土曜の夜、首都圏は大雨。
これは山へ走りにいくと路面はウエットかなあ・・・と思いきや、降ったのは関東平野だけのよう。
ならばということで、雨の影響のなかった西に足を伸ばしてきました。

ルートはこんな感じ
出発は今日も5:00。
6:00前には日の出を迎え、明るく照らされた富士山を回り込むように東名で西へ。

足柄のあたりではやや霧が出ていましたが、天気予報ではこの先はずっと晴れになるはず。
この時間の足柄でも真冬装備をしていれば凍えることがないのはありがたい。

御殿場で新東名に入ってからは120km/hクルコン固定でひたすら走ります。
全線3車線、交通量も少ないこの時間帯は快速そのもの。

ただでさえ日曜日の早朝はガソリンスタンド確保が難しいのに、今日は山へ入っていくので浜松SAで給油。
下り浜松SAのバイク置き場は謎の縦長スペース指定だったので縦列駐車が慢性化している状態でしたが、改修されていい感じになっていました。
通路挟んで対面にも置き場があるのはいいですね。屋根があるともっといい。

給油を済ませたら浜松いなさICまで走り、国道257号線を走ります。

県境を越えて愛知に入ってすぐ、最初のチェックポイント道の駅 鳳来三河三石に立ち寄ります。
時間はここで8:00、さすが三連休だけあって地元のライダーが続々集まっていました。

コーヒーブレイクとルートの確認をしたら、西に向かう新東名をくぐり、国道をさらに西へ。

本長篠で県道32号に入って北へ折れます。
気温が上がって風が気持ち良くなってきました。

長篠といえば、長篠の戦いが有名ですね。
合戦の時期、5月後半にあわせて行われる「長篠合戦のぼり祭り」の宣伝のぼりがカラフルにはためいています。
去年は中止だったみたいですが、今年はできますかね。

道は谷に沿ってゆるやかに上下左右と蛇行しながら北へ北へ。

斜面に綺麗な梅の花の並木が見えたら・・・

よう来たのん!とお出迎えしてくれるのは、四谷の千枚田です。

斜面に沿って、見渡す限りに続く千枚田。
上から眺める千枚田はあちこちにありますが、下から見上げるほうは珍しい気がしますね。
見上げるアングルだと段差の石垣がよく見えて新鮮!
もちろん、定番の上から見る展望台もありますが、まだ田植えの季節ではないので、田んぼは土色なので今日は下から見ましょう。

稲がないかわりにこの季節ならではの見どころがあります。
それは咲き誇る梅の花。
千枚田の中にもあちこちに梅の花が点在しており、淡い色合いの花が朝日に照らされてキラキラ輝きます。

田んぼの下にもたくさんの梅。
そして賑やかしのカカシたちw

県道はそのまま千枚田の脇から中腹まであがり、田んぼの中央を横断して山の中へ抜けます。
上からのアングルはまた数ヶ月後に訪れて楽しむことにしましょう。

山の中に入った県道は杉林の中をくねくねと走っていきます。
このあたりの道はコンディションもよく、楽しいワインディングロード。

短い四谷トンネルと・・・

長い仏坂トンネルで仏坂を越えたら、設楽へ入ります。

設楽町神田の集落で県道はおしまい。
ここで右折して国道473号に入ります。

国道は御殿川を遡るようにくねくねと進んでいきますが、近いうちに改良されるであろう工事が盛んに行われています。
くねくね道が見れるのもあと数年か、と走っている間に東栄町へ。

国道473は国道151号と重複しつつ東栄町役場を横目に進み、すぐに分離して東へ。

西を振り返ってみると、山間の平地が一面に広がります。
ここで時間は9:30、空は真っ青。

あちこちに咲く梅の花を見ながら少し山の中に入ると・・・

「煮淵」バス停の脇に次の目的地の看板。

やってきましたるは、煮え渕ポットホール。
ポットホールとは、とここに書かずとも画像を読んでいただければわかりますね。

ポットホールがよく見えるように橋が架けられているのですが、残念ながら経年劣化によるコンクリート剥離の危険があるため通行止め。
公式サイトには「この通行止めは、車両の通行を妨げるものではありません」とか記載がありますが、きっと法的な立て付けの話でしょう。
そもそも車両が通行できる橋ではないですからね。

