連日不安定な天候がつづき、連日にわか雨への備えが欠かせないながらも、土曜日の予報は晴れ。
この日は午前10時からオイル交換の予約をしていたので、10時に間に合うように走りたい。
距離を短くするか夜通し走るか・・・と悩み、後者にしました。

選んだルートは甲州街道こと国道20号の全線走破。
夜通し走るなら山道ではなく、明るい道がよいことと、午前10時までに走り切って首都圏に戻りやすいことがポイントです。
ということで、国道20号は日本橋の橋上にある元標を起点としているので、スタートはこの地点。
以前国道6号を走った時と同様ですね。
時間は1:00過ぎです。

まずは南に向き、日本橋交差点を右折して大手町方面へ。

つづいて和田倉堀に沿うように左折し、皇居の東側からぐるっと南に回り込みます。
このあたりはまだ国道1号との重複区間で、標識は国道1号のみ。
さすがの甲州街道も天下のトップナンバー、東海道には敵いません。

大手町からは、和田倉門、馬場先門と続きます。
日比谷で右折したあとは更に祝田門、桜田門と江戸城ゆかりの地名のついた交差点をつないでいきます。
このうち桜田門で国道1号が南に離れ、国道20号は単独区間に。

三宅坂・半蔵門と初見殺しのわかりづらい分岐を走り、皇居を離れたら新宿通りと愛称が付きます。
その名の通り新宿駅前を通り抜け、西へ。
午前1時・・・いわゆる25時過ぎの新宿は、土曜といえども終電を逃した人を運ぶタクシーがすずなり。
新宿から先がいわゆる甲州街道です。

西新宿で国道に覆いかぶさってきた首都高新宿線としばしランデブーし、上北沢で久々の空を拝みます。
その先も、高速は名前を首都高新宿線から中央自動車道に変えつつ、国道20号と絡みあいながら終点まで並行して走ります。

調布・府中と市中をつなぎ、ひたすらに西へ。
時計は2:30をまわって交通量も減り、道は静寂につつまれますが、煌々と灯った街灯は消えません。

国立府中で中央道を交差したあと多摩川を渡り、右岸へ。
このあたりは日野バイパスとして整備されており、リッチな広い道が続きます。
旧道はすでに国道指定をはずれており、バイパスが本道です。

つづいて浅川を渡り、八王子市街へ。
このあたりまでが東京都市部と呼べるかな、という風景で、ここから先は山道です。

八王子から高尾山口に向かうにつれ、徐々に街灯が減ります。
それと同時に地形にも勾配がつきはじめ、峠の存在を実感。

圏央道の高尾山ICの内部をぐりぐりと曲がりながら抜け、引き続き西へ。
高尾山ICの直進路は八王子南バイパスが貫きますが、このバイパスの開通区間はまだわずか2.5kmです。

街灯が減ったとはいえ、まだまだライトがなくても走れるくらいの道が続きます。
さすが東京都。

関東平野を西進しつづけていた国道は、初めての峠を迎えます。
その大垂水峠から先は神奈川県区間。

県境を越えると、ずいぶんと照明の数が減りました。
このあたりは流石にライトが頼りですが、午前3:30ながらすれ違う車はそれなりにあり、ずっとハイビームとはいきません。
ハイビームとロービームを切り替えながら走ります。

相模川沿いにくねくねとカーブを繰り返して走り、大月へ。
ここで時計は4:00を指します。
この時間のこの道は本来ならばガラガラの快走路ですが、半分寝ぼけているような車が延々と制限速度未満で蓋をするせいで隊列が発生してしまいました。
峠道で大型トラックすら待たせるほど遅い軽自動車・・・

笹子隧道を潜り抜けたら山梨県に入ります。
時計は4:30に近づきます。
時間に余裕があったら甲府で夜景でも、と思っていたのですが、もう空が白みはじめましたね。
展望台まで迂回している間に明るくなってしまいそうなので、沿道の輝きを楽しむにとどめます。

甲府盆地を貫く区間は特筆することのない、郊外の国道風景。
勝沼バイパス・甲府バイパス・という名前で甲府盆地を東西につなぎます。
日の出が近づき、またたくまに空は明るくなりつつあります。

甲斐市に入る頃にはもうすっかり空は明るくなってきました。
ここも竜王バイパスと名のつく道。
いずれも旧道はすでに国道20号の指定をはずれており、バイパスが本道。

双葉で中部横断道をくぐったあたりで、やっと甲府盆地のテリトリーを脱します。
徐々に迫り来る両側の山に挟まれるように韮崎へ。
一貫して西へ西へと進んできた国道は、ここで北西へゆるやかに折れます。

釜無川とその支流の塩川に挟まれる地形は七里岩。
その七里岩の「韮」の葉の「先」のような切り立った地形を、
中央道は塩川の北に逃げ、JR中央線はいちはやく七里岩に登り・・・と、地上交通はそれぞれに抜けます。
国道は釜無川の左岸に広がるわずかな平地に活路を求めて進みます。

薄い雲の隙間から覗く空は薄い薄い青。
標高が上がり始めたこともあって気温は20度にとどかず、肌寒い走行が続きます。

穴山駅のあたりで、迫ってきた七里岩によって釜無川左岸の平地は失われます。
国道は穴山橋で右岸に渡って新たな活路を求めつつ引き続き北西へ。
ここで時間は5:00を回り、雲が徐々に減ってきたものの、標高が気温を相殺しまだまだ気温は18度。

