不安定だった天気予報が幸いにも好転したため、本格的な冬到来前に長野の山間部を味わうべく、ぐねぐね道を繋いで走ってきました。

ルートは複雑になるので経由地が足りず、2つにわけました。
篠ノ井線沿線と小糸線沿線を2往復するイメージですね。
・前半ルートはこちら
・後半ルートはこちら
出発は4:00少し前。
まずは高速で長野までですが、長野県はとても広いので南北の中央付近である上田や千曲まで行くとそれなりに時間がかかります。
関越道から上信越道へ入り、250kmほどの走行です。

前日夜までは、上信越道から長野道に入り、麻績(おみ)まで行こうと思っていました。
しかし麻績まで270km走ったあと給油できる場所がないことに気付き予定変更。
日曜日の早朝、しかも山間部の村ですから仕方ないですね。
更埴(こうしょく)ICで降り、千曲市の市街地を経由することにします。

国道18号沿いにある24h営業のセルフスタンドで満タンにして一安心。
聖高原経由で麻績へ向かいます。

県道338号を西へ入り、まだ寝静まった住宅街をそろりと抜けます。
まずは姨捨(おばすて)SA併設の姨捨スマートICを経由するルートで西へ。

冠着橋で千曲川を渡って進みます。
時間はここで6:30、夜明けを迎えて30分は経過しているのですが、太陽は山と雲にさえぎられているため、まるでアクアリウムでも見ているかのような一面青い世界が広がります。

姨捨SICのETCが運用中である電光掲示板を発見。
この手のドットタイプLEDで背景点灯で図柄を作るのは珍しいですね。
しかしせっかくドット表示できるのだから、案内の内容がもうちょっとこう・・・

姨捨SICの脇には、篠ノ井線の姨捨駅も立地していました。
今日は本格的な立ち寄りはやめておきますが、駅前くらいは覗きましょう。
姨捨駅は千曲の街を見下ろす大変眺めのいい崖上に立地する駅で、線路はスイッチバックになっています。
その風景と線路をウリにして、豪華ツアー列車であるTRAIN SUITE 四季島の停車駅になっているおかげで駅も小洒落た感じにリニューアルされました。

駅の脇の道から見る本線分岐とスイッチバック関連の渡り線はウネウネと波打っていて摩訶不思議。
ここは列車が通ると面白そうだ。

駅構内に入らなかったのは時間短縮もありますが、長野道を挟んでさらに崖の上に展望台があるから。
高速をくぐって西に抜け、ロードサイドの千曲川展望公園に立ち寄ります。

展望公園からの景色は絶品。
この写真はちょうど千曲市の中心部を見ている形です。
すぐ下には先ほど通ってきた篠ノ井線も見えますね。

展望公園で一息ついてからは、ぐねぐねと大きなカーブの連続する国道403号を登っていきます。
先ほどまでは雲が多かったですが、ここで晴れ間が見えました。
高原ゴルフ場の木立の隙間からキラキラと木漏れ日が注ぎます。

しかしそれも束の間、もう少し登ると雲の中に入ってしまいました。
標高が1000mあたりは気温13度、結構寒いですね。

どんより霧の立ち込める中、見えてきた大きな湖水は聖湖。
沼地を造成して湖にした半人工湖で、聖高原一帯の観光の中心です。

聖高原には博物館やスキー場、スワンボートなどたくさんの観光施設があります。
しかし今日はまだ眠る高原地帯をスルーし、国道をさらに進みます。

高原に立ち寄らないのにわざわざここを経由したのは、単にルート上にあったから、というのもありますが、お目当てはその道です。
登りも下りも舗装が綺麗な区間が多く、バンクのついたほどよくタイトなカーブが連続します。
すれ違う車も、早朝だと走るのが目的と思しきものが多いですね。

聖高原から南西に降りると、麻績村の中心部に到着。
新しくて比較的小綺麗なガソリンスタンドも日曜は8:00からの営業。
現在時刻はまだ7:00です。

国道は篠ノ井線・長野道とともに南西へ進みます。
このあたりでは稲がちょうど収穫期を迎えたようで、刈り取りされた畑もちらほらと。
干した稲藁を灰にすべくあちこちで野焼きの煙も上がります。

