祝、関東梅雨明け!
明けて早々週末は真夏日x2の予報。
ひとまず土曜日は東北方面に足を伸ばしてきました。
ルートはこんな感じ
猛暑の中を走ると体力が奪われるので、極力涼しい時間を有効活用すべく、出発は3:00。
東北道をひたすら北上し、朝焼けを見つつの走行です。
福島JCTで東北中央道に入り、更に西へ。
早くも時計は6:00、音楽を聴きながらクルコンで快適走行3時間でした。
空模様はやや薄曇りですが、このあとは快晴になる予報。
ながーい栗子トンネルを抜けたら山形県。
こちら側の空は真っ青、ギャップがすごいですね。
米沢八幡原ICで下道に降り、330km、おおよそ3時間半ぶりに地面に足をつきます。
まずはガソリンを満タンにして、乗ってきた東北中央道と並走する国道13号をやや東に戻ります。
県道376号に折れたら、一気に山道。
キラキラ光る木漏れ日が美しいおだやかな道を南へ抜けていきます。
森を抜けたら、道は崖にはりつくように変化。
この道は水窪ダムのダム湖である、「豊穣の湖」の湖畔を走る道。
同じ名前のダムは静岡にもありますが、あちらは水窪川、こちらは刈安川のダムです。
対岸から眺める水窪ダムには静かに風がそよいでいて、朝の風が気持ちいいです。
湖は釣りのメッカになっているらしく、冬場は穴釣りもできるんだとか。
ダムから駆け降りると、道は羽黒川にぶつかります。
ここからは県道232号となり、奥羽本線と絡みつつ東へ向かいます。
途中で現れるこの尾崎坂踏切、なんの変哲もない踏切に見えますが、珍しいのはその通過する車両。
奥羽本線はミニ新幹線である山形新幹線が乗り入れているため、「新幹線の通る踏切」なんです。
フル規格の新幹線は法的制約から踏切を設けることができないため、ミニ新幹線ならではですね。
県道は更に川沿いに、森の中を抜けていきます。
綺麗に間伐・枝打ちされた右の杉と、自然そのままの左の杉の対比がよいですね。
道がやや開けて、大沢の集落に入ります。
東北四国の山間集落にありがちな、建物の半分くらいが廃墟な街並みです。
集落の奥の方、門柱のある携帯基地局の脇に大沢駅への入り口があります。
ここを右折して入っていき、橋を渡った先の丁字路を左へいくと大沢駅の駅前広場。
駅の構造は先日訪れた奥羽本線板谷峠区間の2駅と同じで、スイッチバックの旧構造が残った不思議な構造です。
看板に描かれた「スノーセェット」という単語もなかなかに不思議。
一般的には「スノーシェッド(Snow-Shed)」と書く、雪覆いのことですね。
この看板の見取り図は南が上になっています。
旧ホームと旧線あと、使われていない頭端部はすっかり夏草に飲まれていましたが、人が通る分だけしっかり草刈りされています。
歩いて一番端までいくと、入り口の丁字路を右に曲がった先と繋がっていました。
旧ホーム上にある旧駅名標はもはや文字の判読が不可能なレベル。
目を凝らしてじーっとみれば、ギリギリ「おおさわ」の文字が見えるような見えないような。
旧ホームから新ホームへ歩いて向かうには、枕木を使った簡素な渡り板で旧線をまたいでいきます。
こちら側には現役のホッパー貨車が留置されています。
通路の脇には砂利置き場と、SL時代の給水塔の遺構と思しき煉瓦の構造物もありました。
今はお昼ですが、夜は真っ暗。
利用者のほとんどいない秘境の駅なので、夜間の照明は旅客が自分で点灯させる必要があります。
旧線沿いにてくてく歩いていくと、スノーセェットが見えてきました。
ゆるやかに右に曲がった屋根の中を歩きます。
猿がいるのか、大きな鳥なのか、たまに屋根の上から大きな音が聞こえてきてびっくりしました。
一番奥までくると、新ホームのお目見えです。
左奥の2本が本線、手前の1本が保線車両用に残っている旧ホームに向かうスイッチバック線、歩いてきた通路はスイッチバック線の1本をつぶして作られています。
ホーム上から振り返って眺めると構造がよくわかりますね。
真夏の朝、外はジリジリと日差しが照り付け、気温は早くも25度を超えていますが、スノーセェットの中はひんやり涼しい。
待合室は米沢方面行きホーム上に設置されています。
屋根の中に屋根のある建物、ちょっと不思議ですよね。
こじんまりした待合室の内部は暖かな木の壁。
山形県山間部の冬場を考えると、この待合室の暖かさはありがたいだろうなあ。
列車の発着を1本、新幹線の通過を1本見送ったら、次の目的地へ行くべく県道を更に東へ。
ここから先は目立った集落もなく、ほぼ林道といったところ。
舗装路といえば舗装路だし、未舗装といえば未舗装なガレた山道を走っていきます。
峠の頂上部、「分水嶺」の立て札のあたりには風力発電の風車がそびえていました。
伐採されているおかげで空が広い!
