山の日なので、山に行こう!ということでもなく、まぁいつも山にはいっているのですが、山の日も山に行ってきました。
ルートは群馬・長野の県境を縫うように走ります。
金曜日が飛び石の平日ということもあり、お盆の連休とつなげて今日が休み初日という人も多いのが今年の山の日。
混雑を避けて動くべく、2:30には家を出て、関越道へ。
常磐道だと東へ向かうので太陽は正面、東北道だと北へ向かうので右手、関越道の先上信越道に入ると西へ向かうので、背中から日の出がはじまります。
上信越道はぐねぐねと蛇行しながら最終的に北に向かい、長野道と合流して進みます。
一度拝んだ太陽をまた山の背に隠しながら進みます。
途中、局所的な霧雨に包まれたりしつつも、目論見通りに渋滞の始まる前に走り切れました。
たっぷり2.5時間、5:30過ぎに信州中野で下道へ。
信州中野の空模様は薄曇りですが、雲の位置は高い。
このくらいの方が空気が綺麗で山のツーリングはいいってものです。
まずは県道29号・国道403号と走って市街地を抜けます。
連休初日の5時台は十分明るいものの、まだ街の活動時間外。
すでに250kmを超えて走っていますし、ここから山に入るので、まずは給油。
ついでにコンビニで軽く朝食。
ガソリンいれてから併設のコンビニに寄ってしまったので、せっかくの割引レシートを無駄にしてしまった・・・。
国道403号は国道292号と重複しますが、重複区間の終了で292号側へ分岐。
整備されたバイパス道を駆け上がっていきます。
バイパスの下には湯田中の温泉街がひしめいています。
登っていく先は、言わずと知れた志賀高原。
今年はすでに4月に走っていますが、今日は逆ルートですね。
橋梁と堀割で構成されたスネイキーな道を登っていきます。
道幅も広く、適宜登坂車線もあるので大蛇ですね。
連休の観光客迎え入れ準備も万全な丸池の旅館街を抜け、さらに山へ。
不思議なつぎはぎの標識があるのは蓮池。
通行可能時期によって入れ替えているのかも。
蓮池を過ぎると道はやや狭くなり、高原に向けて地形が厳しくなっていくのがわかります。
これまでの丁重なバンク・緩和曲線のついたカーブから、限られた敷地で勾配をクリアするための実用本意なカーブに性格が変わり、路肩の余地もなくなります。
とはいえそこは著名な観光道路、走りやすく気持ちのいい道には変わりありません。
徐々に空が広く見え始めます。
南東側の空はやや雲が多いか?
いやいや真南には晴れ間があるから、いい景色かもしれない。
などと考えながら道をこなしていきます。
時間が時間なので、前走者は早々に譲ってくれる地元の車が2台のみ。
やがて横手山ドライブイン。
ここで一気に景色が変わり、眼前には空が開けます。
尾根近くの荒涼とした景色を無理やり切り裂くように道路が抜けていきます。
開通直後の4月末はまだまだ残雪の残っていた山々は、今や夏真っ盛りの8月の風景。
青々とした下草に、黄土色の火山質の土のツートンカラー。
見下ろす景色は爽快そのもの。
先ほどまでいた信州中野の街がもうあんなに遠くに。
「天まで昇る」という言葉を使いたくなるくらいの高低差。
雪解け水ももう枯れ切ってすっかりドライなスノーシェッドを抜けると・・・
これまた著名な渋峠ホテル。
今日は立ち寄りを遠慮して、そのまま先に進みます。
峠を越え、群馬に入って見下ろす下界は見事な雲海!