坂田の手前で国道と別れ、県道55号で西北西へ。
向かうは生坂方面です。

雪深い地域ならではの分厚い屋根の建物が居並ぶ県道沿いを、谷を縫う地形を穏やかなカーブで進んでいくと、どんどんと山深くなっていきます。

谷が峡谷と呼べる深さになったところで、どーんと口を開けたトンネル。
このあたりから差切峡です。

沿道から眺める差切峡は、残念ながら霧で白っぽく、日光が差し込む前なので景観もいまいちです。
例年通りであれば10月末から11月にかけてが紅葉で色づいた景観のピークなので、来週あたりからは素晴らしい景色が楽しめそうですね。

狭く見通しの悪いトンネルを連続しつつ、ところどころで拡幅や新道建設の改良が進む継ぎはぎのような道を抜け、山清路方面へ抜けます。

立派な山清路大橋で犀川を渡って県道は一度国道19号へ合流。
またすぐに分岐し、西に向かいます。

犀川の谷に沿って大きく蛇行する現行の国道19号は防災の面でも課題が多く、現在は大規模な改良工事が進行中。
県道からは、建設中のトンネルや橋梁、それに続く築堤が見え始めていました。

県道55号が独立区間に戻ったら、すぐに県道274号に折れて南西方面の山へ入っていきます。
時間は7:30、空が明るく、気温も上がってきました。

県道274号は無理やり経由地を置かないとナビが案内しないような狭隘な道です。
色褪せた「大型通行困難」の看板を通り過ぎると一気にこのような風景。
ただでさえ狭い道が落ち葉や土に覆われてさらに狭くなっています。

沿道には「この先すれ違い困難」の看板が立ち並びます。
この先500mと言わず、ずっとすれ違い困難です。

やや湿った路面に注意しつつ、ゆっくりと峠を登っていきます。
色づき始めた枝葉は目には優しいのですが、落ち葉が積もっていてタイヤには優しくない。

広津のあたりは谷間に転々と集落が続き、あちこちにローカルな地名の看板。
古くからの寺社や石仏群が残っている歴史のある地域ですが、今や沿道の建物は廃墟のほうが多い様相。

このあたりは山間部を小さな道が複雑に絡み合っていて、しっかり看板を見ながら進まないと県道を外れてしまいます。
日陰のバス停には観音様を祀る小さな小屋が建っていますが、県道はこれを回り込むようにぐるりとターンしてさらに進みます。
バスは1日3往復ですが、日曜祝日は運休のよう。

なおもすれ違い困難な道が続き、蛇行を繰り返しつつ西へ西へ。

ピークを越えると西側には穂高岳や剣岳を擁する北アルプスが望めます。
雲も少なくなってきて、冠雪のはじまった遠くの稜線がよく見えます。

高瀬川に向かって下り始めると、道は改良が著しい快走路に変貌。
あちこちに旧道敷の切れ端が見え、元の地形を想像しながら走るのが楽しいです。

川沿いの平地に降りてくると、刈り取りが終わった茶色い水田地帯が広がります。
高瀬川の右岸を直線的に貫く県道51号につきあたり、これを右折して北へ。

西に向かって越えてきた山々を、北側から抜ける別の道を使って東に戻るべく、まずは大町の中心部へ向かいます。

対岸から渡ってきた大糸線と国道147号と絡みつつ、ややこしい交差点を右折・右折と進んで県道55号へ入ります。

55号はそのまま走ると、先ほど通過した山清路へ辿り着きます。
広津のあたりが狭隘で未改良なままだったのは、通過交通はこちらを経由するのがメインだからということですね。
走りやすい片側1車線の道をスイスイと登り返していきます。

このあたりは去年の9月にも走った道。
楽しくバンクさせてスイスイ走れるのは確認済みです。
上り坂ということもあいまって、気持ちよくアクセルを開けて標高を稼いでいきます。

