7月はスタートから土曜日と、幸先のよいカレンダー。
しかし土曜日は雨のため自宅にこもり、日曜日に満を持してツーリングに出かけました。

ルートはこんな感じ
雨上がりをまって、出発は4:00。
首都圏はまだレーダーに小雨が写っていますが、東北は晴れなので、多少の降水を覚悟で東北道を走行します。

音楽を聴きながら120km/h区間をだらだらと流して北へ北へ。
120km/hを「だらだら」と表現できるリッターツアラーは贅沢ですね。

鹿沼あたりまでくると、雲もすっかり高くなって遠くには晴れ間も見えてきました。
空からの降水は幸いにもゼロでしたが、トラックが巻き上げる飛沫でしっとり。

6:30ごろ、郡山までくると、曇天より晴天に近くなってきました。
内陸を北へ向かっているので、気温は全然あがらず18度〜20度。
オールシーズンジャケットのベンチレーションを開けていると肌寒いくらいです。

白川中央で降りて国道294号で会津に入ってもよかったのですが、ちょっと寒そう。
ということで、郡山JCTから磐越道を抜けることにします。

磐梯山の看板を背に、磐梯山。
雨上がりのおかげか、夏とは思えない空気の澄み方で、今日の走行は眺望がよさそう。

くねくねと緩やかにカーブしつつ会津盆地へ下り、会津若松を通り過ぎて新鶴PA併設のスマートICから下道へ降ります。

7:00過ぎの会津盆地はやや雲が残るものの、これから快晴になることが約束された、抜けるようなブルー。
まだ地面に直射日光が降りていないのは、盆地がゆえか。

北へ向かって進み、国道40号へ向かいます。
田植えを終えた水田は緑がもりもりと深くなっており、早くも水面は見えない密度。

高速だけで300km走ったので、会津坂下の中心部で給油。
会津坂下といえば私の中では坂下ドライブインの馬刺しですが、今日はオープン前なのでスルーです。

ここから山に入るので、肩慣らしがてら七折峠の旧道へ。

旧道とするにはもったいない高規格な道を登って、会津盆地の西端を抜けます。

広く綺麗な道ですが、標高を稼ぐためにぐいっとカーブしています。
この道が旧道になった背景は、会津の厳しい冬があるものと予想。
いくら緩いとはいえ、真冬の勾配は大敵ですからね。
新道はトンネルで抜けていて、スリップとは無縁。

「←只見」の看板に従って国道252号に折れ、只見川と共に新潟へ向かいます。

あまりにも雑コラ感の強いチェーン脱着場の看板がお出迎え。

入り口の会津柳津は赤べこ発祥の地。
あちこちに赤べこの置物や看板があります。

こちらも赤色の、お馴染み柳津橋と

瑞光寺橋の兄弟橋を渡って進みます。

三島町の高清水橋は白。
ゴツいアーチが青と緑の背景によく映えます。
雪の季節は風景に溶け込んで見えるんだろうなあ、と思いますが、その時期にバイクで来ることはできません。

只見線と絡みながら進む高架はメロディロードになっており「奥会津シンフォニーロード」と看板がかかっています。
幾度となく通過していますが、今日初めて気づきました。
バイクではほとんど聞こえませんからね・・・

上田ダムの直下部分はもりもり改良工事中。
前の車がめちゃくちゃショートカットしていてひやひやする・・・

上田ダムを越えるころ、時間は8:00を周ります。
ダムの水面は流木がたくさん浮いていて、やや荒れた雰囲気。
最近特にこのあたりで大雨は降っていないはずなんですけどね。

上田ダムを過ぎたのも束の間、今度は本名変電所と本名ダムを遠目に見つつ、なおも西へ進み続けます。
只見川は本当にダム銀座ですね。

只見川だけでなく、もちろん只見線もずっと道と並行して走っています。
時折鉄橋が見えたりレールが見えたり、看板が見えたり。
去年10月に再開して、はじめての冬を超えて夏がきましたし、状況を覗いておきましょう。

ということで、手頃に寄れる会津横田駅にやってきました。
再開後は上下分離方式となり、線路や設備は福島県の管轄になっています。
県の持ち物である線路を使い、JRが列車運行をする形態。

県の持ち物になったということで、その自治体である金山町の観光案内板が新設されていました。
ノーマークでしたが、この辺には結構温泉があるんですね。

レールは現役の線路らしくない錆びと雑草。
災害で不通になる前に使われていた保線車両用の側線は分岐器だけ取り払われ、放置状態になっています。
維持管理にお金がかかるので残したくない、でも撤去費用は捻出できない、という苦肉の策・・・
鉄屑として売ってしまうより残しておいた方が安いんでしょうか。

