BikeBlog [Full Notch !]

関東を拠点にあちこち旅する在住ライダーのツーリングレポート。

交通量の少ない山深い道や交通関係施設、史跡などが好物。

Ninja650(13)
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→Ninja1000 SX(20)と乗り継いでいます。




日曜日は太平洋側が晴れ予報で、日本海側・信越はややくすぶりそうな天気。
静岡方面か東北か・・・という選択になりますが、晴れ模様もやや行き過ぎ感があり、内陸は35度を越えるとの予報。
涼しい沿岸部を走り、酷暑の中で渋滞にはまらないように常磐道方面に進路を向けました。
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ルートはこんな感じ。


 



スタートは4時。
東向きの常磐道を日の出の中走るのは本当に気持ちがいいです。
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水戸のあたりまでくると太陽は完全に地平線から離れ、空もどんどん青色に染まっていきます。
鉄塔のシルエットが朝焼けに映えます。
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ノンストップでいわき勿来ICまで走ったら下道へ降ります。
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勿来からは国道289号で東に進み、海岸沿いの国道6号へ入って北へ。
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国道6号は鮫川を渡って、勿来発電所に沿って走ります。
無骨な発電所の設備が格好いいですね。
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小名浜から先の国道6号は、やや内陸を通ります。
内陸では霧がでており、眼前には幻想的な風景が広がります。
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まだ低い太陽の黄色が霧を染めて、青と黄色のマーブル。
シールドにも細かい水滴が沢山つき、高速でこびりついた虫の汚れを拭くために水をかける手間が省けましたw
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霧が晴れたころ、最初のチェックポイントである常磐線の草野駅に到着。
駅をチェックポイントにしたのはたまたま近くにあったから、というだけw
コンビニと道の駅ばかりというのも芸がないですしね。
福島南部のターミナル、いわき駅の一つ隣にある草野駅は、こじんまりとした無人駅で、簡易改札と自販機があるだけ。
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反面、敷地は広大で、ホームが2つに旅客線が3線、中線が1本。
さらに留置線が4本に側線が1つで、ちょっとした車両基地のようですね。
ちょうど前夜のいわき終着・今朝の始発の列車が夜間留置から出発していました。
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さて閑話休題、草野駅で小休止を挟んだら、いよいよ出発。
まずは国道6号から分岐する福島県道35号いわき浪江線です。
時計は6:30間近といったところ。
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県道35号は、県道34号とともに通称山麓線と呼ばれており、浜通りの主要幹線である国道6号線と並んで走る裏道県道。
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行き先は名前の通り浪江で、おおよそ60kmほどの道のりを山麓を結ぶように走ります。
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まずは山麓に向かうところから。
跨線橋で常磐線をまたぎ、田んぼを見下ろして走り、そのまま突っ切ります。
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いわき四倉ICの脇を通ると、本格的な山麓区間の始まり。
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いわきの市街地を避けるように内陸を走っていた常磐道が沿岸に出てくるのと交代するようにクロスします。
谷間はまだまだ日陰になっており、走行は涼しくて気持ちがいいです。
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山間ではなく山麓という愛称がついていることからも分かる通り、山がちな地形ですが山深くはないところを走ります。
そのため周辺には農地が多く、田園や溜池といった風景が目立ちます。
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道はよく改良されており、全線2車線もしっかり確保。
緑のトンネルを潜って楽しく流していきます。
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山麓線には著名な地形があまりないものの、浜通りと並行しているおかげでアクセス路の案内が充実。
東側に出てくる地名で大体の位置関係がわかります。
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田んぼ・溜池・森・住宅地を延々と繰り返しながら進むので、景色はずっと明媚な里山。
道の感じは県道というより広域農道に近いイメージですね。
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めちゃくちゃに飛ばしている地元車に適宜道を譲りつつ、ほとんど信号のない道を走ります。
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巨大な橋脚は常磐道。
山があるので直接的に見えるタイミングは多くないですが、この先はついて離れて仲良く進みます。
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予想以上の快走路がつづき、ゆったりと走ってもこのあとの予定にずいぶん早着しそう。
どうしようかなーと考えていたときに、木戸ダムの看板がちょうど目に飛び込んできました。
ここに寄り道することにしましょう。
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木戸ダムへは木戸川を遡っていきます。
右岸の県道と左岸の町道があるので、まずは町道から。
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鬱蒼と茂る森の中を抜けていく道は、法面が苔で美しく色づいていました。
深い渓谷があるだけあって、このあたりでも日当たりが切り立った谷に遮られるのでしょうね。
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木戸川第三発電所の先で町道は県道に合流。
合流するところの橋がなかなか曲者で、珍しい工事用鉄板の床板です。
ストリートビューを見る限り、2013年でもこの形状なので、仮の設備というわけではなさそう。
滑り止めにモールドがあるとはいえ、この手の鉄板はめちゃくちゃ滑るので、雨の日には絶対に渡りたくないですね・・・!
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県道に合流したら新芝坂トンネルを通って、木戸川渓谷を経由してダム方面へ。
