BikeBlog [Full Notch !]

関東を拠点にあちこち旅する在住ライダーのツーリングレポート。

交通量の少ない山深い道や交通関係施設、史跡などが好物。

Ninja650(13)
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→Ninja250(17 WTE)
→Ninja1000 SX(20)と乗り継いでいます。




11月末に引き続き、バイクで移動したもののツーリングとは言いきれない変わり種旅行をしてきました。
今回は静岡県中西部のローカル線、天竜浜名湖鉄道天浜線、遠州鉄道鉄道線、大井川鐵道本線、同井川線を乗り通してきました。
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時期はさすがに12月半ば、直前まで気温と睨めっこして、バイクで行動できると判断。
7:00前の出発として、登る朝日とともに首都圏を離れます。
車で出かけてもよかったのですが、条件が許すならバイクのほうが行動力が増えますからね。
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PA/SAに寄ってこまめに時間を調整しつつ、東名を走ります。
時間に余裕があったのと、できるだけ暖かく走行したかったので新東名は使わず、東名で西進。
天気は申し分なく気持ちのいい晴れ模様で、富士山も美しく見えます。
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遠州豊田スマートICで下道に降り、天竜川沿いに北上していきます。
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ここで時間は10:00前、12月にもかかわらずバイクで決行することを選んだとおり、気温は17〜18度まで上がる予報。
この時間に早くも10度を上回り、スクリーンは一番下まで下げて冬の風を楽しみます。
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沿道にはYAMAHAの関連施設も。
このあたりはSUZUKI・YAMAHAのお膝元ですからね。
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ほぼ直線だった天竜川が大きく蛇行をはじめる天竜二俣のあたりで、一気に山に入っていきます。
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到着したるは、天竜浜名湖鉄道の基幹駅である、天竜二俣駅。
駅構内に入る前に、駅に背を向けて通りの向かいを見ると・・・
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機関車公園と銘打たれた小さな公園があり、そこには文字通り機関車が鎮座します。
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この保存車両は、天浜線の前身である国鉄二俣線時代に活躍していたC58型機の389号。
1971年まで活躍した個体です。
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車両の保存状態はやや悪いものの、ホーム状の高台が用意されていて、車内まで入って細部を眺めることができるのは良いですね。
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テンダー車、いわゆる炭水車の足回りまでしっかり見えます。
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SLで軽く時間を調整したら、天浜線の切符を購入。
全線乗り放題のフリー切符と、車両基地見学のチケットです。
フリー切符は1,750円、見学ツアーは350円。鉄道乗車の場合100円引きです。
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駅前にはおもむろに腕木式信号機が生えていたり、保存車が留置してあったりと、観光に力が入っています。
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中でも近年はアニメコンテンツとのコラボレーションに力を入れています。
現在は天竜二俣駅は「第三村駅」として期間限定で改名中。
シン・エヴァンゲリオン劇場版の劇中に登場した、ニアサードインパクト後の逃避先のモデルになったからですね。
後ろに見えている車両はゆるキャンのラッピング車両。賑やかです。
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天竜浜名湖鉄道の本社所在駅なので、駅構内も広大。
終端駅ではなく中間駅なので、双方の列車や折り返し列車がひっきりなしに行き来します。
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駅施設そのものは、1940年の開業当時から残る木造で、その多くが文化財。
太平洋戦争直前の鉄材節約の要求や、天竜地域の豊富な木材資源があるからこその選択ですね。
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駅の東側には当時の二俣機関区、現在の車両基地が隣接します。
見学ツアーでは1日に数回、係の人の案内で基地見学ができます。
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集合時間になると、係の方の説明を聞きながら団体で移動開始。
駅舎から構内踏切を反対側まで渡り、裏道に入っていきます。
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まず見えてくる大きな高架水槽は、SL時代に用いられていた機関車への給水施設。
現在は使われていませんが、これも文化財です。
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車両基地の建物群も、天竜の木をふんだんに使った木造建築。
古い建物ですがよく手入れされていて、歪みや綻びは感じません。
この施設群の多くは現在も現役の事務所として利用されています。
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所狭しと立ち並ぶ、旧市街のような雰囲気の車両基地構内。
