この週末は、土曜日に都内で異例の30℃を観測する一方で、北海道では初雪を観測するなど不安定な天気。
土曜の夜から日曜日の朝にかけて雨予報ということもあり、遠出は半ばあきらめていました。
念の為、ということで土曜日深夜起きてみると、雨は早めに抜けてしまい、路面はドライ。
これは行くしかない、ということで、紅葉を見に福島へいってきました。
出発は3:30少し前、東北道へ入って、夜明けを眺めつつまっすぐ福島へ。
先週猪苗代近辺を通過した際に見送った福島3ラインを走るべく、福島西ICを目指します。
6:30ごろに高速を降り、まずは給油。
ちょうど警告灯がつく直前、ここで満タンにしておけばあとの下道は心配ありません。
ガソリンだけでなく人間のカロリーも補給。
10月後半にしては暖かいといえど、夜明け前の中通りは普通に10℃を下回ります。
これから標高を上げて、なおのこと寒くなるので、体温を維持するためにもカロリーは必要ですね
平地付近でも、早いものは秋の色に色づきはじめていました。
巷の紅葉予報的には、見頃の入り口くらいといったところです。
県道70号で、吾妻山方面を望みながら進みます。
天気は基本的に良いものの、山頂付近は少し雲がありそうですね。
県道はそのまま平地の西端に達し、時計は7:00。
ここから山を登り始め、序の口に通過するのは高湯温泉。
三連休翌週とはいえ、紅葉が見頃なので繁盛していることでしょう。
温泉から先が、いわゆる磐梯吾妻スカイライン。
2013年の無料化以来、料金所がなくなって境界がハッキリしません。
県道扱いになって地図上も目立つ色がつかなくなるので、観光的には逆効果な気がしますね。
余計なことを考えつつ、前の車に続いてゆったりと、しかし着実に標高を上げていきます。
標高に従って、山肌は赤や黄色に色づきはじめます。
幸いにも進行方向の空が青いので、美しいコントラストが楽しめます。
お馴染みの展望スポットである不動沢橋にも立ち寄り。
知ってはいましたが、早朝は逆光で紅葉よりは橋のシルエットを楽しむ感じになりますね。
もやのなかに浮かぶ福島市街中心部が幻想的です。
標高1,200mの不動沢橋を渡り、道はなおも標高を稼いでいきます。
朝日が登ってどんどん明るくなりますが、標高による気温の低下が優勢。
紅葉の色づきがどんどん濃くなり、7〜8分といったところ。
この時間は太陽の光そのものもオレンジがかっているので、なお美しく見えます。
ヘアピンカーブを連続して超えたら、正面には吾妻小富士の姿。
下界から見た時は雲が心配でしたが、どうやら山頂付近は晴れていそうですね。
なおも登りが続き、紅1,400m付近で葉は最高潮に。
キラキラと美しいカエデと笹が、赤・黄・緑のグラデーションを作っています。
雲があさもやに薄い影を落とす下界の風景もまた美しい。
しかしソーラーパネルのシマシマがちょっと惜しいですね・・・
いよいよ頂部に近づき、美しい紅葉と無骨で白い岩肌が混在するようになってきました。
この風景は森林限界ギリギリ、かつ火山活動が活発な山でしか見られないので、独特ですよね。
しかし路駐の車が多い・・・
吾妻小富士を正面に捉えて、有名な直線と最後の九十九折りです。
ぐいぐいと登る最中、横を見ればさきほどの直線が見通せます。
北側の空はやや雲がかかっていますが、スカイラインは東〜南と走るので雲の中に入ることはなさそうです。
そこから少し走り、吾妻小富士の脇にある浄土平で休憩。
時間は7:30をまわったところ。
レストハウスは9:00からの営業なので、自販機とトイレのみ使わせていただきます。
駐車料金はバイクが200円、普通車は500円です。
上がってきても止めずにスルーすることが多いですし、一時期無料化されていたので、ここで料金を払うのは久々かも。
浄土平を越えると、もう少し登りが続き、間もなくスカイラインの最高標高点。
1,622mは夏ならたいしたことはありませんが、さすがにこの時期になると気温にガツンと響いてきます。
メーター上の表示は凍結警告も出て、-1℃を指します。
今シーズン初マイナス表示。
とはいえ、降雪もなく空は晴れていて、景色はそんな寒さが嘘のよう。
連なる山々を見下ろしつつ、南へ降ります。
南面は紅葉の色づきがやや控えめ。
これは気候差というよりは、そもそも色づく植物が少なめだからな気がする。
登りほどの交通量はなく、スイスイと下って料金所跡地を通過。
ここで時間は8:00を少し過ぎた頃合い。
ノンストップで次の観光道路へ向かいましょう。
いつも目をひくマスクされた旧道表示。
直進したほうが近道なのですが、あえて左折して国道のインターに接続しろと案内されているのは、除雪の関係かな?
