6ヶ月点検をしたり、土日に色々と別の予定が入ったり、9月末〜10月初頭は全然バイクに乗れませんでした。
連休こそは乗りたいぞ、ということで、表題の通り本日開催のKCBM新潟に立ち寄りつつ、せっかく新潟まで行ったので樹海ラインを走り抜けてきました。

ルートはこんな感じ
前日土曜日は遅くまで雨が降り、日曜も北日本では雨、甲信越も夜から雨という絶妙な天気。
最悪降られたら引き返そう、という程度の気持ちで走りはじめます。
めざす会場は、9月の頭に通過した通りに国道17号沿いの上越国境を越えてすぐの場所。
高速で行って降られてすごすご戻ってきてもつまらないので、この日も下道で向かうことにして、まずは日本橋。

3:20ごろ、複製道路元標にタッチしてスタートです。
家を出たのは2:30ごろで、イベントを考えるとちょっと早すぎるのですが、前日早めに寝過ぎたせいで変な時間に目覚めただけ。

高速でトンボ返りするのがつまらないからといって、先月と同じルートが面白いというわけでもありません。
前回は極力旧道を走るようにしましたが、今回は極力バイパスを通ることで実質別ルートとします。
万世橋までは同じ道ですが・・・

すぐに国道254号に折れます。
いきなり17号から逸脱していますが、国道17号と直接つながっていない新大宮バイパスに向かうにはこの道が正。

熊野町で中央環状線をアンダーパスし、そのまま直進。
向かいの交差点、ギラギラしていて何事かと思いましたが、交通事故を減らす気持ちで地主さんが色々レトロな私物を展示してあるのだとか。

高島陸橋をくぐったら、その先は荒川。
埼玉県に入ります。

埼玉県区間をすいすい走って、宮前をすぎたところで旧道と合流。
右に見えるボックスカルバートの中から覗いたのが先月の景色です。

鴻巣で時間は5:00を過ぎます。
雨上がりで湿気を帯びた空気に夜明け前の一番冷える時間帯ということもあり、メーター上の気温は12℃。
さすがにカロリー補給しておくか、ということで24h営業のうどん屋に寄ります。

埼玉なのに福岡系のうどん屋なのは申し訳ないですが、最近関東上陸してからハマってるんですよね。
温かいうどんのつもりで入店しましたが、季節限定のごまだれぶっかけがあったのでそちらに。

腹ごしらえをしている間に夜明けが近づき、空は明るくなってきました。
うどん屋のすぐ先から熊谷バイパスがはじまるので、そちらに折れて走ります。
片側2〜3車線の高規格なバイパスはがらがらで気持ちのいい走行。

バイパスはシームレスに上尾道路につながり、埼玉を去り群馬県へ。
しばらく走って時間は6:20、寒さと乾きを感じたので、道の駅アイコンの場所で小休止を入れます。
新阪東橋のたもと、利根川の左右岸には道の駅が隣接しているのを初めて知りました。
今日立ち寄ったのは右岸側の道の駅 よしおか温泉、左岸には道の駅 まえばし赤城があります。
立地によってはなさ過ぎて困る道の駅、ここまで近いとそれはそれで困りますね。

残念ながら温泉施設は営業時間前。
ホットコーヒーで暖をとり、引き続き国道を走ります。
3シーズンジャケットのインナーも取り付け、薄い長袖の上にウルトラライトダウンも羽織って完全冬装備。
気温は14℃と出発時より少しあがっていますが、ご覧の通り霧が出ていてウェアが湿るせいで、気化熱を奪われます。

利根川沿いで霧に突っ込んだり抜けたりを繰り返すうちに、正面に群馬三山が見えはじめました。
どうやら向かう先の天気は良いようですね。
ここから先はもうバイパスはなく、先月走った国道17号と完全に同じ道。

渋川市の中心部を抜ける頃、時間はまだ6:30を少し過ぎたくらい。
KCBMのイベントは10:00から、ゲートオープンは9:00なので、明らかに時間が余ります。
周辺のコンビニは他のグループも集まるでしょうし、三国峠を越えるまえに時間を潰しておきましょう。

気持ちのいい丘陵を徐々に上がり始め、関東平野はここまで。
山が始まるということは、温泉があるということ・・・!
ですが、まぁこの時間から開いている日帰り温泉は沿道にはありません。

ということで、手近で体を温めて、ついでに時間もつぶせる施設ということで、沼田健康ランドに寄ります。
24時間営業のちょっとレトロなスーパー銭湯です。
3連休前なので2時間の滞在で750円の割増料金ですが、ネカフェのシャワールーム利用に大浴場がつくと考えればアリでしょう。