時間は8:00を過ぎ、標高755mでもかなり暑い。
峠から少し降ると、県道にはゲートが現れます。
今走ってきたこのゲートの西側はかなりひどい道でしたが、ここから東側はずいぶんマシな道。
このゲートまで東側からやってきて南へ折れる道は、峠駅とその先の滑川温泉へアクセスできるため、そこそこ需要がありますからね。
峠駅は去年来たので、今日はスルーして更に東へ。
相変わらず細い峠道ですが、舗装がマトモでガードレールもしっかりしているので印象が全然違いますね。
そのままやや走ると、右手に大きな屋根が見えてきます。
道は屋根にめり込むように反対側に渡って下ります。
その屋根の正体は、スノーセェット再び。
天井にある赤いガーター橋がさきほどの道です。
この設備は同じく奥羽本線板谷駅のもの。
例に漏れずスイッチバックの旧ホームが廃止された構造の駅です。
広場には旧駅舎も残っていますが、表側の入り口は完全に埋められていますね。
前回の訪問とあわせて、奥羽本線の板谷峠区間は全駅訪問完了となりました。
もっとも、あくまで駅は駅なので、鉄道でもちゃんと訪れたいものです。
駅前には道路も線路も走れる陸軌車が留置されていました。
なかなか間近で見れないので、嬉しい展示物です。
タイヤがスタッドレスのままなのが、さすが山形。
旧ホームは開放されていて、同じように草むら。
撤去されずに残っている架線柱が物悲しいです。
駅名標はこちらのほうがペンキの残留があるものの、サビが深いようで文字は完全に判別不可。
大沢駅は貨車でしたが、板谷駅にはラッセルディーゼルカーが留置されていました。
片方は雪を押しのけるスノープラウ。
反対側は雪を集めて吹き飛ばすロータリーヘッドでした。
くたびれているように見えますが、可動部はしっかりメンテナンスされていますね。
こちらも新ホームに向かって歩くには、旧線沿いに屋根の下を進みます。
こちらの屋根は新ホームまで繋がっておらず、一部吹きさらし。
向こうに見えるのが新ホームです。
右の建物はトイレで、左の建物が待合室。
こちらはちゃんと屋根が屋根として機能していますね。
待合室はこちらが少しだけ広いです。
同じく木の壁ですが、こちらのほうが質もいいですね。
利用者が多いんだろうなという印象。
上野方面行きホームへはこの待合室の中を通り抜けないと入ることができません。
正確にはホームに直接上がれる階段はあるものの、閉鎖されています。
防犯上の理由なのかな?
