先週火曜日から木曜日にかけ、日本列島に最強寒波がやってきました。
関東もわずかながら影響を受けたので、比較的安全な房総方面に足を向け、軽く走ってきました。
最強寒波の影響で、東北北海道はもちろん、中国北陸でも交通麻痺が多発。
関西では大動脈の新名神や東海道線も麻痺するなどたいへんな週となりました。
その中でも、関東太平洋側は幸いにも寒気と雪雲が重ならず、都心から千葉は目立った積雪なし。
しかし最後の最後、寒気が弱まりはじめた金曜日の午後から少し雨が降り、凍結注意の土曜日となりました。
コンディションがよければ伊豆方面かな、と予定を立てていたりしましたが、箱根はがっつり積雪してターンパイクは通行止め。
箱根新道も冬タイヤ必須の路面で、そうなると東名は融雪していても極寒+渋滞になりそう・・・ということで、向かうは東です。
出発は遅くして8:30、自宅近くの路面はほぼ乾いていましたが、防音壁で風通しの悪い区間はまだしっとり雨が残っていました。
東関道から館山道に入って、内房を南へ向かいます。
空は真っ青で風もそこそこ、前日の雨さえなければほどよいツーリング日和です。
9:00を過ぎても気温は4度くらいしかありませんが・・・
鋸南富山ICで下道に降ります。
普段ならこの程度の距離は下道で走ってしまいますが、今日は凍結のリスクが極力少ない時間・経路を選んで高速一本。
鋸南からは海岸沿いを走る国道127号に向かい、もう少し南へ走ります。
ここからは主要道路から外れて行動するので、念の為10:00まで時間調整。
コンビニでコーヒーを買って一息入れつつ、バイクを見るとご覧の通り。
いやー、まるで粉砂糖をかけた洋菓子のような、すさまじい融雪剤。
10:00を回って気温も4〜5度まで上がってきました。
このくらいの温度だと走行中に寒さは感じませんね。
国道127号をさらに南下して、最初の目的地へ。
おだやかな砂浜の広がる、富浦町南無谷。
ここで海ではなく、山のほうに転進。
すれ違い困難な住宅街の中の道を西へ向かって入っていきます。
新田川を渡るところは、古いアーチ橋に鉄骨の桁を被せたような面白い構造。
これを越えて少しいくと・・・
内房線の踏切に突き当たります。
耕運機および1.3mまでの車両しか通行できない、ということですが、Ninja1000SXの全幅は0.83mなので通行可能。
渡った先を振り返って見ると・・・
右手に見える内房線の線路の下、ちょうど木々の影になったあたりの谷底で工事をしている音が聞こえます。
丘の上から見えるかなーと思ったのですがアテが外れました。
これが何を隠そう、工事中の安房地域広域農道、東部線の始点、西端付近の工事現場です。
既存の盛り土をぶち抜いて南無谷跨道橋が新設竣工され、前後の接続を整備中。
県道185号から国道127号までの区間は、今年度内につながる予定で工事が進んでおり、あとは内房線のアンダーパスと国道への接続部を残すのみです。
さらに東側、現在整備中の区間として県道88号までの区間がありますが、こちらは未開通の区間がまだたくさん残っています。
西端はダメだったので、東端へ行ってみることにします。
一番東側の既設区間である県道88号にアプローチするために、大きく南から回り込みます。
富浦を越えて館山市へ。
県道296号を経由して県道88号に入り、北へ戻ります。
まもなく見えてくる青看板には広域農道の表示がありますが、工事中と0.7km先通行止めの表示。
通行止めを知った上でアプローチすることは止められていません。
交差点を左折すると、すぐに立派なトンネルが見えます。
名前は「西之谷トンネル」と書いて「にしのやつトンネル」です。
トンネルを抜けた先は広域農道らしいゆるやかなカーブを描き、市道を3回またぎます。
3回目から先はご覧の通り、半分の車線が閉鎖され、この先どこへも行けないことを言外に主張しています。
構わず入っていくと、すぐにまた大きなトンネルが口をあけています。
こちらは東仲尾沢トンネル。
トンネル自体は貫通しているのですが、その先がすぐ未整備区間。
入ることはできても出られないという不思議な状況になっているので、立ち入り禁止になっています。
西端・東端の区間を垣間見たので、今度は開通済みの中央付近を走ります。
直接連絡する道路がない(ないから建設してるんです)ので、また回り込みます。
県道185号からアプローチして西へ進み、最初に見た内房線のアンダーパスすぐ手前までやってきました。
工事のために立ち入り禁止となっていますが、奥にギリギリアンダーパスが見えます。
右上の丘が最初に登ったところですね。
ここから開通済み区間を東へ。
舗装は真新しく、交通量が少ないことを窺わせます。
統一の意匠で作られた豊岡トンネル。
それを抜けるとすぐに、次の丹生トンネルへ入ります。
いずれも片側1車線で、歩道も照明も完備されています。
トンネルを抜けたすぐ先は市道との交差点。
積極的に通行してほしくないけど、通行自体は邪魔しない・・・といった微妙な規制が行われています。
沿道に畑や民家もあるので、知ってる人は使っていいけど知らない人が迷い込まないようにしているんでしょうね。
さらに東へ進みます。
道路の規格は広域農道にありがちな楽しいワインディングロード、開通後はツーリングに便利で楽しい道になりそう。
