先週に引き続き、静岡〜長野をつなぐ南北の道を走りに行ってきました。
今日は寄り道ウォーキングも込みのルートです!

ルートはこんな感じ。
浜松あたりは日の出直前でも6〜8度の予報だったので、未明から行動開始として、3時前には出発です。
新東名で浜松浜北ICまでワープ。
時間的にもルート的にも24hのスタンドに期待できないので、静岡SAで給油してから進みます。

浜北からは、国道152号。
このルートはいつもはもっぱら縦貫に使っていますが、今日は真ん中までの予定。
日の出直前、5:30に夢の架け橋をくぐって北へ。

途中の秋葉トンネルは、去年7月の大雨の影響でトンネルに甚大な被害を受けてしばらく通行止めでしたが、年末になんとか復旧作業を行い暫定開通しました。
去年9月にこのあたりまで来た時は全面通行止めでしたが、今日はOK。

トンネル内部はこんな感じでアーチ型の支保工が巻き立てられています。
天竜川流域は、大きな災害を受けて道が数年単位で通れなくなるなんてことが珍しくないので、通れる時に通っておかないとですね。

秋葉ダムを越えてどんどん北上します。
秋葉湖のほとりは桜並木になっている場所が多くて、明るくなり始めたら一気に風景に彩りが増します。
夜中の高速弾丸もそれはそれでいいんですけど、こういうのがあってこそ「ツーリング」という感じがしますね!!

赤いアーチの大輪橋を渡ったら、道は左岸へ。
天竜川とはこの先で一旦別れ、152は水窪川沿いへ。

ここから道は一気に狭くなりますが、代わりに落石や落ち葉が少なくなります。
水窪川だって十分に険しい地形なんですが、天竜川は格が違いすぎるんですよね。

水窪の市街地あたりで一旦休憩。
時間は6:00を回り、ずいぶん明るく・・・はなりましたが、まだ日陰。
佐久間ダム建設に伴う付け替えで4駅分だけ水窪川沿いにワープした飯田線としばしランデブーする区間。
川のせせらぎの音と、うぐいすの鳴き声が気持ちいい朝を演出。

山の向こうからやんわりと降り注ぐ朝日と、やや朝靄のかかった空気感が写真に映えるw
ガラスコートのテカテカもあいまってカタログ写真のよう。

水窪を越えてしばらくすると、152号はおなじみの峠道区間に遡ります。
青崩峠と地蔵峠は、152号が開通していない「点線国道」区間。
青崩峠は兵越峠まわりを市道で迂回、地蔵峠は蛇洞林道で越える必要があります。
誇らしげなグリーンの三遠南信道は市道へのアクセス部分だけが開通。

現在供用している右手の草木トンネル、兵越峠に向かってトンネルを作ったはいいものの、その先の地盤がヤバすぎてにっちもさっちもいかなくなり、実質破棄。
改めて左側へ向かって青崩峠の下を抜けるトンネルを建設中であります。
新しいトンネルができるまでは、兵どもが夢のあとという言葉が似合いすぎる高規格なトンネルを抜けて、結局斜面をはいつくばって市道で山を超える必要があります。

市道はこんな感じ。
トンネルの先の高架を降りたら夢から覚めたみたいに一気に雑な道になるのが最高です。

南側の斜面を上る道は、狭いものの割と走りやすく、あっという間に頂へ。
このあたりの伝承に基づく国盗りの綱引きに関連した立て看板がありました。
ここから先は長野県。

南側の峠道は一気につづら折れでボコボコの道を降ります。
いつものスポットでいつものアングルの写真を撮影。
この峠の険しさはこのアングルに映る切り返しの密度と、谷の深さが全てを物語っています。

険しいのは地形だけではなく、気候も。
暖かい予報だったからと早出したらごらんのありさま。
もう春分の日をすぎ、3月も終わろうというのにこの仕打ちはひどいぞ!

峠を谷底近くまで降り立ったら、つながるはずだった残りの国道とこんにちは。
この交差点より向こう、数kmは貫通しないまでも建設されていて、供用されたこともあるのですが、三遠南信道としてトンネルで打ち抜くことが既定路線。
もう普通の国道としては建設せず、行き止まりのまま活用されないことがほぼ決まっているので、実質工事用道路として機能しています。

その峠の脇、谷底には地形改変レベルの大規模な工事が見えます。
あっちが開通したら、こっちの峠はあっというまに交通量がなくなり、そのうち災害で崩落したあとは不通のまま忘れ去られるんだろうなあ。
通るならいまのうち、ですね。

兵越峠を降り切ったら時計は7:00をまわり、まもなく遠山郷。
道の駅遠山郷で休憩を入れます。
空の青色が季節相応になってきましたが、まだ太陽は山向こう、気温も2度。
東西を山に囲まれた地形ならではですね。

