8月中は天候だったり他の予定のタイミングの問題でほとんどツーリングができず、1ヶ月ぶりの走行になってしまいました。
しかしこの日も完全フリーではなく、夜から別の予定があったため、早い時間に回れる予定を思索。
古来から「遠くとも、いつかは詣れ、善光寺」と呼ばれている、長野の善光寺へ向かうことにしました。
長野までそのまま向かってもいいのですが、そうするとさすがにつまらない走行になります。
高速道路の長距離走行は8月に車で十分やったので、飽き飽きですし、間に志賀草津道路を挟むことにします。
出発は3:00、セオリー通り関越へ入り、渋川伊香保ICで降りて国道353号で西へ。
長野原からは、国道292号の旧道へ。
まだ気温は暑い日が続きますが、秋の花は咲き始めています。
それらを眺めつつ、日の出直後の山間を北へ向かって進みます。
せっかく草津にきたのだから温泉でもと、この時間でも入浴できる尻焼温泉川湯へ寄ってみます。
が、しかし、上流で雨が降ったようで増水しており、水温が下がって冷水プール状態。
気温が高い時間ならともかく、この時間はまだ気温16度、さすがに凍えます。
川から隔離された小屋の浴槽には先客もおり、入浴は見送り。
以前訪れた時の写真と比べると越流の勢いの違いがよくわかります。
やや戻って、国道292号の旧道を草津に向かって上がっていきます。
時間は6:00を回って、だいぶ明るくなってきました。
気持ち良い峠道の走行を経て草津。
CS2のツーリングで来たり車で来たり、今年はなんだかんだ草津をよく通る。
そのまま国道292号を走り、志賀草津道路入口へ。
夜間通行止の看板が出ていましたが、時間は22:00〜翌6:00。
期間も9/9〜9/20までで、いずれも対象外でした。
当該の時期、万座三叉路〜渋峠の区間が雪崩防止策工事のために通行止めだそう。
まだ朝日が真横に近い角度から射し込む高原の道を気持ちよく上がっていきます。
夏のツーリングの一番気持ちいい時間ですね。
標高がずんずん上がってきて、空が見えてきました。
この日は霧やモヤとは無縁の、好天 of 好天。
この時間は渋滞どころか前走車も皆無で、走行は快調そのものです。
早回しの動画でどうぞ。
太陽は依然低い位置にあり、影の稜線と晴れの稜線のコントラストも美しいですね。
視界全体が明るく明瞭なお昼もいいですが、この時間帯の景色は目を見張るものがあります。
のたうつように繋がる高原道路を見通し、その先に横手山を遠望。
写真右手の折り返しが国道最高地点付近、そのまま裏へ回り込むと渋峠です。
国道最高地点から芳ヶ平を見下ろす景色は、綺麗すぎてオープンワールドゲームのようです。
すぐに峠に至り、渋峠ホテル前。
時間はまだ6:50、県境のホテルのカフェ営業は8:30からなので、まだオープン前。
記念写真だけ撮影して、山を下ります。
気温は12度と、真冬の都内のお昼くらいですね。
長野側の下界はやや空気が濁っていて、地平付近はまだ日照が届ききっていないこともあり、薄暗い雰囲気。
ここでタイムラプスなんて撮ると面白そうだなあ。
空気の層は目に見えてくっきり分かれていて、まるで地平線のようです。
渋峠へ至る道は、南北の国道292号と、西へ抜ける二本。
今日は南の草津から来て、北は湯田中へ降りる道です。
残りの西へ向かう道路は、いずれも別の尾根を経由して高山村中心部へ降ります。
そのうち県道466号〜112号、いわゆる満座道路はよく通るので、今日は県道66号を使うことにします。
熊の湯を抜け、左折で県道へ。
この道は冬季閉鎖解除が一歩遅く、滋賀草津道路の開通にあわせて走りに来ると、だいたいまだ閉鎖中で通り抜けられないんですよね。
道は狭小で、大型車通行不可。
看板にもある山田牧場が沿道になければ廃道になってもおかしくないような道です。
渋峠から熊の湯で一度下げた標高を、また登り返し、笠岳峠を越えます。
熊の湯が1,690m、笠岳峠は2,075mだそうなので、400m近く登り返すんですね。
ちなみに渋峠の国道最高地点は2,172mです。
牧場の牛を横目にみつつ、峠は下りへ転じます。
ヘアピンをいくつも走り、松川沿いに着地。