「群馬県西部、只今の天気は曇りです。」とアナウンスしたくなるくらいの雲の層。
上にも雲、下にも雲というのが、関東平野では絶対にお目にかかれない景色ですね。
日本国道最高地点、2172mの石碑ではしゃぐ人たちを横目に、これから進む道を見下ろしながら国道をさらに進みます。
左奥へ山を回り込んでいくのが国道、ヘアピンで右へ向かって降っていくのが県道466号ですね。
今日向かう先は、県道。
万座温泉の火山ガス地帯を抜けて、西へ向かって高度をやや下げつつ進みます。
ホテルやスキー場の林立する万座温泉の中枢、直進すると万座ハイウェーに入ります。
今日はひきつづき県道を走るので、脇道にそれる形で右折。
森林限界を下回った県道は木々と熊笹に囲まれつつ西へ向かって進みます。
こちらは首都圏からの観光ルートから外れるため、道は一気に狭くなり、路面の凸凹も大きくなります。
夏休みだけあって合宿なのか、多くの学生ランナーが道路を走り込みしていました。
高地トレーニングにはもってこいの場所ですね。
万座峠の少し西の路肩からは、雲をかぶった横手山がハッキリ見えます。
横手山の山頂下を巻くように突っ切るのが、先ほど走ってきた国道292号。
山の左側に見える三角屋根が横手山ドライブイン、隣の尾根とつながる右側の窪地が渋峠です。
ずっと県境付近の群馬側をなぞってきた県道は、万座峠の少し先で、道はふたたび長野県に戻ります。
その先のT字路で、南から合流してきた県道112号に食われて終点を迎えます。
写真は交差点を行きすぎて振り返って撮影。
道なりに進むと112号に乗り換えて西へ下りますが、ここは左折して112号を南、写真で言う右手の道へ。
県道は1車線になり、待避所を挟みながら尾根近くをほぼ水平にたどっていきます。
前半部分は舗装が直されて走りやすく、気持ちのいい高原道路。
湯沢林道の分岐から先は舗装も荒れ始め、運転には注意を要します。
しかしその区間も束の間、目前の鞍部で県道は終点を迎えます。
左手に小串鉱山の索道跡を見上げつつ進むと・・・
秘境感満載の群馬県看板でお馴染み、毛無峠に到着です。
時間はここで7:00。
峠の南、群馬側は遠くに雲海のたなびく幻想的な風景。
眼下に見えるのは奥嬬恋の町。
一方で北の長野方面は、深い青空が覗きはじめるさわやかな朝の高原風景。
樋沢川谷沿いの向こうに見えるのは信州高山。
画面中央左、山裾にストライプの入った山が雁田山あたり、それに覆いかぶさるような左のこぶがここだと思うんですよね。
これから山を降り、あの間あたりに向かいます。
県道112号は毛無峠の分岐から先、一気に山を下り始めます。
北を向いて南を向いて、東を向いて西を向いて・・・
さまざまな角度のヘアピンカーブをこれまでかと曲がりくねって進みます。
志賀高原道路ばかりが注目されがちな白根山周辺ですが、自分は道としてはここが一番お気に入り。
反面、景色は基本的に林間ですが、途中の眺望が開ける場所に、いくつか展望台もあります。
こちらはひときわ張り出した地形の湯峰公園展望台。
段々の綺麗な田畑のY字のあたりはちょうど二所皇太神社のあたり。
さっきよりもずいぶんと地平が近くなり、ここは標高1300m付近。
ちなみに毛無峠は1823mです。
湯沢公園から先はちょっとヘアピンをクリアしたら、あとは裾野の直線道です。
県道112号は県道54号に横切られるようにして終わり、これを左折して南西へ。
ちょうどこの辺りが毛無峠から見えていた裾野の街並み。
見覚えのあるストライプの山がありますね!
降った先には須坂温泉の看板が立ち並ぶ山裾の町外れ。
ここをぐるっと南に向かって巻き、十字路を左折。
現れるのは真新しい鎌田山トンネル。
これをくぐって、須坂の中心部を避けるように南へ抜けます。
この道は北信州くだもの街道こと、須高地区広域農道。
広域農道と言われると、辿ってみたい衝動に駆られますが、今日の目的はこれではありません。
農道半ばにして国道406号との交差点で左折し、さらに南へ。
鮎川の支流、百々川を超えて進みます。
ちょうどあの山の向こうあたりに毛無峠があるはず。
時計はここで8:00を回りました。
国道は狭い須坂の旧市街を抜けると、一気に道幅を広げて峠に挑みます。
上信越高原国立公園の看板も誇らしいこの道は菅平高原へ続きます。
