9月に入って一気に涼しくなってきた関東近郊。
雪が降るにはまだ早いですが、標高の高い山を楽しく走れなくなるのもあっという間です。
ということで、まだ安心して走れる季節のうちに、今シーズンまだいけていなかった蓼科方面に足を伸ばしがてら、周辺の山道を満喫してきました。

ルートはこんな感じ。
出発は3:30、日の出は5:00過ぎ。
笛吹川を渡るころ、空はうっすら朝焼け。

双葉SAでトイレ休憩を済ませている間に空はすっかり明るくなりました。
今日は曇りのち晴れの予報ですが、晴れるのは昼下がりなので走行中はずっと曇りの見込みです。

小淵沢ICで下道に降り、道の駅こぶちさわでルート確認。
ここからは標高も上がるので、インナーも一枚増やします。

県道484号を経由して八ヶ岳ズームラインに。
八ヶ岳から遠ざかるのでズームアウトですね。

曇天といっても雲は薄くて高い位置にあり、ほころびのような雲の隙間からは空がちらちらと見えます。
一方で山の麓は朝靄が濃くかかっており言い表すのが難しい気候。

八ヶ岳の山裾の気持ちいい道を満喫し、茅野の端をかすめつつ国道152号方面へ。

国道152号線沿いの田園地帯、稲穂は徐々に色づき始めています。
標高が高いだけあってさすがに早いですね。

152号は北山の狭隘な区間を抜けて、白樺湖への登り。
道幅も広くカーブも大回り、路面もなめらかで走りやすい峠道です。
交換したばかりのタイヤの慣らしにもってこいですね。

峠を上り切ったら、人造湖の白樺湖。
ここは標高1400mを超えていますが、雲はまだ上にありますね。
正面に見えているのが蓼科山です。

白樺湖の北端にある小さい湖は「ミニレマン湖」で、スイスフランス国境のレマン湖リスペクトでしょうか。
スワンボート乗り場もありますが、湖というよりは池ですね。
湖畔には公衆トイレとローソンがあり、屋上に展望スペースが用意されていたので登って休憩。
コーヒーブレイクしようと思ったのですが、残念ながらコンビニのオープンは7:00で、15分ほど早すぎました。
時間をつぶしてもよかったのですが、そこまで乾いてもいないので先に進みます。

観光地がすずなりの青看板から蓼科スカイラインを読みとって進みます。

蓼科牧場・白樺高原国際スキー場を抜ける交差点から、蓼科スカイラインのスタートです。
その実態は、林道大河原線・林道唐沢線・林道夢の平線の総称で、蓼科山の北側を東西に横断するルートになります。

林道なのに、国道ばりに立派に奢られた青看板がニクイ。
しかし「冬季通行止め」の表示があったりして、独自色も垣間見えます。

道は基本的に片側1車線が確保されており、すいすいと標高を上げていきます。
主要県道や国道と比べてやや舗装がペラい感じがありますが、スカイラインを名乗るだけあって線形はよし。

北側に抜ける望月方面は通行止めですが、東側に抜ける大河原方面は通行可能。
去年の6月に反対側からアプローチした時に工事通行止めで阻まれたので、2017年以来久方ぶりの走行です。

標高2000mより上を通行するスカイラインはさすがに冷えます。
うっすら太陽の射している西側の斜面でも、気温は10度。
都内平野部の真冬並みの気温ですから、冬装備で来て正解ですね。

何も凍えるために2000mまで上がってきたわけではありません。
遠くに見える山々と、谷間に広がる雲海、朝の薄い青のグラデーションが美しい。
当然空気も美味い!けど虫が多いのでシールドは閉。

頂上付近の廃墟は相変わらず。
別荘は当然眺望の良いところに造成するわけですけど、そこが廃墟化して草木が伸び放題なもんだから、眺望のいいところが全部藪の中って感じで残念極まりないですね。
上半分が消え去った看板は多分「業務用車両以外通行止」の表記。

ここのガソリンスタンドは既に廃業していると思うんですが、妙に綺麗なのが気になります。
奥の倉庫は後年建設されたと思われるので、業務車両用にだけ使ってるのかな?

廃道でおなじみ林道鹿曲川線も相変わらず。
大河原峠のあたりは駐車スペースがいっぱいになるくらいの登山客で賑わっていたので、こっちがわの廃墟っぷりが余計に悲しいですね。
まぁ日本人は長期休暇って文化があまりないですし、高速道路が発達して日帰り圏内が大幅に伸びたこともあって、別荘や温泉旅館やドライブインより、ホテルやキャンプやサービスエリアの方に人が移ったというだけなのかも。

こちら小綺麗な東屋に見えますが、閉鎖された林道内のバス待合所、というなかなかのシロモノ。
つはものどもが・・・

廃道との分岐点を過ぎると、間もなく巨大なパラボラアンテナが目に入ります。
こちらは今年の4月に運用開始したばかりの深宇宙探査用地上局の54mパラボラアンテナです。
近隣には臼田宇宙空間観測所もあり、このあたりは対宇宙アンテナのメッカ。

去年行った野辺山のが45mなので、それよりも直径で9mほど大きなものになります。
ちなみに臼田のがさらに大きく64m。
緊急事態宣言下でなければ見学にも行きたいところですが、今回は見送り。