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沿道には峡谷に向かう駐車場や遊歩道がたくさん整備されており、このあたりが観光地として栄えていることがわかります。
とはいえ紅葉の季節でもなければ時間はまだ7:00、車は2〜3台しか見かけません。
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渓谷の案内はこんな感じ。
山歩きする装備でもなければ虫がめちゃくちゃ多いので、第3・第4駐車場まで偵察にいく程度にとどめます。
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駐車場への道はおそらくダム建設前からの旧道。
現県道を頭上に見ながら谷の少し低いところを走ります。
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高架下にはひっそりと佇む廃橋も。
こういうの好きなんですよね。
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崩れまくって枝やら石やらの積もっている堀割を抜けたら駐車場。
朝の霧のせいか、しっとりと湿った静かな細道。
1台も車がおらず、とてもいい雰囲気だったのでコーヒーでも沸かして飲みたいところです。
川縁に降りる遊歩道も気持ちよさそうですし、虫がひっきりなしにブンブンと群がっていない季節にまた来たいですね。
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駐車場をあとにしたら県道に復帰し、木戸ダムまで。
県道はこのさきダムの堤体上をわたり、峠越えをして国道399号まで走ります。
こちらの道に興味がないこともないですが、今日は山麓線が主役。
ひといきついたら戻りましょう。
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帰りは右岸の県道。
渓谷を抜けた後は川床を見下ろす気持ちのいいルート。
河原や中洲がとてもいい感じで、鮎釣りの幟も立っていました。
川遊びしたいなあ
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寄り道はここで終わり。
県道35号はすぐに楢葉町の中心部に近づきます。
スポーツセンターを挟んですぐ向こうには国道6号が迫りますが、これとは出会わずに県道は左折。
看板でも十分ですが、ご親切に路面ペイントでも35号の行き先が案内されます。
これわかりやすくていいなあ。
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県道は井出川沿いにしばし走ります。
青々とした稲がまさに盛夏といった風景。
空に入道雲があれば夏の絵としては完璧ですが、まだまだ時間は7:30、雲一つない抜けるような青一色です。
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その先で富岡町に入り、また山間の道に戻ります。
遠くに新福島変電所が見えてきたら、夜ノ森のあたり。
ここを内陸に入ると滝川ダムですが、そこは4月に訪れているのでスルーしましょう。
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富岡の次はすぐに大熊町。
大熊町の役場はかつて大野駅の南側にありましたが、現在は内陸移転して山麓線脇に。
商業施設も併設されているので、ここで休憩を挟みましょう。
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県道を右折すると開けたところに真新しい町役場。
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そこに隣接して大熊町交流ゾーンおおくまーとがあります。
時間的にコンビニしか空いていなかったので、コンビニで軽食と水分を補給。
海鮮を出している定食屋さんもあるんですが、観光客というよりは地元の人や工事関係者向けなのか平日オンリーなんですよねえ。
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県道に復帰し、さらに北へ進みます。
沿道にはひまわり畑もちらほらと。
夏だなー!!!
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どんどん北に進んで、旧役場のあった大野方面へ。
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どんどんと家屋が増えてきますが、ごらんの通りシャッターが降りたり門扉を閉ざした家が多いです。
というのも、大熊町は長らくその全域が帰宅困難区域として指定されており、いまだに2011年の災害の影響を受けているから。
町役場やおおくまーとの地区は6月に特定復興再生拠点区域だけが避難指示を解除されたばかりで、復興はやっと部分的にはじまったばかり、という状況。
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商店の自販機も当時ラインナップのままですね
(いくつか荒らされたようで、撤去されてはいますが)
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大熊町の北端で県道は右折、しばし国道288号と重複します。
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重複区間で双葉町に入り、国道とは1.2kmほどで別れて県道は左折して再び単独に。
石熊地区では鐘楼が緑の侵食を受けています。
ここもまだ帰宅困難区域です。
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山麓線は国道6号とともに復興に対しての重要路線であることから除染されて通行が可能になっています。
山麓線の全線通行再開は2019年9月、二輪車が通れるようになったのは2020年3月。
しかし特定復興再生拠点区域は6号沿いの一部のため、脇道という脇道、家屋という家屋は全て閉鎖されたままです。
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綺麗に見える家もベランダが崩れていたり、屋根が落ちていたり。
窓の空いた家からは家財が散乱しているままの状況も伺えます。
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浪江町に入り、高瀬川を渡ってさらに北へ。
浪江町は2017年3月に山麓線沿いの一部も特定復興再生拠点区域に指定されているので、野菜の直売所が営業していたりと生活の匂いを感じます。
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時計は8:00を回り、気温も徐々に上がり始めました。
沿道風景にかかわらず、道は相変わらずの超快走路。
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請戸川にぶつかる手前で、県道35号は国道にぶつかっておしまい。
山麓線としてはその国道114号を経由して、まだ先に進みます。
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国道288号との重複区間は右・左でしたが、今度は左・右と進みます。
650mのギャップを経て、ここからは福島県道34号相馬浪江線が山麓線を引き継ぎ。
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請戸川の左岸、立野地区より北側は帰宅困難区域を出ます。
