昨日のレポートのつづきで、岐阜発。
1日目はバイク以外をメインに色々行動したので、2日目はオーソドックスにライディングを楽しむべく、岐阜方面の通ったことがない道をつないできました。

ルートはこちら
高速移動を経由せずに現地スタートできるのは、時間が節約できたり渋滞にはまらなくていい反面、この時期だと明け方の寒さや暗さが問題になります。
日の出前の行動を最小限にしつつ時間を有効につかうべく、コンサバに宿を5:00に出発し、まずは国道157号と重複する国道303号を西へ。

途中、なにげなく引っかかった交差点が面白い名前でした。
七五三と書いて「しめ」と読みます。
かつては本巣郡七五三村だったその地名は、現在本巣市のローカル地名となっています。
偶然信号にひっかかって気付く、こういう何気ない情報との出会いもツーリングの楽しさですね。

国道は何度か曲折しつつ、揖斐川に沿って北西方面へ走ります。
6:00前になって、夜が徐々に明けてきました。

横山ダムによって形成される奥いび湖上で国道303号は対岸に渡り、八草峠で滋賀へ向かいますが、ここで橋を渡らずに直進。
国道は417号となり、さらに揖斐川沿いに進みます。

朝焼けの空は山の稜線に隠されて見えませんが、赤く染め上がった雲だけが頭上に浮かびます。
景色を楽しみたいところですが、気温が2度しかなくそれどころではありません。

改良された痕跡の新しい高規格道路で川をどんどん登っていき、路肩の広いスペースで小休止。

ここから見えるのが、ご覧の巨大な堤体を擁する徳山ダムです。
6.6億立方メートルを誇るその貯水容量は、奥只見湖を超えて日本一。
なんと湖水の面積は諏訪湖に匹敵し、水量は浜名湖の2倍という恐ろしいサイズ。
ダムサイトの公園は残念ながら9:00のオープンなので、今日はダムを眺めるだけにしておきます。

右岸を走っている国道はダムの脇を抜けて、さらに北へ向かいます。
トンネルと橋を駆使して進み・・・

大きな斜張橋、徳之山八徳橋で一気に左岸へ渡ります。

諏訪湖より広いとはいえ、山間の川をせきとめて作ったダム湖。
いくつもの谷を埋めるようにして広がるため、地表からでは一望することはできません。
しかしその一部を見るだけでも、全容を推し量るに十分なスケールを感じられます。

国道はそのまま左岸を駆け上がっていきますが、県境付近は未整備のため不通。
そのためダム湖から少し先で途切れます。
途切れた反対側は、福井県の南越前へつながっています。
峠区間の国道はないものの、既に林道では冠山峠を越えて行けるので、道路交通としてはつながっています。
国道整備も手付かずというわけではなく、1.2kmと4.8kmという長大な2本のトンネルを用いてこれをクリアする冠山道路が事業中で、2023年度には開通予定となっています。

・・・長々と冠山峠について話しましたが、行きませんw
福井方面に行ってしまうと自宅に戻るのが流石に大変ですからね。
折り返すように、県道270号で馬坂峠へアプローチし、東へ。
県道はご覧のありさまで、ここまでダム建設の付け替えによってスーパー高規格となった国道を走ってきただけに、いきなり格落ちする古来の県道とはギャップがすさまじいです。

馬坂峠への道は、大きめの落石が多く走行には注意が必要な道です。
その路面の障害だけでなく、馬坂トンネルも狭小で通行注意。

照明一つない小さな隧道ですが、近年プレキャストコンクリートのライニング工法で補修を受け、内部は綺麗になっています。
これを抜け、東南東方面に下っていきます。

まだ日が差し切らない山の中をゆったり下っていきます。

やがて山を抜け、里が見えてきたら、地名は根尾。
現在は本巣市ですが、かつては根尾村として独立した行政区分でした。

出発してすぐ別れた国道157号と再会。これを少し南に走ります。

樽見鉄道の樽見駅の脇を抜け、国道418号に入ります。
このあたりも色々観光できるのですが、4月に淡墨桜を見にきたので、今日はスルーです。

国道418号は一度北に向かい、踵を返すように南東へ。
時間は7:00を周り、谷底にも徐々に朝日が届き始めます。
すぐそこの角の向こうはもう朝ですね。おはようございます!

道は尾並坂峠を登って、切り通しを越えて下りへ。
この先は山形市・・・ではなく、同じ読みの山県市です。

峠の下りで、綺麗なロードサイドパークがあったので立ち寄ります。
この乳児の森公園にある大きな桜の木は、おなみ桜といい、なんと淡墨桜と同じ由緒を持つ姉妹株だとか。
紅葉もたくさん植っていましたが、残念ながら色づきのタイミングではありませんでした。
駐車場にちょうどよく日光があたっていたので、鞄にいれておいたコーヒーを飲みつつからだをほぐしてあたためます。

国道は美山でT字路にあたり、右折するのでこれに沿ってさらに進みます。

里に降りてきて東側の景色がひらけたことと、太陽が登ってきたことで眼前からは直射の朝日。
朝からつぶしまくって虫のついたシールドが虫汁でギラギラします!