入浴で体をあたためて、少し仮眠して8:30に再出発。
空はすっかり真っ青になりましたね。
月がうっすら出ているのが、秋だなあという感じ。

どんどん青が深くなっていく空を眺めながら、どんどん標高を上げていきます。
まさに秋晴れといった空模様で、朝の湿った路面や午後の雨予報とは別世界のような錯覚を起こします。

三連休の中日、1日目が雨だったこともあり交通量はそこそこ。
まったりペースで深い谷の奥へ奥へと進みます。
さすがにゲートオープン時間に近いこともあり、沿道のコンビニやガソリンスタンドにもカワサキのバイクが目立ちはじめます。

猿ヶ京温泉を9:00に通過。
夏とは比べるべくもないものの、まだ勢いのある日差しのおかげで標高が上がった分を帳消しにするくらいの暖かさはあります。

ところどころウエットパッチの残る路面に注意しつつ、新三国トンネルに突入。
ここまできたらもう目的地はすぐそこです。

この一ヶ月で苗場のスキー場の植生はずいぶんと黄色くなりました。
さすが「上越国境のあっち側」だけあって、秋の色が濃い。

会場への到着は9:30。
早くもそれなりの量のバイクが集まっていますね。
イベントは開始前ですが、キッチンカーや協賛企業のブースはもう準備をはじめており、賑わいはじめていました。

記事にするのは久々になるので、KCBMについておさらい。
KCBMとは「カワサキコーヒーブレイクミーティング」の略で、趣旨はその名の通りコーヒーを飲むイベント。
もちろんそれだけでは成立しないので、無料で振る舞われるコーヒーを飲みながらステージイベントや、物販ブースで楽しみ、同好の中を深めましょう、ということですね。

この日の一番人気は、社外マフラーメーカーでもオフィシャルブースの抽選でもなく、新潟県警。
白バイ隊員さんもステージにあがったり、来場者の質問に答えたりとひっぱりだこでした。
3倍くらい人数呼んで、会場で違法改造の取り締まりをしてくれると界隈が自浄されて良いと思う。

会場には1時間半ほど滞在し、キッチンカーで軽く昼食も済ませました。
元々は、そのまま帰るか適当に魚沼周辺の観光でもするか、と思っていましたが、天気が予想以上に良いので欲が出ました。
お世話になっているショップのご一行と入れ替わる形でご挨拶だけして会場を後にし、北へ向かいます。

青い空、白い雲、田んぼはすっかり刈り取りを終えてすっかり土の色。
今年は魚沼地域に来過ぎな気がしますが、初夏は真っ青な稲、9月は黄金の稲穂、そして今月のこの景色、定点観測できたのはいい経験でした。
来月には真っ白な雪景色になるというのが信じられませんね。

ちなみにキッチンカーで食べたのは、地元十日町の新米をガス釜炊きで出してくれるおにぎり屋さんのおにぎりなので、その辺も抜かりはありません。

引き続き国道17号を走って、向かうは魚沼。
新幹線を遠くに眺めつつ、浦佐のあたりで時計は正午を回ります。

ここから向かうは東向きの山々。
9月頭の時点ではまだ冬季閉鎖後の復旧作業が終わっていなかった国道352号が、9/19に全線で開通したので走りにいく算段です。
市街地を離れる前にガソリンも満タンにし、いざ。

お馴染み二輪が通行できないシルバーラインの入り口をスルーし、枝折峠へ向かいます。
ここで時間は12:30、ここから過酷な樹海ラインのスタートです。

最初のハイライトである枝折峠の道は、アップダウン強めのタイトな峠道。
空模様は、やや雲がありますが、雨は降らない程度の薄い雲広がり。
ただし前日までの雨で路面に水が出ています。
そもそも濡れていなくても対向車とすれ違える幅が碌にない道なので、注意して走行することに変わりはありません。

ヘアピンカーブを繰り返すたびに視線が北へ、東へ、南へ、また北へ、と変わります。
天気も向きによって違うので、青空と薄曇りを何度も行き来し目が飽きません。

4輪の自動車ではすれ違いが困難で、走行にも気を遣う道をバイクならスイスイ。
対向車が来ても、基本徐行して端に寄れば十分なので、気持ちよく走ることができます。

南側の空は厚めの雲がどんよりと帷を下ろしていて、尾瀬・奥利根あたりはイマイチなんだろうなーなどと考えながら走ります。

枝折峠のサミットで時間は13:00。
雲はありますが空気は綺麗で、遠く山々の稜線の折重なりがミニチュアのように見えます。

道はのたうつように九十九に折れ、銀山平へ降ります。

山間部の平坦地である銀山平に降り、道は一度穏やかさを取り戻します。
ここから先は奥只見湖沿いの道でアップダウンは少なくなりますが、崖を回るタイトなカーブはさらに激しくなります。

