先週に引き続き桜を見るツーリングをしてきました。
行き先は昨年秋に訪れ、桜の季節に再訪をしたいと思っていた飯舘村です。

ルートはこんな感じ
出発は3:00、東京湾岸はこの時間でも気温15℃を超えており、快適な出発。
金曜日には夏日になった地域もあるようで、近年の極端な天気が今年も繰り返しそうです。

先述の通り今日の行き先は飯舘村。
桜の見どころは内陸なので、東北道でも常磐道でもよかったのですが、今日は常磐道を選択。

休憩を入れずに2時間と少し走り、いわき中央ICで下道へ降ります。
ここで早めの給油を行い、国道399号を北上するルート。

ICから国道399号は少し離れているので、国道49号で連絡します。
福島県にすでに入っているとはいえ、いわきは太平洋岸で県最南端、もう桜のシーズンは終わっていますね。

日の出を迎えたばかりの田園地帯を、時折磐越東線と絡みつつ走ります。
薄く雲が出ているものの、雨は降らない予報です。

国道399号は全線走破も含めて何度も訪れていますが、淡々と楽しい里道が続くお気に入りツーリングルートです。
ただ、東北内陸部なので冬には走れないのが惜しいんですよね。

夏井川と別れて北の山間部に舵をきってまもなく、大きな桜の木が目に入ってきました。
満開だとさぞ美しいだろうなあ、と思いますが、残念なことに2分咲きといったところ。
他の桜がすでに葉桜になっているところを見るに、遅咲きの品種なのかな。

数年前まで過酷な区間だったいわき市北部と川内村の境界付近は、大規模なバイパスが開通済み。
いつもは旧道に入ってしまうので、今日はあえてバイパスで走りましょう。
旧道との分岐点を直進します。

舗装も真新しい2車線の道路をすいすいと北上。
標高がぐんぐん上がっていくので、やや肌寒さを感じます。

やがて十文字トンネルに突入。
2022年に開通したばかり、全長2,875mもある長大トンネルです。
これがまた、内部が冷気を溜め込んでいて寒い・・・!

トンネルを抜けると間も無く旧道と合流し、未改良区間。
2車線分確保されているとはいえ、この道路状況の差・・・!

そして2018年の戸渡トンネル。
これを抜けると川内村です。

おだやかな高原の道をゆったり走り、時計は6:00を指します。
空も徐々に青くなってきて、コントラストで沿道の桜や桃がより美しくみえます。

村の中心部で国道は左折。
木戸川沿いを走りますが、正面に立派な並木を発見。

川の向こうの敷地に並木がつくられていました。
あちら側は私有地のようなので、対岸の堤防の細道から眺めます。
川のせせらぎと桜並木がいい調和です。

川内村の中心部では国道のバイパス化が続々と進行中。
来るたびに新しい道に切り替わっているので、その時々の新鮮さがありますね。

役場の向かいの温泉施設やコミュニティセンターでも桜並木が満開の威容を見せています。
ゆったり速度を落として走行したくなる街並み。

さらに北上すると田村市へ入ります。
同じくらいの標高を淡々と走る道なので、必然的に桜の開花具合も同じ。
後続に迷惑にならないよう気をつけますが、6:00過ぎなので追いつかれることもなく、ゆったり走行を満喫。

続いては葛尾村。
幼稚園・中学校など学校が密集している地区の土手には、また見事な桜並木。
川向こうの斜面にびっしり綺麗に花が広がっているので、撮影も捗ります。
この季節は本当にどこを走っても楽しい。

寄り道を楽しみながら走り、時間は6:30。
改良された気持ちのいい丘の道を走って正面の峠を越えると、浪江村です。

浪江村へ入っても続く春の花街道。
このあたりは「あぶくまロマンチック街道」と名前がついています。

目に楽しむ要素が盛りだくさんな一方で、国道から入る脇道はご覧の通り、悉く閉鎖。
来るたびに言及していますが、まだ除染が終わっていない家々や里山は帰宅困難地域に指定されたままです。

丘の向こうに見える屋根と、その庭に植えられた桜も同様に帰宅困難区域。
災害の前はどういう景色で、どういう営みがあったのだろう、と考えながら走ります。

国道459号とのクロスを経て、道は飯舘村との境界の峠に差し掛かります。
沿道には水仙が綺麗に花をつけていました。
水仙といえば、東吾妻には水仙と桜がコラボレーションした岩井親水公園なる場所もあるよう。
こちらとも迷ったんですよね・・・体がいくつあっても足りない。

峠を超えて飯舘村へ入ります。
この辺はまだ寒寒とした冬の峠道の風景ですね。

峠にはすっかり塗装のはげた「ながどろ いろづく坂峠」「至津島」「至長泥」の文字。
この長泥が本日メインの目的地。

長泥地区に入り、平地の区間の沿道には植えられた・・・ではなく、継がれたばかりの小さな桜がささやかに花をつけはじめていました。
避難指示が解除されてから一歩一歩進めてきた桜の整備が少しづつ身を結んでいるようです。