橋の脇に石段があるので、そこから橋のたもとに降ります。
よくみると先代の橋の基礎と思しきコンクリートがありますね。

上流側を眺めると、ありましたポットホール。

ご覧の通り、人工物としか思えない綺麗な円形の穴が岩にぽっかりと空いています。
流れは急ですが、雨上がりではないこの日は水量がなく、ポットホールは澱んでいました。

現地の雰囲気はこんな感じ。
足元にカエル卵やまもりの水溜りができていたので、季節になったら大合唱が聴けそうw
ポットホールをあとにし、そのまま進んで一旦静岡県へ戻ります。
この先、本来は県道429号で北へ向かいたいものの、何年も通行止めでガッツリ廃道化している様子。
自治体の情報だと平成25年冬からなので、2013年ですから、8年半くらいということになります。

ということで迂回路。
廃道化した県道とは天と地の差がある、三遠南信道。
こいつでぐるっと東栄の南部まで戻ります。

カタカナの「フ」の字を歪に描いて東栄に戻り、そのまま国道151で北へ。

先ほど通過した東栄村役場のあたりをクロスして国道151号線をそのまま走ると・・・

豊根村方面へ。
奇しくも去年の3/20日、ぴったり1年前にこの道を走っていますね。

国道151号とは早々に離別し、豊根の中心街へ向かう県道428号線へ折れます。
役場の前を通りすぎ、そのまま大入川沿いに走ると・・・

湖が見えてきます。
この湖は新豊根ダムがつくるみどり湖。
「みどり湖」という名前のつく湖、全国にいくつもあるんでシンプルに新豊根湖でいい気がします。

湖畔をそのまま西に進むと、三叉路に行き着きます
写真の左手からきて、県道428号は左折して中央、つまり北へ向かうことになります。
湖畔沿いの道は右へいきますが、この道が先ほどの煮え渕へつながる県道429号。

通行止めは大入トンネルから先なので、もう少し進みましょう。
行き止まりには奥に見える新豊根ダムがありますが、その前にこちらの取水塔を通過することになります。

新豊根ダムは治水ダムでもありますが、主目的は佐久間ダムと連携して稼働する揚水発電所です。
電気の余力があるときに新豊根ダムに水をあげておき、需要が多い時に使う、いわば「物理エネルギーのバッテリー」としての役割を担います。

ダム本体より、正面に位置するこの取水塔が、メインの給排水を担います。

そのままぐるっと、通行止めの大入トンネル脇まで回り込むとダムのほとりまで。
ダムは残念ながら感染症対策で閉鎖中なので、脇の広場から眺めます。
今度は奥に見えるのが取水塔。

ダム脇で休憩して、時間は10:30。
かなり気温もあがってきましたし、次へいきましょう。
通行止めになっていないほうの県道、429号で北へ。

途中、道路脇に見事な滝を見つけたので停車。
この滝は大立不動滝といい、白糸のように一本の直線で流れ落ちる水と丸い滝壺、折り返しの2段がまたいい味を出しています。

脇には小さなお堂もありましたが、崩落寸前といった感じ・・・

不動滝を越えてまもなく、県道は426号と交差して終点になるので、左折で西へ。

間黒川沿いに広くてゆったりした道が続きます。

三沢で県道74号につきあたるので、そのまま右折してまた北へ進路を向け直します。
県道沿いに立派な桜の木がありました。
もちろん今はまだ枝のみですが、これが満開になったらさぞ美しいだろうなあ。
場所は郵便局のちょっと北。

三沢からは、更に県道74号を走ります。
せっかく気温が上がってきたのですが、それ以上に標高も上がり、気温は2度。
新豊根ダムで500mなかった標高を1,000mまで稼ぐと、雪捨て場にはまだ残雪の塊がありました。
静岡でもこんなに残るもんなんですね。

新野峠で標高は1,060m。
ここで西回りにやってきた国道151号と再合流です。

本来このまま151号を北東へ向かって進みたかったのですが、道路状況はご覧の通り通行止め。
県道447で真北へ抜け、売木から迂回します。

売木への道はなだらかながら、手狭な県道。
バイパスをこれで迂回するとなると、交通量の多い時間帯はすれ違いが大変そうだなー。
などと思っている間に通過。

迂回ついでに、道の駅 南信州うるぎで小休止。
時間は11:30とかなり暖かい時間帯のはずですが、売木は1,000m級の峠に囲まれた800mの立地。
残念ながら気温は4〜5度で、コーヒーはホットを選ばざるを得ません。

