8月になりましたね!
一発目の土曜日はひとまず休息日として家事に勤しみ、日曜日は天気予報と睨めっこして、比較的晴れ間の出そうな北へ向かうことにしました。

ルートはこちら
出発は3:00とし、暗い夜の関越道を北へ向かいます。
平地では日の出を迎えたはずの5:00過ぎ、月夜野は深い霧に包まれています。
途中でいくつか雨注意の掲示もあり、路面が湿っている区間もありましたが、幸いにも降水には見舞われずに走行。

目前の山の稜線すらも隠れる中、シールドの細かい水滴を拭いつつ関越トンネルに突入。

トンネルを抜けると、そこは・・・雪国ですが今は8月。
目前に雪景色が広がる代わりに、トンネルの南側の霧が嘘のような澄んだ空です。

朝焼けに染まる塩沢の町を見下ろしつつ、更に北へ。
この美しい景色を見られることと、渋滞を避けられることが未明出発のいいところです。

小出ICで下道へ降ります。
時間は5:30を回りました。

小出からは、ひとまず国道17号に入って引き続き北へ。
東の高い山に阻まれて遅れた日の出も、もうすぐそこまで来ています。

羽根川を渡って、片側交互通行となっている橋上で右折。
国道252号に入ります。

252号は山裾に向かって東に走るので、山が近づいた分相対的に背が高くなり、太陽はまた山の向こうへ。
日の出の直射日光から逃げる吸血鬼の気分です。

破間川(あぶるまがわ)沿いに、只見線と絡みつつ東へ東へ。

ちょうど朝イチの回送列車が並走しはじめます。
各駅停車なら駅に停まっている分バイクが先行してしまうのですが、回送なのでほぼ同じ速度。
薮神で見掛けてから、上条まで抜きつ抜かれつ並走を続けます。

朝のランデブーを終えたら最初の休憩。ちょうど時間は6:00。
道の駅いりひろせで水分補給しつつ体をほぐします。
今日も全国的に30度超えの予報ですが、さすが魚沼まで北上すると早朝は少し肌寒いですね。

道の駅を出たら、引き続き252号を東へ。

魚沼の市街地からはゆるやかな川沿いの道でしたが、道の駅がまるで山への関門であったかのように、地形が急峻な山岳になっていきます。
日本海側の豪雪地帯である只見方面はどこへいってもスノーシェッドの連続。
のたうつ蛇のような鋼鉄の屋根の下を進んでいきます。
標高が上がってきたのでさすがに太陽も観念し、地面を照らすようになりました。

大白川駅で先ほど並走していた列車と再開。
こちらにヘッドライトをむけて出発準備をしていました。
大白川駅で折り返し始発、6:22発小出行きの列車になるようです。

大白川からも引き続き252を・・・進む前に、少し寄り道しましょう。
左折して県道346号。

続いて道なりに285号です。

六十里越えこと国道252号の一つ北の谷ですが、こちらも急峻な地形であることには変わらず。
頑強なスノーシェッドをくぐって標高を稼いでいき・・・

山の神トンネルを潜ります。

その先に見えるのがこの通行止めゲート!

目的地はもちろんゲートではなく、この先にある破間川ダムなのですが、なるほど徒歩でしかいけないんですね。

往復10分のハイキングをしてもいいのですが、ダムは上からではなく湖畔から眺める方がいいです。
上流の浅草大橋を渡り、左岸へ。

湖岸の細い道を対向車に気をつけながらしばらく走ると・・・

展望広場があります。

展望広場からの上流の眺めは優美。
まるで楽園のような緑の広がる湖畔が眼前に広がります。
肝心のダムは眺望がイマイチなので、ちょっと戻って・・・

路肩からばっちり堤体が見えます。
上部に開いた2つの穴の位置が満水位ですが、ずいぶんと低いです。
このダム、一応発電もしている多目的ダムなのですが、その主眼は洪水調節にあります。
なので台風・大雨シーズンはこうやって水位を下げ、大雨が降ったときに貯水できるようになっているんですね。
ダム湖の湖底に緑が多いのも、まだ新緑の季節からこっち、水位を一度も上げていないからです。
先日北陸や北東北で大雨があったばかりですので、こういう治水の大切さというのが身に染みます。

