7月の半ばから引き続いて、8月に入っても関東地一円連日の猛暑。
スコールじみた雷雨も年々ひどくなり、災害級のものも増えてきました。
こんな気候の中平地を走っていると冗談抜きに命にかかわりかねないので、標高1000〜2000mあたりを散歩してきました。
ルートはこちら。
林道おおめなのでうまいことトレースしてくれないかも。
夕方の渋滞を避けつるべく、山に入る時間に日の出を迎えるよう調整して、出発は2:00過ぎ。
深夜の中央道を西へ走って長野を目指します。
都内の熱帯夜とは裏腹に、中央道は上野原や甲府、さらには富士見と山間部を走るので、涼しくて快適そのもの。
もちろん渋滞も無縁の快適クルーズで諏訪南ICまで走り、下道に。
国道20号でゆるやかに諏訪盆地に向けて降っていきます。
ここで時間は4:15、諏訪の日の出は4:58なのでちょっと早すぎます。
ということでふらりと寄り道、茅野駅へやってきました。
始発前ですが駅には灯りがともっています。
東口には蒸気機関車C12が保存されています。
小さくてかわいい機関車ですね。
茅野駅で少し時間をつぶしたあとは、コンビニ併設のガソリンスタンドで給油とコーヒーブレイク。
日曜日の早朝ともなると、始業しているガソリンスタンドが少ないので、給油は保守的に。
日の出も近づく4:30、空も白んできたことですし、そろそろ山にむかってアプローチです。
あけぼの隧道交差点のビーナスライン看板をくぐって、まずは東へ。
この日の長野県中部は、晴れのち雨の予報。
朝から雲も多めですが、午前中は降雨の心配はないようす。
水田の広がる平野を抜け、勾配がはじまってほどなく、道の両脇に首像のモニュメント。
やや不気味なこれが、ビーナスラインの中でも蓼科湖から車山まで続く、一大観光スポットの入り口です。
同様の意匠は路肩にもちらほらと登場するのですが、特に謂れが語られたり、積極アピールはされていない様子。
まだ寝静まった避暑地のリゾートを抜け、蓼科湖をかすめます。
ここですでに標高1,250m、文句なしの高原地帯ですね。
蓼科湖から先は、大きく「つ」の字を描くように白樺湖へ向かって標高をあげます。
展望台もいくつかありますが、南側の眺望にはまだモヤがかかっていて、南アルプスどころではありません。
気持ちのいい快走路をひとりじめできるのが夜明けツーリングのいいところ。
涼しい朝の時間にマイペースで走るのと、ギラギラした日差しの中遅い車のお尻をおいかけるのとでは、天地の差があります。
人はほとんどいませんが、今期流行りのシカはたくさん。
夜行性の動物がまだ姿をひそめる前ということですね。
バイクで轢いてしまったらこちらもただではすまないので、慎重に進みます。
白樺湖をスイングバイして、車山高原方面へ。
南を向いて撮影していますが、左手の東側は朝焼けの色、右側は青空の色で、朝のマジックアワーです。
車山高原の丘陵地帯を眺めながらの走行。
今年はニッコウキスゲが例年よりよく咲いたそうで、ハイシーズンの7月あたりは大変賑わったのだとか。
西の空はうっすら青空、ところにより直射日光がさしはじめて黄色。
振り返って東側はビビッドなオレンジ色が雲の隙間から覗きます。
ミラーに映る色が地獄のよう・・・
標高も徐々にあがり、低めに垂れ込めた雲が目線の高さになってきました。
そのまま標高を上げたり下げたりしつつ、西に進んで、向かうは霧ヶ峰。
到着は5:30、霧ヶ峰の名前に恥じぬ霧。
まだバイクは数台、車はほとんどが車中泊組の様子です。
賑わいのあるのも悪くないですが、私はこっちの静まり返った時のほうが好きかな。
霧の駅はなくなってしまいましたし、脇の施設もオープン前ということで、しれっと次へ。
濃いめの霧・・・というか、雲の中に突入しますが、動きも目で見てわかるくらい早く、粒も小さいので降雨の心配はなさそう。
霧ヶ峰からは、ビーナスラインに沿って走ります。
いつもは人混みを避けたりルートバリエーションの増やすために脇道に逸れるのですが、たまには王道ルートも走っておかないとですね。
霧ヶ峰から和田峠、その先扉峠までは、道も広くてほどよくカーブしており、まさにドライブを楽しむための道といった印象。
白樺湖までが別荘地、霧ヶ峰までが眺望のいい高原、そしてドライブルートときて、ここから先はカーブも多く、バイク乗りが好きないわゆる「峠道」です。
和田峠の脇に、この先通行止めの看板。
地理がピンときていない観光客には不親切な案内ですが、美ヶ原高原美術館を越えて武石観光センターまで突き当たり、そこから西へ上るルートですね。
ずいぶん遠くの案内ですが、ここで国道142号に迂回せずに扉峠までいってしまうと、アザレアライン・よもぎこば林道という狭隘な林道経由での迂回になってしまうから仕方ない。
