まだまだ最高気温が2桁前半までしか上がらない日が続きますが、3月最初の土曜日は高気圧の影響を受け、都内でも17度まで上がる日。
これを逃す手はないな、ということで、茨城県を走ってきました。
出発は5:30。
常磐道に入って北上していく最中、日の出を迎えます。
日の出の時刻はどんどん早くなって、06:00過ぎには太陽が顔を出します。
常磐道、桜土浦から先は標識がふたつ並びます。
これの意味するところは、ツーリング好き、特に関東在住なら一発でわかるでしょう。
そう、規制速度の変更ですね。
最近関東から放射状に伸びる高速のあちこちで増えている規制速度の2枚看板は、種別ごとに違う規制速度表示用です。
常磐道桜土浦〜岩間の間、30kmは3/28から最高速度が110km/hに引き上げられます。
東北道や新東名に比べれば短い区間ですが、快適に走行できるのでありがたいですね。
7:00を過ぎたころ、水戸西ICで下道に降ります。
遠くに見える筑波山もスッキリの気持ちいい晴れ空。
晴れたおかげか、内陸部の気温は2〜3度ほどと、なかなかの寒さです。
水戸の中心街のすぐ西、沢渡川のすぐ脇の駐車場にバイクを停めます。
駐車場のブースに誰もいなくて駐車料金が払えない・・・と困っていたら、警備員さんがそのままでいいよと声をかけてくれました。
帰りにあらためて料金係の人に確認したところ、どうやら料金徴収は8:00からのようです。
ということでお得に0円で駐車。
水戸にきた目的は日本三大名園に数えられる偕楽園の梅まつりです。
ここを知ったのは、先週列車で常磐線を通った時。
特急が聞きなれない駅に臨時停車したので、調べてみたところ梅園の美しい偕楽園情報に触れました。
ちょうど今週から来週にかけて満開になりそうで、すばらしいタイミングでの出会いですね。
日本三大名園なんだから、知らないほうが無学なのかもしれませんがw
まずは線路沿いに偕楽園の本園東側まで歩いて移動し、隣接する常磐神社へお参りします。
階段を登って正面に本殿。
梅祭りに当てこんでか、ちょうど全国梅酒まつりも開催されているようでした。
しかしながら時間が早くてまだ準備中。
本殿の脇には常盤稲荷もあります。
朱に塗られた7つの鳥居が美しいですね。
鳥居自体がすごく綺麗なのもそうですが、数が少ないながらもビッシリ整列しているのがいいですね。
この手の鳥居は参道に沿ってくねくねと不等間隔に並べられていることが多く、山形白石の萬蔵稲荷なんかはまさにそうでした。
常盤神社に手をあわせたら、快・・・じゃなかった、偕楽園に入ります。
本園のみの入園料は、通常料金で大人300円。
長期休暇期間以外の土曜日は小中高生が無料、梅の期間以外は県民が無料だそうです。
時間は8:00、梅はアナウンスでは9分咲きですが、見た感じ7部くらいですね。
今日は昼からとても暖かくなる予報なので、一気に開花が進むでしょう。
園内にはさまざまな種類の梅がたくさん植えられており、その表情もさまざま。
植物にはあかるくありませんが、色のバリエーションが多いとそれだけで見ていてボリュームがあります。
園内には特に順路のようなものはなく、遊歩道を気ままにあちらこちらと歩いて散策。
この時間はまだ太陽が低いので、見る角度によって梅の花がいろんな表情になるのが面白いですね。
園内には梅園以外にも見所があり、その一つが吐玉泉。
豊富に出る湧き水を石造りの噴水のように設えたもの。
ちょうどお掃除中だったようで、バケツはご愛嬌w
園内の茶園で使われるほか、眼病によいともいわれているとか。
園内を散策したり、しばし時間をつぶして9:00。
この時間から園内の施設である好文亭の門が開きます。
好文亭は偕楽園を開設した水戸藩主の徳川斉昭が建立したのがはじまりで、現在の建物は戦後の再建。
