10月の後半は天気が優れず、200km程度のラーメン行脚程度で終わってしまいました。
11月に入ってやってきた3連休も、にわか雨の機嫌を伺っているうちに気付けば最終日。
最後の日くらいは、ということで意を決し、紅葉シーズンで混雑し過ぎない道を選んでぶらっと走りに出ました。

ルートはこんな感じ
時期が時期なので、出発は5:00。
湾岸線を都心方面へ走り、有明で内陸へ折れます。
強めの寒波が来たとはいえ、太平洋側平野部はそれほど強い冷え込みではありません。

いつもトンネルで抜けてしまうので、なんだかんだ拝んだことのなかった虎ノ門ヒルズを見るべく、あえて環状2号線の地上部を走ります。
明るくなり始めたモノトーンの空とガラス張りの摩天楼が馴染み、不気味な調和を見せます。
キラキラ光る夜景も好きですが、こういうのもいいですね。

溜池山王で東名の高架につきあたり、そのまま高架下を走って国道246号へ。
今日はそれほど遠くへいかないつもりですし、秋冬の東名足柄越えは苦痛でしかないので、下道だけで向かうことに。
11月ともなれば、日の出の時刻も6:00を過ぎます。
多摩川を渡りにかかるところで、やっと空が色づきはじめました。

順調にだらだら走っていると、横浜青葉の手前の高速道路情報掲示板に、中央道通行止めの報。
どうやら小仏トンネルで事故があったらしく、夜半前から8時間も連続通行止めだったよう。
全然調べずに走っていましたが、中央道方面へ向かうルートでなくてよかった・・・。

早朝の下道、それも連休最終日に都心から出る方面は混雑と反対方向。
都心ならではの信号の多さにしてはスムーズに走り、7:30少し前に鶴巻温泉を通過。
この温泉、いつも沿道の目立つ看板が気になっていますが、行ったことはないんですよね。
調べたところ、大正時代に拓かれた温泉街で、新幹線や高速道路の建設前は都心からほどよく近い温泉郷として賑わったそう。
今は交通至便ゆえ開発されたベッドタウンに飲み込まれつつ、数件の温泉宿・施設が営業しているとのこと。

善波峠を抜けたら真正面に富士山。
10/23に遅めの初冠雪を記録したあと、何度か積雪しているようで今日も少し雪をかぶっていますね。

秦野市の中心部で少し国道を迂回して県道へ。
出発時に朝食を食べてこなかったので、ここいらで腹ごしらえです。

某京風うどんチェーン店でうどんを食べてカロリー補給。
メーター上の気温は12度と、凍えるほどではないですが、暖かいうどんが美味しい程度には寒いです。

腹を満たして体温を上げたら、引き続き国道246号。
酒匂川に沿って谷を這うように進む道にも日がさしてきました。

どんどん近くに見える富士山、中腹まではきれいに紅葉しているように見えます。
8号目より上は、うすい冠雪のおかげで登山道の九十九折りがよく見えますね。

東山北のあたりで御殿場線と遭遇。
この路線は熱海〜函南〜三島を貫く丹那トンネルの開通までは東海道線だった路線。
長大トンネルを掘り抜けない時代にも列車が通れるルートということは、平坦でゆるやかな勾配ということですね。
おかげで気温も下がり切らず、冬装備であれば快適な走行が続きます。

御殿場の中心部で国道246号と別れ、国道469号へ。
広大な自衛隊の演習場が広がる裾野の斜面をつっきる道は、見晴らし最高。

右を向けば富士山の南東面、宝永山の張り出しがよく見えます。
富士山で乱れた気流が雲を発生させている様子や、山腹に落とす影がよくわかって面白い。

左を向けば遠くまで広がるススキ野原と、箱根の山々。
雲は低い位置に薄く伸びるだけですが、空はやや濁っていますね。

ススキ野原を抜けると、サファリパークなどがたちならぶ富士山の南へ。
このあたりは愛鷹山と富士山との境目を通る関係で気温が一段低く、沿道の木々も綺麗に紅葉を始めていました。

道路沿いにある十里木高原はちょうど逆光の角度がいい感じで、ススキに覆われた斜面がギラギラと輝いて見えました。
ノーマークだったのでこの日は立ち寄りませんでしたが、帰宅後に調べると展望台からの景色がかなり良い感じなので、一度来てみてもいいかも。

しばし走ると愛鷹山の東へ抜け、下り坂。
目線の先には富士宮の北部が見えます。
ここで富士山を回り込むように進路を北に向け、国道139号に転進。

牧草地帯の広がる朝霧高原を走り、富士山の西側へ。
風向きの関係でこちら側には雲がなく、稜線はよく見えますが、冠雪は薄め。
山脈になっておらず主峰1つがわかりやすく美しい三角形なことが富士山が象徴的たる要素ですが、立地がよく四方から眺められることも結構大きいかも。