山を東側に降り始めると、霧の中に突入します。
先程までの済んだ空気が嘘のよう。

写真ではなかなか伝わりづらい霧の濃さ、ヘッドライトの光跡具合でなんとなく伝わるかな?と撮ってみた写真。
伝わるかどうかはわかりませんが、格好はいいですね。

東側の下りは穏やかな道が続き、浅い切り返しをスイスイとエンブレで降って美笹湖に到着。
ここの駐車場で小休止です。

湖畔には遊歩道が整備されていて、ぐるっと回れるようでしたが、残念ながら藪に飲まれていたのでスルー。
東側にあるグラウンドはしっかり整備されていて、少年野球の練習をしてました。

スカイラインを下り切ったら、国道141号に入り進路は南下方向へ。
下り切ったといってもまだ標高728mもあるんですね。

ここで時間は8:00をまわり、一旦ガソリンと水分を補給。
メインディッシュも終わり、この先は復路なので、切り替えていきましょう。

国道をしばらく南下したら、小海駅の脇を抜けて県道124号へ入ります。
南相木川沿いにクネクネと登っていく快走路。

南相木川と相木川の合流地点で県道も124号と2号とが合流。
今日は南に向かう2号に入り、引き続き南相木川を遡っていきます。
もう一方の124号はそのまま東のぶどう峠に向かいますが、通行止めのままですね。

立原高原を馬越峠に向かって登っていきます。
1桁県道ではありますが、そこは所詮郡部の村を抜ける区間。
交通量はそこそこにあるものの、道の程度はお察しです。

やがて川上村に向かって下りに入り、景色が開けてくると、眼下には一面の畑。
ちょうど収穫シーズンを迎えているのか、箱を背負ったトラクターがあくせく働いていました。
路面はおかげで泥まみれでございます。

トラクターと軽トラの隊列に揉まれつつ川上村を抜けると、今度は県道106号。
信州峠を越えた向こう側は610号。
数字の組み合わせが似ているためわかりづらいですが、県またぎで県道番号が変わるのは珍しいですね。

周囲の人家のなさとは裏腹に、県道106号〜県道610号は幅広で走りやすい道。
気持ちよく抜けて降っていき、韮崎方面へ。
途中、地表に生えている青看板を見つけて撮影。
この手の看板って立派な標識柱で頭上に掲げられてるイメージが強いので、目線の高さに存在するとそれだけで違和感がすごいですね。

そんな看板を横目に神戸トンネルを抜けたら・・・

ちょっと脇道にそれ、みずがき湖を回り込みます。
このあたりは猿がウヨウヨしていますね。

お目当てはこちら。塩川ダム展望所です。
左正面が塩川ダム、右正面が鹿鳴峡大橋。
おだやかな水面に反射する二つの大建造物が美しいですね。
県道をそのまま道なりにいけば、橋を渡ってダムの天端を渡るルートで走ることになります。

時間は9:30、開店前のみずがき湖ビジターセンターでコーヒーブレイクをしたら、県道601号で塩川沿いに南へ。
こちらの田んぼも色づき始めてすっかり黄緑色。
作付け時期が違うのか品種が違うのか、ところどころ色が違うのが面白いですね。
しかしこの辺の県道番号、106→610→601ってわかりづらすぎる!

途中、韮崎の河岸段丘の下、塩川の川岸をまーっすぐ貫く農道を通過。
今日はあいにくの曇り空ですが、晴天でこの道をつっきるのはめちゃくちゃ気持ち良さそうですね!
幸い後続車もいなかったので、規制速度ぴったりでクルコンをオンにしてゆったり走行。

その後七里岩に登り、ぐるっと方向転換した先に本日最後の目的地。
ツーレポとしてはここでおしまいですが、最後の寄り道です。
ここから先は好きな人だけ・・・

来ましたるは韮崎市中央公園です。
陸上競技のトラックと芝生のサッカーコートをメインとした運動公園ですね。
とはいえ目的は運動ではなく・・・

でーん。
前に横の七里岩バイパスを通った時に気になっていた電気機関車の静態保存を見に来たのでした。
道路からチラ見えしたのは電気機関車のみですが、後ろに貨車もありますね。
ちょっとくたびれてますが、編成で屋外展示されてるのってすごく珍しいです。

こちらの機関車はEF15形。
後ろに貨車のトラ70000形が3両、最後尾に車掌車のヨ5000形がくっついてます。

これも来てみてはじめて気づいたのですが、植え込み側に通路があります。
これを登ると・・・

貨車の上に上がれるんですね。これはすごく珍しい。
普通展示車は「のぼらないでください」ですからね。

機関車と車掌車は立ち入り禁止ですが、窓越しに中が覗けます。
車掌車の中を見たのって初めてかも。
休憩用の椅子、執務机、手前の丸っこいのは石炭ストーブです。
トキ900形から改造→ヨ3500形(ヨ4041)→ヨ5000形13500番台(ヨ14041)なので2回改造されてる戦中形かな?

ぐるーっと公園の反対側には蒸気機関車もあります。
ローカル線用の小ぶりなタンク機関車ですね。

こちらはC12形。1970年に引退して舞鶴城址公園に保存されていたものを1998年にここに持ってきたよう。
C12 5は1933年製なので88歳!
表面の錆は気になりますが野ざらしだとこんなもんでしょうね・・・

ということで、盛大にツーレポから外れましたが、ミニSL(ライブスチーム)が運行されていたり、なんだか鉄分の濃い公園なのでした。

帰りはさっくりと韮崎ICから中央道。
11:30には高速に乗ったので、当然渋滞も始まる前でスムーズに帰宅。
収穫の泥落としもばっちりで、今日の走行距離は525.6km。

ODOは48682kmになりました。

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