登坂車線を組み合わせながら登っていく国道406号の力強さは、冒頭に登った湯田中あたりの国道292号にそっくりですね。
残念ながらとてもゆっくりしたペースの前走者車列に捕まり、ペースはほどほどのまま菅平高原へ。
テニスコートやペンション、陸上競技場など、開発され尽くしたように見える街並みの中にも高原野菜の畑があるのがいいですね。
トラクターがあくせく走り回って夏野菜の収穫をしているようでした。
高原の中央部で国道は左折。
直進すると県道34号ですが、この日は通行止めのよう。
こっちの道もおもしろそうなんですが、今日の予定は元々国道方面です。
左折してひきつづき国道を走る道は、下りにさしかかります。
本格的な下り勾配にさしかかる直前、道路脇におもむろに現れるのが菅平ダム。
ここで一旦小休止を挟みます。
控えめな重力式コンクリートダムを眺めつつ一息。
電気設備の更新工事をおこなっていると告知がしてあり、たしかに堤体下では真新しいコンクリートの打設現場が。
とはいえ今日は祝日、工事はお休みのようですね。
ダムで水分補給したら、登りと同じく登坂車線と橋梁でリッチにつなぐ峠道を下っていきます。
つきあたりは国道144号。
今日はこれを鋭角に左折し、嬬恋方面へ。
道は渋沢川沿いに大きな弧を描いてうねりつつ進んでいきます。
大型トラックもびゅんびゅん飛ばせるくらいのゆるやかな道。
途中、「野菜通販みどりの大地」の脇を抜けます。
この直売所、有名なのか来場者が多いのはいいのですが、路駐の仕方がまじで危ない・・・
お店の規模に駐車場のキャパが見合ってなさすぎな感じですね。
バイクならともかく、これだけ車道内にはみ出して停車してたらトラック同士の離合なんて危なくて仕方がないです。
幸いにもバイク、交差点からは先頭を走っていたこともありつつがなく通過。
分岐の先に何も書かれていない(ちゃんと菅平高原に行けるはず)県道182をスルーしつつ、少しだけ峠道っぽさを醸し出す国道を登っていくと・・・
ここからまた群馬県に戻ります。
峠は鳥居峠。
1362mもありますが、菅平高原が1200m以上ありますから、ほとんど登った感じがしないですね。
道は下ってるんだか下ってないんんだかという程度のおだやかな下り坂で東へ歩みを進めます。
ここから本当はチェリーパークラインで高峰高原の車坂峠を越えようと思っていたのですが、菅平からこっち、交通量が結構多い。
時計はもう9:00を回っており、首都圏からの観光客も予想されます。
せっかくの楽しい道を渋滞で抜けても仕方ないな、と思い、交通量の少ない県道94号に迂回です。
この道は2020年の6月に走って交通量少なめ、で楽しい線形なのを確認済み。
チェリーパークラインはまた後日。
湯尻川にそってスイスイと抜けていく快走路を楽しみます。
空は真っ青に晴れていますが、まだまだ標高もあり気温は22度そこそこ。
快適な走行です。
2020年に来た時には、2019年の台風19号の影響で河原は工事だらけ、護岸も崩れて流木が散乱し、惨憺たる状況でした。
しかし今日はいくつか工事箇所が残るものの、きれいに補修され川遊びをしている家族もいるおだやかな風景。
ここまで変わるものなんだなーと感心しつつ、道の楽しさは変わらないことにも安心。
どーんと景色が開けたところで、そろそろ湯の丸高原、地蔵峠です。
頂上付近でしれっと県境をこえ、また長野に。
高原にあるロッジ花紋は多種多様なソフトクリームがウリ。
寄ろうかどうか迷いましたが、涼しい早朝を選んできたがゆえに逆にちょっと寒い・・・。
ここもまたの機会に寄りましょう。
峠を南に下って、東御と小諸の市境付近へ向かいます。
それほど険しくはないものの、時折ヘアピンカーブも現れるほどよい山道。
狙い通り交通量は少なく、これを快調に下っていきます。
舗装の綺麗な、大きく切られたS字。
バイク乗ってる人はこの写真だけでワクワクしますよねw
最後の区間は超ウルトラ気持ちのいい高原見下ろし区間。
エンブレのご機嫌に全てを任せて、吹き抜けるおだやかな風の中斜面を突っ切ります。
川沿いの平地を挟んで向かいに見えるのは蓼科や美ヶ原の山々。
前後にも対抗にも車はほとんどなく、高原の風独り占めといった感じ。
快走路を満喫したら、ちょっとだけ苦行もこなしましょう。
小諸の市街地へ向かって国道141号と国道18号の重複区間を抜けます。
時間は10:00、気温は30度近くなり、照り返しが厳しい!
