駅など一大温泉地帯に加えてハイキング・観光資源が多く、交通量も多いです。
山の険しさは先ほどまでの県道63号より数段上なのですが、走りやすさはこっちに軍配があがります。
スイスイと県道を進み、バイパス化された立派な橋やトンネルを進んでいきます。
あっという間に長島ダム。
ここで時間は12時を回りました。
ダムの向こうに見えるのは長島ダム駅に停泊する機関車。
一つ下流のアプトいちしろ駅からここまでは、勾配があまりにも急なので普通の機関車では空回りして坂が登れません。
そのため、歯車付きのアプト式機関車で牽引されるのですが、そのための機関車がここで待機しています。
ちょうど区切りもいいので、ダムの展望所で一息いれます。
ちょうど放流していて、小気味のいい飛沫の音がさわやか。
下の吊り橋まで降りようか、と一歩踏み出しましたが、ブーツで登ってくるのは骨が折れそうだな・・・と日和見しました。
後半戦で山道を走りますからね!
長島ダムから接岨峡温泉を超え、さらに川を遡上すると、今度は井川ダムです。
ここも不自然なくらいのグリーンの水。
太陽は1日で1番高い時間帯ですが、まだカメラに収まる高さということは、夏は遠いですね。
井川ダムの脇には井川駅。
列車の時間とあわなかったので、駅の自販機にお賽銭がてら駅舎にお邪魔して一息いれます。
金谷をスタートし、千頭で小さい車両に乗り換え、途中でアプト式機関車の助けを借りて登ってきた大井川鐵道の終着駅。
そういえば大井川鐵道は何度も訪れているものの、乗り通したことがないなあ。
全線乗り通しで3時間ほどの旅になります。
感染症が落ち着いたら訪れたいですね。
井川駅を離れて後半戦開始。
井川ダムの対岸に渡って県道60号を進みます。
こちらも口坂本から上がってくる観光ルートのため、そこそこ走りやすい道。
適宜待避所も用意されていて、離合もしやすいです。
60号の途中にある富士見峠をスルー・・・しようと思いましたが、あまりにも景色がよかったのでUターンして展望台へ。
夏場は山が全部緑色で、それはそれで美しいんですが、2500m級の山々はこの季節ならではの雪の冠をかぶっています。
他に人がいなければやまびこを試してみたくなるような遠くの山。
この距離で帰ってきたら相当ですね
ちなみに見えている山はこんな感じ。
富士見峠の南で県道60号から県道189号が派生します。
やっとここから2つめの目的ルートを南下開始。
比較的走りやすい気持ちいい道ですが、土砂災害が多くて落石・工事には注意が必要です。
たまに落ちた木の枝が車に踏まれて爆散していたりもするので、油断大敵。
洞門の上に積もりまくった土砂がこのあたりの地層の脆さを物語ります。
海沿いの都市部から井川に上がってくるルートは、この県道189号の他にも、先ほど少し走った60号、東側の27号がありますが、どれも通行止め情報の確認が欠かせません。
道端の沢がこんな状態ですから、道も防護や手入れをしないと同じように巨石で満たされてしまうことでしょう。
楽しいけれど眺望に欠ける峠道は写真を撮る間も無く、走る楽しみを絞り尽くしてあっというまにおしまい。
60号を走り始めてすぐに別れた27号に食われる形で、189号はおしまい。
27号は安倍川を渡って左岸にとりつき、川沿いに南へ降ります。
時間は14時を回りました。
ここからはもうクールダウンです。
川沿いのおだやかな道を南へ南へ走り、そのまま新静岡ICへ。
帰りはまた富士山を眺めながら東名高速。
渋滞が長くなる前にさくっと都心へ向かい、ちょっと寄り道して帰宅です。
距離は今年最長となった622.6km。
出発時間が早くなればもっと足を伸ばせるので、早く暖かくなってほしいですね。
ODOは31375kmになりました。
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