このあたりの風景もエヴァの劇中で登場していましたね。 
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今は使われていない施設も文化財として残されています。
こちらは浴場施設で、天井の湯気抜きの風洞が特徴的。
窓から中を見て楽しめるよう、歴代のヘッドマークが展示されていました。
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お隣の洗濯室は現役ばりばり。
戦前の古めかしいペンキ塗りの木造建築の土間に、最新鋭のドラム式洗濯機がw
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今も使われている建物は、中を覗き込んで邪魔をしないように目隠し。
洗濯物の生活感や今年の年号の入った看板が、この施設がまだ現役であることを雄弁に語ります。
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車両基地内でもひときわ大きな建物が、この扇形庫。
読んで字の如く、扇の形をした車庫です。
これも当時の建築物で、現役。
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整然と並ぶ大きな扉はさながら城壁のよう。
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扇形庫があるということは、当然これがあります。
こちらもSL時代から現役の転車台で、毎日しっかり回しています。
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扇形庫脇の建物は鉄道歴史館となっていて、各種資料が展示されています。
45分ほどたっぷりと濃密な見学会、これで250円は安すぎます。
2500円払ってもいいくらい。
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当時の営業用具、車両基地で使っていた旋盤や工具、閉塞タブレットなど目白押し。
戦国武将のゲームに漫才師、アニメーションやVOICEROIDまで、コラボに糸目をつけない姿勢はハングリーですね。
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車両基地見学のあとは、一旦駅の外に出て、駅前の十文字屋さんで食事にします。
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ここの面白メニューは転車台カレー。
転車台をイメージした丸いお皿にカレーが流し込まれ、ライスで車両が形づくられています。
車両全面のプリントはデンプンシートに食品用着色剤でできており、余すことなく可食!
側面の帯はインゲンとにんじん、窓はベーコンです。
見た目だけでなく味も良し!オーソドックスなカレーライスです。
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食事が終わって時間は12:00をまわり、いよいよ天浜線にの・・・りません。
翌日の予定を考えて宿を掛川に確保していたので、ひとまず移動です。
気温が15度を越え、温暖な川沿いをゆったり走っていきます。
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宿のチェックインが15:00からのため、時間をつぶすために遠回り。
県道63号に回ろうかなと思いましたが、あえなく通行止め。
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県道283号でぐるっと南に回りこみます。
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ぽかぽかと気持ちのいい日差しの中をじっくりゆったり走行。
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一旦平地に出て、遠州森を通過して再び山間へ。
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県道399号を北東に進んで、太田川ダムを見渡せる、彩り岬に到着。
かわせみ湖の湖畔に突き出た岬から、ぐるっと周辺を一望できる気持ちのいいスポットです。
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展望台をダム側から見るとごらんの通り。
特徴的なV字型のダム湖のど真ん中、特等席の展望台ですね。
ダムは2008年にできた比較的あたらしい施設で、月に1回内部の見学会も実施しているのだとか。
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ダムで一息ついたら、新東名をアンダーパスして太平洋側へ。
森町・掛川のあたりはやはりお茶が名産、あちこちに茶畑が見えます。
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東名西郷ICの脇道にそれ、畑の間の市道を登っていきます。
もう道路脇にある看板からしていやな予感。
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サミット部に見えてきたのは・・・
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パイプ巻きの小さな隧道、岩谷隧道です。
頭上1.7m、直径おそらく2mしかない狭小隧道。
有名なスポットなので詳細は他の皆様の記事を見ていただくとして、このサイズ感は半端ない・・・!
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トンネルの中もたいがいの酷さですが、トンネルの向こう側の寂れっぷりもなかなかです。
申し訳程度にカーブミラーがありはしますが、そもそも路面どこ?状態。
天下の国道1号線すぐ裏にある風景としてはかなりマッシブですね。
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西側出口付近は溜池の整備工事で大規模にヤードが構築されていて、道幅も見通しもよかったです。
しかしその代わりといってか路面が砂だらけでスリップが怖い・・・!
