ツーリングBlog [Full Notch !]

関東を拠点にあちこち旅する在住ライダーのツーリングレポート。

交通量の少ない山深い道や交通関係施設、史跡などが好物。

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→Ninja1000 SX(20)と乗り継いでいます。



今シーズンも富士山が本格的に冠雪し、美しいツートンカラーに染まりました。
ということで、暖かい予報だった日曜日は八王子から高尾、道志、山中湖、三保と経由して日本平まで走って富士山を舐めるように眺めてきました。
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ルートはこちら


 


高速は短く八王子まで、そこからすぐ山に入るということで、夜明けの6:30を見越して出発は5:00。
1時間と少しで中央道を降りて、高尾山口を経由して甲州街道を走ります。
太陽が地平線の向こうから徐々に近づいてくる夜明け前の薄明かりで大垂水峠を越え、神奈川へ。
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峠区間は朝霧の影響か、それとも昨夜降った雨が乾いていないのか、いずれにせよドライ半分ウエット半分のコンディション。
落ち葉も怖い季節なのでゆっくりと走り、千木良へ下ります。
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鋭角な左折を経て県道515号へ。
桂橋で相模川を渡るころ、ちょうど日の出を迎えます。
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国道412号〜国道413号と乗り継いで、道志川の右岸へ取り付くと、川沿いの走行。
関東からの近場ツーリングでは奥多摩・伊豆・房総と並んでポピュラーな道志みちです。
確かに線形はそれなりに楽しいものの、高低差はあまりありません。
基本的に日中は交通量も多く、全国いろんな道を知ってしまうと、ここはむしろ避けて通りがちなルートです。
今日は早朝通過ということで、あえて選んでみました。
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しかしさすがは道志みち、7:00前でも追いつかれたり追いついたりすることは多いです。
追いつかれる分には、ミラーに早い車が見えたら即道を譲ってしまえばいいのですが、追いついてしまうとどうしようもないので、前につまらないように極力ゆったりペースで行きます。
他人の一定しないペースについて走るよりは、同じ平均速度でもマイペースの方が楽しいですからね。
西へ走る道はすぐに山梨県に入り、道志村を端から端まで貫くように走ります。
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施設がまだ全て閉まっている道の駅どうしでトイレ休憩兼コーヒーブレイク。
時間は7:00を回りましたが、山に囲まれた峡谷はまだ日があたらないので、気温は0度です。
バイクはこの時間でも20台くらいは居ますね。
コーヒーで温まった体から、始動直後のマフラーばりに白い息をはきつつ、引き続き西へ。
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道の駅の手前からチラッと山頂が見えていた富士山は、山中湖が近づくにつれどんどん視界を大きく占めます。
「これぞ富士山」とも言うべき白い冠雪で化粧した富士山が、キリッと澄んだ初冬の空に映えます。
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山中湖を南にスイングバイし、国道138号に乗り換えます。
籠坂峠を越えて静岡へ。
標高がぐぐっと下がって気温が上がり、5〜6度。
このくらいだと、冬装備なら快適に走れる気温なのでありがたい。
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概ねどの角度から見ても綺麗な八の字のシルエットに見える富士山ですが、須走方面からだけは別。
この角度では宝永山のシルエットがあるため、「肩」があるように見えます。
西の大沢崩れと南東の宝永山を把握しておけば、富士山の写真は概ねどの方角から撮影したか分かるよ、というのが豆知識。
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須走からは、須走道路で仁杉まで。
御殿場BPとの接続部は完成した橋脚がすでに規則正しく並んでおり、専用部の貫通もすぐそこ、といった印象。
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その先は国道469号に入って、進路をまた西へ戻します。
東富士演習場を突っ切り、ぐるっと富士山の南側へ回り込むルート。
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時間も8:00を回って、明るさ・気温ともに更に上昇傾向。
演習場内にびっしりと生え揃ったススキがキラキラ輝いて綺麗ですね。
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演習場を抜けると、愛鷹山と富士山の斜面の間にできた谷を縫うように進みます。
このあたりはゴルフ場やリゾート、レジャー施設もひしめく一大観光地帯なので、ファミリーカーもたくさん行き交います。
大人しく車列に紛れつつ、引き続き西へ。
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あらかた観光地を通り過ぎたら、裾野を富士宮に向かって下っていきます。
手前の山々はまだ秋の色ですが、遠くには真っ白な南アルプスの稜線も。
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山を降りると、国道を挟むように巨大なお寺が見えてきました。
調べたところ、日蓮正宗総本山の大石寺で、沿道のこの建物は三門。
この日はスルーしましたが、春の季節に撮影されたストリートビューの画像が桜と富士山の対比で芸術的。
ここは春にまた来たいですね。
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大石寺の先、そのまま道なりにすすむと県道75号へ右折して北へ向かいます。
