前の週末はマスツーリングの予定が天候不順で消え、バイクで遠出できなかったので、翌週となる今日はしっかり跨るべく、ツーリングを計画。
富士・奥多摩方面へは先々週走りに行き、日光方面には先週車で行ってしまい、伊豆は別に行く予定が立っている。
かといって長野はもう寒いし、オクシズは紅葉真っ盛り渋滞でツーリングどころではない。
ということで、半ば消去法のように栃木県東部から茨城県方面を目指して走ることにしました。

ルートはこんな感じ
出発は4:30、当たり前のように夜明け前。
宇都宮を目指すので、順当に行けば東北道ですが、今日はあまり距離を伸ばさない予定。
先を急がず、下道だけで北上することとします。

下道は下道で、こちらも順当に行けば国道4号なのですが、単純に4号を走るだけというのもまた退屈。
国道6号スタートで、信号待ちや路肩で適宜地図を見ながら、北へ抜けられそうな脇道を勘で乗り継ぎつつ進みます。
カーナビ普及以前のようにルートを頭に入れるわけではなく、地図アプリは活用する。
しかしルートをナビ任せにもしない、というハイブリッドな走り方が結構面白い。
橋を渡るところでは幹線道路に戻り、TXや関東鉄道などと時折並走しつつ、橋の先ではあちらこちらと脇道に入りつつ進みます。

そういえばこの辺に「アレ」があったな、と思い立って少し道を逸れます。
過去の記事でも何度か取り上げた、豊田城こと常総市地域交流センター。
国道294号を北上するとき、いつも遠目に視界に入るお城風の建物です。
ここで時間は5:45、開館は9:00からなので、当然施設が開いてはいませんが、近くからまじまじと眺めます。

お城から先も、遠くに筑波山のシルエットを見ながら、どんどん北上します。
幸い寒さはそれほど厳しくないですが、2時間ほど走ったので沿道のコンビニで少し休憩。

6:25ごろコンビニに立ち寄り、買い物してコーヒーを飲んでいる間に太陽が地平線の上へ顔をだしました。
気温は3℃か4℃くらいで、ぎりぎりグリップヒーターなどに頼らずとも手が悴まないレベル。
標高は大して上げないルートなので、今日はここが気温の底ですね。

栃木県内に入ってからは残り距離が短いこともあり、新4号の高規格な道でサクッと宇都宮へ。
こちらの立派な建物が宇都宮駅・・・ではなく

向かいにある工事中のこちらが宇都宮駅ビル。
駅西口の駐輪場にバイクを停めて、しばし列車の旅です。
駐輪場の一時利用は4時間まで無料ですが、大きいバイクの駐車可能台数が少ないので使えるかは運。

秋冬になって行くところがなくなると、国道走破やローカル線の駅めぐりなど、距離は短くとも密度の高いツーリングに切り替えがち。
今日宇都宮に来たのもその一環で、目的はここから発着するJR烏山線。
大都市宇都宮に直接乗り入れるJRの路線ながら、Suica非対応のワンマン運転という盲腸線です。

列車は全て2両編成で、運行は1〜2時間に一本。
正確には2駅先の宝積寺駅からが烏山線ですが、全列車が宇都宮まで東北本線に乗り入れて運行されます。

烏山線に乗りに来た理由の一つが、この車内モニターにもある駆動方式。
宇都宮〜宝積寺の東北本線区間は普通の電車として運行しています。
普通の電車も電気自動車も、電気で動くのは同じですが、電気自動車と違って普通の電車は架線から給電しながら走行するので、走行にバッテリーは使いません。

しかし烏山線では、バッテリーの電気のみを使い、架線(電線)のない区間を電気で走行します。
最近カワサキもバイクでラインナップしましたが、自動車でいう「BEV」ですね。

50分ほどのバッテリー走行で、終点烏山駅に到着。
那須烏山は山上げ祭という舞台演舞をともなう大祭が有名。
この駅から徒歩で7〜8分の立地にカワサキのブランドの一つであるメグロとも縁深い、山上げ会館があります。

普通は電化されていない路線といえばディーゼルカーの領分ですが、先述の通りここではバッテリーを使います。
20kmほどの宝積寺〜烏山間を往復運転するだけの電力は貯蔵できないようで、所定の位置に到着した列車は、折り返し待ちの間に充電されます。
最近は、エンジンの発電とバッテリーを組み合わせてモーターで走行する、シリーズハイブリッドの鉄道車両が増えてきたので、この純バッテリー車は過渡期の産物ですね。

