またちょっと感染者が増え始めてしまいましたね。
人の多いところへの移動は避けたいので、どこか閑散としたところ・・・と探して、行ってまいりました。

ルートはこんな感じ。
粕尾峠・細尾峠・いろは坂・戦場ヶ原・金精峠・望郷ライン・土合駅とつなぎました。
天気は万全なものの、朝方はそんなに暖かくない。
先日の-4度と同じ轍はふまんぞ!ということで、ゆったりめの5:00ちょっと前出発。
東北道を栃木ICまで走り、6:00を回ってすっかり明るくなったころに高速を降りて県道32号を西へ。

永野川沿いにゆったりと関東平野の隅っこを走り、山に向かっていきます。
気温は6度とまだ低めですが、直射日光があるので体感はずいぶん暖かいです。

県道は大越路トンネルで峠を潜ります。
ここ、地図上は旧道があるようですが完全に廃道になってしまっている様子。

トンネルの先で県道15号に突き当たったら、左折して思川沿いに進んでいきます。
峠一本はさんだ道は、雰囲気がそっくりさんです。

粕尾・上粕尾と登っていき、目前に迫る粕尾峠を越えます。

峠に入ったら道は一気に豹変。
ざらざらの舗装がややこわい峠道を走りぐいぐいと高度を稼ぎます。
峠道は地図で見てお分かりのようにヘアピンのオンパレード。
カーブの数は粕尾側から1番で足尾側へ向かって全部で59あり(看板はなぜか58までしかない)、朝の準備運動としてはややハードw

標高は1000mを超えるので、まだまだ上の方は新芽もでておらず冬景色ですね。
落ち葉や枯れ枝に気をつけつつ登っていくと・・・

峠の頂上に到着。
足粕道路竣工記念碑の日付は昭和28年、1953年です。
戦後の道路なんですね。

足尾側の道路は部分的に舗装が綺麗になっている場所が多く、粕尾側よりは走りやすいです。
ただし全部が綺麗な舗装ではないので油断禁物。
エンブレに頼って景色を楽しみつつ、そろそろと下っていきます。

下のつづら折れを見下ろして一枚。
自分のいる路面のガードレール、その下、下の下、下の下の下まで見えます。

舗装が綺麗だったらもっと楽しめるんでしょうけど、パッチワークして遊んでいるのか?というレベルの舗装が頻繁に出てくるのでペースを上げるのはやめておいたほうがいいですね

下り切ったら国道122号にドン。
足尾の町の中心部を対岸に見て北に進んでいきます。

そのまま日足トンネルで日光方面・・・へはいきません。
今日は旧道である細尾峠にアプローチします。
旧道へは、トンネルからカーブ3つ手前の看板にしたがって脇道へ入ります。

細尾峠は昭和53年、1978年に日足トンネルが開通するまでのメインルート。
旧道化して40年以上が経過しているのに通行可能に維持管理されているのは、ここが複数のハイキングルートへのアプローチになっているから。
地質がいいのか交通量が多いのか、現役である粕尾峠よりよほど走りやすい道が続きます。

舗装と線形は走りやすいといっても、やはり交通量の少ない山道。
道路の真ん中には崖からおっこちてきた大きな落石も転がっています。
これ踏んだらホイールごとお釈迦です。

コロコロと転がる枯れ枝も散乱。
これ踏むと足元掬われるんだよなあ・・・

国道から県道を経ず、閉鎖もされずという珍しい道が故のアイテムがたくさん。
古めかしいカーブの看板や・・・

日焼けしすぎて色が反転してしまった国道標識もあります。
もちろんとっくに国道の管理下からは外れているはず。

読めなくなったカーブ看板に被せられた標識を見る限りは細尾生産森林組合が管理しているようなので、扱いとしては林道なのかな?