水窪に負けず劣らず、道の駅の裏にある遠山川の土手にも桜並木が咲き誇っていました。

花桃や河津桜などなど、見事な花の回廊。
たまたま通過時に川沿いの桜並木が見えたので、それを見るために回り込んで発見しましたが、特に大々的に案内されているわけでもないので、他所から来た観光客は知らないまま去ってしまいそう・・・。
かくいう自分も、10回くらいは訪れている気がしますが初めて知りました。



遠山でカフェインと糖分を補給したら、さらに北へ。
東の稜線から顔を出しつつある太陽が西の斜面を照らします。
谷底はまだ夜と朝の間。

この先すぐ、第二の点線区間である地蔵峠なのですが、ご覧の通りの状況。
林道ですからね。

途中で分岐するしらびそ高原への道も冬季閉鎖中。

ということで、今日は152とのデートはここまでとし、矢筈トンネルで西側に飛びます。

矢筈トンネルも三遠南信道の一部分。
地域の交通的に重要なところが優先的に開通していっているんですね。
ここがあるがゆえ、県道251号線の東半分は通行止めのまま。
トンネルで西側の中腹までスルーしたら、残りの区間だけ緩やかに降っていきます。

走りやすいよく整備された道を切り返してくだっていくと、飯田の町が眼下に広がります。
カーブ注意の看板脇に見えている高いアンテナがNHKの飯田中継所ですね。

久々に再開した天竜川のほとり、国道256号を水神橋のたもとから東へすこしいったところから、県道1号ははじまります。
この県道、名前を「長野県道・愛知県道・静岡県道1号飯田富山佐久間線」といいます。
つまるところ3県にわたって伸びる長大路線ということですね。県道なのに。
延長は92kmもあります。県道なのに。

ということで、ここからは県道1号線にお世話になります。
なかなか「起点」と書かれた標識も珍しい気がしますね。
ここだけ見たら長野県道単独に思える抜け駆けっぷり。
時間は8:30です。

さすが「1号線」だけあって、高規格な道。
正面に見える千泰大橋(ちたいおおはし)も県道1号線のものです。

天竜川を挟んで向こう岸、奥に見える橋は先週走った国道151号線。
見晴らしのいい高巻きのおだやかな道が続きます。

温田駅の脇で南宮大橋を渡ったら右岸へ。

244号線は西へ離れていく国道151号線へ向かって分岐。
1号線はこの先は南にすすみ、街から離れて一気に秘境駅の連続する谷間に向かって進んでいきます。

平岡ダムの作るダム湖を高い位置から見下ろし、等高線を絵に描いたように崖を削った道が続きます。
このあたりは秘境度は高いものの、まだまだ道は綺麗。
センターラインも整備されている場所のほうが多く、スイスイのワインディングロードです。

天龍川は、先ほど北上していた時に並行していた遠山川と合流します。
ここで時間は9:30、矢筈トンネルを抜けて以来2時間ぶりの再開ですが、ここで寄り道を入れます。
国道418号との重複区間に入る交差点で、逆方向へ入っていき、一昨年訪れた十方峡トンネルの新旧分岐地点です。

そこからぐるっと回り込み、遠山川の川岸に口をあけているのが、反対側の坑口です。
同じような扉付きの金網で封鎖されています。

寄り道といっても、何も閉鎖された坑口を見にきたわけではありません。
本日の寄り道メインディッシュはこちら。
「要長橋」と名のついた人道用の吊り橋。

この吊り橋は元々の飯田線の旧線があった場所に架かっているので、先程の旧十方峡トンネルを出た先、ちょうど正面に位置します。
鉄道橋は位置が低かったために、ダム建設によって水位が上昇する川の影響を受けすぎるため新線に切り替えられました。
当然人道橋もその高さに架ければ流されてしまうので、スロープを介して嵩上げの上で架けられています。

トンネルから出て、写真右手が要長橋へのアプローチスロープ。
このいやに広い土地は、飯田線が新線に切り替わったあとにトンネルを道路用に使っていた際の待合場所でもありますが、旧線時代は遠山口という駅が存在しました。
トンネルを出て駅、そして橋だったんですね。
ちなみに道路時代はトンネルは使ったものの、遠山川を渡らず、川沿いに東へ向かうルートでした。

ちなみに現用線はすぐそこ。少し西側の高い位置に。
こう見ると、ルート変更がしたいのではなく、単純に出口を高くしたかっただけなんだなというのがよくわかります。
ちょうど中部天竜行きの列車の通過時刻だったので、タイミングをあわせて撮影。
人道橋の向こうにちらっと見えているのは・・・

そう、向こう岸にトンネルが残っているんです。
ということで、旧十方峡トンネルから要長橋を渡って、その先に残る要津第一トンネル・要津第二トンネルまで歩いてみました。
要津第一トンネルは人道橋へのスロープをかねて、南側の坑口に向かって土砂が盛られています。
廃線歩きをしばし楽しんだあとは、県道1号線行脚に復帰。
国道との重複区間、天竜川橋は橋台が完成となり、河川内を排水して橋脚を建設していました。