あとは川沿いに高山村まで。
さすが草津と同じ山の麓というだけあって、温泉施設がいくつもあります。
沿道の小さな温泉とか巡るのも楽しそうですね。
尻焼温泉のリベンジをとも思いましたが、流石にこの時間から開いている日帰り温泉はありません。
高山村の周辺では、蕎麦が綺麗な花をつけていました。
ぼちぼち新蕎麦の季節ですねえ・・・
他にはりんごも大きな実をつけ、一部は色づきはじめています。
いかにも秋の信州!といった情緒。
蕎麦やりんご等の食べ物系だけではなく、コスモスも視界に彩を与えてくれます。
まだ時間が7:30であること、山から降りてきてまだ気温が低いこともあいまって、季節を錯覚しますが、昼の平地は30度を超える予報です。
須坂・小布施あたりの善光寺平を見下ろしつつ山を下り、ツーリングの前置きは最終盤。
目的地である善光寺詣は、画面左側の電柱の向こうあたり。
ちょうどその左の大きなビルが長野駅前です。
市街地で給油を済ませ、村山橋で長電とともに千曲川を渡ります。
この橋は鉄道道路併用橋で、上流側東行きの橋桁だけ広くなっているのが特徴。
善光寺にはいくつか公式駐車場がありますが、バイクが停められるのは西側の第4駐車場。
バイクは1日500円で、制限時間はないそうです。
8:30少し前の到着で、料金と引き換えにパンフレットをもらい、いざ。
善光寺は日本で仏教が様々な宗派に分かれていくより以前の由緒ある神社で、それゆえ無宗派。
重厚な屋根が美しい本堂を中心に、境内はコンパクトにまとまっており、参拝しやすいです。
本堂の中で行われる、暗い地下廊下を使ってご本尊の周りをぐるりと一周する「お戒壇巡り」と呼ばれる参拝方法は特徴的。
一切の明かりがない暗い地下廊下を、板壁頼りに回るという、閉所・暗所が苦手な人にはかなりハードルの高いアクティビティですね。
本堂から南に下ると、負けず劣らずの威容で構えるのが山門。
江戸時代の参拝者の落書きが残るというのは、当時からの歴史の賜物ですが、良いのか悪いのかはなんとも言い難いw
山門に登っての見学は9:00からとのことで、先に周辺を回って帰りに寄りましょう。
山門の南に抜けると、門前町の仲見世が広がります。
お店の一部は8:30からですが、多くは9:00開店。
まだ少し早すぎるようです。
仲見世の向こうに見えるのが、仁王門。
門を抜けた先の表参道は、長野駅前まで2kmにわたって直線で貫いており、新幹線直結寺といえます。
仲見世通りの両脇の通りには、みっちりと39の宿坊が並んでおり、これも見どころ。
人通りのある仲見世と違って、静かな朝の歴史通りといった雰囲気。
宿坊は統一の標準料金を設定しており、どこも基本的には1泊2食で11,000円だそう。
ホテル高騰の昨今、コスパがあまりに良すぎますね。
宿坊回りをしている間に各土産屋がのれんをあげていました。
色々と購入しつつ、甘いものも補給。
そういえば昨夜から何も食べていなかった・・・。
蕎麦屋でもあればよいのですが、どの店も11:00〜なので、食事は見送り。
山門の参拝も開始されたので、階段を上がって見学。
内部は撮影禁止ですが、外にカメラを向けるのは自由とのこと。
こちらは仲見世から仁王門を望む景色。
そして本堂。
こういう歴史的建造物は、よこにずらっと広いものが多い印象ですが、善光寺はシルエットが正方形に近く、どしりとした構え。
朱に塗られ華美であることもない深い木の色ですし、善光寺は独特に思えます。
ちなみに参拝券は、本堂の中とお戒壇巡りの入場、山門と、他に経蔵、史料館もセットで1,200円。
他に個別の券もあり、いずれもキャッシュレス対応の今風券売機での購入です。
境内を一通り見て周り、9:45くらいには帰路へ。
帰りは丹波島橋を渡って長野ICからまっすぐ戻り、午後の予定に備えます。
上り線の渋滞は当然発生前で、スムーズに走行。
予定していた13:00より前倒しで帰着、この日の走行は566.4kmでした。
ODOは120,063kmになりました。
12万km突破だー。
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