国道469号を辿る場合は流れに逆らって左折し、芝川の左岸を南へ。
これまでの高原道路のような風景から一点、国道の威厳を失ったかのような狭隘な道に入ります。
・・・でも静岡の道というと、こっちのほうがしっくりきますね。
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センターラインのない狭い道を走り、また道の流れとは逆らうように右折。
くねくねとヘアピンカーブを連続して山を登って、稜線を越えた先、稲子川沿いに降ります。
雪化粧の富士山ばかり眺めていたら冬の気分ですが、太平洋に近い低い山はまだまだ秋の色を残しています。
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稲子川へつきあたったら右岸へ渡り、また国道は交差点を曲がります。
今度は左折し、南へ。
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川沿いの山は規則的な縞模様に削り取られて山肌が顔を出していました。
太陽が削られた斜面にだけ当たっていることもあり、とても異様な雰囲気。
一瞬ダムかとも思いましたが、それにしては大きすぎるなーと思っていたら、麓にはコンクリート・採石のプラントがありました。
秩父の武甲山と同じですね。
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もういちど左岸に渡って更に南へ。
時間は9:30を回ったのに、まだまだ西面は日陰のままです。
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身延線の稲子駅前で国道はまたまた交差点を曲がり、再び西へ向かいますが、今度はこれに追従せず直進します。
道は稲子川のほとりに入った時から重複指定となっていた県道398号の単独区間に入ります。
稲子川は富士川の広大な流れに注いで終わり、そのまま巻き取られるように富士川沿いを南下・・・
とみせかけて、稲瀬川との合流地点で新内房橋を渡って遡上します。
奥に見えているのは中洲の瀬戸島を通って渡る内房橋・釜口橋。
このあたりは川の形が複雑で面白いですね。
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川沿いの道は県道75号。
葉の全部落ちた桜並木のを横目に南へ進みます。
ここも春になると綺麗だろうなあ。
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やがて見えてきた巨大な高架道路は、新東名。
上を走っていても「山の中をぶち抜いてるなー」と思いますが、下から見ると尚更実感します。
新東名の橋はプレストレストコンクリートの細身なシルエットが多くて、見ていても美しいですよね。
しかしあの高さの細い橋の上を120km/hで爆走してるんだな・・・というのは、ちょっと怖い。
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県道は、北からやってきた国道52号と合流し、川もここで源流を迎えます。
交差点の先には新清水ICの合流地点があり、複雑に絡み合ったランプと本線の高架道路が頭上に現れます。
威容、というほかないスケール感です。
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国道はそのまま興津の市街地を貫き、海岸沿いで国道1号静清バイパスに突き当たり。
これを西に1区間だけ乗って、清水港へ向かいます。
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港湾の一番奥に位置するのが清水の中心部。
ここをスルーして、鉤爪のように回り込んだ三保半島の先端へ向かって、沿岸をぐるりと走ります。
清水駅のあたりで国道1号は右折して西に消え、直進は150号に。
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清水駅から先、国道150号の沿道には不自然な空き地が続きます。
この空き地は1984年に廃止された国鉄清水港線の廃線跡。
清水港線は、貨車のついでに客車を1日1往復だけ連結して、ほぼ通学客のためだけに運行されていた、という面白い形態の路線でした。
スクールバスならぬスクールトレインですね。
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海沿いの道は県道199号に入って、交差点で一瞬隠れるものの、廃線跡はまだまだ続きます。
廃線跡の区間の多くは自転車歩行者道路として残されていますが、橋は老朽化して撤去され、駅のあった場所は再開発されて建物が立っています。
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県道が直線区間に入ると、廃線跡は少し離れて平行します。
この道は真正面に富士山が鎮座して、ずっと眺めながらの走行になります。
三保半島の角度は富士山を眺めるために考えて作られたとしか思えませんね・・・
少なくとも道はそれを意識して作ったに違いない。
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湾内に位置する造船所の手前で一本左に入ると、小さな公園があります。
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今は三保ふれあい広場となっているこの場所は、清水港線の終着駅だった三保駅の跡地。
かつてのホーム跡が保存されていますが、看板がなければそれとわからないような奥ゆかしさです。
終着駅といっても、「貨物のついでの旅客線」の終着なだけで、貨物の専用線はもう少し奥まで伸びていました。
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ホームの規模にくらべて敷地が広いのは、当然貨物の取り扱いがあったから。
今はその構内敷地に桜の木が植えられており、春にはホーム跡がいいお花見スポットになるそう。
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敷地内に保存されている車両は、清水港線で貨物を運んでいた小型の機関車とアルミナ運搬用のタンク貨車。