時計ははもなく10:00を回ろうかというところ、いったん水分補給のために道の駅あさぎり高原に立ち寄ります。
風も弱く、日差しも暖かいので、ソフトクリームをいただきます。
冷えた体はホットコーヒーで温めればプラマイゼロになるくらいですね。

朝霧高原から先、河口湖経由で富士吉田というのも考えていたのですが、朝の中央道の通行止めの影響が心配。
もう少し行程を伸ばして時間をずらそう、ということで、本栖湖経由で下部へ降りることにします。
本栖湖の湖半は紅葉色づきはじめ、といった感じで、見頃は来週か再来週くらいかな。

振り返って北西側から見る富士・・・はもう完全に雲の向こうですね。

本栖湖を離れ、国道300号本栖みちで西へ降ります。
こちら側の斜面は湖畔より日当たりが悪い関係か、紅葉が色づいていますね。

「甲州いろは坂」の二つ名に負けじと、紅葉の中の九十九折りを降っていきます。
ここにきてやや空が雲に覆われているのが惜しい。

斜面中腹でゆるい霧雨に打たれつつ、順調に標高を下げていきます。
このあたりの区間は近年のバイパス工事によって付け替えられた道なので、数年前はみられなかった景色ですね。
対岸に見える落石防止ネットのあたりが旧道です。

下部温泉までは降りずに、県道9号で迂回して久那土駅方面へ。
このあたりも先ほどの霧雨の影響で路面がややウエット。
注意して進みます。

富士川まで降りたら、右岸へ渡り国道52号へ。
ここから南下して南部や富士川へ行くのもよかったですが、雨雲が南へ流れるようなので北へ逃げます。

甲府盆地へ向かってペースよく国道を北上。
南アルプスあたりが産んだのか、もこもことした雲が湧いています。

深くて濃い、底が見えないような秋の青空と、夏のような白い雲がアンバランスですね。
レーダー・予報上は雨にはならないようなので、怯えつつも覚悟を決めて進みます。
本栖みちでの霧雨はシールドに水滴がつくくらいで済んだのでよかったですが、この気温で本格的に濡れたら極寒ですからね。

甲府盆地の少し高いところが紅葉していたらいいな、と思って甲府の西側にある農道を走ってみるも、まだ色づき始め。
このまま北上して韮崎からまで北上することも考えましたが、まだ時期尚早のようですね。
富士見や八ヶ岳方面まで足を伸ばすと標高は上がりますが、距離的に帰りは高速が必須になりそう。
連休最終日の中央道に乗りたくはないですし、せっかくここまで下道で来たので、帰りもぜんぶ下道で帰ろうということで、東へ戻りつつ標高を上げることにします。

まずは斜面を下って甲府盆地の底へ。
山々はまだ色づいていないですが、街路樹栄養状態がいいのか真っ赤に。
これはこれで良し。

国道140号に出て、盆地を一気に東へ渡ります。
向かう先の山には雲が少しかかっているものの、とりあえず降水レーダー上は大丈夫そう。

雲の近くまで来ると、まるで指先で無造作に絵の具を広げたように雲が縦に伸びています
盆地で温められて空に上がる気流が可視化されてるんでしょうね。

盆地を渡って勝沼で時間はちょうど12:00を回りました。
正午だというのに影が長いこと!

勝沼からは、フルーツラインを経由して国道411号で塩山から柳沢峠まで上がってもいいのですが、今日はちょっと山道を走りたい気分。
もうちょっと気温が下がってしまうと山には上がれませんからね。
県道218号〜県道201号と繋いで、上日川ダム経由で大菩薩峠をまわることにします。

日川渓谷では早速立派な銀杏の木がお出迎え。
紅葉の度合いは7割といったところか、あと2〜3日あれば全面綺麗な黄色に染まりそう。

雑にまとめられた注意看板の飲み比べセットを眺めつつ、峠に入っていきます。
この季節、バイク的には道のクネクネよりも、落ち葉に注意したいところ。

標高が上がるに従って、斜面の木々がどんどん色鮮やかになっていきます。
今シーズン、長い猛暑からの急な寒波で、紅葉せずに落葉してしまった景勝地があるとも聞きますが、このあたりはその例には当てはまらないようですね。
こちらフルオート撮って出しの画像ですが、青すぎる空と赤すぎる葉っぱでiPhoneくんがホワイトバランスを見失っている感じの仕上がり。