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ダムとトンネル、ツーリングらしい寄り道を少ししたら、最後の時間調整がてらにお土産を調達しに道の駅掛川に。
ここは国道1号線のPAのように機能していて、駐車場も広くて立派な施設。
時間は14:30、そろそろ宿に向かいましょう。
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掛川駅を走り抜ける列車が程近くに見えるホテルにチェックイン。
荷物を置いてシャワーで汗を流したら、後半戦のスタートです。
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やってきましたるは掛川駅。
新幹線も停車する、東海道本線の駅です。
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その脇、北西側の三角屋根の建物が、天浜線の掛川駅。
先述の通り、かつては国鉄二俣線だったので敷地は隣接していて、乗り換え改札では直接つながっていますが、現在は別会社であるため駅舎は別々。
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列車の本数が少ないのでJRの駅で新幹線を眺めて時間をつぶしたら、太陽も傾き始めた16時前に列車に乗って出発です。
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運良くやってきたのはスローライフトレインこと、1両しかないTH9200。
92は「くじ」で、宝くじの助成金も活用して製造されたイベント用車両。
車内はフィンランドのアパレル企業であるマリメッコの製品で固めた変わり種。
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ワンマンの単行ディーゼルカーにトコトコ揺られて45分、ふたたび天竜二俣駅にやってきました。
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ここで列車交換。
対面に到着した国鉄湘南色イメージの車両で、2駅先の西鹿島へ。
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天浜線を乗り通さず、西鹿島からは遠鉄電車に乗り換えます。
一度ホームを出て切符の買い直し。
時間は16:40、一気に日が落ちてきます。
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列車到着の直前に改札開始で、遠鉄電車のホームへ。
2両編成が基本の単線ローカル路線ですが、12分間隔で次々と列車がやってくる利便性の高い路線です。
それがゆえか、しっかりと黒字運営されているのがすごいですね。
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真っ赤な列車は揺れも少なく、スピードも結構しっかりと出て都会の列車という感じ。
列車に揺られて30分あまりの旅です。
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終点新浜松駅は、JR浜松駅と隣接。
到着する頃にはどっぷり暮れていて、駅前のネオンが輝きます。
浜松からは東海道線で掛川に・・・は戻らず、西へ。
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新所原駅に到着です。
時間は18:00を回りました。
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JR新所原駅の脇に佇むこの小さな建物が、天浜線の西側の終点です。
まさかのうなぎ屋併設駅。
残念ながら営業時間は終わっていました。
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滑り込んできたオリジナルカラーの天浜線車両に乗り込み、三度の天竜二俣駅経由で掛川まで戻ります。
真っ暗な浜名湖のほとりをエンジン音を唸らせながらゆったり走り、1時間と20分。
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全線一度に乗り通してもよかったのですが、若干退屈してしまいますし、車内にトイレもありません。
天竜二俣駅で一旦下車、トイレのついでにコンビニで軽食も買い、外の空気を吸って次の列車を待ちます。
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さながら真夜中のようですが、まだ20時。
駅の照明だけが煌々と点ります。
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昼間あれだけ人でごった返していた天竜二俣も、この時間はすっかり無人。
この閑散具合のほうが「第三村駅」のイメージに近いかもしれませんね。
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秋の虫の声ももう聞こえず、ただただ静寂の中、シンプルな構内踏切の電子音だけを引き連れて次の列車が到着します。
そのまままた45分の乗車で掛川に到着し、ホテル着は21:30。
1日目はこれにておしまい。
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ぐっすり眠って2日目、早めに寝たので目が覚めてしまい、5:30にはチェックアウトです。
雨は降っていないはずですが、夜の冷え込みによってバイクは露でびしょびしょ。
お尻を濡らして行動開始です。
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冒頭に記載したとおり、大井川鐵道に乗るつもりで新金谷駅にやってきました。
千頭方面いき始発の6:18に間に合うように到着しましたが、ご覧の通り。
公式サイトには二輪含めて駐車場ありとの案内でしたが、コインパーキングを利用せよとのこと。
コインパーキングの約款には2輪禁止の項目があったので、停められず。
こういうこともあろうかと、用意していたサブプランに切り替えます。
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朝霧のかかる大井川沿いを遡上し、北へ。
6:30ごろになると空もずいぶん明るくなってきました。
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それにしても大井川の川砂利の量は半端がないですね。
埋まった川底と浚渫された川面の高低差がそれだけで堤防のよう。
上流にいくつもダムがあってなおこの量です。
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サブプランとしてやってきたのはこちら、千頭駅。
大井川鐵道はここを境に本線と井川線に分かれます。
千頭駅には以前訪れており、駅前には道の駅音戯の里があって駐車場が使えることも確認済み。
ここを拠点にすると往復で90分くらい損しますが、仕方ないでしょう。
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今日はここにバイクを置いて、1日乗り通す予定。
本線のみ、井川線のみの1日切符もありますが、全線切符を購入します。
料金は4,900円で2日間有効。
3日間有効で5,900円のパターンもあります。
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大井川鐵道といえば、目玉はこのお尻。
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機関車トーマスをモチーフにした実物SLの改造機ですよね。
この日はEL急行運転日ということでSLの運行は無しですが、SLについては以前しっかりと見学しています
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列車まで時間があるので、駅構内を散策。
SL運転路線ならではの施設として、こちらにも転車台があります。
天竜二俣駅のものは電動化されていましたが、こちらは人力!