待合室は天井の壁材落下の危険性から、閉鎖されていました。
一応運転再開前に補修はしていたようなのですが、まさか再開1年を待たずにだめになるなんて。
ちょっと幸先が思いやられますね・・・

寄り道終了、さらに252号を西へ向かいます。
時間は8:30を周り、雲は眼前からほぼ消えてなくなり、快晴となりました。

奥会津らしく、遅れて咲いた紫陽花が斜面を彩ります。
快晴なのですっかり忘れていましたが、まだ梅雨は明けていません。

滝ダムのダム湖を横目にみつつ、スノーシェッドの連続する谷間を抜けると、景色は徐々に開けはじめます。
会津塩沢あたりにそびえる、ひときわ目立つ尖った山は、蒲生岳。

蒲生岳の脇を抜け、市街地の中央を右折して、只見駅に立ち寄ります。
会津若松から走りっぱなしだったので、ここで小休止です。

トイレと自販機だけ使わせてもらうのも申し訳ないので、入場券をお布施。

新潟の小出方面が1日3本、福島の会津若松方面が1日3本、合計6本の発着が基本。
シーズンの土日だけ1本増発がありますが、多くて1日8本というのはすさまじい。
広々とした駅構内に列車の姿はなし。

ホームから会津若松方を眺めるこの景色は・・・

真冬にはこうなります。
今年の2月に列車で訪れた際に撮影。
車止めのある側線はもはや除雪されていない=使われていないことがわかります。

只見駅で水分補給を済ませたら、引き続き続行。
堤体の斜面がグリーンで覆い尽くされた只見ダムが美しいですね。

只見ダム越しに上流の田子倉ダムを見ます。
3kmほど先にある田子倉ダムが、一切霞むことなくクッキリと見通せますね。

田子倉ダムの脇をくねくねと登り、ダムを過ぎたら本格的な山越の開始です。
只見線にはこの先大白川駅まで20km以上駅がなく、道路沿いにも目立った集落もありません。
六十里越と呼ばれるこの区間は、トンネルとスノーシェッドと橋梁の連続。

無骨な山肌の目立つ山中を、不釣り合いに幅広に作られた道路でどんどん抜けていきます。

只見線も時折トンネルから顔を出し、橋で谷を跨いで進みます。

かつて只見〜大白川間、福島県最西端の駅であった田子倉駅跡を通過。
ここで時間は9:00を回りました。

以前紹介した、雪崩で落橋してしまった「あいよし橋」の区間はまだそのまま。
どうやら300m近い橋を新しく架橋して抜本改良する計画が具体化したようで、あいよし橋・出逢橋の双方を作り直す方針。
一番高い橋脚P2は41mと結構な高さになる予定です。

晴れた夏の日に見る限りは、巨大な鋼鉄の橋を押し流す雪崩の猛威を全く感じさせない穏やかな景色なんですけどね・・・。

六十里越トンネルを抜けて新潟県に入ったら、下り坂に突入。
福島側は崖に沿うようにクネクネと進む道でしたが、こちらは山を急速に降りるべく九十九折りも含みます。

気づけばあっという間に峠を降り、おだやかな下りの道。
トンネルに隠れがちだった只見線とも再び絡み合いながら走ります。

大白川を過ぎ、破間川沿いに走って魚沼の市街に向かいます。
ずっと高いところにいたので気づきませんでしたが、結構気温が上がってきていますね。
今日はこの辺りでも30度近くまで気温が上がる見込みなので、水分補給をこまめにしなければいけません。

入広瀬を過ぎてからは、沿道には常に人の営み。
本格的に新潟に入ったな、と実感があります。

水を張ったまま田植えのされていない田んぼがいくつかありましたが、さすがに今から植えるというわけではなさそう。
今年は休ませるのか、お米以外の作物を作るのかな?