ホームは同じような雰囲気。
駅のどまんなかに分岐器があるのは面白いですね。
新幹線を入れる時に標準軌(レール同士の幅が広い規格)に引き直しているはずなので、単にスイッチバック時代の名残というわけでもなさそう。
こちらの駅も振り返って撮影。
本線の勾配と、旧線が水平であることもわかりやすいですね。
そして新駅名標。
米沢方面へ走ればさきほどスキップしてきた峠駅、上野方面へ走れば庭坂駅ですが・・・何かを隠すように上貼りされています。
何を隠そう、元々は去年10月に訪れた駅のひとつ、赤岩駅が表示されていました。
しかし赤岩駅は今年の3月12日のダイヤ改正で正式に廃止となって閉鎖されてしまったんですよね。
すでに何年も休止中でしたが、まさかあれが最後の年だったとは。
現在は駅設備は完全に閉鎖、順次撤去されているようです・・・。
板谷駅から先、少し走ると県道は終点となって国道13号に合流し、県境を跨いで福島に入ります。
ここで奥羽本線とはお別れし、国道で東へ抜けます。
時間は9:00になろうかというところ、気温表示は30度を超えてきました。
国道沿いには古いドライブインやお土産屋の廃墟が目立ちます。
高速道路網が発達して都心からの所要時間が短くなったこと、24時間安心して利用できるコンビニが増えたことで、全国どこでも旧幹線国道沿いはこんな風景が見られますよね。
国道のトンネルで山を越え大笹生側に出たら、市街地に降りる前に広域農道にそれて南へ向かいます。
夏草が左右からもこもことせり出す気持ちのいい農道を走り抜けます。
今日は朝から高速道路を数時間走り続けたあとにひどい道を抜けてきたので、ギャップによる癒しが半端ない。
やはり広域農道は最高。
山を降りると福島市の盆地の西端、松川を越える奥松川橋からは吾妻山がよく見えます。
山頂ががっつり街頭とかぶってしまって台無しw
広域農道は県道70号と交差、ここで西へ進路をとります。
まもなく見えてくるのは高湯温泉の旅館街。
硫黄の香りが盛んに鼻をつきます。
温泉街を抜ける道は、おなじみ磐梯吾妻スカイライン。
その名前の通り空に向かって登り始めます。
右へ左へ切り返して登っていくと、有名な平原を貫く道。
ここは駐停車禁止なのと、ヘアピンが連続しているおかげでいつもゆっくり写真を撮れないのですが、今日は工事中で片側交互通行となっていて停車する大義名分を得ましたw
さすがに下車するわけにはいかないのでアングルが狙えなかったのと、オレンジの工事看板がやや惜しい。
晴天に恵まれて、浄土平レストハウスは盛況の様子。
感染症拡大防止もあるので外様は立ち寄りを遠慮し、スルー。
時計は10時。
抜けるような青い空にもこもことした白い雲。
緑の濃さが春先とは全然違いますね。
標高1622mの最高点でも気温は20度を越えていました。
今日はメッシュジャケットの下は半袖でも問題なし、文句なしのツーリング日和です。
クネクネと道を楽しみながら下りに入ります。
この時間に都市圏に向かう方向に走る人はほとんどおらず、前走車にも2台くらいしか追いつきませんでしたし、追いつかれたのはバイクの1台だけ。
止まって写真を撮ったりカーブで大袈裟にバンクをとってみたり、好きなペースで走れると道の楽しさは120%です。
下りきって、次は磐梯吾妻レークラインに向かいたい・・・のですが、赤湯温泉から南は路肩崩壊により通行止め。
一度東の土湯方面に抜けてから、国道115号で迂回します。
迂回路の国道も豪雪地帯ならでは、豪奢なスノーシェッドとトンネルで守られています。
トンネル内の冷えた空気がメッシュごしに汗を飛ばして気持ちいい!
迂回完了。
あらためてレークラインへ!
レークラインは、毎度来るたびに思いますが湖が見えないw
しかし毎年通いたくなるくらい楽しい道です。
秋元湖・小野川湖とつないでいき、桧原湖へ。
レークラインは舗装がとてもいいので、コーナリングがとにかく気持ちいい。
アップダウンがあり、ヘアピンの多いスカイラインよりもゆったり空気を楽しみながら走り抜けるのに向いています。
小野川湖畔まで降りてきたら、レークラインはおしまい。
小休止を入れて、ゴールドラインへ向かいます。
時間は11時前とあって、かなり暑くなってきました。
西の上空には雲ひとつなく、影も短くなって容赦がない。
こまめに水分補給しながら走らないと熱中症まっしぐらですね。
裏磐梯のリゾート地は盛況のようで、コンビニも満車で立ち寄りは見送り。
木陰の綺麗におちる国道を抜けて、南西へ。
バッグにペットボトルの水を多めに忍ばせておいてよかった。
首都圏からやってきたであろう家族連れはちょうど到着してお昼という頃合いかな。
八方台の駐車場も登山客でみっちり。