ダム湖を半周してまた戻り、国道へ戻ります。
折り重なる山の深さがすさまじい。

国道252に復帰したら、あとは浮気せずに只見方面へ。
浮気せずに・・・といいますか、山深すぎて道が1本しかないので、浮気は不可能です。

国道の四角いスノーシェッドと、只見線の丸いスノーシェッド。
お互い形は違えど頑強で、無防備では抜けられない雪の多さを物語ります。

冬季閉鎖される国道と違って、只見線は通年運行。
防備の厚さでは只見線が一枚上手です。

走りやすい綺麗な舗装の道をどんどんと登り、最後のスパートでヘアピンの連続区間を越えたら・・・

県境の六十里越トンネルに到着。時間はちょうど7:00といったところ。
東を向くと直射の朝日がまぶしい!

振り返って西側、順光で景色クッキリ。

このさき国道252号ですが、通行制限がかかっています。
これは先日只見線の東側区間を走った際に触れた、雪崩による橋梁流出によるもの。
あのあと、7/10に片側交互通行規制をかけた状態で通行が再開されたのでした。

ではさっそく、その災害区間を越えていきましょう。
まずはいくつかスノーシェッドやトンネルを越えて走ります。
雨水があちこちから染み出してきており、スリッピーなので注意して走行。

対岸の沢のちょうど影になったところには、なんとまだ残雪が・・・!
今年は、この先の橋の崩落もそうですし、南側を走る奥只見樹海ラインこと国道352号もまだ全通していないなど、雪の量が半端なかったことがわかります。

片側交互通行は6分と長大。
退屈しそうだなあと覚悟しながら向かったら、なんとちょうど青になったところでした。
(写真には点滅タイミングで写ってないけど)

国道はこのまままっすぐ走り、あいよし橋に繋がっていました。
しかし現在はここで谷沿いに左へ。

谷沿いにあった、あいよし橋完成前の旧道を通ります。
舗装は敷き直されていますが、路肩の状態が万全ではないため、片側交互通行。

そのままぐるっと回り込むと、眺望のいい谷底。
わー景色がきれー・・・と思うと同時に、左右にコンクリートの橋台があるのがわかります。
あんなに谷から離れた大きな橋が雪崩一発でメタメタに圧し折られて、谷底に転がったってマジですか・・・

ありし日のあいよし橋は方杖橋だったので、橋台も主桁と方杖の2段構えです。
このサイズの橋の架け替えは数年単位になりそうですねえ。

あいよし橋跡にシームレスにつづくのは、出逢橋。
ここも片側交互通行になっています。

薙ぎ倒された欄干が物語るように、こちらも雪崩のダメージを受けていました。
落橋さえ免れたものの、その鋼鉄の主桁がぐにゃりと曲がって損壊。
谷側の車線は利用不可能となっています。雪崩パワーおそるべし・・・