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駅の西側は井川線の敷地で、同じ顔の小さな客車が整然と並んでいました。
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やがて新金谷から乗るつもりだった始発列車が千頭に到着。
井川線の普通車はさまざまな地方の払い下げ車両が動態保存を兼ねて運行されています。
今日の運用は、近鉄南大阪線で使われていた特急車両です。
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車内はほぼ当時のまま。
関西出身の自分としては、なかなか童心に帰った気持ち。
修学旅行で吉野山に行ったときに乗ったなあ・・・。
とはいえ、実は同型車はまだ近鉄で現役だったりします。
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朝の低い太陽で川面に影を落としながら、2両編成の各駅停車はゆっくり南下します。
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南側の主要駅である新金谷駅をスルーし、その先の終点金谷駅に到着。
70分あまりの旅です。
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金谷駅はJR東海道線との連絡駅。JRの駅は近代的な作りです。
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そのやや北側に入り口があるのが、今到着した大井川鐵道の駅です。
観光案内所も設置されていますが、まだ閉店中。
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駅の売店で「大井川ふるさと弁当」を購入したら、折り返し乗車。
観光に向かう方向の列車なのでやや乗客は増えましたが、それでもボックス席は1つおきに占拠できる乗車率。
ゆったり朝食をとりながら、ふたたび揺られること70分。
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時間は早くも10:00を回り、千頭駅に戻ってきました。
この先はさらに北を目指し、井川線に乗り込みます。
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井川線は、ダム建設のために中部電力が敷設した運搬用の専用鉄道に端を発します。
こちらは他方の払い下げではなく、自社新製車両。
しかしサイズ感はご覧の通り、トロッコ列車です。
幅1850mmと、下手な乗用車よりスリムな車体ですね。
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後部にこれまた小さなディーゼル機関車をつけ、客車は小さいものが4両編成。
きついカーブで先頭車両が窓から顔を出し、キーキーガタガタと車体を軋ませながら、ゆったりと登っていきます。
ドアは手動、車両間の移動路はなし。1両まるごと貸切状態で進んでいきます。
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工事用鉄道で、その沿線には自動車の通れる道路が存在しない場所の産物だけあって、鉄橋・トンネル・鉄橋の連続。
元々大きくて視界のいい窓は、ほぼ全開にできる仕様となっているのでパノラマの景色を堪能しながら走ります。
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おおむね半分ほど乗車したところで、長時間停車があり、一度車外へ。
その理由はこちら。
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このレール間のギアつきレールは、この専用機関車のためのもの。
井川線開通後に追加で建設された長島ダムを回避迂回するべく、アプトいちしろ〜長島ダム駅間だけ引き直された超急勾配区間を越えるための助っ人です。
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通常の前後車軸各2本の間、前後にギアつきの車輪が付けられていて、そのギアとレール側のギアが噛み合って、滑らずに急勾配を登っていきます。
通常の鉄道の基準である33を優に越える90‰(=9%)の坂を昇り降りするための設備です。
かつて碓氷峠などでも使われていたこの「アプト式」ですが、現存するのは国内でここだけ。
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助っ人機関車を最後尾につなげ、この区間だけ電気の力で坂道を登っていきます。
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車窓から見える長島ダムを水平にして写真を取ると、列車の柱がものすごい斜めにw
これが90‰の勾配ですね。
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長島ダム駅で再び停車し、助っ人は休む間もなくすれ違いの下り列車のブレーキ役を果たします。
この1駅の区間を往復するためだけのプロフェッショナル。
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列車は再びディーゼル機関車に押されて、どんどんと上流へ
あまりに深い谷に架けられた鉄橋は、真下に落とす影が豆粒のように小さくなります。
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今でこそ並行して道路が整備され、さくさくと登っていけるこのルートですが、この線路の建設時には川に浮かべた船を岸からロープを引いて人力で曳航していたというのだからすごい話。
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やがて井川線最上流の井川ダムが見えてきます。
この線路を使って引き上げた資材で作られた巨大なダムです。
