今年も行ってきました只見のダム群。
今年はマスツーリングでいきましょう!と声かけしてもらってたのですが、残念ながら9月末まで緊急事態宣言が延長してお流れムード。
10月頭に天候が悪いと冬季閉鎖までに走りそびれてしまうので、単独行脚をしてきました。

ルートはこちら
出発は4:00ごろ。
温帯低気圧になった台風14号の残骸が土曜日に通過し、関東は台風一過の晴れ・・・なんですが、6時ごろまでは雲の尾が居座る様子。
やや湿り気のある路面の中、東北道を北へ。

上河内SA併設のスマートICから下道へ降りたら、まずは北北西を目指します。
ここで時間は5:30を過ぎ、空は明るく淡いグラデーション。
空気が澄んでて気持ちいい!

早くも刈られた田んぼに朝日のながーい影を落としながら、県道63号を進んでいきます。
塩屋町で国道461号と出会ってクランクを挟み、さらに北へ。

途中、西荒川と東荒川が合流して荒川となる地点を通過。
ここで西荒川を渡り、道は東荒川を遡っていきます。
西荒川にかかる落合橋、主桁にひねりの効いたアーチが美しいですね。珍しい形。

ちょうど時間が6:00をまわって、東荒川ダムに到着。
ダム湖を見下ろす展望スポットで一息いれます。
まだ太陽が低いので東を向くと眩しいですね。

の手前から県道は西に向いて、深い山に入り込んでいきます。
このあたりは台風の影響は薄かったはずですが、雨はしっかり降ったみたいで路面は乾き切らず、ハーフウエット。

峠を越えて日光市側に入ると西向きの斜面で、こちらは日陰。
木漏れ日のまぶしさはマシになりましたが、こっち側は落ち葉が多くてスリッピーですね。
路面もボコボコで危ないので、ゆったりペースで走行です。

おそるおそる峠を越えたら、視界は一気に開けて鬼怒川にあたります。
ここからは国道121号を北へ少し進み、日塩もみじラインへ。

もみじラインの沿道は、まだ紅葉には早いものの、黄色がかった朝日に照らされてキラキラと光って明媚な景色。
ここも元々路面があんまり良くないので、ひきつづきゆっくり走っていきます。
濡れ落ち葉と落石、枯れ枝の区別がつきづらいのが厄介です。

もみじラインは去年12月に無料化されましたが、4月の時点では残っていた料金所も一夏越えて、すっかり撤去が終わっていました。
路面のペイントと再舗装跡だけがその存在を僅かに感じさせます。

もみじラインを抜けたら、国道400号を北西へ。
時計は7:00を過ぎ、空は快晴で夏の日差し。
しかしここは高原地帯、気温は15度を超えません。

国道121号にぶつかったら、そのまま北上していきます。
ようこそ会津高原〜って今年この道何回通ってんだろ・・・。
日帰りで過密にならないツーリングルートだと、どうしても南東北が増えちゃうんですよね。

国道352号との交差点を左折し、進路は西へ。
奥只見の秘境、樹海ラインを擁する国道352号ですが、このあたりは改良も進んだバイパス道のような道が続きます。

白亜のスノーシェッドと青空、そして晩夏の緑のコントラストで目が幸せ。
いくつものスノーシェッドを超えて超えて、道は檜枝岐方面へ。

蕎麦畑も白く綺麗な花を満開に咲かせて彩を添えます。
こんなのどかな田園風景を見ていると、ここが豪雪地帯であることを忘れそうになりますが、道路の反対側にはしっかり防雪柵。
南会津の一帯が豪雪に閉じ込められるまでもう2ヶ月とありません。

伊南川につきあたると、道は川沿いに南西方向を向きます。
書き換えられた距離表記は道の改良が進んでいる証拠です。

奥只見を越える前に、道の駅尾瀬檜枝岐で小休止。
時間は8:00を回って、やや汗ばむくらいには気温が上がってきましたが、ここから標高も上がるのでさらに着込みます。
今シーズン初のダウンジャケット!