気にせず直進して、旧道を進みます。
秋らしく落ち葉の吹き溜まりが路面上を覆い始めています。
気温も低くてグリップも下がりますし、いつも以上にライディングには注意が必要。
国道115号に一瞬のっかり、そのあとは県道70号が続行。
県道としては1本ですが、有料道路だった頃には別料金扱いだった磐梯吾妻レークラインのスタートです。
レークラインは3ラインの中で一番カーブが楽しく、標高は900〜1,000m付近で、それほど上り下りしません。
その名の通り湖沿いの道ではあるのですが、木立に遮られて湖が見えるタイミングはほとんどなく、林間道路といった趣。
このあたりはまだ紅葉が始まっておらず、緑の木々の中を爽快に走っていきます。
このあたりの見頃は10月末〜11月頭くらいの予報ですが、もう一週くらい遅れそうですね。
途中、中津川渓谷レストハウスにて小休止。
観光協会のサイトによるとレストハウスの営業は8:30〜ということでしたが、closedですね。
磐梯山ジオパークのサイトでは9:00〜になっているので、そっちが正しいのかも。
当てがはずれたので、自販機とトイレだけお借りして次へ進みます。
序盤の秋元湖を離れ、中津川渓谷を越えて小野川湖沿いに向かいます。
いずれもレークラインからは逸れるものの、湖沿いにはキャンプ場やロッジなどがある様子。
少し北にある桧原湖も含めて、来シーズンは「裏磐梯三湖」目当てで来てみるのもいいかもしれない。
こちらも料金所後の広大な敷地を過ぎて、完走。
次へ向かいましょう。
ペンションやホテル、おしゃれな飲食店の立ち並ぶ裏磐梯の中心部を国道459号で抜け、次はゴールドラインです。
北に折れて米沢方面に向かう西吾妻スカイバレーも好きなのですが、戻ってくるのが大変なのでまたの機会に。
ゴールドラインは吾妻山の西面をかすめ、会津若松と猪苗代湖の中間あたりまで降りる道。
とはいえ最高標高は1,200mと、スカイラインに比べるとおとなしい道。
紅葉もレークライン以上スカイライン未満ということで、全体的に3〜4割の色づき具合です。
ゴールドラインがゴールドに染まるのは来週くらいかな、といった感じ。
ちなみに名前の由来は紅葉とはぜんぜん関係ありません。
南半分はスキー場・ゴルフ場の間を縫うようにして走るため、景色が開けているところが多いです。
磐梯町方面を見下ろしつつ、大回りのヘアピンをいくつも越えて、標高を下げていきます。
ゴルフ場の入り口付近で区間はおしまい。
さすがリゾート会社、ゴルフ場まわりの並木は栄養状態がいいのか、くすむことなく綺麗に色づきはじめていますね。
3ラインを走破し、あとは食事をして帰るだけの予定でした。
しかし目当てのお店は11:00開店、現在はまだ9:15ということで、2時間弱の余裕があります。
地図をザッピングして、広域農道である会津パールラインを走ることにしました。
まずはパールライン入り口にむかうべく、県道7号で西へ。
沿道には綺麗なマリーゴールドが花を咲かせていました。
道の駅ばんだいでお土産の調達だけ済ませたら、続いて県道64号に乗り継ぎます。
いつもながら、明ル坂は気持ちのいいカーブが最高。
明ル坂を下り切って、磐越道を2度アンダーパスしたあと、右左とクランクで曲がれば、2003年に全線開通となった会津パールラインこと会津広域農道の入り口です。
この農道、ちょっと調べただけでは名前の由来は定かではないものの、米粒と稲穂のマークからするに、パールライスなどと同じように米を真珠に例えたもので間違いなさそう。
米のための道ですから、当然田んぼの中を突っ切ります。
背中には磐梯山もきれいに見え、絶景の道です。
やや低い雲がもこもことしているものの、空は深い青で空気も綺麗。
秋らしい空だなーと思いながら、会津大橋で阿賀川を渡って快適に進みます。
概ねの田んぼが収穫を終えて、乾いた藁の色か稲の根本の緑色を呈す中、刈り取りをしていない田んぼはまだ黄金色に輝いています。