耳にツンとくるほど標高を上げてくると、相川トンネルで峠はピーク。
頂上付近にある公衆トイレ前の広場で一息。
時間は8:30を回り、日差しが強くなってきたので防寒着も脱ぎます。

ゆるやかな下り坂とヘアピンをいくつか挟み、八坂の中心部へ。
目指すは山清路と同じく国道19号と犀川沿いですが、県道469号に折れて先ほどより一本北側の峠を越えます。

やや狭い区間もあるものの、こちらの道も楽しく走れるワインディングロード。
点々とある民家を繋ぐように、標高を上げ下げしながら進んでいきます。

金熊川の流れる谷をぐるっと回り込んだら道はもうひとつ峠を越えるべく、大きく蛇行。
このあたりの木々は随分と紅葉が進んでいます。
青空や大きな古民家の屋根も相まって美しい景色です。

急峻な地形をガンガン折り返して登っていきます。
見通しが悪いカーブが多いのでカーブミラーと相談しつつ、ひたすらに切り返し。

沿道に金太郎の看板が増えてきたあたりは、金太郎ゆかりの地として観光地化されています。
沿道にはもみじの生える断層状の岩場を見上げるスポットも。
ここは全部が色づいたらものすごい迫力になりそうだ。

県道は国道19号につきあたり。
これを左折して北へ。

洞門やトンネルの続く険しい地形を、さすが国道という規格で進んでいきます。

国道走行は長くは続けず、児玉橋を渡ってすぐに市道へ折れます。
ここからさらに東へ向かって篠ノ井線沿線に戻るべく、大岡方面へ。

市道あなどることなかれ、りんどう街道と名付けられたその道は相当な快走路。
大きいカーブを幾重にも回り込んで標高を稼いでいきます。

大岡の中心にたどり着いたら、県道12号につきあたってこれを左折。
改良工事の砂利道を抜けて東へ。

こちらの道もりんどう街道と変わらず、快走of快走。
やや雲が厚く景色は惜しいですが、その分道が楽しいので良し。
時間は9:00を回りました。

県道12号は北へ折れて進みますが、道なりに走ると県道395号。
これを大花見池まで進んでいくと県道390号と合流。
右折して390号へ入り、千曲の中心部に向かって下ります。

一時的に少し道は狭くなりますが、舗装は良し。
張り替えられて綺麗になったであろう市境の看板を越えたら、また快走区間に入ります。

大きなヘアピン・ループ橋など、楽しい要素の詰まった道をスイスイ下っていきます。
道の規格はよいのに交通量は僅少で、まるで貸切ツーリングロードのよう。
シールドを開けながら気持ちよく風を切って進みます。

やがて視界が開け、千曲の街に戻ってきました。
長野道の高架をアンダーパスして平地に戻ります。

東の空はやや雲が多いものの、市内が一望できます。
空気が濁っているのは稲藁の野焼きのせいですねw
時間は9:00、これにて1往復完了。

大糸線との間に挟まれた山を越え、もう1往復すべく、次の道に向けて北へ。
国道403号を経由して県道77号へ。

また山に入ると休憩地点が少なくなるので、ここでコンビニに立ち寄って小休止と水分補給です。
10月も後半に差し掛かりましたが、この日は20度を越え、場所によっては夏日になる予報。
くすぶっていた西の空とは対照に、東の空は真っ青に秋晴れ。

2往復目は稲荷山駅の脇を通って県道70号で西進します。
まだ刈り取りの終わっていない田んぼが朝の低い日差しに輝いてとても綺麗ですね。

道は信更(しんこう)に向けて登っていきます。

信更の中心部を越えると犀川に向けて下り始め、信州新町へ。

久米路橋で犀川を渡ってトンネルを抜けると、国道19号に三度合流です。

これまでタッチして横切るだけだった国道19号をしばし走行。
犀川沿いの国道は、南側では南北方向を向いているものの、このあたりではほぼ東西向きに曲がっているので、西へ向かうのにいいルートになっているんですね。