シールドをふきふき、国道256号との十字路を左折して北へ。
美山第一トンネル・・・

第二トンネル・・・

第三トンネルと抜け、武儀川(むぎがわ)の川沿いから山の上の洞戸へ。

洞戸は美山現在関市ですが、元々は洞戸村。
ふもとの美山も、現在は山県市ですが、元々美山町。
2つの町を繋ぐ道は、すぐ脇に九頭師坂隧道を擁する県道182号も走っており、古くから山県の美山と交易があったことを感じさせます。
しかし関市はえらい形に合併したもんだ・・・なんとか美濃市と仲良くできないもんかw

道はやや東に進路をとって板取川へ。

板取川とぶつかったら、川に沿うように北へ進んでいきます。
ずっと山間を走り、左右とも稜線が高いので、向く方角が変わるだけで日当たりが全然違います。

くねくねしているものの、穏やかで走りやすい道がずいずい続いていきます。

分類上は堰になる、小さな洞戸ダムで川幅はやや広げられなおのこと穏やかに。
時間は8:00、南向きの斜面はもう完全に日当ですが、すこしカーブするとまだまだ日陰。
さすが10月最終週・・・

国道は思いついたかのように右折し、東へ進路を変えます。
挑むのはタラガ峠で、郡上市へ向かいます。

とはいえ、峠越えの旧道はすでに閉鎖されており、国道はトンネルで抜けます。
こんなに立派なのに扁額のない変わったタラガトンネルは、2007年完成で、4.5kmもあります。
ここだけ見ると自専道路か?というくらいの立派さですが、トンネル出口以遠大型車通行不能という物騒な看板。

そんな高規格トンネルですが、内部はあまり健全ではない様子。
漏水・冠水注意の看板からの、補修工事でまさかのトンネル内部交互通行。
トンネルの先の改良が進んでいないことからも分かる通り、難しい地質なのでしょうね。
これからの冬の季節、トンネル内で水が沸き続けているというのはかなり危険。

トンネルを抜けたら下り坂。
最初はきっちりセンターラインもある改良区間ですが・・・

少し行くとこんな感じの道幅。
これに回り込むようなカーブもあるので、たしかに大型はちょっと厳しいかも。
すれ違いが発生するとアウト、という感じです。

そのまま走ると国道156号・国道256号の重複区間につきあたります。
これを左折して郡上の中心部へ。
時間は8:30、ここいらで休憩と給油を済ませましょう。
しかしこの看板、市役所の目の前だというのに薄くて消えていて何がなんだかわからんw

看板の中で唯一まともに判読できる文字、下呂を目指して直進します。
国道は256号単独に。

西和良に向かう国道は、市役所の裏とは思えない九十九折り。
眼前の斜面をガードレールが交錯するような道をスイスイっと登っていきます。
さすがに交通量はそれなりにあるようで、道はとても綺麗。

山を登っていったん平地、さらにそこからもう一段登るとその先が西和良です。
現在同じ郡上市ですが、ここも今回よく出てくる「元々西和良村だった」というやつです。

西和良を超えて、変わり映えしない景色の中をさらに東へ。

入間川沿いにぐるっとカーブして南を向いて、入間川が鬼谷川と合流する地点でまた東向きへ。

その先の街は和良。
西和良と同じく今は郡上市ですが、1954年に八幡町になってから、2004年に郡上市になった西和良と違い、こちらは2004年まで単独の村でした。
区分けが大きいか小さいかで人口に差が出るだけの話ですが、「西」とつく場所の方が先に町に格上げされたのも面白いですね。

造成された公園の斜面に植った紅葉が真っ赤になっていました。
バラツキがあるとはいえ、ここまで赤いのは今シーズン初めてかも。

国道は川沿いをのどかに走っていきますが・・・

態度が急変し、いきなり高規格な道路になります。
ここは濃飛横断自動車道の一部を成す区間で、将来的には東は中津川まで、西は郡上まで伸ばすことを計画された道路です。
現在供用中の和良〜下呂を使って東へ。

区分としては高速道路や自動車専用道路ではなく、地域高規格道路。
そのため、案内の看板も下道と同じ青色のものが使われています。
歩行者の他に、原付・小型特殊・軽車両は通行止め・・・自動車専用道路と違うのは、道路運送車両法上は「第二種原動機付自転車」であるものの道路交通法上は「小型自動二輪車」と呼ばれる125cc以下の二輪が走行できることでしょうか。

終点まで走ると、国道41号に突き当たります。
これを左折して北へ。
飛騨川沿いの道は元々落石が多かったところ、ここ2年ほど大雨で川が氾濫寸前、道路の陥没も多く発生したので、改良が進められています。
門原のあたりは門原防災改良として交互通行にしてガッツリ工事がはじまっていました。