すさまじい混雑ですが、混雑とは逆方向に走っているためこちら側の走行はスイスイ。
インカット気味に曲がってくる運転慣れしていないファミリーカーを警戒しつつ、気持ちよく流してあっという間にゴールドラインも終了です。
ゴールドラインを走り切ったら、ひとまず猪苗代湖の湖畔へ向かうべく南へ。
田んぼの稲が青青としていて、まるでフェルトのテーブルのよう。
今まさにぐるっと回り込んできた磐梯山を横目に見ながら走ります。
ここから数日は全国的に晴れ予報、空気が乾いて暖かいので、飛行機雲もできたそばから消えていきます。
湖畔近くは空気も綺麗で見通しがいい。
湖をぐるっと回って諏訪峠を抜けて帰路に入るつもりでしたが、これだけ空気が綺麗なら5月に上がった御霊櫃峠のリベンジができそうだぞ。
ということで、県道9号経由で峠へ上がります。
毎度通るたびに思いますが、この取水塔の赤い帽子は絵になるなあ。
大沢川沿いの道へ左折したら、正面の峠に向かってまっすぐ登ります。
前回発見できなかった林道の起点標識も、今回は逆方向からアプローチしたので発見できました。
こっち向いてカーブの内側に置かれてたら視線から外れてしまうのも無理ないな・・・
峠への道は狭くてタイトですが、夏草が茂っているとなおのこと有効幅が狭い。
対向車をやりすごすために左半身が草まみれになったりしつつ、えっちらおっちら登っていきます。
そして、景色ドーン!
見てくださいこの前回との違い。
前回は早朝だったし仕方ない面もありますが、今日はベスコンですね。
撮影アングルが違うのは、クソ暑過ぎててっぺんまで登ることをあきらめて駐車場脇から撮影したからです・・・
さて、御霊櫃峠のリベンジも終わったら、ぼちぼち帰る時間。
時計は12:30を指そうかというところ。
もちろん日暮れまでには時間がありますが、灼熱の中東北道の渋滞にハマる趣味はありませんからね。
おとなしくガソリンだけ入れて、最短距離の東北道で帰りましょう、ということで、郡山南ICから東北道。
行き330km、帰り250kmほど高速だったので距離の数値ほど走った感じはしませんが、駅探訪もしたのでまぁよし。
今日の走行距離は771.6kmでした。
ODOは43115kmになりました。
明けて早々週末は真夏日x2の予報。
ひとまず土曜日は東北方面に足を伸ばしてきました。
ルートはこんな感じ
猛暑の中を走ると体力が奪われるので、極力涼しい時間を有効活用すべく、出発は3:00。
東北道をひたすら北上し、朝焼けを見つつの走行です。
福島JCTで東北中央道に入り、更に西へ。
早くも時計は6:00、音楽を聴きながらクルコンで快適走行3時間でした。
空模様はやや薄曇りですが、このあとは快晴になる予報。
ながーい栗子トンネルを抜けたら山形県。
こちら側の空は真っ青、ギャップがすごいですね。
米沢八幡原ICで下道に降り、330km、おおよそ3時間半ぶりに地面に足をつきます。
まずはガソリンを満タンにして、乗ってきた東北中央道と並走する国道13号をやや東に戻ります。
県道376号に折れたら、一気に山道。
キラキラ光る木漏れ日が美しいおだやかな道を南へ抜けていきます。
森を抜けたら、道は崖にはりつくように変化。
この道は水窪ダムのダム湖である、「豊穣の湖」の湖畔を走る道。
同じ名前のダムは静岡にもありますが、あちらは水窪川、こちらは刈安川のダムです。
対岸から眺める水窪ダムには静かに風がそよいでいて、朝の風が気持ちいいです。
湖は釣りのメッカになっているらしく、冬場は穴釣りもできるんだとか。
ダムから駆け降りると、道は羽黒川にぶつかります。
ここからは県道232号となり、奥羽本線と絡みつつ東へ向かいます。
途中で現れるこの尾崎坂踏切、なんの変哲もない踏切に見えますが、珍しいのはその通過する車両。
奥羽本線はミニ新幹線である山形新幹線が乗り入れているため、「新幹線の通る踏切」なんです。
フル規格の新幹線は法的制約から踏切を設けることができないため、ミニ新幹線ならではですね。
県道は更に川沿いに、森の中を抜けていきます。
綺麗に間伐・枝打ちされた右の杉と、自然そのままの左の杉の対比がよいですね。
道がやや開けて、大沢の集落に入ります。
東北四国の山間集落にありがちな、建物の半分くらいが廃墟な街並みです。
集落の奥の方、門柱のある携帯基地局の脇に大沢駅への入り口があります。
ここを右折して入っていき、橋を渡った先の丁字路を左へいくと大沢駅の駅前広場。
駅の構造は先日訪れた奥羽本線板谷峠区間の2駅と同じで、スイッチバックの旧構造が残った不思議な構造です。
看板に描かれた「スノーセェット」という単語もなかなかに不思議。
一般的には「スノーシェッド(Snow-Shed)」と書く、雪覆いのことですね。