線路の終点の奥には急速充電に使う変電設備も備えられています。
駅はかつて構内踏切で2面2線、さらに昔は貨物ホームなどもありましたが、今は単純に棒線。
お向かいのホームは長年ほったらかしで、草が生え放題。

今日は宇都宮にバイクを停めましたが、烏山駅前の駐車場も無料でした。
とはいえ、ここに停めてしまうとタイミングが合わなかったときに時間をつぶせる施設もないので、宇都宮を拠点にするのが正解かも。
しかし、「短期間(駐車後1週間以内)」というのが都心では考えられないスパンです。
毎日使うようならお金を払うべきだけど、年に数回の帰省や旅行で使う分には無料でよい、ということなんでしょうね。

無人駅の烏山駅では切符も買えないので、乗車証明を取って折り返しの列車に乗り、再び宇都宮駅へ。
宇都宮以外では乗務員の方に、宇都宮駅では改札係員の方に乗車証を渡して運賃を支払います。
宇都宮はたまに来るのでこれといって観光するあてもなく、駅前の餃子像だけ拝んで、再びバイクに跨ります。
時間はここで9:30。

ここから先は、烏山線の各駅をあらためてバイクで巡ります。
ローカル線あるあるですが、駅数が少ない以上に本数が少ないので、列車で途中下車しつつ駅を巡ることは不可能に近い。
じゃあなぜ往復で乗ったのか、というと、駅回りするのに鉄道会社にお金を落とさないのも悪いですからね。
往復1180円はお布施のようなものです。

宇都宮からみて最初の駅は、岡本。
東西双方の出口にロータリーもある、そこそこ大きな駅。
こちらは烏山線と一体的に運行されているだけで、正確には東北本線の駅です。
新幹線開業と湘南新宿ラインの黒磯乗り入れ廃止を経て、旅客列車は地域輸送主体となりましたが、東北や北海道に向けた長大な貨物列車は今も豪快に走り抜けます。

岡本駅から先で線路は鬼怒川を渡ります。
青いトラス橋が東北本線。

すぐ見えるのが宝積寺駅。
正確にはここが烏山線の起点で、東北本線から単線で分岐。
ここも東西双方に駅前広場がありますが、東口の駅前には「ちょっ蔵情報発信館」という名の地域振興施設があります。
駅は某有名建築家が設計したらしく、自然木を押し出した作り。

施設が大きくて駅がよく見えなかったので、西口にも来てみました。
こちらはロータリーが直接駅に面していますね。
駅舎、おしゃれではありますが、メンテナンスに無駄に手間がかかりそうなやつ。
まぁこの建築家の作品はだいたいそんな感じ。

次の駅は、下野花岡。
腐っても東京上野から岩手盛岡(かつては青森)までの「本線」である東北本線と違い、ここは末端ローカル線単独駅。
駅は単線で、簡素なホームに屋根がかかります。

駅前には道を挟んで反対側に公衆トイレと駐車場がありますが、商店の類はゼロ。
かつてはキリンビールの栃木工場が駅から少し離れたところにありましたが、2010年に閉鎖。
跡地に工場が建ってはいますが、規模は比べるべくもなく。
現在ではバス路線すらも廃止されてしまっている悲しい駅です。

つづいての駅は仁井田。
高知に同名の駅があるらしい。
ここは駅の向こうに高校があるので、おそらく通学利用が盛んなのだと思います。
惜しむらくは駅南側にしか乗降設備がなく、学校は北にあること。
通学には数百名メートルの迂回が必要。
地下通路とか作れないもんだろうか。

次の駅は鴻野山。
ここは道路に面しており、ホームの前後どちらもが横断歩道直結なので、どちらかといえば路面電車の駅の雰囲気。
駅周辺には住宅地が広がっています。

駅前にはスペースがゼロで、駐車場もない代わりに、砂利式の転回路だけが設けられていました。
看板がなければ完全に近隣民家の庭。

さらに進んで大金駅。
ここは途中駅で唯一、上下線がすれ違いできる構造の駅です。
駅周辺はかつての南那須町の中心部で、当時の役所は市町村合併後も那須烏山市役所南那須庁舎として所在。

そのおかげか、駅前広場には大きめの駐車場や、ナスカラ市場なる物産施設があり、地域の名産品なども販売しています。
沿線で一番賑わっている駅かも。
駅南側には小中学校もありますが、出入りは北側のみ。
ホームは南側にもあるんですけどね。