このあと国道352で奥只見湖沿いに東へ戻る予定ですが、その前に寄り道。
少し走って、越後広瀬で右折し、国道291号で北へ向かいます。

291号は山古志を経由して小千谷方面へ向かって峠を越える道。
登り始めると、地下水の散水で道路が真っ茶色になっている区間がありました。
この辺の雪の量が窺い知れますね。

山古志まではいきませんが、道中の中山トンネルをくぐるところまで国道291号を走ります。

トンネルを抜けて振り返ってすぐ脇、南側に見える小さなトンネルが寄り道の目的地です。

このトンネルは旧中山隧道で、小さいながらも全長877mの長いトンネルです。
豪雪で山深い地域の交通を確保するため、昭和初期に手掘りで開通させた歴史のあるトンネルで、素掘りのものとしては日本最長なんだとか。

説明はご覧の通り。

坑口はコンクリートで補強されていますが、内部は素掘りにメッシュの落石防護。
歪に見えてまっすぐ迷いなく進む、美しいトンネルです。

現在は見学用の歩行者ルートとして山古志側の70mだけが供用されています。
並行する中山トンネルは1998年の開通なので、平成になってからも10年間はこれが交通の要だったんですね。

トンネル見学を終えたら、もう少し寄り道。
国道291号をそのまま進みます。
峠は越えたので、ぐーりぐりと下り坂。

芋川を堰き止めたため池の上もぐりぐりと橋で渡ります。
魚沼スカイラインあたりに似た雰囲気のある楽しい道ですね。

ため池の先で県道23号に乗り換え、南へ。
巨大な砂防ダムなどが点在し、人里に近いものの難しい地形・気候であることがよくわかります。

十二平トンネルを抜けて・・・

また下り坂。
ほどよく曲がりくねっていて、不自然なほど綺麗な道が続きます。

県道415号との分岐点のすぐ先、鋭角に脇道に逸れる箇所があります。
入らないように誘導されながらも、入れるように隙間の空いているこの道が2つ目のポイント。

立派な、けれども使われている痕跡が希薄な橋をわたり、そのまま広い道を進みます。

と、唐突に封鎖。
ペットボトルでの封鎖は想定外でしたが、どちらにしろその先のガードレールで行き止まりの道です。
ここは元々、先ほど抜けた十二平トンネルの出口からつながるはずだったバイパスの未成道の終端。
2007年の新潟県中越沖地震でこのあたりは深刻な被害を受け、バイパスの予定ルートが被災したほか、沿道の十二平集落が壊滅して全村移転するなどしたため、未成のまま放棄されています。
このあたりに砂防ダムが多いのも、やけに道が走りやすいのも、全て震災復旧の影響というわけです。
・・・ドラマがある。

さて、寄り道完了、本来のルートに戻りましょう。
関越道をくぐって堀之内PAの脇を抜け、東に向かいます。

時間は10:30となり、引き続きピーカンの晴れ。
背の高い雑草の落とす影は限りなく真下に近くなっています。

沿道にはタチアオイと思しき花がチラホラと咲いており、目の保養。
今日の天気ではグリーンとブルーがビビッドすぎて、赤系の色を目が欲しがりますw

魚沼の中心街で国道352号に入ったら、あとはひたすら東へ。
シルバーラインの入り口は二輪なのでもちろんスルーし、枝折峠経由で銀山平へ。

ここから先の道は通称樹海ライン。
道は一気に狭くなり、国道としての威厳は早々に捨てられます。
ただし、規格はよくないものの舗装は上質なのがこの道のいいところ。
すれ違いや加減速の得意なバイクにドンピシャなんです。

時折待避所を挟みながら、うねうねと切り返して進んでいきます。
カーブミラーも全てのブラインドコーナーにあるわけではないので、時には折り返しの向こうにある道を目視で確認しつつの走行。

こういった崖の形に沿ったカーブをあえてショートカットせず、愚直に切り返して進むのが、安全速度でも楽しく走るコツ。

残念ながらこの日は砂が多く、見通しの悪いところではやや大げさに減速しながらの走行。
落石が砕けたにしては細かすぎるし、山から流れているにしては側溝の詰まり方と帳尻があわないので、冬季の滑り止めに撒いた砂かな・・・

ふと路外に目をやると、遠くまで脈々と続く尾根が見通せます。
方角的には魚沼・十日町あたりかな?

相変わらず路駐まみれの枝折峠を越えたら下りのルート。
せっかく稼いだ標高をぐいぐいと失っていきます。

道は引き続きこんな感じ。
ここは車では来たくないな・・・

眼下に銀山平の橋が見えたら、もうすぐそこです。
あそこに見える石抱橋から、魚沼側の駒ノ湯の入り口までの区間は、6/29の夕方に開通したばかり。
シルバーラインだけで一般の通行は担保できますから、優先度が低くて例年から開通は遅めな道ですが、今年は特に遅かった。

最後のヘアピン連続区間を通り過ぎると、銀山平。
時間は11:30。
シルバーラインの中間アクセス点ですが、これも無視して、さらに奥只見湖の南岸を沿うように走っていきます。
ここから先の道は通称樹海ライン。