この看板の見取り図は南が上になっています。
旧ホームと旧線あと、使われていない頭端部はすっかり夏草に飲まれていましたが、人が通る分だけしっかり草刈りされています。
歩いて一番端までいくと、入り口の丁字路を右に曲がった先と繋がっていました。
旧ホーム上にある旧駅名標はもはや文字の判読が不可能なレベル。
目を凝らしてじーっとみれば、ギリギリ「おおさわ」の文字が見えるような見えないような。
旧ホームから新ホームへ歩いて向かうには、枕木を使った簡素な渡り板で旧線をまたいでいきます。
こちら側には現役のホッパー貨車が留置されています。
通路の脇には砂利置き場と、SL時代の給水塔の遺構と思しき煉瓦の構造物もありました。
今はお昼ですが、夜は真っ暗。
利用者のほとんどいない秘境の駅なので、夜間の照明は旅客が自分で点灯させる必要があります。
旧線沿いにてくてく歩いていくと、スノーセェットが見えてきました。
ゆるやかに右に曲がった屋根の中を歩きます。
猿がいるのか、大きな鳥なのか、たまに屋根の上から大きな音が聞こえてきてびっくりしました。
一番奥までくると、新ホームのお目見えです。
左奥の2本が本線、手前の1本が保線車両用に残っている旧ホームに向かうスイッチバック線、歩いてきた通路はスイッチバック線の1本をつぶして作られています。
ホーム上から振り返って眺めると構造がよくわかりますね。
真夏の朝、外はジリジリと日差しが照り付け、気温は早くも25度を超えていますが、スノーセェットの中はひんやり涼しい。
待合室は米沢方面行きホーム上に設置されています。
屋根の中に屋根のある建物、ちょっと不思議ですよね。
こじんまりした待合室の内部は暖かな木の壁。
山形県山間部の冬場を考えると、この待合室の暖かさはありがたいだろうなあ。
列車の発着を1本、新幹線の通過を1本見送ったら、次の目的地へ行くべく県道を更に東へ。
ここから先は目立った集落もなく、ほぼ林道といったところ。
舗装路といえば舗装路だし、未舗装といえば未舗装なガレた山道を走っていきます。
峠の頂上部、「分水嶺」の立て札のあたりには風力発電の風車がそびえていました。
伐採されているおかげで空が広い!
時間は8:00を過ぎ、標高755mでもかなり暑い。
峠から少し降ると、県道にはゲートが現れます。
今走ってきたこのゲートの西側はかなりひどい道でしたが、ここから東側はずいぶんマシな道。
このゲートまで東側からやってきて南へ折れる道は、峠駅とその先の滑川温泉へアクセスできるため、そこそこ需要がありますからね。
峠駅は去年来たので、今日はスルーして更に東へ。
相変わらず細い峠道ですが、舗装がマトモでガードレールもしっかりしているので印象が全然違いますね。
そのままやや走ると、右手に大きな屋根が見えてきます。
道は屋根にめり込むように反対側に渡って下ります。
その屋根の正体は、スノーセェット再び。
天井にある赤いガーター橋がさきほどの道です。
この設備は同じく奥羽本線板谷駅のもの。
例に漏れずスイッチバックの旧ホームが廃止された構造の駅です。
広場には旧駅舎も残っていますが、表側の入り口は完全に埋められていますね。
前回の訪問とあわせて、奥羽本線の板谷峠区間は全駅訪問完了となりました。
もっとも、あくまで駅は駅なので、鉄道でもちゃんと訪れたいものです。
駅前には道路も線路も走れる陸軌車が留置されていました。
なかなか間近で見れないので、嬉しい展示物です。
タイヤがスタッドレスのままなのが、さすが山形。
旧ホームは開放されていて、同じように草むら。
撤去されずに残っている架線柱が物悲しいです。
駅名標はこちらのほうがペンキの残留があるものの、サビが深いようで文字は完全に判別不可。
大沢駅は貨車でしたが、板谷駅にはラッセルディーゼルカーが留置されていました。
片方は雪を押しのけるスノープラウ。
反対側は雪を集めて吹き飛ばすロータリーヘッドでした。
くたびれているように見えますが、可動部はしっかりメンテナンスされていますね。
こちらも新ホームに向かって歩くには、旧線沿いに屋根の下を進みます。
こちらの屋根は新ホームまで繋がっておらず、一部吹きさらし。
向こうに見えるのが新ホームです。
右の建物はトイレで、左の建物が待合室。
こちらはちゃんと屋根が屋根として機能していますね。
待合室はこちらが少しだけ広いです。
同じく木の壁ですが、こちらのほうが質もいいですね。
利用者が多いんだろうなという印象。
上野方面行きホームへはこの待合室の中を通り抜けないと入ることができません。
正確にはホームに直接上がれる階段はあるものの、閉鎖されています。
防犯上の理由なのかな?