あいよし橋・出逢橋を越えたらいつもの国道252。
ひきつづきスノーシェッドに守られつつ、快適に降っていきます。

どんどん陽が高くなり、肌寒さはなくなってきました。

ゆったりとエンブレで降っていく六十里越えの雪割街道。
この景色だけ見てると豪雪・豪雨と災害多発地域を思えないのどかさ。

252名物、トンネル in スノーシェッドをいくつか通り過ぎ、スイスイと進んで東へ。

やや離れて進んでいた田子倉湖の湖畔がどんどん近づいてきたら、田子倉ダムに到着です。

ダムサイトから眺める広大な湖。
さすが総貯水量日本3位の巨大ダムです。
ちなみに2位はおとなり奥只見ダム、1位は岐阜の徳山ダムです。

ゴツくて分厚い堤体の堆積は日本2位です。
これ全部中身詰まったコンクリートだと考えると、スケールでかすぎて寒気がしますね!
なお1位は宮ヶ瀬ダムです。

ダムで小休止したら、更に国道を進んでダム横の山を下っていきます。
スイスイと気持ちのいいヘアピンをいくつかこなすと・・・

振り返りのダムと眼下の発電所。

一番下まで下ると、お馴染みダム下の道。
やはりダムは見上げるのがいちばん格好いいですね。

田子倉ダムのすぐ下流にある只見ダムを横目に国道を更に東へ。
名前、逆の方がいいんじゃないかなとたまに思います。

国道はしばしダムのことを忘れ、只見の市街地を抜けて進んでいきます。

只見の目抜き通りである国道252号、沿道には10/1に迎える只見線の全線再開を歓迎する旗が掲げられていました。

裏側はこんな感じ。
災害前はキハ40でしたが、再開後はキハE120に置き換えられます。
ちなみに朝並走したのはキハ110。
全線再開後110どうなるんだろ。

只見ダムの下流の只見川は、やや濁ってどんより茶色。
田子倉湖や只見湖は澄んだグリーンだったので、半日もすれば入れ替わりそうですね。

運転再開まで2ヶ月を切り、7/10からは試運転も始まっている只見線の不通区間。
営業列車ではありませんが、もう列車が運行されているとあって、廃線じみた雰囲気はありません。
草刈りの終わったばかりの沿道は独特の瑞々しい匂いにつつまれていました。
・・・とはいえ、再開後も運行は1日3往復、秘境は秘境のままですね。

地形はなだらかになりましたが、この辺も豪雪地帯であることに変わりはありません。
国道の道路標識が雪の重みでさがり、地名表示にめり込んでなんだか可愛い感じになっていましたw
ちょっとツボったのでわざわざUターンして撮影。

そのまま会津横田まで走り、国道と別れを告げます。
この先は県道352号、県道153号とつないで松坂峠を越えます。

・・・が時間帯通行止めで8:30を逃したらお昼休みまで通れない!
これは迂闊にもノーチェックだった。

で、時計はというと。
あと14分・・・!!!

急ぎますw

ということで県道352号布沢横田線をぐいぐい登ります。

登るにつれて道は狭くなり・・・

片側交互通行の工事区間へ。
おそらくこのあたりが時間帯通止め区間・・・?

重機はすぐ使えるように置いてあり、側溝や土留めは真新しいものの、工事の人は1人もいませんでした。
もしかすると日曜休工なのかも?と思って帰って調べてみたら、やっぱり日曜は休工でした。
だったらそう書いてくれー!

ということで、そんなことを現地では知る由もなく、8:29という滑り込みで峠を越えます。
あれ、只見町にいたつもりだったけどここから只見町?

振り返りは金山町。
ちょうど塩沢のめり込んだ看板の先から、只見町に食い込むように金山町だったんですね。
役場は会津川口にあるそう。

峠を越えてタイムリミットは解除。
落ち着いてくだり、道は布沢(ふざわ)に降り立ちます。

そこから先は県道153号。
小林会津宮下停車場線という路線名ですが、不通区間で細切れになっていて実質3つの道となっています。
この区間は一番南で、終点の小林まで。

小林で国道289号に突き当たったら峠の区間は終わり。
伊南川沿いにゆったりと雄大な会津の山間を走ります。

国道401号との重複区間を経て、再度単独区間へ。
東へ向かってゆったり走りつづけ、時間はここで9:00を回ります。

駒止峠へ向かう旧道が面白そうだったので抜けようと思っていたのですが、残念ながら通り抜けは不可能とのこと。
峠の先にある観光地の駒止湿原へは、東側の針生から片道アクセス可能です。

旧道走行はあきらめ、駒止トンネルを抜けてゆったりと国道行脚を続けます。

国道121号まで8.5kmの表示。
この看板は一瞬、今走っているのが121号と思わせるような微妙な誤認誘導感がありますね。

山間の田圃をひたすら突っ切り走り続けます。
これで気温が30度とかだと地獄ですが、幸いまだ25度前後。

南会津町の中心部にさしかかり、ここで右折。
国道121号に入ります。

国道121号では会津鉄道会津線と並走。
ちょうど9:40会津田島着のリバティ会津101号とすれ違いました。
今日は列車の「引き」がいいですね。
こんなにタイミングがいいなら只見線の試運転も狙うんだった。

沿道の花を眺めながら、道はまだまだ南へ。

走行が1時間に達し、退屈が限界突破する前に息抜きです。
道の駅たじまで朝ごはんにしましょう。

と、物色したものの、暖かい蕎麦か焼き物の屋台しかない・・・!
ここから気温30度になるのが確定なのに熱いものは食べたくない、ということで、ソフトクリームでカロリーだけ補給。
山ぶどうとバニラのミックスです。