檜枝岐の中心部を過ぎたら、一気に道が頼りなくなります。
ついでに中心部のガソリンスタンドが営業していなくてガソリンも心許ない。
計算上だと1〜2Lくらいは余裕があるのですが、山道の燃費は読めませんからね・・・。

いつも休憩に寄る尾瀬の入り口、御池駐車場をスルー。
夜間通行止め、迂回路なしの漢らしさが、さすがの352号。
とはいえ、正直日が暮れてからこの道をすきこのんで走る人なんてそういないと思うんですよね。

やがて只見川の左岸にとりつき、新潟県へ。
ここからが奥只見本番です。

ダムの影響を受けていない上流のあたりは、おだやかな線形。
川の作り出した堆積地形にまっすぐな道が引かれています。

道がにわかに登り始めると、ダム湖の湖畔を高巻きしはじめたシグナル。
左手の崖を削って、右の崖を固めて、わずかな道幅を確保した道が続きます。

この道の遠景は奥只見名物、といっても過言ではないでしょう。
大小いくつもの沢を越えて、山肌に沿うように切り返しながら西へ向かいます。

ずっと湖畔に張り付いて走っているものの、湖側の立木が深くて道からは湖面があまり見えないのも面白いところですね。
東から西に向かうとゆるやかな上り坂なので、見えるのは草木とコンクリートと空だけ。

それだけに、深い沢や木の生えそろっていない法面から覗く湖面の美しさが引き立ちます。
稜線から谷の深さを想像すると、その水量の恐ろしさよ・・・

檜枝岐から1時間ほど走り、時計は9:30。
いつもの休憩スポットで小休止。
涼しいとはいえ、水分はとっておかねばなりません。

そして水分といえばこれ。奥只見名物洗い越し。
これで国道だってんだからやってられません。
前日の雨が沢に流れ込み、雪解けの季節ほどではないですがしっかりと水が流れています。

冷たく澄んだ清流ですが、ガードレールもなしに、数メートル下へ掛け流し状態。
苔も生えていますし、砂も浮いているのでスリップにも注意せねばなりません。

大したことない水量に見えて、V字型に凹んでいて深いので25km/hくらいで通過しても靴は水浸しになります・・・!

スプラッシュマウンテンを楽しんだら、まもなく銀山平。
四輪車はここから先奥只見シルバーラインにアクセスでき、東は奥只見ダム、西は魚沼方面へショートカット。
シルバーラインは2輪車通行禁止なので、ライダーは樹海ラインで枝折峠を越えます。

樹海ラインはこれまでの湖畔道路とちがって沢こそないものの、アップダウンが激しくなります。
銀山平への観光や枝折峠からの登山客もいるので、交通量がやや増えますが、この狭く見通しの悪い道を対向車に注意しながら進むことを考えると、4輪では通りたくないですね。
信じがたいことに、これは国道なんですよね・・・。

路面だけ見れば貧相に感じますが、躯体を見れば「さすが国道」と言わざるを得ません。
そこらの林道や県道だとあっというまに廃道と化してしまいそうな地形を日の丸パワーでねじふせています。
城砦の趣すら感じますね。

スノーシェッドだってこのスケールです。
頭上の山の厚さ、雪の深さを考えると、これだけの設備が必要。
しかしこれでも冬季共用不可なんだから、只見はすごい。

峠の駐車場には車が鈴なりになっていました。
自粛のご時世にあって、登山は数少ないストレスの発散方法でもあります。

とはいえ、ちょっといくらなんでも・・・なんじゃないかなあ。
これぜんぶ登山客の放置駐車ですからね。

峠を越えたら道は魚沼に向けて下り。
眼下の平野へと一気に標高を下げていきます。

雲から顔を出している山は越後駒ヶ岳かな。
幾重にも連なる山の稜線を見て、これを越えようと思った先人たちの正気を疑わざるを得ません。

切り返しを重ねつつ、耳がツンとするレベルで一気に標高を下げ、まもなく大湯。
県境あたりから点滅しっぱなしのガソリン警告灯が心臓によくない。

山を抜けると、あとはゆるやかに山裾の丘を下っていき、小出の街で無事給油。
魚沼産コシヒカリ(だと思う)の稲が頭を垂れて、まさに収穫時期を迎えています。

ゆるめのツーリングだと、このあたりでサクッと関越道に乗って戻ってしまうんでしょうけど、今日はがっつり走りましょう。
関越道をアンダーパスし、そのまま北へ走って国道252号に入ります。