ホームは同じような雰囲気。
駅のどまんなかに分岐器があるのは面白いですね。
新幹線を入れる時に標準軌(レール同士の幅が広い規格)に引き直しているはずなので、単にスイッチバック時代の名残というわけでもなさそう。
こちらの駅も振り返って撮影。
本線の勾配と、旧線が水平であることもわかりやすいですね。
そして新駅名標。
米沢方面へ走ればさきほどスキップしてきた峠駅、上野方面へ走れば庭坂駅ですが・・・何かを隠すように上貼りされています。
何を隠そう、元々は去年10月に訪れた駅のひとつ、赤岩駅が表示されていました。
しかし赤岩駅は今年の3月12日のダイヤ改正で正式に廃止となって閉鎖されてしまったんですよね。
すでに何年も休止中でしたが、まさかあれが最後の年だったとは。
現在は駅設備は完全に閉鎖、順次撤去されているようです・・・。
板谷駅から先、少し走ると県道は終点となって国道13号に合流し、県境を跨いで福島に入ります。
ここで奥羽本線とはお別れし、国道で東へ抜けます。
時間は9:00になろうかというところ、気温表示は30度を超えてきました。
国道沿いには古いドライブインやお土産屋の廃墟が目立ちます。
高速道路網が発達して都心からの所要時間が短くなったこと、24時間安心して利用できるコンビニが増えたことで、全国どこでも旧幹線国道沿いはこんな風景が見られますよね。
国道のトンネルで山を越え大笹生側に出たら、市街地に降りる前に広域農道にそれて南へ向かいます。
夏草が左右からもこもことせり出す気持ちのいい農道を走り抜けます。
今日は朝から高速道路を数時間走り続けたあとにひどい道を抜けてきたので、ギャップによる癒しが半端ない。
やはり広域農道は最高。
山を降りると福島市の盆地の西端、松川を越える奥松川橋からは吾妻山がよく見えます。
山頂ががっつり街頭とかぶってしまって台無しw
広域農道は県道70号と交差、ここで西へ進路をとります。
まもなく見えてくるのは高湯温泉の旅館街。
硫黄の香りが盛んに鼻をつきます。
温泉街を抜ける道は、おなじみ磐梯吾妻スカイライン。
その名前の通り空に向かって登り始めます。
右へ左へ切り返して登っていくと、有名な平原を貫く道。
ここは駐停車禁止なのと、ヘアピンが連続しているおかげでいつもゆっくり写真を撮れないのですが、今日は工事中で片側交互通行となっていて停車する大義名分を得ましたw
さすがに下車するわけにはいかないのでアングルが狙えなかったのと、オレンジの工事看板がやや惜しい。
晴天に恵まれて、浄土平レストハウスは盛況の様子。
感染症拡大防止もあるので外様は立ち寄りを遠慮し、スルー。
時計は10時。
抜けるような青い空にもこもことした白い雲。
緑の濃さが春先とは全然違いますね。
標高1622mの最高点でも気温は20度を越えていました。
今日はメッシュジャケットの下は半袖でも問題なし、文句なしのツーリング日和です。
クネクネと道を楽しみながら下りに入ります。
この時間に都市圏に向かう方向に走る人はほとんどおらず、前走車にも2台くらいしか追いつきませんでしたし、追いつかれたのはバイクの1台だけ。
止まって写真を撮ったりカーブで大袈裟にバンクをとってみたり、好きなペースで走れると道の楽しさは120%です。
下りきって、次は磐梯吾妻レークラインに向かいたい・・・のですが、赤湯温泉から南は路肩崩壊により通行止め。
一度東の土湯方面に抜けてから、国道115号で迂回します。
迂回路の国道も豪雪地帯ならでは、豪奢なスノーシェッドとトンネルで守られています。
トンネル内の冷えた空気がメッシュごしに汗を飛ばして気持ちいい!