その先、道路は蛇行を繰り返す荒川の周辺を少し走り・・・

小塙に到着。
下野花岡にそっくりの簡素な駅です。
道路から少し離れたところに駅があるおかげか、駅前には広めの駐車場。
どの駅もそうですが、設備は割と綺麗にリニューアルされてますね。

駅のすぐ南、畑の中に謎の構造物がありました。
気になって帰宅後に調べたら、どうやらここはひまわり畑だそうで、その撮影台とのこと。
真夏には烏山線の列車も絡めて素敵な写真が撮れるのだそう。

小塙駅から先、線路は沿線で唯一のトンネルを抜けて進みます。
一方で道路は別ルートをやや迂回して進みます。

次の駅は滝駅。
例に漏れず、小さい屋根があるだけのシンプルな駅です。
どの駅も有効長は長めに取られていますね。
EV車になる前は気動車3両編成だったようですが、それよりも長そう。
駅前には少し離れたところに駐車場があり、徒歩2〜3分。

「滝」と駅に名前がつく通り、近隣には龍門の滝という景勝地があります。
周辺の寺社含めて一帯が観光地になっているらしく、沿道の紅葉も綺麗に色づいていました。
人も多かったので通過するだけですが、眼福。

お次は終点、烏山駅。
さきほどぶりの到着で、時間は10:50。
終点だけに駅の建物は大きいですが、現在は無人駅で券売機も撤去済み。
トイレも駅構内のものは閉鎖されて、駅前の公衆トイレを使ってくれ、というスタンスのよう。
全駅訪れてみたものの、観光としては運行システムとしては珍しい路線ですが、見どころを上げるのは難しい路線ですね・・・!

さて、烏山線の周遊はこれにておしまい。
ここから先は無計画で、「蕎麦でも食って帰るか?」程度の心づもりでした。
ひとまず東へ進路を向けます。

県境に向かって少し山間に入っていくと、ちょうど見頃に差し掛かった紅葉が目に映ります。
これはだらだらと走って帰るだけでも満足度が高いかも。

当初目星をつけていた蕎麦屋は開店の11:00を数分過ぎた時点で長蛇の列。
紅葉シーズンということは、それなりに人出が多いのは仕方ない。
蕎麦は気軽に食べるもの、という自分の中の不文律に従い、次を目指します。
県道274号から県道29号に入って北東へ向かう沿道は、全体が紅葉に染まるというより、ちらほらと見栄えする大木が現れる、といった景色。

次の候補としてやってきた道の駅も食堂は長蛇の列。
まぁここも仕方あるまい、ということで、さらに次へ。

朝と同じように、地図をなんとなくザッピングしながら適当に楽しそうな道を選んで走ります。
この辺りの道は正直どこを走っても楽しく、過去グリーンふるさとラインや国道349号など走破した時にも満足した記憶ばかり。

やや濁った茶色や黄色の中に、唐突に現れるビビッドな木、という風景が引き続き垣間見えます。
今年は気候がおかしかったからこうなっているのか、それとも手入れされている木かどうかの違いか。

結局もう一つの目星も人だらけだったのでスルー。
常陸大宮を過ぎる頃に12:00を周り、もう今日は無理だと悟って沿道のチェーン店に適当に入ることを決意。
今日のメインは食事ではなく、ローカル線巡りとバイクにゆったり乗ることですからね。

晴れた秋の午後、渋滞していない里山の道はどこを走っても爽快。
あわよくばシールド全開で走りたいところですが、そこそこ虫がいる・・・。

城里町からは県道61号をだらりと流し、霞ヶ浦方面へ。

30分ほどの走行であっというまに笠間。
メインルートから外れた県道を選んだので当たり前ですが、シングルで入りやすい店は沿道にほとんどありません。
このまま道祖神峠越えでフルーツラインを走るか、と思っていましたが、さすがに腹が減ったので方向転換します。

国道355号で石岡方面へ向かい、そのまま工業団地の目抜通りを太平洋側へ。
植樹された銀杏が不揃いながらも色づいていて、とても綺麗だったので圧縮効果を期待してズームで一枚。
ここが綺麗だということは、そろそろ甲州街道や新青梅街道も色づき始めかな。

石岡で国道6号に出て、安定の京風うどんチェーンで食事。
せっかくなので形だけでもそばを食べておきます。

もう6号まで出てしまったので、残りはひたすら6号で帰ることに。
常磐道に乗ってもよかったですが、そのまま帰っても夕方には帰着できそうなのでゆったり行きます。

ということで、ローカル線乗り通しと全駅立ち寄り、フル下道と時間の割には距離が伸びず、この日の走行距離は330.2kmでした。

ODOは145029kmになりました。

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