土曜日はバイク関係のイベントに遊びに行こうとしていたものの、雨と強風の荒天で中止。
日曜日も直前まではその余波でよくない天気予報でしたが、前日午後の時点では降水確率が20〜30%まで下がりました。
ここぞ、ということで、前から気になっていたスポットや楽しい道を選んでぐるっと回ってきました。

ルートはこちら
出発は3:30、まずは東北道に歩みを進めます。
先週と同様、雨上がりの春の朝には深い霧が立ち込めていました。

通行止めになったら困るなーなどと雑談をしながら、今日もNinja250をお供にして走行。
霧の中徐々に明るくなってきた佐野SAで一度休憩。

濃霧の勢力は佐野あたりが北端だったようで、栃木ICに差し掛かる頃には先ほどまでの景色が嘘のように澄んだ空気。
ひとまず安心、ということで、予定どおり都賀西方PAのスマートICで下道へ降ります。

国道293号をやや北進。
目線の先には、空に低く立ち込めた雲の切れ間が、まるで立ち切り鋏を入れたかのように線を描きます。
向こうはいい感じに晴れていそうですね。
今日のルート取りはひとまず功を奏したようです。

脇道にそれ、本城橋で思川を渡ります。
今日はこの思川の支流の一つが最初の目的地。

先ほどまで見えていた雲の切れ間にどんどん近づき、同時にやや茜色に見えていた空も青色に遷移します。
雲があるので視界が悪いように感じがちですが、遠くの山々の透明感は相当なもの。

県道177号をひたすら遡ると、唐突に谷沿いの道は終焉を迎えます。
実はここが今日訪れたかったスポットの一つ。

フェンスの隙間からカメラを谷の奥へ向けると、白亜のコンクリートのタワーが見えます。
何を隠そう、こちらは建設中の南摩ダムの堤体です。
南摩ダムは利根川水系の南摩川に建設される多目的ダム。
2000年代に入ってからの公共事業見直しで長らく本体工事が進まなかったものの、2020年になって再開、本年中の竣工、2027年の運用開始を目指して絶賛工事中のダムです。

ダムの下流は通行規制により近くまで寄れないので、付け替え道路である県道177号でダムの上流へ向かいます。
付け替え道路自体は比較的早期に着工しており、それほど新しい道ではありません。

やがてダムの堤体を越え、上流側が見通せる県道へ到着。
まだ水をかぶっていないロックフィルダムの上流側斜面や、通水したことのない放水路が佇んでいます。
ダム工事の進捗は、昨年11月に試験湛水を開始したばかり。
もともと平時の水量の少ない南摩川だけに、梅雨前の試験湛水にもそれなりの時間がかかりそう。

県道の付近からは、まだ水位の低い湖面も見えます。
視界に見えている道は旧道か、付け替え道路へのアクセス路か、はたまた役目を終えた工事用道路か。
いずれにせよこのまま水底に没する運命ではありますが、調べたところ、付け替え道路へのアクセス路でした・・・。

アクセス路を越えた先、沿道のトンネルの銘板は本体工事が再開した2021年のもの。
ダム工事の進展に伴って、本格的に湖底に沈む部分が廃道になり、高巻きに上流へ進めるように作られたものです。

ダム湖の上流までくると、ダムに注ぐはずの南摩川は忽然と消えた・・・ように見えます。
しかしガードレールの左側、ほそぼそと流れているのがそれ。
堤高86mの立派なダムを埋めるには細すぎる流れだと思いましたが、このダムは黒川や大芦川からも導水路を繋ぎ、周囲の支流を統合的に管理できるようにするものなのだとか。

南摩ダム一帯を通過し、進路を県道240号へ移します。
時間は5:30を回って、太陽の主張が激しくなってきました。

美しい朝日に照らされながら、早朝の気持ちいい県道走行でルートをつなぎ、日光へ。
今日は駅前周辺では立ち止まらず、さらに山を登ります。

当初は霧降高原道路へ進む予定でしたが、少し時間が早い。
一旦寄り道として、日光いろは坂を駆け上がって中禅寺湖へ向かうことにします。
新緑のいろは坂は、交通量もほとんどなく、気持ちのいいマイペース走行。
登りは第二いろは坂です。

途中、駐車場で景色などを楽しみながら、上へ上へとヘアピンカーブをこなしていきます。

時間は6:30を過ぎ、やわらかい雨上がりの日差しが山々を照らします。
ピーカンの夏空も、幻想的な雲海も、こういう遠近感が感じやすい薄い霞も、どれも良い景色。

いろは坂を上り詰めたら、まずは中禅寺湖の湖畔へ。
男体山はその標高もあり、まだ新緑といった装いではありませんね。

そして折り返して華厳滝。
展望台のエレベーターは営業時間前のため、無料の展望台からのみ観覧します。
駐車場はバイク200円、QRコードからタイムズのサイト経由での支払いでした。

華厳滝でしばし休んだら、下りの第一いろは坂。
オーバースピードにならないようにそろそろと降っていきます。

神橋まで降りてきたら、今度は予定どおり霧降高原へ。
県道169号、かつての霧降高原道路を進みます。

別荘地を抜け、ヘアピンカーブで高度を稼ぎ、スカイラインに変わろうというあたりにさしかかります。
このあたりの景勝地といえば、六方沢橋。
まだ時間に少し余裕があるので、橋の先の駐車場にバイクをとめて景色を楽しみましょう。