今日の湖水も不気味なくらいの濃い緑色。
252号沿道の只見川が濁っていたのでこっちはどうかな、と思いましたが、これだけ上流だとそうでもないですね。

色々な脅し文句の看板を眺めながら進みます。
田舎道なんて携帯の電波が届かないのが当たり前なのですが、ここは数十km圏外の区間が続きますからね。
衛星通信が欲しくなります。

奥地に入るにつれ、洗い越しが現れます。
国道352号樹海ラインといえばこれですよね。
楽しく水飛沫をあげながら、崖にダイブしないように安全に進みます。

終始只見線と並行している252と違い、352に同行するのは頭上の特高圧電線のみ。
まさに「人里離れた」という感じの道をひた走ります。

ここも352で好きなスポット。
折り返しつつ斜面をを走る道が、大きく折り返した向かい側の斜面から一望。
道を作るとは何たるかを、まざまざと見せつけられます。

一心不乱に樹海ラインを抜け、平地が見えてきたら奥只見ダムの影響範囲外です。
開けた左右に民宿やロッジが点在し、クールダウンラップという感じ。

走行ペースが落ち着いたかな、というところで県境看板。
再び福島県に戻る頃に、時間は12:30を回りました。

檜枝岐に入ってからは、背の高い林の中を気持ちよく流す道。
木漏れ日がミラーボールばりにキラキラと表情を変え、森林浴の気分です。

最後に小さい峠をよいしょと越えると、御池駐車場。
この日は土曜日が雨だったこともあり、いつもより人出が少なく感じます。

御池駐車場からもうひと山超えてくると、今度こそ平地。
伊南川沿いにゆったりと走ります。

もうすぐ檜枝岐の中心地、というところで、山奥に不釣り合いな巨大建設現場が。
幅員が狭くて危険だった見通橋を歩道付きの大きいものに掛け替える計画のようですね。
送り出し工法の仮桁と、本設の箱桁があわせてものすごい威圧感です。

工事現場を過ぎると、 間もなく見えてくるのが道の駅尾瀬檜枝岐。
時間も13:00を回りましたし、ここでお昼にします。
敷地内には案内所のほかに・・・

温泉+温水プールのアルザ尾瀬の郷もあります。

食事ができるのは2件で、1つはお食事処山人家。
ここは10月に利用しました。

もう1つが、尾瀬の郷交流センター内の食事処水芭蕉。
今日はこちらにお邪魔します。

ここのウリは「裁ちそば」なので、もちろんお蕎麦。
蕎麦2枚だとめんつゆが1個らしいので、後半薄くなりそう。
天ぷらもそんなにたくさんはいらないなーということで、裁ちそばのザルと、単品で岩魚の天ぷらにしました。

美味しくいただき、土産に岩魚出汁のめんつゆも購入。
ルート的にもメインディッシュを終えたので、あとはぶらぶら帰り道です。

ひとまずは会津を脱するべく、国道352を引き続き走っていきます。

山深いながら、谷の平地が多いのが奥会津の地形あるある。
川があまり急だと天竜川沿いのように急峻な地形だらけになってしまいますし、ほどほどの水量かつ、雪解けというバッファがあるのがいいんでしょうね。

とてもいい空気なんですが、ずっとこの調子なので飽きますw
インカムで音楽聴けるのがせめてもの救いですね。

日光方面に近づいてくると山がやや険しくなり、退屈な風景もおしまい。
面白いトンネルも出てきます。
そういえば、ここも中山トンネルですね。
さらには大きくカーブした巨大な銀龍橋も。
ここを過ぎたら、まもなく会津高原尾瀬口駅です。

会津鉄道と野岩鉄道の連絡駅である、会津高原尾瀬口駅。
特に用事があったわけではないのですが、時間が14:00になったので、水分補給がてらの休憩です。
駅の自販機で水を買って、カバンのストックを飲み干します。

357はその先で国道121号にぶつかり、これを右折して上三依方面へ。

そのまま道なりに国道400号へ乗り移って、塩原へ抜けます。

この辺は道の選択肢も多くなく、観光ルートにもなっているため、どうしても交通量が多め。
道としては退屈ではないのですが、トラックや遅い観光客のペースで走る退屈は免れ得ません。

ゆるゆると塩原まで走り、高速に乗る前に給油して帰路へ。
幸い渋滞はそれほど多くなく、スムーズに帰宅できたので、明るいうちに洗車もしてしまいました。
洗い越し走ると泥だらけになりますからね・・・

今日の距離は下道350kmの高速450kmといったところで、805.2kmになりました。
やっぱり只見川沿いは楽しいですね。

ODOは105933kmになりました。

コメント