道の駅の正面には面白いガソリンスタンドが。
これは経産省の資源エネルギー庁が実証実験している、コンテナ型地上タンク。
通常のガソリンスタンドは防火のために地下タンクが必要ですが、地下タンクはメンテナンス・更新費用が高く、地方のガソリンスタンドがどんどん廃業してしまう要因になっています。
安全対策を工夫することで地上置きにでき、コンテナにAll in one構成とすることで設置も容易・・・というわけです。
残念ながらガソリンはしっかり入ってますし、ここで継ぎ足して満タンにしても自宅まで持たないので給油は見送り。

気を取り直して売木からは元のルートへ向かいます。
売木峠を売木トンネルで越えて、新野へ。

新野は新野で道が健全ではありませんでした。
天竜川にぶつかるあたりで土砂崩れが起こっており、4t超は通行不能で、その他は夜間は通行止め。

車両総重量340kg、重量は制限の1/10以下だな!
時間的にも通れるので、ここは続行です。

国道部分はそもそも「崩れてなくても4tやめといた方がいいのでは」という道。

この沿道にも滝がありました。
こちらは瀬戸かつら大滝。
途中の迫り出した岩にぶつかってほとばしるように落ちる水が、ちょうど太陽に照らされてて光り輝いていました。
これは天候と時間のタイミングが合ったからこそ見れた風景ですね。

滝を通り過ぎたら、ものものしい工事現場。
このあたりが崩落現場かな?と思いきや、対岸のよう。

対岸の土砂崩れ現場はこんな感じで、迫り出した崖まるっと1つぶんなくなっている・・・
現場のドローン映像が公開されていますが、元の道は完全に消失するレベルで流されてしまって、資材置き場のあった平場にあらたに道を作った感じですね。
いやーおそろしい。

土砂崩れ現場を越えて進み、道中で横長のカーブミラーが目につきました。
ローカルロードならではの非規格品ですが、すごくいい感じに先まで見渡しが効く逸品でした。
ストリートビューを見る限り、2014年時点では通常の真円形のもののよう。
鋭角なヘアピンとか全部これにしてほしい!

危険地帯を抜けたのも束の間、その先もさらにもう一箇所崩れています。
そちらは現時点でどうにもならない状況のようで、村道で迂回。
ここには神原トンネルという新道を貫いて、峠道は放棄するようです。
トンネルは先月17日に貫通したようで、共用まであと1〜2年、というところでしょうか。

迂回の村道、道沿いに廃プールを発見。
廃プールがあるということは、廃校ということ。

ここは旧福島小学校(こちらは坂部分校ではなく本校)とのことで、平成10年に本校分校とも、無期限休校となっています。
校庭にたたずむ遊具や朝礼台が悲しい・・・

本道に合流したら、おなじみ天竜川橋へ。
こちらは工事がどんどん進んでいました。
南信地域の山の中は作っては壊しの永久ループですね・・・

天竜川橋を渡って、平岡の市街地を抜けます。
今日は飯田線にはご挨拶せず、そのまま抜けて・・・

こちらもほぼ1年ぶりの要長橋。

去年と変わらぬトンネルを抜けて・・・

振り返り。

前回はちょっと急足だったので、今回は周辺もゆっくり見回ってみました。
河原の堆積がすさまじくて、そのうちこのトンネルも土砂に埋もれてしまいそうに思えるほど。
深い山の中なのに、元々の谷の形が全然わからないくらい川床が平たくなっています。
しかし現在すでに平岡ダムは満砂状態らしく、これが上限のよう。

要長橋の近くにあるもう一本の人道橋、清水橋にも寄ってみました・・・が、なんと通行止め。
2019年には問題なく渡れたものの、渡った先の道が消滅していたので、もう放棄されたとみてよさそうです。
おそらく対岸に住んでおられた方がもう山を出られたか、農作をやめてしまったか。
「関係者以外」なので、もしかすると何かの維持管理には使われているのかもしれません。

清水橋からは、さらに国道418号線を北東へ。
作っては壊しの永久ループはこのあたりにもあり、山沿いの道はすっかり廃道に。
2014年のストリートビューはまだ上の道を使っていますが、下の道が建設中。
通るたびに道がどこか変わる地域、維持管理だけでものすごい手間暇がかかっています。

こちらはすぐ近くにある宮の前橋。
赤い主塔が美しい吊り橋です。

なんとここ、自動車通行可能。
さすがに真ん中に踏み板がないのでバイクで渡る勇気はありませんでしたが、天竜川水系にはこういう橋が多いですね。
2tいけるからうちの車も通れるんだよなあ・・・などとw

次に目についたのはこちら、月之島橋。
左が現道、右が旧道の橋です。
現道が嵩上げされてるので、旧道アプローチが階段に・・・!

