ツーリングBlog [Full Notch !]

関東を拠点にあちこち旅する在住ライダーのツーリングレポート。

交通量の少ない山深い道や交通関係施設、史跡などが好物。

Ninja650(13)
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→Ninja250(17 WTE)
→Ninja1000 SX(20)と乗り継いでいます。



都心の最高気温17℃ながら、最低気温4℃で朝は寒い。
そして曇りなので眺望は望めない・・・ということで、標高低めで眺望がなくてもがっかりしないルートを考えて走ってきました。
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ルートはこんな感じ 





寒さを警戒して、気温の上昇タイミングと山道に入るタイミングを合わせるべく出発は5:00。
曇り時々晴れの天気に似つかわしい、低い雲が薄く覆う朝焼けを見つつの走行です。
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てはじめに外環道をぐるっとまわり、埼玉方面へ抜けます。
距離も走らないつもりだし、速度を上げると寒いので下道で走行。
いつもクルーズコントロールでだらっと時短してしまう道ですが、定期的に下道でも走っておきたいですね。
寒い時期は時短してまで遠くに行っても山に阻まれて走れる場所もないですし。
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川口市の芝あたりで外環道をはずれ、進路をやや北へとります。
湾岸・都心あたりは最低気温4℃でしたが、内陸に入ってくると冷え込み、1〜2℃程度。
やはり下道でゆったり走って正解。
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大宮の中心部の脇を抜け、淡々と走ります。
冷え込んだところに、信号待ちで立ったり座ったりを繰り返したこともあって、幾度も催してコンビニに立ち寄り。
何も買わずトイレを借りるのは主義に反するので、その度にホットコーヒーを買い、まるで生産ラインのよう・・・。
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国道16号の上江橋で荒川を渡河。
時間は6:30をまわり、少しずつ暖かくなってきました。
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高麗駅のあたりで国道299号に入り、いざ秩父路へ。
ここで時計は7:30を指し、標高を上げても問題ないくらいの気温になってきました。
計画通り。
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梅の花が時折ささやかに彩りを見せ、空も青空がのぞきます。
そういえば今年は梅を見るツーリングしなかったなあ・・・などと思いましたが、去年は何度も見たので今年はいいや、という気持ち。
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高麗川に沿って少しずつ標高をあげていきます。
天下の299ですが、さすがにまだ早朝からヤンチャな走りをするバイクはいないようです。
凍ってたら怖いですからね・・・
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芦ヶ久保を抜け、秩父盆地に下り始めると左手に武甲山がお目見え。
砕石の階段状の山肌に雪がうっすらつもって、ミルクレープのような縞模様になっています。
灰色と白だから黒胡麻クリームかな・・・
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秩父からは国道140号に入り、西へ。
この先、雁坂トンネルを越えて西に向かうつもりなので、中華料理屋脇の通行券自販機に立ち寄ります。
なんで中華料理屋に通行券自販機が?と思いきや、2015年ごろまでここに金券屋さんがあった様子。
お店が西武秩父駅前に移動したものの、299〜140のルートから外れたので通行券を売るには不便でここに残したのかな。
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通行券は割安なものの、2枚綴りからなので、片道通行1回では余ってしまいます。
ただ、有効期限がないようなのでいつか使えばいいし、小銭を出す手間が省けるだけでも価値がある。
ちなみに前回通ったのは2019年その前は2013年なので、次使うのも5年後かな・・・
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浦山ダムを遠くに見つつ、雁坂トンネルへ向かって西へ。
調べたところ浦山ダムは堤体内のエレベーターや監査廊、資料館などが見学できるのだとか。
冬場は寒いですし、外階段も凍結のため閉鎖されているとのことで、暖かくなったら三峰神社とあわせて遊びにきてもいいかも。
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ということで本日は素通りし、どんどん標高を上げていきます。
通行止め看板が出ていてひやっとしましたが、21:00〜翌05:00の夜間閉鎖のみの様子。
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三峰口駅のあたりで不審な青看板。
ここは2022年の5月にも気になっていて、大滝トンネルが完成したら右側の表記も目隠しが外されるだろうと予想したもの。
先日、開通したことが発表されたばかりで、開業まであと一歩。
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2年前には切羽の補強しか行われていなかった東側坑口も、ぽっかり大きな口をあけています。
坑門周辺の補強や整形はまだこれからみたい。
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この辺一体が旧道になるのかーと思いながら、トンネルと重複する区間を走行。
トンネルの延長が2km以上あるので、結構な距離ですね。
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この特徴的な逆バンクの片洞門もなくなってしまうかな?と思いましたが、沿道に学校や林道分岐、家屋もそれなりにあるので、完全通行止めということにはならなさそうです。
もしかすると災害のタイミングで通り抜けはできなくなるかもしれませんが・・・
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しばし崖沿いに走って、三峰神社の表参道入口を通り過ぎたらトンネル重複区間は終わり。
いつもバイクで上がってしまうので、こっちから歩いてもいいな・・・と思って調べてみたものの、片道2時間半と聞いてあきらめました。
昔はロープウェイがあったそうなので、それが残っていれば片道だけ歩くってのもアリだったんでしょうけど。
