ツーリングBlog [Full Notch !]

関東を拠点にあちこち旅する在住ライダーのツーリングレポート。

交通量の少ない山深い道や交通関係施設、史跡などが好物。

Ninja650(13)
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→Ninja250(17 WTE)
→Ninja1000 SX(20)と乗り継いでいます。



天気が微妙だった一週間をはさみ、6月後半に入りました。
関東の梅雨入りが発表されたものの、一時的に梅雨前線が消滅するという形容しがたい気候で連日気温は30度超え。
ならば、ということで、夏至の日に涼しい東北の山を走ってきました。
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ルートはこんな感じ







前日はお酒の予定がありましたが、飲酒量を減らして20時にはノンアルにスイッチ。
しっかり7時間お酒を抜いての3:00出発です。
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ルートは東北道を選択、北へ向かって淡々と走行。
4:00にはもう朝焼けが色づきはじめていますね。
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朝から気温は十分に高く、夜中でも20〜25度。
高速走行中は思ったより汗で水分が飛んでいくので、脱水防止に矢板北で一度給水休憩を取ります。
しかし、初夏の明け方の走行は羽虫が地獄のように多い・・・制限通りの120km/hで巡航していると、ヘルメットはごらんの有様!
(一応モザイクをかけてます)
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栃木県内は朝方曇りの天気なので、那須までくると真夏装備では少し肌寒さを感じます。
ジャケットのベンチレーションを閉じて温度調整をしながら走行。
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福島県に入ってからは空も徐々に晴れ始め、太陽が高くなり青空も色づき始めました。
時計が5:30を指す頃合に郡山で下道へ降ります。
行き先が猪苗代湖より北なので、もう少し先まで高速に乗ってもよかったのですが、この時間に営業しているセルフスタンドを狙っての郡山チョイス。
距離はこちらの方が短いですから時間もさして変わりません。
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この日は朝食を食べずに出てきたので、ついでに自分の栄養も補給することにします。
24h営業しているチェーンのラーメン屋でがっつりカロリー補給。
この時間からサクッと入れる店があるのは大きい町ならではですね。
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5:00台に食べるものとしては常軌を逸しているな、と思いつつ特製味噌の中盛り、麺はかため。
山岡家って、ロードサイド店だからツーリング先では頻繁に目に入るのですが、いつも旅先では現地らしいものを食べたくてスルーしがちなんですよね。
反対に郊外出店なので生活圏にはなくて、平日も食べられず、結局入る機会があまりない。
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胃袋とガソリンを満タンにしたら、国道49号を北上します。
時間は6:00を回ったばかりですが、もうすっかりお昼のような空です。
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磐梯熱海で国道を離れ、県道24号へ。
上空はやや雲が多いものの、色は白く雨は降りそうにないでので安心。
このあと晴れる予報でもあるので、気にせずどんどん進みます。
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走っていると、不自然なほどおむすび型に盛り上がった面白い地形が目につきました。
こういうのは物理的に一番正しいとはいえ、視覚的にインパクトがあります。
長野原にある丸岩もそんな感じ。
こちらは地図によると「離山」という山のようで、標高は600mほどだそう。
このあたりは地平面が500m弱あるので、実質100〜150mくらいの山ですね。
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離山をスルーして、そのまま県道を進むと交通案内表示を発見。
これに記載のとおり、この先の道は母成グリーンラインです。
1976年の開通から高森熱海有料道路として営業していましたが、2006年に無料開放されて今に至ります。
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無料開放された有料道路道路あるあるといえば、料金所跡の不自然な広場。
ここも例に漏れず、跡地は広いコンクリート舗装になっています。
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走ってみた感想は、Rの大きなヘアピンが連続して現れる楽しい線形。
距離は10kmほどと短いものの、路面に不安感も少なく、かなりの快走路ですね。
車でヤンチャするにももってこいのようで、路面にはブラックマーク多数。
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走行中、対向車はほぼ皆無。
福島県の中北部である磐梯山周辺には、磐梯吾妻スカイラインを筆頭に、同じような元有料の観光道路が多々あります。
しかしどうも、母成グリーンラインはその中ではマイナーなようですね。
実際私も今回が初走行です。
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気持ちよく流して走り、母成峠にたどり着いたら時間は6:30。