さらに進み、ヘアピンの連なる丘を登ると、再訪叶った長泥の桜展望台。

眼下の景色はご覧の通り。
うーん、まだ一週間早かったようだ・・・!
とはいえ、満開の時の全貌が想像できる程度には花がつき始めており、これはこれで明媚。
天候さえ順調に推移すれば来週が見頃でしょうね。

長泥から先、もう一箇所飯舘村内に目的地を設定していました。
飯舘村は広いですからね。
399号を引き続き北上。

飯樋地区の中心部で国道を逸れ、村道に入ると、斜面の一角が美しい桜色で塗りつぶされている一角が目に入ります。

より近づくと、それはそれは見事な桜の斜面。
こちらが第二の目的地、飯舘復興三千本の桜です。
これ以上なく名は体を表しており、あらためての説明は不要。

その桜並木をつっきるように村道が伸びていて、道路を覆う桜の密度は圧巻。

ほどよく道もカーブしており、望遠レンズがあれば圧縮効果で美しい風景を切り取ることができそう。
夜はライトアップもしているのだとか。

桜の花は今日まさに満開を迎えており、長泥で外してしまったタイミングと帳尻を合わせるように、こちらにドンピシャ。
開花しはじめてから、凍結や強風も起こらなかったようで、どの花びらも綺麗に整っていますね。

時計は7:00を過ぎたあたり、広い駐車場にはまだ1組しか来訪者がなく、この風景をほぼ貸切状態で楽しめます。
駐車場をぐるりと囲む桜並木は、まるでピンク色の夢の中にいるような風景。
未舗装で一部ぬかるみもあるのでバイクでの来訪は足元の注意が必要です。

駐車場向かいにはウッドデッキのステージとU字溝を利用した観客席が誂えられており、本日はお祭りも開催予定。
時間が早いので、その準備風景しか伺うことができなかったのが惜しいですね。

村道で桜並木を抜けていくシーンは感動的。
ぜひ動画で楽しんでいただきたい。
花見が終わったら、これにて今日のメインディッシュは終了。
まだまだ見どころはあるのですが、今日は午後から予定があるため踵を返します。
帰りのルートは、こちらも以前走り通した山麓線こと、福島県道34号・35号。
まずはぐるりと山麓線へ回るべく、県道12号に入り東へ向かいます。

道を外れて今度は県道268号へ。
このまま県道を「への字」型に走り、山麓線へ。

途中、真野ダムによって湛えられたはやま湖を通過します。
どんどん日差しが強くなり、暖かくなってきました。

以前空はやや白みがかっているものの、時計が8:00を回る頃には初夏のような日差し。
この暖かさなのに木々がまだ落葉したままなのはすごい違和感。

まっすぐ帰るといっても寄り道の1つや2つはしても許されるタイムテーブル。
ダムの下流すぐにある「立石」に寄ってみます。
画像正面奥、いっけん廃橋の橋台のようにも見える岩が立石。
これは人工物ではなく自然にできた奇岩で、高さは12mもあるのだとか。

河原には、対岸に渡れるような飛び石も設置されており、おだやかな川のせせらぎを楽しむこともできます。
ダム直下なので放流には注意が必要ですが、夏は川遊びもできそうですね。

そのまま県道を下り、東へ。
春の花はなにも桜だけではない、でも言うかのように、チューリップの花壇が彩りを添えます。

山を下り切ったら、山麓線に合流。
本来の起点はもう少し北ですが、前回完全走破しているので今日は途中からでもよいでしょう。

山麓線は、国道399号にくらべて太平洋に近く、標高も低いところを繋いでいきます。
ということは、必然的に季節も少し進んで、桜の見頃は終わりを迎えたところが多くなります。
残る彩りは花桃の濃淡ピンク色や・・・

ビビッドな菜の花の黄色など。
菜の花は開花期間が長いので、この季節の彩りとしては定番ですね。

終わってしまった桜が、最後の見せ場として花吹雪を作ってくれています。
おだやかな太平洋の風にふかれつつ、気温もどんどん上がって、暖かいどころかもう暑さを感じます。

399と同様にまた帰宅困難区域も通り抜けて進みます。
浜通りに近いところは平地が多く、必然的に人の営みも多いので、より災害の傷跡が色濃い。

双葉・大熊・楢葉など、国道399沿いにはなかった地自体を繋いで走り南へ南へ。
9:00を過ぎ、太陽は高くなってきて木漏れ日も落ち始めましたが、空はしろっぽいまま。

広野を抜けたらいわき市。
帰りはあっという間の走行で、9:30ごろにはいわき四倉に到着。
常磐道でサクッと帰ります。

伸び続ける下り線の混雑を尻目にサクッと上り線で帰宅するのはちょっと優越感ありますね。
常磐道の混雑といえば、ひたち海浜公園のネモフィラは来週くらいが見頃のようです。

ということで、予定通り早めの帰宅をしたとはいえ、楽しい里道や桜の名所を巡っていい密度のツーリングとなりました。
この日走行は620.1km

ODOは129407kmになりました。

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