ソフトクリームを食べながら道の駅の案内板をしげしげと眺めます。
テプラ芸が激しいですね。
おそらく上書き前は「田島町」だったものが、合併で「南会津町」になったのだと思いますが、もう合併は16年も前。
シールの耐久性、なかなかのものですねw

と、どうでもいいことを考えながら走ったあとは、引き続き国道を走ります。
121・352・400と行儀よく並びつつもやや頭でっかちなおにぎり3兄弟を眺めつつ走り、栃木県に入ります。
よく見るとこいつもちょっとめり込んでいる・・・

上三依塩原温泉口で国道400号に折れ、南東へ。
塩原方面はやや雲がかかっているように見えます。

とはいえ雨雲ではなさそうで、ちょうど気温が上がり始める11:00の頃合いとしてはこの薄曇りは御の字。
涼しい風にあたりつつ、塩原ダムの下流で国道を離れて県道185号へ。

東北道をアンダーパスしたら国道4号に合流。
箒川を渡って矢板方面へ進みます。

矢板を過ぎたあたりで県道25号に分岐。
江川沿いに広がる田園地帯をスイスイと抜けていきます。
せっかく緑の稲穂が美しいのに薄曇りで残念ですが、じゃあピーカンに晴れて気温35度とかになるのがいいかと言われると、そんなことはありません。

県道25号の名前は烏山矢板線・・・ということで、矢板から烏山まで走り切り、那須烏山で県道10号にバトンタッチ。
東に少しだけ進み、神長トンネルを抜けると本日最後のチェックポイント。

こちらはユネスコ無形文化遺産・国指定重要無形民俗文化財などに指定される、烏山伝統の夏祭り行事、「山あげ」を紹介・伝承する山上げ会館です。

入館料は250円、JAF割で200円です。

内部では実物の大屋台や各種資料の展示、映像とミニチュア劇の展示など。
ミニチュア演劇は見ましたが、細かくてよくできていました。

そして駐車場にはメグロの大看板が。
かつて那須烏山に疎開して開業した目黒製作所は地域経済の発展を支え、メグロゆかりの地とされています。
ちょうどカワサキがメグロのバッジネームでバイクをリリースした時に広報に使った看板が、ここに設置されたのでした。

鈴木鉄工所として立脚し、東京の目黒で創業、烏山に移転した目黒製作所は、川崎航空機工業に吸収され今に至ります。
ということでカワサキとは縁が深いメーカーなんですね。
目黒創業初期はトライアンフのエンジンを作っていたというのもまた縁のある話で、トライアンフは経営再建時にカワサキの技術提携に助けられてもいます。

山上げ会館で展示を見て土産を買ったら、帰路に。
元々海沿いにでて常磐道のつもりでしたが、谷和原までは下道で行ってもそんなに時間が変わらないとのナビの表示。
ということで下道多めで帰宅しましょう。
まずは今走ってきた県道10号を西に走りますが、そのままではつまらないので神長トンネルは旧道を走行。

同様に高瀬トンネルも旧道。
短いながらもチョロっと峠の雰囲気があって、気分転換にはちょうどいいですね。

大金バイパスに入り、高瀬大橋で荒川を渡って西へ。
県道なのにBPがあるのはなかなか珍しいかも。
川縁と丘を一気に直線で抜け切る爽快な道です。

その後県道61号に入ります。
県道は真岡那須烏山線・・・ということで、真岡まで全線通して走ります。

雲はすっかりはれて、やや暑いものの、田畑の広がる平地をペースよく走っているおかげでそれほど暑さは感じません。

県道は真岡で国道294にぶつかるので、これをそのまま南進。

ひたすらに南へ南へ。
平地にぽっかりと浮かぶ筑波山を舐めるように眺めたら、谷和原から常磐道。

最後に下道割合を増やしたのでやや時間を食いましたが、明るいうちに洗車とメンテナンスを終わらせるには十分な時間でした。
この日の走行距離は636.1km

ODOは79419kmになりました。

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