景色のいい川沿いの道は、高山本線と絡みながら進んでいきます。

国道41号を北進した理由は、昨日のツーリングで訪れた下呂温泉への軽い立ち寄り。

ここからまだ400km近く走行して帰らねばならないので、温泉には浸かりません。
昨日は暗く、既に温泉街も閉店後の風景しか見れなかったので、中心街を通過するだけ。
「せっかく近くまできたので」というやつですね。

夜は存在すらわからなかった後背の稜線までよく見えます。

温泉街をするーっと通り抜けたあとは、再び南少し戻り・・・

41号には戻らず、国道257号方面へ。

さらに県道62号に折れて、真南に進みます。

飛美里山ふるさと街道と別名のついたこの道を抜け、国道256号へ至ります。
国道256号を素直に走ると、先ほど抜けてきた濃飛横断自動車道の出口で41号と重複して南進、飛騨金山・油井と経由して東白川に抜けます。
このルートを辿ってもいいのですが、国道沿いは交通量も多いですし、県道62号経由のほうが距離も短く走りやすいだろうというチョイスです。

里山ふるさと、というだけあって、とりとめのない里山風景が続きます。
上原の集落を抜け・・・

ややツイスティで舗装のよい楽しい道をクネクネしながら走ります。
名もわからない峠を越えて白川町へ入り、下り切ると国道256号に再会します。

国道は一度東へ向かって進みます。
時間はここで10:00を回りました。
沿道に見える上佐見運動場には、あからさまに学校跡であろう建物が隣接。
調べてみたところ、やはり白川町立上佐見小学校だった建物のようです。
現在は下佐見小学校と合併、別の場所で佐見小学校として存続しているよう。

佐見をすぎると国道は峠へ向かい、1.5車線のセンターラインなしに。
ただし道の状態はとてもよくまたもや楽しいツイスティロードを満喫。

桜峠を越えて東白川村に入ると下り始めます。
道の状況は変わらずですが、高台にある佐見から川沿いの東白川村中心部に向かうので、下りの方が長い道です。

楽しく走り、白川沿いへ降りると、これを北東へ。

道の駅をスルーしてなおも進むと、境谷大橋を渡って中津川市に入ります。
中津川市は縦に長く、ここは北端寄り。
言わずもがなですが、合併前は独立した加子母村でした。

国道257とぶつかり、重複して右折。
飛出山トンネル、賽の神トンネルと抜け、前略、付知町だったあたりへ。

国道をそのまま走って中津川に抜けてしまってもよかったのですが、そうすると中央道で恵那山トンネルを抜けなければいけません。
長いトンネルで車線変更禁止なのに、平気で右に居座るトラックで地獄を見るイメージしかないので、恵那山の東側に抜けます。
県道3号に入り、うねうねと川上村・・・だったところへ抜けます。

川上からは坂下町だった地域へ。
川上なのに川下ではなく、坂上ではないのに坂下なんですねw
位置関係的には対になっていたほうがしっくりきます。

坂下で国道256号と再会。
国道より県道のほうが優先権のある線形で、そのまま木曽川の対岸である国道19号に突っ込みます。

19号は木曽川を遡上していき、南木曽町へ。
ここで今日初めて県境をこえ、長野に入りました。
いやー岐阜県は広いですね!

国道256号は7kmほどで国道19号に別れを告げ、阿智村へ向かってまずは東へ走ります。

峠へのアプローチルートは盛んに改良が行われており、見通しのいい隧道や・・・

統一された木曽檜モチーフの親柱を持つ橋などをつないで走ります。
ダムもないのにこういう道になってるのはちょっと新鮮ですね。

大平街道である県道8号は既に通ったことがあるので、今日はスルー。
ここから国道は南に進路を変えて、清内路峠へ向かいます。

峠への取り付け部分は最近も改良が行われており、潰された旧道地形がハッキリわかります。
これをどんどん登っていき、いざ峠へ・・・

と思いきや、ここでも峠は越えず。
旧道はフェンスでガッツリ閉鎖されており、必然的に清内路トンネルへ吸い込まれます。
便利なのはいいんですけど、なんとか峠道も残してくれやしないもんか。

トンネルを抜けたら、あとはゆるやかに下るだけ。
時間は11:30、そろそろ首都圏に帰るであろう交通も増えてきました。

すいすい下って阿知川沿いへ。
県道89号に折れて、恵那山トンネルから出てすぐの園原ICへ向かってもよいなーと考えましたが、ここから自宅まで300km以上、高速に乗る前に給油しておけばノンストップで帰れます。

ということで阿智村の中心部まで下り、セルフスタンドでガソリンを入れてコンビニで小休止。
ギリギリ飯田市に入って、飯田山本ICから中央道で帰路につきます。

2日目の走行距離は584.3km

1日目との合計は1097.4kmになりました。

ODOは89487kmになりました。満足!

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