倒れたから出荷しないのかも・・・ですが、見る分には紅葉とはまた違った彩りがありますね。
道はしばらく平野を突っ切りますが、会津若松市から会津美郷町に入る頃、正面に会津盆地の端が見えてきます。
道はこの峠を越え、柳津町郷戸まで続きます。
時計は10:00を回り、気温も上がってきました。
心地よい風もふいていて、どんどん近づく山に向けて一直線に田んぼを抜ける道は気分爽快です。
やがて正面の山にとりつき、川沿いにしばらく登ったあとはトンネル。
最初は沼山トンネル。
次にすぐ柳津トンネルを抜け・・・
一山ヘアピンで超えたら、最後に七呼トンネルです。
一体的に整備された農道らしく、どのトンネルも判を押したようにそっくり。
前半は平地の景観、後半は楽しい山道ということで満足。
そのまま戻ってもよかったのですが、戻りは川沿いにしましょう。
ということで、突き当たって国道252号へ入ります。
柳津ダムの作る広い川面を眺めながら、ゆったりと下っていきます。
時間はここで10:30少し前、ちょっと早過ぎますね。
ということで、沿道にある道の駅会津柳津に立ち寄ります。
会津柳津は会津を代表する民芸品、「赤べこ」の伝説発祥の地として売り出しています。
観光物産館の前にも巨大あかべこが設置されていますし・・・
ポストの上にも鎮座していて可愛いですね。
そういえば郵便料金が変わりましたね・・・
物産館の正面には芝生広場があり、そこにはポケモンが。
浪江にあると聞いていた気がするので、「あれ、ここだっけ?」と思っていたら、ラッキー公園って県内4箇所あるんですね。
割と行脚できる距離感なので、好きな人は巡ってみてもいいかも。
道の駅で自分用のお土産を買って、あとは予定通りお昼。
瑞光寺橋・柳津橋と兄弟橋を抜けて、会津坂下に向かいます。
七折峠もサクッとトンネルで抜けます。
こちらは2001年の竣工らしいので、パールラインとほぼ同時期のものですね。
遠くに再び磐梯山を望み、会津坂下の中心へ。
腹一杯になってからバイクに跨り直したくないので、帰りのためにガソリンスタンドへも寄っておきます。
こちらも先週の予告通り、坂下ドライブイン(堀商店)さんに到着です。
時間はオープン5分前、すでに駐車場は7割埋まっていましたが、名前を書いて待っていたらオープンから5分で入店。
坂下ドライブインといえば桜肉。
都内で馬肉が食べられる店だと、メニュー展開は刺身とユッケと煮込みあたりが関の山。
会津の馬肉は主に赤身しか食べないので、なおのことメニューが限られそうですが、ここには焼肉定食や鍋定食というラインナップも。
今日はその中でも、桜肉のステーキ定食をいただくことにします。
お値段2,500円と、それなりに強気なメニューですが、生でそのまま食べられる赤身肉をレアに焼いて、美味しくないはずがない。
甘辛のソースをたっぷりかけた塊肉は、バッチリお値段以上の満足度ですね。
肉ももちろん美味しいのですが、会津の新米で炊かれたご飯もまた最高に箸が進みます。
こんだけコメが美味いんだから、馬以外のカツカレーとか鳥唐揚げ定食とかも絶対美味いんでしょうね・・・
当然、サイドメニューで馬刺しも食べました。
おなかいっぱいになったので早々に帰路につきます。
復路は高速そのまま突っ切りでもよかったのですが、先週の往路と同じく時間がそれほど変わらないので、白川まで逆ルートを進むことにします。
さすがに夜明け前後のように交通量は少なくありませんが、ほどほどのペースで気持ちよく走ります。
先週朝霧の中で撮った写真と同じ場所ももちろん通過し、白川中央SICから東北道で帰ります。
朝の極寒の紅葉からワインディングロードのはしご、広域農道からグルメまで、秋の楽しいものは一通り詰め込んだツーリングで、今日の距離は719.4kmでした。
ODOは122,745kmになりました。
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