ちなみに2022年にも同じ看板がありましたが、期間だけ貼り変わっている様子。
日の出を迎えてはや1時間ですが、ここでもまだ日の出が見れます。
眼前の稜線に隠れたり見えたり、時には雲にかすんだり、ここまでさまざまな「朝日」の風景を1時間かけて鑑賞しながらの走行でした。
それもさすがに落ち着いてきて、斜めからさす木漏れ日がより明瞭になってきます。
さぁここから暑くなるぞ、と覚悟が必要な状況ですが、標高1,500mを越えていますから心配無用。
扉峠もスルーし、美ヶ原方面へ。
扉峠から先は標高をさらに稼ぎ始め、基本的に山肌に沿っていた道路が橋梁を使って谷越えすることが多くなります。
ひきつづき交通量のほとんどない、気持ちのいいワインディングロードをゆったり走っていきます。
県道178との分岐、落合交差点を前に、また道の様子が変わります。
眼前に見える稜線を一気にかけあがり、美ヶ原高原への最後の登坂。
太陽が落ち着いた、なんて言ったばかりですが、ここでまた「日の出」が拝めます。
登り区間はそれほど長く続かず、視界が開けると草原地帯。
その端をかすめるように走り、道の駅美ヶ原高原でビーナスラインは終点を迎えます。
ここで標高は2,000m、もちろん涼しく快適な気温です。
駐車場は半分くらいは埋まっており、7割が車中泊かな、といったところ。
時間は6:00をちょうどまわり、目覚めのコーヒーをわかす匂いがあちこちから漂います。
私もコーヒーブレイクでも、と思いましたが、小銭が微妙に足りず。
1000円札を崩して硬貨だらけになるのも嫌だなーということで見送り。
山の観光地あるある、自販機割り増し価格です。
ビーナスラインは終点を迎えましたが、ここからはさらに北へ続けて走ります。
眼前には雲海が広がり、空は真っ青。
地平は見えませんが、これはこれで最高の眺望です。
茅野から先、多少の上下はあれど基本的には登りか尾根づたいだった道は、武石川に向けて一気に標高を下げます。
この先首都圏からの観光ルートからははずれるため、一気に道の状況が変わってきます。
舗装はひび割れていてガタガタ、補修もパッチワーク。
しかしこれはこれで楽しい。
凹凸をゴリゴリ乗り越え、カーブをぐいぐい曲がって、武石観光センターまで降りてきました。
ここで標高1,090m、一気に990m下ってきました。
突き当たり左折の道は、和田峠で予告のあった通行止め。
こちらを西にいって、武石峠を北に入るルートは「裏ビーナス」とも呼ばれている、美ヶ原高原へのもう一本の道です。
そういえばちゃんと行ったことがないので、今度松本から上がってくるかな。
時間は6:30、ここから通行止めになっていない、東へのルートを走ります。
薄い雲が登ってきた太陽光線をさえぎって、旭日旗のような模様を作ります。
青々と育った稲穂の絨毯とあわさって芸術的な風景。
美ヶ原で休憩を取り損なったので、道の駅マルメロの駅ながとで小休止。
コンビニが併設されているので施設オープン前でも飲食ができてありがたい。
軽食を済ませ、さらに東へ進み、立科町へ向かいます。
立科町中心部は、旧中山道の芦田宿。
あえて国道から一本脇道に入り、何やら祭りの準備をしている旧街道を抜けていきます。
望月で進路を南に変え、先ほど降りてきた山の方角に再び進みます。
次に向かうのは蓼科スカイラインです。
あえて最短である長和からの国道152号線をつかわず、望月からのアプローチにしたのは、単純にこのルートで上がっていったことがなかったから。
街道を外れた道は一気に狭くなり、八丁地川沿いに谷へ向かっていきます。
対岸の山の上には大規模なゴルフ場が造成されていますが、横道を走っている限りはその気配はありません。
県道482号をひたすら南進。
やがて見えてくる、望月少年自然の家。
県道はここで折り返すようにして春日温泉方面へ。
私が向かうのは直進の、林道唐沢線です。
林道はまぁ林道だけあって、ナビも積極的には通そうとしてくれません。
見ての通り時間は7:30、ここ1,250mの望月少年自然の家から、また標高2,000m越えの大河原峠まで登ります。
道路状況は、まぁ長野の舗装林道だな、という感じ。
やや薄そうなもののきめ細かい舗装と、時折波打つ路盤が続きます。
沿道の森林はよく手入れされており、木々の隙間の地面にもしっかり日光が注いでいます。
笹が多いのが、標高2,000mに登っているんだなーと思い出させてくれます。
ヘアピンもいくつかあるものの、「一気に上る脇道林道」といった感じではなく、あっという間に蓼科スカイラインとの合流点に到達。