3連トラスの連なる大武川橋で大武川をパス。
このあたりで塩川(と須玉川)の流れは離れていき、明確な七里岩の地形は薄れて八ヶ岳の裾野の高原地帯になっていきます。

稜線の向こうに顔を出した甲斐駒ヶ岳の山頂が、一足先に朝日に照らされて明るくなるのがわかります。
一方で谷底を這う国道の沿道はまだ一面日陰。

ちいさなうねりを繰り返しつつ、なおも釜無川沿いに進みます。
高い山地に挟まれた白州のあたりはミネラル豊富な水資源がウリで、白州蒸溜所が有名観光地となっています。

道は雲のかかる富士見を向かって登り、山梨から長野の県境へ。

狭くなった谷はスリットのように抜け道を形成しており、そこに滑り込むように蔦木宿が形成されています。
なおも日の差さない谷底をゆるやかに登り続け、国界橋で県境を越えます。

時計は5:30を目前にして、やっと手の届くところに日射がやってきました。
わかりやすいサミットがないまま穏やかに道の勾配は緩くなり、下に転じたかと思いきや・・・

釜無川が南アルプスの北端をなぞり、フックのように南西に消えていくと、観念したかのように最後の登りを見せます。
大きな看板と大きなRのヘアピン2つで信濃坂を登り、富士見へ。
並行する中央道もこのあたりが最高点ですね。

諏訪南ICを越えたら茅野市に入ります。
まだちょっと諏訪の名前を付けるには気が早い地形ですね。

まだ始発のあずさ4号には早いはずの5:35、茅野〜青柳でE353とすれ違い。
「かいじ」の竜王への送り込みかな・・・

目前まで迫り、延々とお預けを食らっていた太陽がやっと国道の路面に差し込んだのは板室トンネルの手前。
トンネルを抜けると・・・

やっと諏訪湖のレイクビューです。
ここで初めて諏訪に来たといえる感じですね。

茅野市の中心部で国道は2手に分かれます。
左は諏訪バイパスですが、どこかで見たように2.5kmで行き止まりになり、実質諏訪ICアクセス道となっています。
もちろん迷わず右の道へ。

諏訪湖の北岸へ行く道としては、左岸の県道16号の方が利便性が高く、こちらは旧街道といった雰囲気。
幾度か中央線の踏切を渡りつつ、右岸の湖岸から1本離れたところを北へ向かって進みます。

上諏訪を通り、下諏訪へ向けて北へ。
「地図は北が上」という固定観念で考えると、上諏訪が南にあるのは不思議ですね。

さしもの中央線も茅野の先、普門寺信号場から先は単線。
幹線としての面目丸潰れの斜めに突っ切る複雑な踏切を越えていきます。
列車本数と国道の交通量、どちらか片方でも多ければ絶対許されない構造ですからね・・・

下諏訪で諏訪湖の湖畔を離れると、湖畔の平地を直線的に突っ切ります。
このあたりは古代諏訪湖の湖面がもっと高かった時には湖底だったと言われていますね。

平地の北端で岡谷ICにぶつかったら、そのICの下を抜けます。

このあたりの構造は高尾山のデジャビュですね。
頭上をいく高速はもはや中央道ではなく、諏訪湖の南で岡谷ICから派生した長野道になっています。

時計は6:00を回って、塩尻峠に登りはじめると、欲していた朝日が全身に注ぎます。
やっと暖かくなってきた・・・

塩尻峠は改良され尽くしたバイパス峠。
登坂車線付き、ウルトラスムースな路面を気持ちよく駆け上がります。

下に転じても同じようにスムース。
ここを越えたらいよいよクライマックス!

おだやかに塩尻の町に向かって降っていき・・・

並木の美しい最後の直線道路を抜けると・・・

国道19号と国道153号の交差点につきあたり、国道20号の終点。
おおよそ220kmの走行、時計は6:20なので5時間と少しでした。
深夜から早朝にかけての交通量の少ない時間帯だったからこそ、だらだらと楽しめた道でしたが、これ普通の時間帯に走ってたら退屈で死んでしまうやつですね。
大垂水と塩尻以外に峠道もなければ、ほぼ沿道は市街地ですw

行きが220kmなら帰りも220km。
ただし高速なので、3時間もあれば到着するでしょう!
長野道から中央道に入り、帰路へ。

・・・とその前に、給油とカロリー補給をしましょう。
ということで、目的達成後ではありますが本日最大の絶景、諏訪湖SAからのレイクビューでシメです。

朝ご飯につきみとろろうどんもいただきます!
真夏ですが、ずっと17〜22度の中走ってたので暖かいうどんが沁みる・・・!!!

帰りはほぼトラフィックフリーで首都高に入り、扇大橋で降りて環七を西新井へ。

カワサキプラザ東京足立さんに約束通り10:00着。
オイル交換をしていただいて自宅へ。

終わり時間の決まったツーリングは難しいものですが、無事に時間を守って予定をこなして帰宅。
この日の走行距離は短めの492.5kmでした。

ODOは77929kmになりました。

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