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かつて大滝食堂として営業していた建物の裏手が大滝トンネルの西側坑口。
てっきりトンネル工事での取り壊しか次の店舗の入居で移転したのだと思っていましたが、今はトンネルの工事事務所として使われている様子。
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先日開口したばかりの西側はまだ補強セメントが崩れただけ、という感じです。
開通予定は2027年度とのことなので、あと3年〜4年はかかるってことですね。
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トンネルを越えて大滝温泉を抜け、2股に分かれる国道140号を北側の道に入れば、見えてくるのが滝沢ダムと、その眼前を横切るループ橋。
「雷電廿六木橋」と書いて、「らいでんとどろきばし」と読みます。
正確にはループ橋ではなく、下流側が大滝大橋、上流ダム側が廿六木大橋の2橋なのだとか。
橋の下に駐車場が整備されているので、休憩がてらすこし立ち寄ります。
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駐車場手前にある沢には小さいながらも綺麗な滝が落ちており、不動滝の名がついています。
ありきたりな名前ではありますが、しめ縄をかけられ、お堂も設えられていて、大事にされているんだなーという雰囲気。
プチ癒しスポットですね。
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一息ついたタイミングで時計は9:00を指しました。
秩父市街くらい晴れていたらダムまで歩いてみてもよかったのですが、残念ながらどんよりとした灰色の空。
ライブカメラで山の上の状況を確認し、問題なく通れる確証を得て先に進みます。
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標高が上がるにつれて山肌が白くなっていきます。
しかし気温は3〜4℃あるので、それほど寒さは感じません。
大滝ダムを越え、大峰トンネルを抜け、別れていた南の140号と合流してからは、右へ左へとカーブしつつ標高を稼ぎます。
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豆焼橋の橋上から見える黄色い橋が雁坂大橋。
これから山の中をぐるっとトンネルで貫いてあそこに行くんだな、と大きなスケールで想像できるここはなかなかのお気に入りスポット。
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ぐるりと回って雁坂大橋を渡り、ここで料金案内です。
125cc以上のバイクは軽自動車等で590円。
回数券は2枚で1,100円ですから、1回あたり40円の値引きということになります。
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ながーいトンネルを越えて進みます。
夏場はひんやりして気持ちのいいトンネル内ですが、さすがにこの季節は外気とかわりません。
井戸水みたいに一定した気温なんですね。
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トンネルの先で料金所をくぐり、回数券を渡して手短に通過。
あとは長めのいい道をゆったり下ります。
凍結の心配のない気温ですし、向かいからバイクも来ているので安全なのはわかっていますが、雪解け水で路面が濡れているとやっぱりちょっと怖い。
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後ろの車に追いつかれないけれど、見失いはしない程度のそろりそろりとした速度で山を降って、温泉やキャンプ場などが見えてきたら一安心。
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甲府盆地は青空が出ているとも出ていないとも言い難い天気。
やはり今日は眺望目当てで来なくてよかった。
盆地の縁をフルーツラインで南下します。
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真正面には頭だけ見える、御坂峠越しの富士山。
盆地の南側は霧が出ているようで、さながら雲海の雰囲気です。
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一方で中心部から北側にかけてはクリーン。
霧越しに南アルプスの稜線もよく見えていて、これはこれで明媚な景色です。
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だらだらとフルーツラインを走るうち、どんどん霧の中に近づき、気づけば眼前に。
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と、ここで南下を止め、やってきたのは勝沼ぶどう郷駅。
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駅に併設された公園の無料駐車場はいっぱいだったのですが、駐輪場へは割とサクッと入れました。
ただ無料で使うのも申し訳ないので、とりあえず駅の入場券を購入。
時計は券面に記載の通り、10:00少し前。
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公園のほうが騒がしいなーと思ったら、どうやら桜フェスタを開催中の様子。
残念ながら桜はまだ開花していませんが、こればっかりは数週間前まで予想できませんからね。
見頃は来週の見込みです。
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桜フェスタがノーマークだったのに駅に何をしに来たのかと言えば、こちら奥に見えるトンネルを見学しに来ました。
・・・が、どうやら10:00から華々しくセレモニーを執り行うらしく、テープカットの準備が。
しばし桜フェスタ会場でキッチンカーの軽食を貪って時間をつぶします。
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30分ほどうろうろして、花火や関係者のお偉いさん方の挨拶などを遠巻きに眺め、いさ入洞。
バナーに書かれている通り、このトンネルは大日影トンネル遊歩道です。
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明治36年、つまり1903年と20世紀初頭に開通したこのトンネルは中央本線の鉄道トンネル。
1997年に新トンネルの竣工に伴って廃線となり、その後2007年からは遊歩道として公開されていました。
しかしそこは明治の長大トンネル、JRが現役路線として整備されているならともかく、遊歩道として簡易な保守をされているだけでは老朽化が止まりません。