六方沢橋から眺める山々は絶景。
奥には雲海、画面左に見えるのは今市ダムですね。
こういうところはソロできてしまうとついスルー率が高いので、ツーリング経験が浅くて色々なものに興味を示してくれるウイングマンがいると、また違ったエッセンスになりますね。

六方沢橋を越えたら、本格的に尾根近くの道。
植生も浅く、足元は笹で覆われはじめます。

笹、といえばそう、大笹牧場ですね。
最後の区間は牧草地の中を気持ちよく降り、霧降高原大笹牧場へ入ります。

お目当てはもちろん、ジンギスカン。
ここの土産物屋のOpenが8:45、レストランのOpenが9:00だったので時間調整をしていたのでした。

天気は快晴とはいかないものの、「霧降」状態でもないのはありがたい。
ここは濃霧だと眺望がほぼなくなってしまい、高原感皆無になりますからね。

朝から乗馬に従事するポニーたちも豪快に草を食んでいました。
ジンギスカンと同じで馬も野菜食べ放題のよう。

食後には牧場の定番、ソフトクリームもいただきます。
ゆったりと食事とデザートを楽しみ、気温が上がり始めた9:50ごろ、走行再開です。

大笹牧場からは県道169号を北に向かい、鬼怒川沿いへ下ります。
こちらも新緑キラキラで美しい道を抜けることになり、自然と笑いや感嘆が溢れます。

鬼怒川沿いを県道23号で東へ進み、川治ダム方面へ。
今日はダムにももみじラインにも寄らず、龍王峡を通り過ぎて県道63号で東へ通り抜けます。

県道63号は、幅の広い峠越えの県道といった感じ。
リラックスして進みます。

沿道には牧草地も広がり、のどかな景色。
時間は10:30を回り、標高が下がったことも相まってやや暑くなってきました。

東荒川ダムで小休止を挟んで、塩谷・片岡を抜けてさくら方面へ。
関東平野北端部の低地に戻り、本格的に暑さ対策を覚悟したタイミングでちょうどよく曇ってくれました。
雨の不安がない程度の薄曇り、実質里道の走行ではベストコンディションといえます。

続いて国道293号に入ってさらに東へ。
若鮎大橋で那珂川を渡って、なおも東へ東へ。
ここで時間は正午を過ぎました。

那珂川町で国道461号に乗り換え、まだまだ東へ。

国道の青看板なのに行き先が一箇所しかないというシュールさにちょっと笑いながら、大子を越えます。

大子からは国道118号に乗り換え。
八溝山に回るのもいいかな、と思っていましたが、今日は眺望より走行を優先。
このままあぶくま高原の中に入り込み、広域農道を南進して帰路につくことにします。

県境を越えて福島県へ入り、矢祭を経由して、走行は国道349号へ。
川治ダムからこっち、記述が薄くなりがちですが、ひたすらに気持ちのいい里道を走り続けていて脳みそが幸せになっているだけ。

国道349号は少し北に回り込むようにして東へ進み、名倉川沿いに県道27号と合流。

その先、国道は北に向かい始めますが、ここへは折れず県道走行を続行。
矢祭からこちら、しばし足を踏み入れていた福島県南端部に別れを告げて沿岸の茨城県へ。

やや幅狭で対向車に気を遣う道を呈しながら、花園川沿いに東へさらに歩みを進めます。

道は切り返しを繰り返しながら進路を徐々に南へ向け、花園渓谷へ。
県道は153号と合流します。

渓谷の少し先、水沼ダムで小休止。
時間は14:00を回ろうかというところ。
特にこれといった経由地もなく、コンビニや道路沿いの休憩スポットを経由してきた東進もここまで。
やっとここで南進に転じます。

南進する道は、広域農道グリーンふるさとライン。
この道は国道399号や奥久慈グリーンラインなどと同様、阿武隈高地を縦につなぐ楽しい道。
なかでもグリーンふるさとラインは、小川ダムや花貫渓谷など、急峻な地形が多く見られます。
2021年に走行してとても楽しかった思い出があるので、最後のルートにしたのでした。

同行者も気に入ってくれたようで、ハイテンションを維持しながらの走行。
もう山道の先頭走行も余裕ありげですね。

途中、花貫渓谷から南は道路障害のため通行止め。
案内に従って中戸川を経由するルートに迂回したのですが、何度か道を間違えている間に、目に鯉のぼりが飛び込んできました。

多々良場川沿いのこのあたりは、某公共放送の朝ドラ「ひよっこ」の撮影地を再現したバス停を観光地としている様子。
その周辺をおもてなしの一環で彩っている施策の一つが、この鯉のぼりなのだとか。

道の迂回と間違いが重なって意図せずよい景色に出会え、道も最後まで楽しく走り切り、最後は常陸太田から高速。

朝の霧と雨上がり走行ですっかり汚れたバイクを水洗いし、メンテナンスもしてこの日の走行は終了。
長過ぎないながらも結構なボリュームを走りぬけ、今日の走行距離は588.1kmでした。

ODOは133436kmになりました。

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