いくつもの切り返しを右へ左へ、登って下っていくと、やがて現役の国道をオーバーパス。
見よ、これが土木だ!と言ったか言わずか、平滑で美しい舗装とド直線の道路は壮観。

峠も落ち着き、トンネル北側にある新道との合流路をスルーしてもうしばし旧道を走ると奥細尾の町。
ここを抜け切ったら、大谷川の手前で現道に復帰します。

復帰した国道は橋を渡った丁字路で国道120号にぶつかっておしまい。
丁字路を左折して西へ。

この先はそう、言わずと知れた日光いろは坂。
おかしな張り切り方をする若葉マークと黒煙を撒き散らす観光バスをやわやわと追い抜いて峠を駆け上がります。
登り専用となっている第二いろは坂はほぼ全線が2車線となっているので、追い越ししやすいのがいいですね。
こんな状況でもそこそこのペースを維持できます。

峠を上り切ったら、明智平で小休止。
ここで時間は8:30となりました。
気温が本格的にあがりはじめ、目論見通り。
この先はさらに標高が上がって寒いですからね。

明智平からは大谷川を挟んで北側の斜面にある第一いろは坂がよく見えます。
この季節は木が枝だけになっているから余計にくっきり。
道路もすごいんですが、その右側に見える砂防ダムの連続がやべえな・・・

そうそう、明智平の駐車場の東端にはこんな遺構もあります。

この風化したコンクリート階段の正体は、日光ケーブルカーこと東武日光鋼索鉄道線の駅跡。
これまでは明智平パノラマレストハウスという施設と一体化していたため施設内からしか見れなかったのですが、レストハウスが廃業・解体されたのでこうして見やすい場所に。

ごらんの通り、中央がレールで左右の階段が乗降スペース。
もう1970年の廃止から半世紀経ってしまったので面影くらいしかないですね。

ちなみにケーブルカーの反対側は、いろは坂のふもと側、馬返にありました。
こちらの建物があるあたりが駅だったようですが、いろは坂の工事でもう痕跡はないみたい。

明智平からは中禅寺湖方面へ抜け(一方通行だからね)、さらに西へ進んでいきます。

湖畔はすっかり春模様で、このあたりはもう冠雪もありません。

中禅寺湖を抜け、少しあがると戦場ヶ原。
山道のあいまに突如開けた地形はいつ訪れても神秘的なものを感じます。

標高1400mのこの場所に平原があるのはなんでだろう、と調べてみました。
元々火山活動で水が堰き止められてできた湖だった場所に、火山性物質や植物が堆積してできたからなんだとか。
確かに湖として見るとありそうな地形ですね。

で、こちらは現役の湖である湯の湖。
戦場ヶ原と同じく火山活動で水が堰き止められて湖になりました。
なんとこっちも堆積で埋まりつつあるのだとか。
第二戦場ヶ原となるか?と思いきや、こっちは浚渫して湖の状態を維持しているのだとか。
自然を守ってんだか壊してんだかよくわかんないですね・・・

少し進むと上りの峠道が再開します。
湯の湖を見下ろすと、湖畔には所狭しとレジャー施設が。
温泉の硫黄の匂いもぷんぷんと漂っています。
浚渫した理由がなんとなくわかった気がしますね。

さらに峠に向かって登っていくと、山肌に残雪が目立ち始めます。
標高2000m級、国道通過地点でも1843mの高地。
幸いにも気温は7〜10度くらいあるので、寒さは感じません。

トンネルの前後は道路脇にもまだまだ残雪があります。
23日に冬季閉鎖解除されたばかり、と聞くと残雪は少ないほうなのかな。
谷の影になるような区間にはまだ凍結防止剤もかなり濃いめに撒かれていて、朝晩は氷結するんだなと改めて確認。

白根山登山口下の駐車場には、雪捨て場の山がまだ残っていました。
もうだいぶ小さくて、公園の山型滑り台くらいのサイズ。

斜面の吹き溜まりのところで1.5mくらいの高さでした。
プチ雪の壁。

もうほとんど雪がないから全然暖かいんでしょ?と思いきや、菅沼はガッツリ氷結していました。
水面が透けて見えるくらい薄くなっているとはいえ、まだ氷が解けずに張りっぱなしってのは予想外。
標高2000m、半端ない。