2017年3月に居住制限区域が解除されて5年、立て直されたり修復された家屋が多く、耕作も始まっています。
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その先はすぐ南相馬市に入り、沿道は平穏を取り戻します。
残るは南相馬市・相馬市の2自治体だけですが、南相馬市区間が実に27.5kmほど続きます。
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久しぶりに常磐道との絡みを見せ、築堤上をびゅんびゅん走る高速交通を見上げます。
ところが、下道の地元車も同じくらいのスピードで飛ばすもんだからこわいこわい。
ミラーを確認して手早く譲りつつ進まないといけません。
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南相馬市馬事公苑の脇をぐるっと回り込む大きなヘアピンで抜けて進みます。
時計はここで8:30。
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奥の山に横一文字に見えるのは横山ダムへの道。
角度的には管理事務所のある築堤っぽいですね。
太田川をパスしたら、あそこから降りてきた県道49号と重複して進みます。
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35号から34号に変わったあとは常磐道との絡みが多く、何度も築堤や橋梁をくぐって進みます。
いい感じに草が多い茂っていて上に高速があるのがわかりづらいですが、このボックスカルバートはこの位置
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南相馬の中心まで走り、久々にコンビニを見かけたので小休止。
ほとんど止まらずに走っているのでいい感じに汗が飛んで気付きませんが、気温は26〜28度くらいをウロウロしていますし、水分補給を密にせねばなりません。
コンビニの目の前には学校があり、規模があるので高校かな?と思ったら生徒数300くらいの小学校でした。
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時間は9:00目前、温められた地表の水分が上空に溜まり、雲が増えてきました。
風が強いのか、毛筆をすべらせたような模様の薄い雲。
雨の心配は全くなさそうです。
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ボックスカルバートで常磐道をアンダーパスしてからは、やや平野がちな地形となります。
シールドを開けて長閑な直線道路をだらだらと走るのに最高の天気と気温。
海沿いの平地、しかも水田の中なので気温に比して風がとても涼しいです。
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小高い丘をスルっと越えたらまた直線。
県道は川をいくつも渡ってまだまだ北進します。
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真野川を渡る手前、道なりに直進すると県道164に入ってしまいます。
34号はこれを左折し、川沿いの市街を抜けます。
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ずっとセンターラインのある道でしたが、ここで久しぶりに1.5車線の狭い道。
連続した道路としては県道164号経由のルートで役目を全うできるので、書類上の正規ルートは改良する必要がないということでしょう。
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常磐道をくぐって真野川を渡り、真野ダムから降りてきた県道268号とぶつかって右折。
川沿いの狭い道が工事でさらに狭くなっているところを抜けて・・・
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ふたたび常磐道をくぐりなおして左折し、南相馬市から相馬市へ入ります。
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相馬市に入ったら最後の区間ですが、ここがちょっとややこしい。
県道の終点は国道115号との交差点なのですが、相馬ICから降りてきた国道115号の相馬南バイパスと現道、2回同じ番号の国道と交差します。
相馬バイパスとの交差点を越えてそのまま進むと・・・
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さらに国道115号を案内する看板。
支柱に小さくヘキサがあるとおり、ここもまだ県道34号です。
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清水橋で宇多川を渡って左岸へ。
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こちらの国道115号交差点が真の県道34号の端。
ちなみに35号は南側のいわきが起点、34号は北側の相馬が起点となっていて、お互い浪江でお尻を向け合う形。
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ちゃんと到達しましたよ、ということで振り返って一枚。
今日のルート的メインディッシュである山麓線走破、これにて完了です!!!
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時間は9:20、次はお腹的なメインディッシュです。
県道をそのまま戻り、偽の起点こと相馬バイパス交差点から国道6号へ。
国道を延々南に走ります。
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山麓線も綺麗な道でしたが、走行の楽ちんさではさすがの国道6号には敵いません。
とはいえ、こちらは交通量もおおければ変化も乏しいので、走る楽しみは山麓線に分があります。
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相馬から南相馬を抜け、浪江まで戻って、お昼のメインディッシュは道の駅なみえで。
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2020年に立ち寄ったもののタイミングがあわなくて寄れていなかった食堂で、名物なみえ焼きそばをいただきます!
10:00オープンの食堂に滑り込むべくうまく時間の調整ができ、10:05入店というジャストタイミング。
ずっと田んぼ眺めて走っていたので「コメくいてー」モードだったのでTKG、お味噌汁もプラスです。
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お昼を食い終わって10:40、この日の浜通りの最高気温は34度、中通りは37度まで達する見込み。
長居はしておれん!ということで、そそくさと帰路に。
綺麗に区画の再整理が行われ、新興住宅になったような浪江の町を国道459で抜けて浪江ICに向かい、常磐道をひた走って帰宅です。
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下道では最後まで気温30度を超えることなく、一番暑い時間帯は高速で天然扇風機の恩恵を受けてバッチリ計画通りのツーリングでした。
一番暑かったのは帰宅後にバイク拭いてる時でしたね・・・
この日の走行距離は613.3km
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ODOは78543kmになりました。
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