庭園を見ながら静養するにもってこいの施設です。
建物は茅葺の平屋が基本で、部分的に3階がある構造。
十数室ある部屋のどれもが庭園に面した、今でいえばリゾートロッジですね。
部屋それぞれにコンセプトがあり、どれも落ち着いた雰囲気。
ここに泊まったら相当いいだろうなー。
外廊下が基本となっていて、どの部屋も日当たり・風通しが抜群です。
軒下をゆったり歩くのが気持ちいいですね。
東側から入ってぐるりと時計回りに巡る順路。
最後に階段を上り、3階へ。
好文亭自体が高台に作られているのですが、そこからさらに上るので、展望は抜群。
道路を挟んで南側の田鶴鳴梅林がよく見え、眼下には常磐線の線路も見えます。
これで200円の観覧料金は安いですね。
好文亭を一回りしたら、再び偕楽園の中を抜けて戻ります。
1時間半ほど経過したので、太陽も高くなってさらに梅が美しく見えます。
しかしあまり長居をすると、梅より人が多くなりそう。
もう十分歩き回ったので、ここらで退散。
常磐神社の参道に戻ったら、出店が開き始めていました。
イカ焼きを買ってほおばり、お土産を調達して駐車場へ戻ります。
ちょうど神社の正面、参道の階段を降りたところが、ここを知るきっかけになった偕楽園駅。
この駅は梅まつり開催中の日中だけ、それも水戸方面行きの下り列車のみが停車する面白臨時駅。
駅にはちょうどお出迎えの「水戸の梅大使」の皆様が到着したところでした。
入場券があれば買おうかなと思いましたが、簡易改札と乗車証明書のみの設置のようです。
駅のすぐ西には線路と道路をまたぐ歩道橋があり、この上からの田鶴鳴梅林の眺めも壮観。
ちょうど梅林をバックに列車が見えるということで、橋には撮り鉄の皆様がすずなりになっていました。
7分咲きの梅よりも密度が高いw
私は入園前、人のすくない時間にちゃっかり撮影しておきました。
ぶらぶらと駐車場へ向かう道中もすばらしい景色。
時計はそろそろ10:00を指すところで、予報通り気温がガンガン上がって春の陽気です。
防寒着をカバンに押し込み、バイクにまたがります。
風がつよかったり寒かったりしたら直帰でもいいかなと思っていたのですが、またとないツーリング日和なので当然続行です。
まずは芸術館のシンボルタワーを横目に水戸駅前を通り過ぎ、日立抜けることにします。
高台を下り、ゆるやかに坂を降りつつ、那珂川を国道349号で渡って北へ。
すこし東に折れて、佐和駅の脇を抜けて県道284号で海のほうへ向かいます。
気温はどんどん上がって、防寒具なしでもジャケットの前をあけたくなるほど。
国道245号に入ったら、久慈川を河口付近で渡ってさらに北へ。
久慈大橋は一部分だけが再塗装されていて、褪せたオレンジと真っ赤なツートンカラーで紅葉のようです。
と、道中変わったシルエットの歩道橋を見つけました。
少し戻って近づいてみると、歩道橋の両脇に吊橋の主塔のような門型のタワー。
クレーンのようなものと、柱には目盛がついています。
まさか積雪を測ったり洪水防止ではないでしょう。
一体何が・・・?と思い、調べてみると、どうやらこの「河原子歩道橋」は可動橋のようです。
近隣には類似した構造の水木歩道橋もあり、この2本は橋桁が巻き上げで持ち上げられるような構造となっています。
これらは近隣に位置する日立製作所の工場と積み出し港である日立港との間にあるので、大きな貨物を道路輸送する時に障害にならないよう、こういう仕組みになっているのだとか。
思いがけず面白いスポットを見つけてしまいましたが、目的地はここではありません。
目指していたのは日立駅の少し北をいったところにある、浜の宮らせん橋。
よくあるループ橋なのですが、ここのよさは海に面しているところ!