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ダムが見えたらまもなく、終点の井川駅です。 
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帰りの列車は20分ほどで出ますが、2時間後の次の列車まで周辺をハイキング。
まずは井川ダムの裏側。
冬場はダム湖の水位を下げていて、知らなければこっちがダムの下流なのかと疑うレベルの低さです。
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ダムの堤体は渡らず、右岸のダム施設脇の駐車場を抜けて・・・
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湖岸の道路を上っていきます。
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間もなく見えるのが、この風景。
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井川駅の先、かつては堂平駅という貨物専用の終着駅がありました。
井川ダムだけでなく、さらに上流の畑薙第一・第二ダムの建設時にも利用された路線ですが、現在は廃線。
その廃線部分を生かして遊歩道として整備したのが、この井川湖畔遊歩道の一部、廃線小路です。
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井川駅からでも20〜30分ほどと、歩きやすい距離の遊歩道。
レールは再現でなく、当時のものがそのまま敷かれていて、転落防止の手すりが整備されています。
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線路脇は歩きやすいように平場になっていて、気持ちいい木漏れ日と湖畔から吹き込む風を楽しみながら歩けます。
両端に駐車場があるので、車やバイクで来た際にも訪れやすいのがいいですね。
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廃線小路自体はものの10分で歩ける距離ながらも、全線にわたって景色がよく、本物のレールが残っていて、トンネルもあるという濃密なスポットです。
終端の堂平駅跡に残る空き地で、ポイントレールの痕跡を最後にレールは途絶えます。
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来た道をゆったり戻り、再びダムへ。
ダム脇には井川展示館も併設されているのですが、残念ながら冬季休業中。
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他に時間をつぶすあてもなく、歩きすぎても帰りの走行リスクが上がってしまうので、早めに駅に戻ってゆっくりすることとします。
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湖畔のベンチと駅構内で1時間ほど時間を潰したら、帰りの列車が入線です。
ここからは千頭まで、また来た道を戻ります。
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車掌さんは駅ごとにあちこちの車両を移動しながら乗務するため、最後尾の運転台は展望席のようなもの。
上流側の2両は暖房付きの客車にもなっています。
往路は観光客も多かったですし、防寒はしっかり(バイク乗りますからね・・・)していたので下流側の非暖房車に乗りましたが、帰りは暖かい車両で。
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アプト式区間で動画を撮影してみました。
車庫の横からラックレールがはじまり、勾配をゆっくり降っていきます。
井川線の建設は1930年代、旅客化も1950年代ですが、長島ダムの付け替え線1990年のもの。
そのためこの区間だけは土木の水準もずいぶん高く、快適な線形ですね。
 



小さなトンネルを連続して進んでいきます。
ギコギコしつつ座席下からの暖かい空気が眠気を誘う・・・
往路でたっぷり楽しんだゆえ、多少眠りこけても損には感じない贅沢。
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そんなこんなで、今日も3度同じ駅にやってきました。
帰りの千頭着は16:30過ぎ。
実に濃密な旅でした・・・が・・・
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ここから4.5時間かけて帰りますとも。冬の夜道を!バイクで!
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ということで、暮れ始めた山中を‪Ninja1000SX‬の優秀なLEDライトに頼りつつ、国道362号で静岡スマートICへ。
明るいのはいいんですが、毎度夜の峠を走るたびにコーナリングランプが欲しくなりますね。
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昨日同様、17時をすぎたら一気に夜の帷が降ります。
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帰りは新東名が事故渋滞、東名が工事渋滞だったので、沼津から下道。
BPや有料道路をつないで首都高に入り、羽田線から帰宅です。
下道が思ったよりスムーズに流れていたので、F1観戦できる時間帯には帰りつけました。
HONDA最終戦でしたね。
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ということで、2日間で1日分の距離しか走っていませんが、一年分くらいのローカル線乗車をやりきってツーリングはおしまい。
距離は669.6kmでした。
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ODOは58562kmになりました。
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