大菩薩峠の南側の登りは、斜面が南西向きということもあって順光。
秋の午後の赤みがかった日差しも相まって、黄色系は理想的な秋の色合い。

一方で赤系の色は、まだもう一歩、という感じ。
自分は緑から赤に変わるグラデーションが割と好きなので、個人的ベスコンではあります。

景色を眺めつつトルクに物を言わせてゆったり走り、上日川ダムに到着。
ここまで来ると紅葉は終わり始めている感じで、落葉した山肌は植樹の杉の境目がクッキリ。
それもそのはず、上日川ダムって日本のダムで標高が第三位なんですね。
1位は南相木ダムで1,532m、2位は野反ダムで1,517m、3位が上日川ダムで1,486mだそう。

で、その1,486mの代償がこれ。
路面の端だけとはいえ、個人的に今シーズン初の積雪観測ですね。

標高が高く雪が残っているということはもちろん気温も低く、メーター読みで3℃。
さすがに凍結はないと思いますが、路面も雪解け水でウェットなので、気をつけて走ります。

峠を越えて少し標高が落ち始めると、またキラキラと紅葉が始まります。

峠道の紅葉のいいところは、視界が全部色で埋まること。
走っていると、これが超高解像度・遅延ゼロ・ロスレスで目の前を動くのだからたまりません。

普通の動画だとこんな感じ。
どんどん標高を下げると、色は徐々にグリーンに戻りますが、路面は落ち葉でいっぱい。
早めに散ってしまったものか、高いところから運ばれてきたものか、はたまた去年の残りか。
とにかくスリップダウンに気をつけつつ、ゆったり走行。

一度標高900ほどの裂石温泉まで降り、国道411号に合流。
そこからまた1,472mの柳沢峠に登り返します。
施設脇の紅葉が2株だけものすごい紅葉、周りが針葉樹だから目立つだけかな・・・?

国道は、もともと一部高規格だったものの、近年がんがん改良が進んでいて、通るたびにトンネルが増えているイメージ。
登坂車線もあるRの大きなカーブを気持ちよく駆け抜け、先ほどの県道とは全く性格の違う上り坂。

峠のてっぺんを少し過ぎ、下り始め。
温度計は上日川ダムでのメーター表示を裏付けるように、3℃を指します。
時間はここで13:20、あとは下るだけなので寒さのピークはここ。
雪や路面の水がないだけで、体感随分暖かく感じます。

国道が北向きから東向きに進路を変え、丹波山村の中心へ向かって走ります。
一部区間、未改良でやや狭くなった道もありますが、数年前に大雨で孤立した経験もあってか、盛んに改良中。
ここが山道であって峠道でなくなる日も近いのかも。
それはそれで楽しいのでいいんですけど。

しばし走り、道の駅たばやまで小休止し、トイレと水分補給。
ここは対岸に立派な温泉施設もあるので、やや後ろ髪を引かれます・・・が、ここで温まって帰りが遅くなって寒くなったら意味がない。

気を取り直し、帰路へ。
所要時間的最短は国道411を走り続け青梅へ進む道ですが、車列の中でだらだら走ることが確定。
それもつまらないな、ということで、久しぶりに奥多摩周遊道路を走ることにします。

関東では5本の指に入る超有名スポットだと思いますが、自分は2021年に来て以来なので4年半ぶり。
楽しい道なのですが、近すぎるのでここ目当てでルートは作らないというのが1つと、周りのペースが早過ぎというのが1つ。
まぁ4〜5年に1回来ていれば十分でしょう。

前の車やバイクを煽った感じにならないように注意しつつ、スイスイ走ります。
速い車やバイクは相手にブレーキを踏ませる前に譲って前へ。

緩和曲線がしっかり作られていて、路面がそこそこ平滑、さらに見通しが悪くない。
快走路であることは否定し得ないですね!

標高の低いところは少し雨があったようで、路面は湿り気味。
張り付いた落ち葉との相乗効果でバイクキラーと化しているのでこわごわ走ります。
時間帯もありますが、ここを走り抜けて、レッカーや自己処理に遭遇しなかったのは初めてかも・・・。

都民の森まで走り切り、時間は14:15、あとはもうだらだらと街道を戻るだけです。

帰路は県道33号で秋川渓谷を抜け、武蔵五日市へ。

あとは甲州街道をだらっと抜け、渋滞にハマりながら帰宅です。

無計画に走りましたが、その割には紅葉もしっかり見れ、ついでに雪も拝めて充実のツーリングでした。
無駄に下道で帰ったせいで帰りが暗くなってからだったので、洗車は後日ですね。
この日の走行距離は453.9km

ODOは144620kmになりました。

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