片峠に近い地形なので、見どころはほぼここまででしょうか。
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峠には、そのマイナーさには不釣り合いなほど大きな駐車場が用意されています。
駐車場の脇には旧道の入口兼、船明神山や安達太良山への登山道入口があります。
登山もそこそこ行けるシーズンだと思いますが、車は1台だけしか止まっていませんでした。
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母成峠は戊辰戦争の激戦地でもあったので、峠付近に当時の土塁が残っていたりするようです。
駐車場にはそれらの謂れを記した立派な石碑も建立されていました。
見どころ多いのになんでこんなに人がいないんだろうw
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下りは牧草地帯の合間を縫う穏やかな道。
エンジンブレーキでゆるゆると降ります。
場所的にも使い勝手は悪くないので、また再訪したいですね。
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北側の料金所跡を抜けて少し走ると、建物がたくさん見えてきました。
ここは中ノ沢温泉で、10軒ほどの旅館が軒を連ねる温泉街です。
単一の源泉からの湧出量が随一との謳い文句はちょっと気になりますが、今日は時間的にも旅程的にもスルー。
なんせこの後温泉に寄る計画。
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温泉街の先はそのまま国道115号につきあたるので、これを右折してやや東へ進みます。
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その先すぐに県道70号にへ折れて、進路を西へ切り返します。
こちらは磐梯吾妻レークライン、同じく元有料道路です。
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レークラインだけどレークがあんまり見えない、という感想はもう定番。
基本的には湖岸から少し離れた森の中をくねくねと走るドライビングコース。
スカイライン・ゴールドラインと絡めて「福島3ライン」としてよく走りに来ます。
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7:00の空はもう真っ青で、木漏れ日がアスファルトに色濃くまだら模様を描きます。
標高は700〜800mくらいあるので程よく涼しく、初夏の朝満喫といったところ。
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道には猿の群れが顔を出していました。
木の実とか花の蜜とか美味そうな季節ですからね。
逃げられて1枚の写真には収まらなかったですが、ざっと20頭ほどはいたかな?
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レークラインを走り切ったら、そのまま西へ。
裏磐梯の観光地群は土曜の朝から盛況で、たくさん車が止まっていました。
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いつもならこのまま磐梯山ゴールドラインか西吾妻スカイバレー、といったところですが、今日は直進。
国道459号をそのまま走り、桧原湖の南岸を西へ回り込みます。
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さすが国道というだけあり、舗装もよく道幅も広い。
林の中をゆったり抜けて、北へ。
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国道は道の駅裏磐梯のあたりで左折して引き続き西へ向かいますが、それに従わずに直進して県道64号に入り、桧原湖の西岸を北上していきます。
トンネルも交えて、まるでダム湖のような走りやすい道が形成されていて、沿道にはキャンプ場などが点在しています。
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湖が見渡せる休憩所での一枚。
先ほどにくらべてやや空が曇りましたね。
同じ日の30分違いとは思えない空の色の差。
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県道はそのままぐるりと湖岸をなぞり、北岸で西吾妻スカイバレーこと県道2号と合流。
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スカイバレーに乗り換えたら、山を越えて米沢へ向けて北上開始です。
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本日すでに見飽きた「例の空き地」を越え、スカイバレーの元有料区間へ。
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20を超えるヘアピンカーブを右に左にと切り返し、標高をガンガン上げていきます。
822mの桧原湖から、目指す白布峠は1410m、500m以上を一気に上り詰め。
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稜線近くまでやってくると、まさにスカイバレーという感じの風景。
こっちは名前に嘘をつきませんねw
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南を振り返ると、遠くに桧原湖が見えます。
「さっきまであそこにいた」が見通せると結構テンションがあがりますね。
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峠の駐車場で小休止、時間は8:00をまわり、ここで県境を越え山形県へ入ります。