迂回完了。
あらためてレークラインへ!
レークラインは、毎度来るたびに思いますが湖が見えないw
しかし毎年通いたくなるくらい楽しい道です。
秋元湖・小野川湖とつないでいき、桧原湖へ。
レークラインは舗装がとてもいいので、コーナリングがとにかく気持ちいい。
アップダウンがあり、ヘアピンの多いスカイラインよりもゆったり空気を楽しみながら走り抜けるのに向いています。
小野川湖畔まで降りてきたら、レークラインはおしまい。
小休止を入れて、ゴールドラインへ向かいます。
時間は11時前とあって、かなり暑くなってきました。
西の上空には雲ひとつなく、影も短くなって容赦がない。
こまめに水分補給しながら走らないと熱中症まっしぐらですね。
裏磐梯のリゾート地は盛況のようで、コンビニも満車で立ち寄りは見送り。
木陰の綺麗におちる国道を抜けて、南西へ。
バッグにペットボトルの水を多めに忍ばせておいてよかった。
首都圏からやってきたであろう家族連れはちょうど到着してお昼という頃合いかな。
八方台の駐車場も登山客でみっちり。
すさまじい混雑ですが、混雑とは逆方向に走っているためこちら側の走行はスイスイ。
インカット気味に曲がってくる運転慣れしていないファミリーカーを警戒しつつ、気持ちよく流してあっという間にゴールドラインも終了です。
ゴールドラインを走り切ったら、ひとまず猪苗代湖の湖畔へ向かうべく南へ。
田んぼの稲が青青としていて、まるでフェルトのテーブルのよう。
今まさにぐるっと回り込んできた磐梯山を横目に見ながら走ります。
ここから数日は全国的に晴れ予報、空気が乾いて暖かいので、飛行機雲もできたそばから消えていきます。
湖畔近くは空気も綺麗で見通しがいい。
湖をぐるっと回って諏訪峠を抜けて帰路に入るつもりでしたが、これだけ空気が綺麗なら5月に上がった御霊櫃峠のリベンジができそうだぞ。
ということで、県道9号経由で峠へ上がります。
毎度通るたびに思いますが、この取水塔の赤い帽子は絵になるなあ。
大沢川沿いの道へ左折したら、正面の峠に向かってまっすぐ登ります。
前回発見できなかった林道の起点標識も、今回は逆方向からアプローチしたので発見できました。
こっち向いてカーブの内側に置かれてたら視線から外れてしまうのも無理ないな・・・
峠への道は狭くてタイトですが、夏草が茂っているとなおのこと有効幅が狭い。
対向車をやりすごすために左半身が草まみれになったりしつつ、えっちらおっちら登っていきます。
そして、景色ドーン!
見てくださいこの前回との違い。
前回は早朝だったし仕方ない面もありますが、今日はベスコンですね。
撮影アングルが違うのは、クソ暑過ぎててっぺんまで登ることをあきらめて駐車場脇から撮影したからです・・・
さて、御霊櫃峠のリベンジも終わったら、ぼちぼち帰る時間。
時計は12:30を指そうかというところ。
もちろん日暮れまでには時間がありますが、灼熱の中東北道の渋滞にハマる趣味はありませんからね。
おとなしくガソリンだけ入れて、最短距離の東北道で帰りましょう、ということで、郡山南ICから東北道。
行き330km、帰り250kmほど高速だったので距離の数値ほど走った感じはしませんが、駅探訪もしたのでまぁよし。
今日の走行距離は771.6kmでした。
ODOは43115kmになりました。
コメント