ひとつ東側の鹿曲川林道が、もと有料道路ながら廃道と化していることと比べると、えらく状況がよいですね。
振り返って一枚。
右側の道が林道唐沢線、左が町道夢の平線。
蓼科スカイラインとしては、蓼科町から上がってくる夢の平線が本線ですが、ここから大河原峠までは今登ってきた林道唐沢線になるみたい。
毎度のことながらギリギリ朽ちずに残っている蓼科仙境都市の各種施設・看板は味があっていいですね。
引き続き林道唐沢線というべきか、蓼科スカイラインに合流したというべきか、ともかく大河原峠に向かって走ります。
時間はもう8:00、下界ではそろそろ30度を越えたようですが、ここはまだ15度。
大河原峠の駐車場は満員御礼、登山客ぎっしり。
やや不穏な雲も出ていますが、雨雲レーダー上問題ないことを確認し、小休止の上続行。
大河原峠から先は林道大河原線です。
深めの霧が出ているものの、視界をさえぎるほどではなく、帰って冷涼感のある嬉しい気候。
このあたりの区間は何度も走っているので、楽しくスイスイと快適走行です。
おなじみ仙境都市の異物だか現役だか、貯水タンクと廃ガソリンスタンドを通過。
こころなしかタンク周囲の擁壁が外向きに迫り出してきているような。
ゆるやかな下り坂とやたら段差の大きいグレーチングの続く道をゆったり降っていきます。
天気は主観で見れば晴れたり曇ったり霧がかったり、きっと客観的にはまだら模様の雲の中を走っているんですね。
美笹の宇宙空間観測所を越えると、残り半分といった感じ。
脇の建物に隣接している3連の風車、2022年にはなかったような。
下界の景色を見下ろしながら標高を下げ、佐久へ降りていきます。
中部横断道を越えて、最後にいくつかヘアピンをこなせば、蓼科スカイラインは終点。
時間は9:00に近づき、さすがに盆地まで降りてくると気温が高い。
それでも薄曇りのおかげで25〜26度といった感じ。
どう考えてもこれから暑くなるよなーという佐久平の眺望。
いやしかし、水田が美しすぎる。
佐久平を降りたら、早々に千曲川をわたって東へ。
最短で、内山峠を経由して下仁田から上信越道かなと思っていましたが、ちょっと物足りない。
内山峠旧道から、妙義荒船林道を経由して軽井沢に抜けることにします。
峠の切り通しを抜け、いざ北へ。
荒船風穴から下仁田へ抜ける旧道分岐をスルーして直進します。
対向車もいたので止まって写真は撮りませんでしたが、ここはまだ国道標識がしっかり残っているんですね。
古びれた手書きの看板を頼りに林道へ入り、軽井沢方面へ。
厳密なスタート地点はここですが、写真を撮り損ねて一個手前の交差点で。
見通しのいい箇所は、基本的に牧場の土地で、放牧地のよう。
このあたりは牧場が集中的に点在していて、どこがどの牧場の敷地なのやらわかりませんが、ともかく景色がいいのはありがたい。
放牧地以外は一般的な林道といった感じ。
内山峠でも標高はあたりまえのように1,000mを越えていて、気温は快適そのもの。
とはいえ時間もさすがに10:00を過ぎ、日差しが強くなってきました。
コンビニなんてものは軽井沢に降りるまで存在しないので、自宅から持ってきたペットボトルを空にしつつ走ります。
別荘地への入り口丁字路まできて、通行可能な林道区間はおしまい。
この先はすぐにゲートがあって、完全な廃道。
わずか1kmほど行けば別の別荘地に着くので抜けられると便利そうなんですが、別荘に近所付き合いはないから問題ないか。
林道に別れを告げ、中軽井沢方面へ下ります。
時間は10:30、土産の調達タイミングがなかったことと、この時間ならまだ飲食店も混雑前だろうということで、横川までいくことにします。
碓氷バイパスをゆったりくだるにつれ、気温がガンガン上がってきた・・・!
軽井沢駅で940m、横川で390mと、もはや関東平野の端そのものなので、こればかりは仕方ない。
横川で土産と食事といえば、おぎのや。
釜飯もざるそばも何度か食べたので、今日はソースかつ丼にします。
しっかりやわらかいお肉と、濃過ぎないソースかつが美味でございます!
食事もすんで11:30、この時間なら混雑はまだまだはじまらず、快適な帰路になるでしょう。
そそくさと松井田妙義から上信越道に乗り、帰宅です。
悲しきかな、気まぐれで回った妙義荒船林道の分、ガソリンが微妙に足りなくなりそうだったので、関越の終点手前で一度降りて給油、外環に乗り直し。
高速の渋滞をしっかり避けたのに下道の昼食渋滞に巻き込まれてしまいました。
とはいえ走行そのものは涼しく快適そのもので、満足の597.6km
ODOは119497kmになりました。
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