これでも600mくらいはあるので、関東平野内部よりはずいぶん涼しいはずなんですけどね。
せっかく脇を通るのだから、と特に考えもなく小諸駅に寄り道。
入場券を買って中に入ります。
鉄道で来たことはあるのですが、バイクで立ち寄るのは初めて。
ここは旧JR信越本線であるしなの鉄道と、現役のJR路線である小海線の連絡駅。
赤い列車がしなの鉄道、緑の列車が小海線です。
小海線はディーゼルなのでガラガラと音を立てる、一昨日只見で見たのとお仲間のキハ110。
小諸といったら蕎麦でしょう!ということで駅そばでちょっと早めのお昼、月見蕎麦400円なり。
駅舎内(改札街)で営業している小さなカウンターのお蕎麦屋さんなのですが、ここの店主さんがバイク好きで、ものすごいお話上手な方でした。
小道具が出てくる出てくる・・・で、ツーリングの話やバイク歴の話など、立ち食いで許されざる長時間の談笑をさせていただきました。
蕎麦ももちろん美味でしたので、ここはリピートしたいですね。
駅からはさらに国道141号沿いに走って、国道の通りに左折して南へ。
中部横断自動車道の佐久北ICを通り過ぎたら、脇道に逸れて県道9号で岩村田城の城下を抜け、左折して県道44号へ。
県道44号は東に向かって田んぼの中を走る平坦な道。
やっと市街地から解放された・・・!
さらに県道138号に乗り換え、香坂川沿いに。
左右の水田から流れる涼しい空気を一心にあびつつ、久々のマイペース走行。
肩慣らし程度の小さな峠を越え、また平坦路。
しばらくして川岸が狭まり、本格的に山へ向かって入り込んでいきます。
登り始めると道幅もやや狭くなり、周辺の民家もどんどん減ってきました。
やがて沿道に見えてくるのが、緑に埋もれた香坂ダム。
ダム自体は農地の渇水防止と同時に洪水防止で、発電や水道利水はおこなっていません。
普段から水自体もたいして溜めていないため、全体が緑に飲まれているような格好。
しかし放水路だけは無骨なコンクリートでガッツリと。
とはいえ、カラッカラなんですけどね。
最初どっちがダム湖でどっちが下流かわからなかったくらい、緑深いダム。
取水路は県道挟んで堤体を渡った先にあります。
堤体上もダム感がないなあ・・・w
一昨日「日本最大級!!!」という田子倉ダムを見た後だと、このこじんまりしたダムが可愛くてしかたありませんね。
ダム脇でちょっと休憩し、時計は11:00。
県道はいつのまにやら始点に達して終わりを迎え、シームレスに市道へ。
舗装の規格は落ちたものの、道の形自体は非常に穏やかで、引き続き低い山の中をくねくねと走っていきます。
T字路で妙義荒船林道に突き当たり、これを左折。
妙義荒船林道を走るのは5年ぶりくらいですね。
ちなみに右折すると内山峠へ辿り着きます。
ここから道幅が急激に狭まりますが、元有料道路だけあって線形はよし。
ただし路面に枝葉は落ち放題。
林道は市境を越えてなお進みます。
時計はこのあたりで11:00、真上から差す木漏れ日が路面に綺麗な模様をつけ、冷涼な雰囲気を醸し出します。
しかし路面状況が掴みにくいのはよくないw
どーんと開けた北西の眺望。
正面雲の中は浅間山、そして眼下は信濃追分でしょうか。
一番目立つ建物は木もれ陽の里あたりですね。
やがて林道は廃道区間で通行止め区間に突き当たりま・・・あれ、A型バリケードはあるけど通行止め標識がない。
行けるのかな?と思って脇を通ってみたら、ちゃんとゲートは閉まっていました。
ついでにゲート脇にあった通行止め標識はコケていましたw
道は行き止まりを左折、ここから先は別荘地の中を走りますが、基本的に走行できるのは主要な通り抜け道路である八風通りのみ。
残りは「別荘地内一般の通行を禁じます」の看板です。
そりゃお金払ってわざわざ借りてる別荘に用事のない人が入り込んでほしくはないですよね。
別荘地をしずしずと通り抜けたら、ゴルフコースの「群生地」を通り抜けます。
いやほんと、ゴルフコースだらけなんですよこの場所。
ちょうど碓氷軽井沢ICから別荘地・ゴルフ場方面にやってくる道路はものすごい車列。
時間は12:00、そうですね、連休避暑地で過ごす方は今朝7:00ごろ出発し、渋滞の中を走り、SAで休憩して、そろそろこの辺に辿り着く頃ですね・・・。
しかし夜明け前行動の私はいまもう帰り道。
こちら側の車線には車一台もいない状態でICまでかっとび、ストレートに帰路につきます。
碓氷軽井沢ICからは朝と逆ルート、上信越から関越に入り、渋滞皆無のままスムースに帰宅です。
この日は前日散歩したトリップメーターをリセットし忘れたため、走行距離は表示から前日分を減算しておおよそ633.4km
OODは80641kmになりました。
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