状態は良くもなく悪くもなく、という感じですね。
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公園内には津波避難用の鉄骨の架台と、人口河川や池なども整備されていました。
しかしながら、日曜日の昼前だというのに人っこひとりおらず、通行人も自転車の子供を1人見かけただけでした。
費用対効果が酷いw
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三保駅跡をあとにし、県道をそのまま半島の先端へ走ります。
グランドや自然史博物館、小型機用の飛行場などが整備されている地区を回り込みます。
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防風林の松林の中を抜けていきます。
順当にいけば、三保の松原を観光するのでしょうけど、過去に訪れたこともあるのでちょっとだけ場所を変えます。
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三保の松原よりも少し先端に近い位置にある清水三保海浜公園です。
周囲にはつぶれたお土産屋と焼肉屋しかありませんが、松原から続く砂浜は同じ。
駐車場も整備されていて、景色を眺めるにはこちらの方が落ち着けるかも。
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低い位置にやや雲が出始めていますが、5合目より上はクッキリ見えていいコンディションです。
空は真っ青に透き通っていて気持ちがいいですね。
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松林はありませんが、逆にその分富士山がよく見えるので、自分はこっちのほうが好きな景色かも。
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海浜公園の脇には小さな清水灯台もありますが、地域のアピールが松原一辺倒なこともあって、落ち着いた雰囲気です。
松原周辺は人混みと渋滞が酷いので、こっちもあわせてしっかり開発すればいいのに、と思ってしまいます。
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三保はこれにて終了。
県道を国道との結節点まで戻ります。
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清水の中心部には戻らず、国道を左折。
海岸沿いにぐるっと回り込んで、日本平パークウェイにアプローチします。
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パークウェイは走るためにくる人も結構いるようなのですが、距離も短ければ交通量も多いので、特筆すべきような道ではないかな・・・という印象。
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前の車のペースに従って淡々と登っていき、目立つ電波塔が見えてきたら頂上です。
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頂上には、日本平夢テラスという展望施設が2018年にオープンしてるそう。
せっかくなのでそこに登ってみます。
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入場は無料で、1Fは日本平の謂れなどが展示されているエリア。
2Fには軽食喫茶があり、3Fが展望フロアです。
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さらに3F直結の展望回廊が電波塔をぐるっと囲んでいます。
テラスの外周廊下とあわせて8の字を描くように配置されているので、全周の景色が楽しめるのはいいですね。
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オーソドックスな東向き、富士山方面のアングル。
標高が上がったので三保からは見えなかった清水市街・富士市街がよく見えます。
両市街地の間に張り出しているのが薩埵峠ですね。
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土地勘がない人にはこういう解説ボードが大変ありがたい。
今はマップアプリや衛星地形アプリがあるので、ある程度は手元でも把握できるんですけどね。
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旧来の東展望台は閑古鳥が鳴いていました。
工事囲いの中は新たな建物が建設されていたので、また来る時には施設が増えていそうです。
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時間は11:30、日本平で食事も、と思っていましたが、団体さんで混雑していました。
特にお店に目星をつけていたわけでもないので、別の場所にしましょう。
ひとまず、東から登ってきた日本平パークウェイを西側に下って完走します。
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小鹿の市街地で帰りのガソリンを入れたあと、日本平久能山SICから東名へ。
そのまま日本平PAで富士宮焼きそばにありつきます。
単品倍盛りという質実剛健チョイス。
鉄板盛りと悩みましたが、朝食を摂っていなかったので量の威力が勝りました。
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帰りはそのまま、工事の対面通行を承知で東名を戻ります。
薩埵峠ではすっかり雲が増えてしまい、富士山はほとんど頭しか見えていませんでした。
早めに回って正解でしたね。
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ということで、この日の走行距離は456.6km
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ODOは91683kmになりました。
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