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見通しのいい丘を米沢市街に向けて一気に降りて、白布温泉や天元台高原などを抜けていきます。
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この道を走る時、いつも見てしまうのがこの看板。
唐突に説明もなく現れる謎の鳥、ずっと何だろうとわからないままいましたが、ネットで話題になって自治体への取材記事が出ていました。
それによると、「お鷹ぽっぽ」という民芸品がモチーフなのだそう・・・。
だけどあんま似てないし、そうだと書かなければ宣伝にもならないなこれ。
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すぐ先にデラックス・お鷹ぽっぽ・ロードサインもあります。
シュールさは嫌いじゃない。
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関の集落まで降りてきたら、県道は右折して船坂峠を越えます。
旧道は通行止めなので、おとなしくトンネルを抜けてそのまま米沢へ。
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今日は米沢の中心部には寄らないので、市街を東に迂回して進みます。
すっかり田植えが終わって苗が根付きはじめた水田が、緑一色の絨毯のようで綺麗。
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県道151号から羽黒川沿いに回り込み北上していきます。
時間は8:30を回り、気温がぐんぐん上がってきました。
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県道1号に入り、米沢の盆地東端を引き続き北上。
8:30を回って、沿道の学校では部活や練習試合と思しき声が聞こえてきたり、やっと街が起き始めた感覚。
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しばらく走り続け、高畠町の中心部すぐ脇にあるこちらの建物がチェックポイント。
石造り2階建てのこぢんまりした建築が静かに佇んでいます。
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こちらは国の有形登録文化財にも指定されている、旧高畠駅。
山形交通高畠線の駅でしたが、1974年に全線廃止されています。
その後、高畠駅の名前は国鉄奥羽本線(山形線)のもと糠ノ目駅に引き継がれ、その後新幹線も開通、今も街の東側にあります。
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駅舎には各所に埋め込まれた当時の意匠がそのまま残っています。
建築は1934年なので91年目ですね。
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入口脇のレトロポストは現役で集荷されているよう。
バス停は・・・現役ではなさそうですね。
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駅舎脇には当時の電車や・・・
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機関車・貨車も保存されています。
屋根があってしっかり綺麗に保存されていますね。
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機関車は川崎車輛製でした。
昭和4年なので1929年製ですね。
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駅構内だった場所は遊具やオブジェの並べられた小さい公園と芝生広場になっていました。
綺麗に整備されていて雰囲気もいいのですが、人はいない・・・
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展示看板にある通り、廃線跡がほとんど全線残り、緑道として整備されています。
何ヶ所か立ち寄ってみつつ、現在の高畠駅へ向かいます。
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緑道自体は歩行者・自転車道なので、自動車は進入禁止。
ぐるっと回り込んで・・・
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道路との交差から覗き込みます。
平坦な路盤とゆるやかな線形が、たしかに鉄道廃線跡なんだと感じさせてくれます。
沿線が農地・住宅地の中、緑の濃い緑道になっているおかげで、地図上はかなりわかりやすく跡をたどれますね。
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そのまま西へ向けて走り、高畠駅に到着。
昭和のテーマパークかIC近くのラブホみたいなセンスの建物が現在の駅舎です。
あの石造りの渋いセンスどこへ行った・・・
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そして西口はまさかのプレハブ。
東西連絡通路は「ふれあい通路」と名前がついています。
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連絡通路内部はこんな感じで、特に何かと触れ合えるわけではないですが、駅の歴史や地域の名産、旧駅名標などが展示されていました。
ものすごく色彩に既視感があるなーと思ったのですが、サイゼリヤですねこれ。
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線路設備自体は変哲もない2面2線のローカル駅ですが、新幹線が東京から直通でやってくる、というギャップがあって面白いです。
いいのか、新幹線の駅がサイゼリヤとプレハブで!