まもなく館山道の高架をくぐり、その先はまたトンネル。
整備済み区間で一番新しい2008年竣工の大津トンネルです。
大津トンネルを抜けた先を斜めにオーバーパスするプレートガーター橋。
ずいぶん立派な橋なので、ちょっと上がってみることにします。
脇を右折してくるっと回り込み、橋にアプローチ。
構造物としては立派ですが、橋としては思いの外細くて小さい。
高速道路もそうですが、道路を新設して既存の道を寸断してしまうと自分の土地や家にたどり着けない人が出てしまいます。
それを防ぐための橋は、交通量や道路規格に無相応になってしまいがち。
歴史の長い東名や中央道は、作ったのに使われなくなって廃橋当然となっている橋が散見されます。
橋の上から大津トンネルを見下ろします。
これだけ立派な道ですから、早く使えるようになってほしいですね。
大津トンネルの先は、県道185号と交差。
ここまでが2022年度、つまりあと2ヶ月ほどで開通する予定の区間です。
この先にも民家や配水場はあるのですが、開通予定が立っていないからなのか、これまでより封鎖がきつめです。
とはいえガードレールの左右は車が通れるように開けてあり、通行止めの案内もありません。
脇から入っていくと、宮本配水場の大きな貯水タンクが見えます。
そのすぐ脇までくると、道は幅員を失って、くねくねと山の中へ。
広域農道として整備されているのはここまでということなんでしょうね。
この先が整備されると、東仲尾沢トンネルの出口に辿り着きます。
ぐるぐると回ったので、ちょっと位置関係を整理。
濃い線が整備済み区間で、薄い線が未整備区間、数字は訪れた順です。
1がまだ作られていない国道127号からの入口、2が東端の県道88号交差点。
東側の整備区間は2から3の東仲尾沢トンネルまでで、西側の整備区間は4の内房線跨道橋手前から5の宮本配水場脇まで・・・でした。
内房線の岩井駅から那古船形駅のあたりまで、道のりで10kmほどになりますが、この間東西に抜ける道はありません。
この農道が全部がつながると、そのちょうど中間地点に東西の連絡路ができることになるので、地域の利便性は相当増しそうですね。
ということで道を辿り終えて一息、本日の主目的は達成です。
沿道で満開になりつつある菜の花畑を眺めつつ一息ついて、次の目的地を目指します。
これまでダラダラと広い道を走っていましたが、時間も11:30を回ってそろそろ凍結の心配も薄くなりました。
あえて県道185号の山間部区間を抜けていきましょう。
落石と落ち葉の散らかる狭い道をクネクネ走って束の間の楽しみ。
夏になったらこういう道ばっかり行く人なので、気温が上がる季節が待ち遠しい。
県道185号を北に抜けてからは、県道89号に入って、朝イチで通過した富山に戻ります。
道の駅の脇を抜けて館山道沿いに少し走り、県道184号を東へ。
お昼過ぎの穏やかな冬の空を眺めつつ、少し走ります。
あの山の裾野が次の目的地。
やってきたのは、鋸南町営の温泉、笑楽の湯。
ここでひとっ風呂浴びて冬の走行で冷えた体を温めます。
町内在住者は大人300円、町外在住者でも500円とお安いお風呂。
しかし建物は綺麗に整備され、居心地のいい空間です。
浴場は離れにあり、庭園の中を歩いていきます。
浴槽自体は3〜4人でいっぱいの内湯のみですが、窓が大きい浴室から庭園を見ながら入浴できます。
自販機や休憩場所などは自由に利用可能。
ほかにも別途有料で、大広間や通信カラオケのできる施設があるとか。
共同浴場とは別に、予約制の貸切風呂(2,500円/1時間)もあるそうです。
家族連れとかにも良いですね。
風呂で1時間ほどまったりしたら、最後の目的地へ。
県道を山の方に登っていきます。
Y字路を左の脇道に入ると、その先は佐久間ダム。
天竜川の大きな佐久間ダムと同名の小さなダムです。
周辺は桜の名所なのだとか。
ダム湖のほとりを離れて更に北に進み、県道34号にぶつかったらこれを左折。
このあたりは日当たりが悪いようで、この時間でも道路の隅には氷が残っていました。
注意しながら少し走ると、最後の目的地であるきのやに到着です。
古民家のような山小屋のような雰囲気で、店内には薪ストーブが焚かれていて、その煙がいい味を出しています。
店内も一貫して木のあたたかさを感じる作り。
4人がけのテーブルが4つに、小上がりの4人座敷が4つ。
調理場との境目にあるカウンターに瓦屋根がしつらえられていておしゃれ。
熱々の鍋焼きうどんと迷ったのですが、手打ちそばが食べたくて天ざるにしました。
温泉のあとなので体も熱っていますしね。
手打ちならではのもちっとして食感の強い蕎麦と、揚げ具合が完璧な天ぷらで大満足。
食べ終わって時間は13:30、まだまだ走れる時間ですが、夕方になると渋滞もするので、今日は早々に戻りましょう。
暖かく明るいうちに融雪剤を落としたいですしね・・・
ということでサクッと帰宅し、この日の走行距離はショートに260.7km。
行き帰りは高速でサクッとスキップ、あとは農道探索と温泉と食事という走行以外の充実した行程でした。
ODOは96873kmになりました。
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