橋のすぐ先で国道と分岐しますが、国道は大規模な崩落により通行止め。
県道は幸いにも全通していて、くねくねと川沿いを進む道が延々続きます。
落石多し、枯れ枝多し、ダンプ多しで退屈する暇はなし。

時間は10:30を回りました。
さすがに西側斜面だと、しっかりと直射日光が差し込みます。
一面の桜並木や梅林もいいですが、緑の中にちらほらと見えるピンク色も美しいですね。

やがて道は愛知県に入ります。
ここから佐久間ダム直下までは、川が県境。
向こう岸が静岡県、こちら側が愛知県。

何度も通っているルートですが、道の状況はこんな感じ。
岩肌剥き出し、落石覆いのネットから「散らかって」しまった小石や枝が散乱し、木漏れ日でチラチラ。
場所によっては舗装もボコボコで沢水も流れています。
高低差以外は全部過酷。

県道426との分岐地点は、別れるほうが県道1号。間違わないように左折。

現地で知ったのですが、県道1号、6月末まで佐太トンネル補修工事のため日曜日を除いて通行止め。
なぜか「本日通れます」となっていて助かりましたが、「まわり道64.6km」って流石に泣く。

ぶっこわれたガードレールが放置されていたり、落石覆いがぐちゃぐちゃになっていたりする道を楽しみつつ南へ。
ダンプを避ける時に落ち葉の上に乗ることが多いのですが、路肩にどかした落石が下に潜んでいることが多くて怖い怖い。

最後に佐久間ダムへ至る水浸しのトンネルを連続して越えたら、ダムの堤体上を渡って静岡県へ。
その先で国道473号と重複して「新々原田橋」をわたって西へ進路を向けます。
天竜川とは分かれて、大千瀬川沿いに走っていきます。

浦川駅のあたりで国道と分かれたら、並行する川は相川へ。
ここでも沿道の桜並木がお出迎え。
日本人は本当に桜が好きだなあ。

奈根川との合流地点あたりで、県道は唐突に9号に覆い被せられ、行き場を失います。

「起点」の看板ではじまった長い長い県道もここで終了。
左奥から来たあの道が1号線の終点です。

ここからは9号に、とさっくりいきたいところですが、せっかくなのでちょっとだけはみ出た部分も堪能。
この部分数百mだけ愛知県なんですよね。
9号線は正式名称を「静岡県道・愛知県道9号天竜東栄線」といい、こちらが終点にあたります。
接続先は奇遇ながら151号。

9号線は1号線と同じように連続するカーブが楽しい道。
平面線形は似ていますが、いくつか小さい峠を越えていくため、高低差がつく区間も結構あります。
反面、やはり天竜川沿いからは離れているので、路面状況は穏やか。
いくつもの3桁県道と繋がって分かれて、ジグザグと刻みながら海の方へ向かっていきます。
県道296に至っては「分離して再合流して重複区間を経てまた別れる」という絡み具合。仲良しか。

やや不気味感のある大地野トンネルが唯一の隧道。
山は正攻法で峠越えをして進む道です。

山越え、街、山越え、街。
この繰り返しは国道152号に近いものがあるかも。
総延長37.7kmのそれほど長くない道ですが、バイクのコントロールの練習にいいですね。
生活の主要道路になっていて通り慣れている車が多いのか、後ろについた瞬間に道を譲ってくれる車がたくさんいて最高でした。

あっというまに終点が近づきます。
浜松へは国道152号への乗り換え前提。

最後に下阿多古の街並みをゆるやかに抜けてクールダウンラップ。
時間は12:30、腹減ったな・・・

県道1号を塗りつぶして始まった県道9号は、国道152号に塗りつぶされておしまい。
Wikipediaの記事にもありますが、帰宅してから調べたところ、県道9号は元々152号の格下げなんですね。
図らずしも新国道で行き、旧国道で戻ってきたことに。道の歴史は面白い。

浜北でガソリンを補給したら、早々に高速へ。
途中の道の駅が人多すぎだったりオープン前だったりしたので調達できなかった土産を買い込み、ついでに食事も摂るべく最初のPAである遠州森町PAへ。

ざるとろ蕎麦(ざるとろ「ろ」じゃないんだ)とうなぎ丼をかっこんで、そのまま無休憩で帰宅です。

気温的に早朝発は完全に失敗でしたが、帰宅してから明るいうちにメンテをしっかりできたのは怪我の功名。
今日の走行距離は2/3が高速なものの、なんだかんだガッツリ走って766.8kmとなりました。

ODOは33002kmになりました。

コメント
コメント一覧 (2)
凄い距離走ってますね
ワタクシまだ子供が学生な為、ガッツリツーリングはまだ先です。
ワタクシの2019モデルはまだ1万キロ程度です。
「遠州森町PA」はキレイだし、食事処もちゃんとしていていいですよね!
★遅くなりましたがワタクシのブログでもリンクさせていだだきました
遠州森町の上りは初めて寄りましたが、なかなか満足度高かったですね