道路はそのまま高規格にぐりんぐりんとカーブを重ねて、丸沼高原方面へ。

さすがに低いところは地肌が見えていますが、上の方はまだ全然スキーできると聞いて驚き。
もちろんこれだけ賑わっているとろに寄り道するのは本望ではなく、スルーして峠を下ります。
時間は9:00をまわり、直射日光の熱がはっきり感じられるくらい暖かくなってきました。

あっというまに標高を下げて片品村へ。
2週間ぶりの訪問、リベンジ完了です。
2/20に河津桜を見に伊豆に行ってから2ヶ月、片品では今まさに桜が満開。
品種の差、地域の差があるのはもちろんですが、日帰りの範囲内でもこんなに長く桜を見れるんですね。

国道120号を白沢まで降りてきたら、生枝川久保の交差点で右折。

広域農道の利根沼田望郷ラインに入ります。

望郷ラインはその名の通り郷を望むような眺望がウリ。
今日は北半分だけの走行ですが、全部走ると南東から北西へ、沼田市中心部を囲んで半周ぐるっと回るルートになります。

広域農道の例に漏れず、道は広く穏やかで走りやすい。
朝からキツイ峠を走って、雪の中を抜けてきたので、この春めいたゆったり走行は癒しです。

もちろん農道ですから、沿道では農業が盛ん。
さくらんぼ農場のハウスの中にもバッチリ花が咲いていました。

池田トンネルを抜けたところで望郷ラインとは別れ、県道265号へ。

癒しの道、からの試される道。
いいぜ・・・やってやるよ・・・

と、息巻くほどではなく。
一般的にいう山道ではあるものの、路面はスムーズで高低差もそれほどなく、気持ちのいい道です。

6速のエンブレが心地の良い振動を奏でる中、上牧の集落を通り抜け、利根川沿いへ降りていきます。

あちらに見えるは谷川岳かな?1977m、当然白い。

利根川沿いに左岸をしばらく走ります。
水上峡のあたりではホテルが上越線の線路を飲み込んでいました。
すごい構造ですよね。一瞬駅かと思った・・・

こちらは廃業した奥利根館の廃墟。
鬼怒川もそうでしたが、廃墟は温泉街名物って感じですね。

そのままさらに走り平地に突然現れたトンネル・・・ではなくスノーシェッドを抜けます。
こうやって上に何もないところにスノーシェッドを設けなければいけないということは、それだけの豪雪地帯だということですね。

シェッドを抜けると満開の桜並木がお出迎え。
ここはすごく気持ちのいい景色でした。
何か施設があるってわけではないのですが、平場沿いにしっかり等間隔に手入れされた桜。
おそらくこの場所何かの跡地なんでしょうね。

桜並木の向こう、最後の目的地はこの廃墟

ではもちろんなく、その奥に見切れてしまったモグラ駅こと土合駅です。
到着は11:30、ペースは予定通り、上々です。
駅舎は特徴的な三角屋根、駅前の駐車場は砂利敷き・・・なんですが、あきらかに岩だろってサイズのがゴロついてるので注意です。

駅舎内は外観のまま、三角屋根が吹き抜けになっていて明るく涼しい雰囲気。
ハイキング気分が盛り上がりますね。
無人駅ですが、かつて有人駅だったころの設備が残っています。

さて、タイトルにもあり、駅入口にも掲げられた「日本一のモグラ駅」という称号。
詳しい人には言うまでもなくですが、なぜモグラ駅かと言うと・・・。

秘密は長岡方面いき、下り線ホームにあります。

駅の入り口から下り線のホームまでがこんなことになっちゃってるからモグラ駅なんですね!
JRの構内図でも分裂してしまっている。
階段は5段ずつに踊り場が設けられていますが、かえってそれがテンポを崩すんで降りづらくのぼりづらい。
改札から70.7mの地下奥深くまで潜ってモグラになりました。