蛇行する川に抗うようにいくつもの橋を越えて右岸と左岸をせわしなく入れ替え、道は進んでいきます。

県道391号から県道393号へ繋ぐルートで西に向かいたかったのですが、393号は4/1から土砂流入のため通行止め。
そのため県道394で西に抜けるべく、さらに国道を進みます。

10:00をちょうど回った頃に県道394号に折れ、すぐに橋木橋で犀川を渡ります。
上から読んでも橋木橋、下から読んでも橋木橋・・・。

県道は大きく回り込むヘアピン2つで一気に高度を稼ぎ、あとは穏やかに進んでいきます。

金熊川と合流して川沿いの道に変わると、やや道幅が狭くなります。

その代わり景色は抜群で、せせらぎのすぐ脇を色づき始めた紅葉が彩る中、楽しく進んでいきます。

394をそのまま抜けてもよかったのですが、ここで県道497に右折。
中山高原を経由して北へぐるっと回り込むようにして西に抜けます。

美麻(みあさ)の中心部へは抜けず、県道393号へ左折。
再び山へ向かって西へ。

少しずつ道を北へずらしていっているので、紅葉の色もすこしづつ濃くなってきています。
標高が上下していることもあいまって、夏の終わりと秋の始まりのちょうど中間を行き来しているような感覚。

やがて正面にそびえる小熊山が見えると、大糸線沿いに到着。

木崎湖の湖畔で時間は10:30。
ちょうど列車がやってくる時刻だったので、稲尾駅に立ち寄ります。

稲尾駅の向かいの農道で列車を迎えつつ小休止。
風もなくのどかで、まさに田舎の沿線風景といった趣。
乗降客は1人もいませんでした。
稲尾駅からは大糸線沿いに国道148号を北へ。

事故で片側交互通行となっており、やや時間をロスしつつ中綱湖まで走ります。

青木湖の手前、湖畔ギリギリで脇道に入って県道324号に入ります。
ここから最後の東進。

山を穿ったような狭いV字谷の中を進んで、道は美麻の北へ。

時間は11:00、木漏れ日はほぼ真上から降り注ぎます。
狭い道ですが舗装はそこそこいいのでゆったりと走行。

途中のススキ野原はヤナバスキー場の跡地。
青木湖の湖水を見下ろす明媚なスキー場で、湖畔にはシーズン営業の専用臨時駅もあったのですが、2015〜2016シーズンの少雪のために経営が悪化し、翌シーズン以降休止中。
駅は2019年に廃止されてしまいました。

スキー場を突っ切って山を越え、土尻川沿いに進みます。
道は県道33号につきあたって、これを右折。
県道31号と合流して道なりに、温泉などが並ぶ美麻の中心の北側を抜けていきます。

沿道には綺麗に色づいたコキアがちらほらと。
他が色づいていないのにコキアだけが真っ赤に染まっていて、一瞬道路用の三角コーンかと思いましたw

川沿いの穏やかな道をゆったり走って、時間は11:30。
沿道にある道の駅おがわでお昼にします。

チョイスは手打ちのざるそばと信州サーモンの刺身。
御膳にしてもよかったのですが、ちょっとボリュームが多い。
しかしまさか、10月後半の長野山間部でざるを選ぶことになるとは・・・。
まさかの暖かい1日です。

手早く食事を済ませてがっつり水分補給し、道はあと少し。
引き続き川沿いの道を進み、白馬長野有料道路を避けて迂回。
2kmで150円という絶妙な料金もさることながら、とにかくETCが使えないのが面倒くさいw
6:00から22:00までの時間帯のみ有料なので、深夜早朝は無料。
その時間帯に徴収できる料金より人件費のほうが高いってことなんでしょうね。

有料道路の終点とから少し先、県道も国道19号に合流。
四度の犀川合流を果たし、下流へ。

エメラルドに染まる小田切ダム湖の湖水を横目に抜けると、そのまま長野南バイパスへ。
これにて2往復完了ですね。

最後はバイパスから県道35号に折れて長野ICから上信越道。
往路と同じく関越道経由で帰路につきます。

高速が500km程度あったとはいえ、ほぼずっと山間部を走り続けたので満足度の高い685.9kmでした。

ODOは87030kmになりました。

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