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ただ、実はギャップがあるのはそれだけではありません。
列車の先頭あたりの看板に書いてある通り・・・
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駅改札を出て5秒で温泉に入れます。
東口の大きな駅舎は、駅施設兼連絡通路兼温泉付きコミュニティ施設「太陽館」ということですね。
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せっかくなのでここで温泉に入ります。
このテの施設は町民以外割り増しなことが多いですが、ここは観光にも力を入れているのか、内外問わず大人1人400円と控えめな価格設定です。
とはいえ、浴室内は浴槽1つにサウナと水風呂のみ、
露天なしというシンプルなもので、このためだけに観光に来る、というのはちょっと難しそうですね。
鉄道旅行で途中下車したり、駅前の無料駐車場を使って節約旅行の銭湯代わりとしては優秀。
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変わり種施設で一息ついて汗を流したら、県境を越えて福島へ戻ります。
同じ道で帰るのはつまらないので、東から福島市へ出る国道13号や東北中央道か、西から喜多方へ至る国道121号が選択肢になります。
13号から板谷峠への立ち寄りも面白いですが、今回は沿道に寄ってみたいところがあるので、国道121号をチョイス。
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この辺りの121号は、近隣に迂回路もない幹線ではありますが、工事で片側交互通行になっても渋滞が起こらない程度の交通量。
最難関の大峠を長大トンネルで抜け、あっという間に県境を越えます。
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現道は橋・トンネル・橋と続く高規格道路ですが、1992年にこの道が開通するまでは相当な峠道を越えていた様子。
旧道も一応地図上にはプロットされていますが、現道開通後早々に廃道になって通行は不可能。
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県境を越え、もうすぐ平地に降りるところで道を逸れます。
立ち寄りたいのは右折の三ノ倉方面。
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高原にはスキー場や花畑など観光資源が色々揃っているので、道も走りやすく整備されています。
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が、スキー場より上は未舗装ダート。
数百メートル程度なので気にせず突っ込みます。
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ダートのヘアピンカーブを6つほど超え、上へ上へ登っていきます。
実はこの先、エアーパーク三ノ倉高原を目指していたのですが、残念ながらゲート閉。
下調べしてからこなかったので仕方ないかな。
道中は未舗装ではありますが、ダートの深いところが数ヶ所、軽い雨ガレが数ヶ所程度なので「人にはおすすめしないけど、まぁいけるっしょ」程度のオフロードでした。
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ついでに何か咲いていれば、と思った花畑も整備中立ち入り禁止の看板が出ていて、現在は菜の花から植え替え中で下草状態。
ひまわりの季節にまた来てもいいかも。
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ということで寄り道は空振りに終わりましたが、スキー場までの舗装区間で見下ろした喜多方市街の景色は絶景でした。
結局エアパークへ行ってもこれに近いものが見えたでしょうし、収穫としてはゼロではなかった、ということで良しとしましょう。
オフロード走行は完全に走り損でしたが、それはそれで楽しいですしね。
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寄り道も終え、あとは帰路です。
時間は11:00過ぎとちょうど昼前、静々と帰るのも何なので、喜多方ラーメンを食べて帰ることにします。
1人で有名店の列に並ぶのはちょっと億劫なので、道の駅喜多の郷の食堂に立ち寄ることにします。
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お土産を物色しながら少し時間をつぶし11:30のオープンと同時に入店し、ミニソースかつセットを注文。
喜多方と会津のダブル名物を美味しくいただいて、満足。
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帰りはナビ通り、ということで、磐梯山を左手にみつつ国道121号を南下して会津若松近郊へ。
ここから自宅まで300kmちょうどくらいなので、帰宅前最後の給油もしておきます。
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会津若松からは国道294号で白川中央まで下る「いつものルート」です。
ここ3年くらい、毎年4〜5回はこの道を通っている気がする。
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東北道のひどい渋滞が始まる前にうまく都心へ抜け、トントンと帰宅。
帰宅後整備やら何やら済ませてまだ明るい時間、というのがありがたいですね。
最後の最後にまた夏至を実感して、今日の走行距離は751.5km
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ODOは135810kmになりました。
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