ホーム照明は明るく煌々としていて、むしろ無人駅にしては明るい印象です。
都内郊外の駅でも節電で暗いところいっぱいありますからね。
不思議な形のホームになっているのは、写真右側が旧ホームで中央が新ホームだから。
待避線を廃止してその上にかぶせる形で新ホームを作り、旧ホームに待合室と物置、トイレが残ります。

新ホーム端から見ると廃止された待避線と旧ホームがよくわかります。

下りはまぁいいものの、登りは普通につらいですね。
「がんばってください」の注釈が煽られているみたいでやだなあw

ちなみに、上り線高崎・上野方面へは改札入ってすぐに反対側に進みます。

行き止まりで外に出て・・・

ちょっとはずれた位置にありますが、オーソドックスな地平ホームです。
元々あったのはこっちのホームだけで、行き違い設備もありましたが、その頃上越線は単線。
上下別の複線にする際に、雪害の影響を受けず高低差もないトンネルにしたがゆえ、あっちのホームがあんなことに。
ちなみに「下り線が地下に潜っている」という表現は正しくなく、下り線のトンネルのほうが勾配がなくまっすぐなんです。
「上り線が山に登っている」んですよね。そう、こんな風にしてまで70m分の高度を稼いでいます。

下り線が地下に新設されたので、使っているホームは片側だけ。
奥の線路は行き止まりの留置線です。
ここだけ見るとなんてことないローカル駅なんですけどねえ。

さて、さすがに足がガクガクなので、ちょっと休憩。
駅内にカフェ「駅茶 mogura」があるので、アイスコーヒーをテイクアウト(ToGo)します。
本当は中で飲みたかったけど、ちょっとご時世的にw

地上に這い出てコーヒードリップを待ってたら時間はもう12:30です。
真っ青な空にアイスコーヒーがうまい!

そして飲み終わってからロゴに気づいたのでした。迂闊。

土合駅をあとにし、少し国道を戻って、今度は水上駅。
水上町の玄関口となるターミナル駅です。

土合で買えなかった(買わなくていいよと言われた)入場券をここで購入。
Suicaに入場券機能が付与されたのでそっちのほうが10円安いのですが、情緒的に券売機で購入。

ホーム屋根まで赤い三角で統一された、欧風のモダンな駅舎です。
上屋の骨組みは廃レールですね。

現在あるのは駅舎側の1番線と、跨線橋を渡った先の2・3番線。
かつて機関車牽引の客車列車はこの先の谷川岳に挑む勾配をクリアするため補機(補助機関車)が必要で、水上駅と石打駅で増解結を行っていたので、機関区や機回し線もありました。

跨線橋は列車が来ない時は閉鎖されているみたい。

当時物の駅名標が跨線橋に取り付けられていてそそります。

駅を出てやや北に進むと広場があり、そこにはSLが展示されています。
先述の機関区の跡地です。

展示されているのはD51 745で、いわゆるデゴイチってやつですね。
綺麗に整えられ、人工芝の敷かれた展示スペースはかなりいい雰囲気。
冬場は雪積もって大変でしょうけど。

D51はデカい機関車なので迫力がありますね。
でかすぎて全景収めるのが大変。あってよかった広角カメラ。

機関区としては跡地ですが、水上線では今もD51 498やC61 20を使ったSL列車が運行されていて、そのための転車台は現役です。

脇にはピットもしっかりと。
結構な観光資産なんですが、運転日でないと周囲に人っ子ひとりいないのが悲しいですね・・・

さて、駅前散策していたら時間は13:30。
気温が20度近くあり、猛烈にざるそばが食いたかったですが、県境越えて外食するのもなあ・・・ということで、お土産ついでに名物生どら焼きをテイクアウト。
SLみながらモシャモシャと食べて、帰路につきます。

帰りは水上ICから関越道。
さくっと明るいうちに帰宅し、メンテナンスもOKです。
峠も山ほど走ったし、階段もクソほど上りましたが、距離はそこそこに502.3kmでした。

ODOは35888kmとなりました。

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