2012年から1年ほど、さらに2016年から8年間もの閉鎖を経て、あらためて通行可能になったのがこの日なのでした。
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トンネルは煉瓦づくりをベースにコンクリートで補強された立派なもの。
ライトアップや扁額、フェンスなどは遊歩道になってからの整備です。
現役線がすぐ脇を通過するので、時折列車の音がするのがいいですね。
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トンネル全長は1.3kmほどで、大人の足で20〜30分程度の計算です。
東京方面へ向かって上り坂の片勾配となっているので、勝沼ぶどう郷駅から入ると行きは登り、帰りは降り坂です。
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開門9:00、閉門16:00なので、坑口のライトアップはあんまり意味がない気がしますが、閉門後もライトアップするのかな。
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洞内はほぼ全面煉瓦積みのままで、本線系の重量級レールやバラスト・枕木も残されています。
路盤は枕木の外側が舗装されていて、レールは現役時代のままにとても歩きやすいレイアウトです。
照明は暖かい雰囲気のLEDに交換されたようで、かなり「映え」ますね。
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道床はバラスト+PC枕木と、コンクリート+合成枕木という変わった構成。
コンクリート区間は中央が深めの水路になっているので、歩行の際は注意が必要です。
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レンガは黎明期の鉄道施設らしく、イギリス積み。
いやーしかし、これが平成になるまで本線系統でバリバリ現役だったとは恐れ入ります。
以前訪れた碓氷峠のアプトの道は1893年開通と10年ほど早いですが、1963年には現役を退いていますからね。
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点々と設置されている退避場所の窪みには、説明板やベンチが置かれています。
初日だけあって人が多めだったので斜め読み程度でしたが、じっくり時間をかけて再訪してもいいかも。
トンネルは途中でカーブせず一直線なので、説明書きなどを抜きにすれば淡々と歩く、という感じですね。
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東京方の坑口はこんな感じで、全面コンクリートです。
ブロック様の掘り込みに馬蹄型の曲線をあわせるべく、放射状に加工してあるのがいい感じ。
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トンネルを抜けた反対側にもすぐトンネルがあり、こちらは深沢トンネル。
長さ1.1kmほどありますが、遊歩道にはなっておらず、勝沼トンネルワインカーヴとしてワインの貯蔵庫になっています。
勝沼ぶどう郷駅側はトンネルまで階段含めて徒歩5分くらいかかりますが、こちらは見ての通り車でアクセスできるので、ぶどう郷駅に用事がなくてワインに興味があるなら、こちらからのアクセスのほうが楽ですね。
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トンネルをそのまま戻るのもなぁ、と思ってルートを調べてみたら、3.5kmもあったので大人しく1.3kmのトンネルを戻ることにします。
興味本位でトンネルに入る人はいても、通り抜けまでする人は少なめなようで、帰りはずいぶんとガラガラでした。
小さい子なんかは退屈してしまうでしょうしね。
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ということで駅まで戻って、時間は11:30。
帰りは甲州街道をだらだら流して新宿まで。
幸か不幸か土曜日が雨だったので行楽も少なめですし、まだ都心方面行きも渋滞が始まる前には着けそう。
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距離は120kmほどなので、高速に乗ってしまえば1.5時間。
下道だと4時間くらいですね。
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甲州に別れを告げるべく初鹿野洞門をくぐり・・・
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すぐに新笹子トンネルへ。
そういえばこのトンネルも新トンネル計画が進行中なんですよね。
新笹子トンネルの新しいトンネル、名前どうするんだろうな・・・などと余計なことを考えつつ、旧道に回っていこうかと思いましたが、まだ冬季閉鎖でした。
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さきほどトンネルを眺めた中央線と並行しつつ、山間部をたらたらと走って戻っていきます。
早朝と違って当然前走車がいるので、音楽でも流しつつ、やや「作業」感のある走行です。
それはそれで楽しいのが‪Ninja1000SX‬のいいところ。
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先週の走行で取り上げたばかりの大月バイパスを反対向きに走行。
こちらからだと崖越しに大槻市街地を見下ろす目線になるので、中央線・現役の国道・旧甲州街道が一望できるいい眺めです。
中央道が山の中で見えないのが惜しい。
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上野原で休憩を挟み、ゆっくりペースながら渋滞することなく走ります。
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大垂水峠も逆向きに越え、関東平野に降り立ちます。
ここで時間は13:00。
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西八王子の銀杏並木も同じ。
同じ道も季節を変えて走ると表情が変わる、とはよく言いますが、さすがに先週走ったばかりだと変わり映えはしませんねw
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都心も順調に走り、ほぼほぼ見込んだ時間に自宅着。
この日の走行距離はゆったり走って314.9km、また無給油一発走行でした。
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ODOは114114kmになりました。
狙ってないけど語呂合わせになりましたね。
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