ほぼ毎年ここには来るので、いまさらの話ですが、路面が前日の雨で濡れているとか、そういう話の通じる道ではありません。
洗い越しで沢が路面上に流れているのが常、というのがこの道の面白さ。

早くも日が傾き始めた初秋のダム湖は、台風シーズンのためかやや水量少なめ。
このあたりはまだ紅葉が始まっていませんね。

まだ13:30なのに太陽があんなところにある・・・!
日没は気付けばぐぐっと早まり、もう17:10だというのだから驚き。
酷暑は嫌だけど日照が短いのはもっと嫌だなあ。

まるで夕日のような斜面の色と、不釣り合いに青い空との不思議なギャップを楽しみつつ、ひたすら切り返しを続けながら進みます。

いつもの場所でも一枚。
崖に穿たれた国道352号樹海ラインの道の擁壁がくっきりと。
アップダウンはないが、カーブは厳しいというのはこういうこと。
だいたい峠道というのは勾配とセットなので、こういう道はダム湖半特有。
オクシズあたりもこういう道ですね。

お馴染みの携帯通信区間案内は今年も健在。
「文明社会ここまで」と言っているに等しい看板ですが、なんせイラストがガラケーですし、最近では人工衛星と直接通信できる携帯も増え、お役御免の日も近いのかも。
いずれにせよ、ここで事故や故障で立ち往生した時に地獄を見る、という現実には変わりありません。

ダム湖沿いを離れ、下折立の平地にたどり着いたら、時間は13:45。
久々に6速パーシャルで進める道です。

路面はもうすっかり日陰に入ってしまっていますが、まだ13時台。
紅葉もやや色づきはじめ、冬がすぐそこにあるんだな、と実感しっぱなし。

しばらく穏やかな川沿いの道を進みますが、樹海ラインはまだ終わりません。
県境をまたいで福島県へ入り、檜枝岐村の中心部まで、まだ山越区間が残っています。

きらきらと木漏れ日の美しい道を走ります。
このあたりは尾瀬国立公園の区域に隣接しているので、ありがちな植林杉林ではないこともあり、左右の木々が明るく感じます。

すこしづつ標高を上げ、内陸へ入り込むと、紅葉の色づきも増えてきました。

どんどんと色が変わる沿道の木々。
まるで季節の進行を早回しで見ているよう。

ピークは尾瀬への入り口、御池のあたり。
この交差点から先、県道1号尾瀬方面へはマイカー通行止めです。

やや赤みが増してきた空の色も含め、なんだか視界がフィルムカメラみたいな色合い。
紅葉を見にきたわけでも、計画して樹海ラインに来たわけでもなかったのですが、いいものが見れた。

小池からは九十九折りの峠道を抜け、檜枝岐中心部に到達。
ここで久々に、一時的ではなく本格的な平地に戻ります。

去年7月時点では桁の据付までだった見通橋が11月には開通していたようで、切り替えが終わっていました。
写真右手の旧橋も撤去されずに残っていますね。
ここも毎年見ているので、気をつけて見ていないと気づかないくらいに自然に新しい橋がつながっていて感動。

橋を越えたらすぐ道の駅尾瀬檜枝岐があるので、ここで休憩。
ここまで来たら、樹海ラインは終わりと言えるでしょう。
時間は14:30を回る頃合いなので、シルバーラインとの分岐があった折立温泉からここ檜枝岐まで2時間、ノンストップ峠走りっぱなしロードでした。
いやー毎年くるけどやっぱりこの道は楽しい。
道とは関係ないですが、実は魚沼あたりから、アッパーカウルの内側にずっとカメムシがくっついていました。
信号待ちや対向車とのタイミング合わせで何度かつついたものの、離れたがらなかったので、ついに樹海ラインを走破させてしまった・・・。
トイレに行っている間にどこかへ飛んでいきました。達者でな。

残りは会津の山間部をたらたら抜ける道。
最短で抜けるべく、352号→121号→400号で西那須野塩原へ向かいます。

今年魚沼に来過ぎ、と言いましたが、この辺りの街道は例年も含めてもっと来ています。
悪い道ではないのですが、一本道の主要観光ルートでもあるので、帰りに通るとペースも遅く消化試合になりがち。
この日も例に漏れず、ペースの一定しない遅い車のお尻を眺めながら走ります。

工事で片側通行をしている尾頭トンネルを抜け、もみじラインに後ろ髪をひかれつつゆったり走行。
無計画な後半戦でしたが、幸いにも雨には全く降られず、下道を走っている間に日が暮れることも避けられたので、まぁ良しとしましょう。

帰りは東北道で燃えるような夕焼けを横目に見つつ、だらだらと帰宅です。

この日は前半戦完全下道、イベント滞在もあった割には充実の616.3kmでした。
朝早かったのでその分得した感じですね。

ODOは143875kmになりました。

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