まさに絶景という感じの一周です。
ループ橋のすぐ下にはロードパークもあり、ここで小休止。
時間は11:00を回りました。
そよそよと吹く海風が気持ちいいと思えるのはすばらしいことですね。
真冬だとただただ寒くて辛いだけですから・・・
同じ関東の海でも東京湾とは比べ物にならない、美しいマリンブルー。
春一番の季節で、風の強い日も多いですが、今日はほんとうに穏やかです。
ロードパークからは、そのまま水戸へ戻ります。
国道6号日立バイパスの旭高架橋も、海に張り出した絶景道路です。
先ほどとは違う道、県道358号で久慈川を渡ります。
奥に見えるのは常磐線の久慈川橋梁ですね。
長いトラス橋は格好いい。
水戸方面に向かう道はやや交通量が多いこともあり、日立までの北上1時間に対して南下は1.5時間かかりました。
12:30を回るころ、水戸駅前に再来。
ここからは国道51号線を全線走る形で千葉まで戻ることにします。
国道51号は千葉市街の中心部、広小路交差点を起点とし、水戸駅前交差点までおおよそ125kmを走る国道です。
途中に北浦・霞ヶ浦などがある関係で鹿島・成田を回るため、直線距離より30kmほど遠回り。
まず経由するのは大洗。
大洗に行くだけあって、ガルパンラッピングバスのお尻を追いかけながら進みます。
やがて常磐道の水戸大洗ICを通過。
ここは1月末のツーリングで通った場所ですね。
大洗市街地を内陸で回り込み、一気に海沿いへ。
ここで時間は13:00。
すでに太陽は西側からさしています。
海が見えるのは一瞬で、あとは海と付かず離れず、平坦な道をだらだらと南下します。
途中、またもや面白い歩道橋・・・というか歩道橋だったものを発見。
柱には「大竹歩道橋」と書いてありますが、階段の踊り場から先がブッツリ切断されています。
2021年の6月に通行車両が激突して破損してから通行止めになっていたようなのですが、撤去されてしまうんですね。
これは隣接する鉾田市立大竹小学校が2019年に閉校したので、通学路として不要になったから、ということもあるのでしょう。
意図せず珍歩道橋巡りをしてしまいましたが、これも周囲の景色に集中できるソロツーリングならではですね。
複数人のツーリングだと会話や前のバイクとの車間調整に意識がむきがち。
もちろんどちらも楽しいです。
ということで、引き続きだらだら走っているうちに鹿島に到着です。
わざわざ走りにきておいて言うのも何ですが、この区間はつまらんw
鹿島からは再び内陸に向かい、潮来方面へ。
鹿島神宮の裏手にある病院の敷地に美しい並木が見えます。
あれは河津桜のようですね。
続いてJR鹿島線の高架をくぐります。
ロングスパンの単線なので背が高く細長いシルエット。
北浦を渡るのはバイパスか旧道か・・・と迷いましたが、今日はバイパス。
年末に来た鹿島神宮の、西の一の鳥居は脇に桜が咲いている様子。
ここで時間は14:00を回りました。
朝から屋台のいか焼きしか食べていないので、そろそろここでお昼にします。
ちょうどお昼の混雑も落ち着いたころでしょう。
こちらも年末以来の田所商店、前回とは別の店舗。
信州味噌の野菜ラーメンにチャーシュー3枚乗せでいただきます。
春らしく山菜が乗っているのが嬉しいですね。
食事を済ませたら、走行を継続します。
潮来を過ぎたあたりで一度川沿いに北へ逆行しはじめ、ここで距離はほぼ半分。
霞ヶ浦の東端を渡り、進路は再び南向き。
やや雲が増えてきましたが、気温はまだまだ高いです。
佐原をこえて大栄。
このあたりからは東関道と並行するような道筋。
退屈なだけでなく交通量も増えてきて、ペースはゆるゆるです。
この道は梅を観にくるついででもなければ絶対に通しで走らないなw
成田あたりを通過するタイミングで時計は15:00を回りました。
太陽もやや西に傾きはじめ、直射日光が目に刺さります。
大栄JCTの北で圏央道をアンダーパスして、つづいて東関道をオーバーパス。
さらに成田空港のB滑走路北端をアンダーパスし、またもや東関道をオーバーパスする、勾配線形では複雑な場所。
平面線形は、ただただダルっとした一本道です。
成田の市街地はやや渋滞気味。
国道51号は市街地前後で断続的に片側2車線になるものの、すぐに狭まるので全体的に流れもよくありません。
水戸からの道は国道6号も常磐道もありますし、成田からの道は東関道もあるので、通しで走る道路じゃないってことなんでしょうね。
佐倉で成田以来の東関道とのクロスを経て、どんどん人口密集地に近づいていきます。
千葉市に入るあたりでちょうど16:00を回りました。
この時間でまだ明るいのは、さすが3月という感じです。
12月にはもう夕焼けの時間、16:30で日の入りでしたからね。
中央部に向かうにつれて混雑も増え、ゆったりペースで16:20ごろ、終点・・・というか道路的には起点の広小路交差点に到着です。
食事時間を除いて3時間、平均40kmそこそこですから、退屈に感じる割にはペースは悪くなかったですね。
まだ山には登れないけど暖かいからたくさん走りたい、という要望をいい感じに満たせるルートでした。
ということで、前半観光、後半移動という感じでおしまい。
燃料は無給油で残り1.5Lほどといい塩梅でした。梅だけに。
走行距離は331.7km
ODOは98816kmになりました。
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