曲線のコンクリート造がおしゃれな感じです。
戦後の鉄材不足の折に作られたからコンクリート造なんでしょうね。

さらに橋をもう一本。
2020年にやってきた時に落橋してしまっていた、中橋を見にきました。
現状はご覧の通り、消滅でございます。
とはいえ、新しい橋脚の基礎を建設中なので、これは発展的解消、というやつですね。

と、そんなこんなで橋めぐりをしているまに時間は13:00。
そろそろ帰路につきましょう。

最短だと国道152号を北に行くか南に行くかですが、152号はごらんの通り。
南に行くのも兵越峠が通行止め、北に行くのも地蔵峠で通行止め。
2019年に縦貫して以降一度も全線開通したことがなく、今後どうなることやら、です。
そもそも点線国道なので、その縦貫も迂回路前提ですが・・・

遠山から南北に抜けるルートが寸断され、そもそも東に抜けるルートは有史以来存在しません。
となると西に抜けるしかないわけです。
来た道をそのまま戻って、平岡へ。

平岡からは県道1号線に入り、県道1号線へ。

ここから南の県道1号はゲロゲロにひどい道ですが、ここから北は比較的快走路。
仔細はこれまた去年のレポートに譲りますが、この道で飯田まで。

羽衣崎橋を渡って北へ。

飯田線を対岸に見つつ、天竜川の深く切り立った谷を走っていきます。
綺麗に整備されてセンターラインもある道路ですが、左の落石防止工の厳重さあってこその道。

阿南の中心部に差し掛かると、伊那谷の南端。
ここから先は峡谷を離れ、盆地の風景になります。

気候もふたたび春に近くなり、久しぶりに沿道の梅を見た気がします。
遠山はまだどれもつぼみでしたからね・・・

道はただ飯田だけを指示します。
シンプルにもほどがあるとツッコミを入れたいところですが、確かにそれ以外に行くあてもない!

天竜川の右岸から、盆地を見下ろしつつ北へ北へ。
これがまだ10:00とかだったら諏訪まで天竜川を遡上したい気持ちですが、さすがにもう13:30ですからね。

道は泰阜で一度山に入り、天竜川から離れて走ります。

遠くでは空を切り裂くかのように飛行機雲を生成中。
首都圏で見る飛行機と違って、このあたりでは高度もかなり高いので、飛行機雲の見え方も全然違いますね。

遠くにはまだ雪の残る南アルプス。
とはいえ、ずいぶんと雪の色も薄くなってきました。
2000m級の山にツーリングに行けるまで、あと1月くらいでしょうか。

再び道は川沿いへ。
最短ルートだとこのあたりから三遠南信道に乗って中央道直結ですが、それも味気ないので県道1号を最後まで走ることにします。

伊那谷の南部中心部にさしかかって並行道路がたくさん出てくると、天竜川のお供として寄り添ってきた1号線はもう脇道扱いです。
センターラインなしの1車線のほうがこの道路らしいといえばらしいですが・・・。

最後に「ザ・起点」な標識にご挨拶して、今日のツーリングはおしまいにしましょう。

対岸の中央道にとりつくべく、山を一気に駆け降ります。

水神橋で天竜川を渡って・・・

IC最寄りのスタンドでガソリン満タン。ここからは中央道300kmの旅。
北は諏訪湖まで迂回して南アルプスを避け、ぐるっと南を向きいて甲府盆地をぶち抜きます。

連休中日でもあり、感染拡大が落ち着き始めた兆候もあるタイミング。
さらには春休みシーズンとあって、若葉マークの車が山盛り。
久々に真っ赤な渋滞インジケーターに頭をかかえつつ無休憩で走り抜けます。

帰りは甲府盆地〜八王子あたりで小雨に降られてしまいましたが、帰る頃にはすっかり乾く程度の雨量。
おおむね満足の1日で、今期初の本格ロンツーといってもいい770.8kmとなりました。

ODOは62377kmになりました。

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