252号は奥只見湖の北側の谷を東西に貫き、会津沼田街道と呼ばれます。
魚沼〜会津の街道はこちらが主要なので、表只見といった感じ。
こちらは奥只見より道幅が広く、トンネルやスノーシェッドが多く作られています。

登りながら捻り込むスノーシェッド。
まるで列車の車窓から後続を見ているような形。
これだけしっかりした道でも、冬季はあえなく通行止めとなり、魚沼〜会津の道路交通は一切遮断されるんだから恐ろしい。

大きく走りやすいカーブやシェッド内のウエットなヘアピンカーブを抜けていくと、県境を超えて只見町に入ります。
豪雪地帯なのですごく標高があるように感じますが、実は863mと諏訪の立石公園より低いんですよね。
意外。

おなじみ田子倉駅跡で水分補給。
廃駅になって久しいですが、建物は綺麗なんですよね。
ここで時間は正午を回り、この先は標高も下げていくのでやっとインナーを1枚脱ぎます。

田子倉駅からは下り。
5速のゆるいエンブレと気持ちのいい振動に任せて下っていくと、田子倉ダムを通り過ぎます。
ダムの少し下流、見通しのいい路肩から眼下に見えるのが只見湖と只見ダム。
深い谷を大きく堰き止め、巨大な田子倉湖をたたえる田子倉ダムと比べて、その逆調整池とも言える只見ダムは箱庭のような端正な全景です。

そのまま坂を下り切ると、背後に聳え立つ田子倉ダムの堤体。
こんなに晴れてるのに霞んで見える迫力がすごい。
あのデカイ壁の満タンスレスレまで水が溜まってるって考えると身震いしますね・・・。

一方振り返ればこちらは只見ダム。
豪雨で橋台が破壊され、不通となっていた万代橋がいつのまにか復活していたので、今日は右岸にわたって回り込んでみました。

只見町の中心部からは国道252号に別れを告げ、会津には回らずに国道289号へ。
東の空には雲ひとつなく、秋らしいよそかぜに揺れる稲穂が眠気を誘います。

この辺りでも収穫を済ませた田んぼがチラホラ見えました。
今日明日と晴れ予報なので、来週にはすっかり茶色になっているかもしれませんね。

南東に向かって国道289を延々と進みます。
途中で飲んだ缶コーヒーが効いてきて、頭はすっきり。

青空の下、光の差し込むポリカのスノーシェルターはテラスみたいでいい雰囲気ですね。
豪雪や地吹雪から身を守るための設備とは思えない・・・。

山を降り、桧沢川沿いにまーっすぐとひろがる田園を抜けて、南会津へ。

ここから先は朝のルートとやや重複。
国道121号で東へ戻ります。

こちらは途中にあった一貫性のない国道標識。
背中を向いて北へ向かう人に案内する標識は121号、352号、400号全ての標識がありますが、南へ向かう案内は121号のみですね。

こちらは先月撮影した背中側。
何か理由があるのかな。

閑話休題、国道400号に進んだあとは、今朝通り抜けてきたもみじラインとの交差点をスルーして、そのまま直進。
青看板からは「日塩有料道路」の表記がしっかりと鉄板を上貼りして消されていました。
もみじラインと書いておけばいいのになーと思っちゃいます。

そのまま400号で千本松まで抜けたら、時間はちょうど15時。
もう1時間早く出てもよかったかも。
帰りは東北道に乗っかってまっすぐ。

今回は出発時にTripのリセットをし忘れたので、前回のツーリング分を減算して走行距離は712.6kmだったっぽい。

ODOは49394kmになりました。

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