8月は初頭に走ったきり、仕事の都合や天候不順で結局走れず仕舞い。
晴れ+休みを待っていたらずるずると時間が過ぎ、今週末逃せば9月も後半。
さすがにそろそろ走りに行かねば、ということで、悪天候を圧して近場へ走ってきました。

前日、夕方頃から寝てしまい、気づけば深夜だったので二度寝をあきらめ、2:00には家を出ます。
しかしこの日は北関東で降水確率40%の曇り、東北や東海は完全に雨予報で、曇りを狙うにせよ行き先は北関東に限られます。
北関東北限だと、高速に乗って目的地へ行ってしまうと現地で夜明けを待つ羽目になるし、かといって遠出をすると雨雲にぶつかるし・・・ということで、フル下道で北上します。

目的地は表題の通り日光方面にしたので、何も考えなければ国道4号。
さすがにそれではつまらないので、適宜脇道に逸れつつ走ります。
関東平野なので、点々と途切れず街灯はありますが、それでもハイビームを活かす機会は少なくありません。
関東南部でしとしと降っていた霧雨は、北上するにつれ止んできたので、快適な夜道走行が続きます。
程よく道路状況の変化やカーブはありつつ、景色や周囲の交通がない分、走ることそのものに純粋に集中できる感覚。

雨上がりの重く涼しい空気をかきわけて、5:00過ぎには鬼怒川の温泉街へ到達。
日の出まではまだ時間がありますが、景色は十分明るくなってきました。
一度は乾いた路面状況も、山間に入るにつれ再び潤いを帯びてきました。

気候は8月の酷暑から一転して、ここ数日急に涼しい日が続き、今日も薄手の長袖に3シーズンのライジャケでは肌寒さを感じます。
ここから標高を上げ始める前に、コンビニで飲み物を買って龍王峡の駐車場で小休止し、フリースを着込んで準備万端。

ツーリングの定番でいうと、ここからはもみじラインに入るコースですが、今日はちょっと寄りたいところがあり、国道121号を抜けて県道23号へ入ります。
このあたりはダム建設の影響もあり、トンネルから脇道に逸れる旧道跡がたくさんあって興味をそそられます。

寄りたいところ、というのもその脇道うちの一つ。
逆U字型に曲がった川治ダムのダム湖、八潮湖の上流側にかかる八潮大橋から見える、あの白いトラス橋です。

上流に向かって橋を渡り切ってすぐ、北向きに逸れる脇道が葛老林道。
正確には市道小指葛老線だそう。
その林道は山へ向かうだけの行き止まりの道ですが、入り口すぐで車両通行止めになっているので、入り口にバイクを停めます。
通行止め表示からほんの200m程度歩くと、特徴的な鉄骨構造が見えてきました。

横から見ると普通のトラス橋でしたが、桁と並行の方向から見ると、通常の台形ではなく三角形に構成されていますね。
こちらは道路橋としては珍しい、三弦橋と呼ばれる形式。
1車線ぶんですれ違いのできない小規模な橋ながらも、ダム湖畔の深い谷を跨ぐ為に堅固な造りです。

草葉に隠れていますが、頂点は端部までしっかり三角形。
建設技術的には結構意欲的な橋ですが、日の目を浴びず通行止めというのがなんとも。
当時の技術で、この長さを低コストで繋ぐために工夫して選ばれたのではないでしょうか。
今ならプレストレストコンクリート桁が選ばれる気がします。

欄干から覗き込むと、三角の底辺も垣間見えます。
リベットではなく高力ボルト止めというのも、川治ダムの竣工した1980年前後では意欲的なのではないでしょうか。

橋の先はすぐトンネルになっていて、銘板には「小峠トンネル」と記載があります。
コンクリートで設えられた強そうなトンネルですが、林道だけあって1車線幅。
向こう側は見えず、とめどない水音が中から響いていました。

脇の銘板を見ると1982年竣工とのこと。
532mもあるんですね。さすがに通り抜けても向こう側に何もないし、照明なども持参していないのでここで引き返しましょう。
ダム建設による代替道路は、全体的な予算が大き過ぎて、時折こうして分不相応な土木が惜しみなく投入されるので面白いですね。

ということで、半ば放棄された珍しい橋を眺めたあとは、そのまま県道23号を西へ向かいます。
時間は6:00を回りましたが、暑い雲が立ち込めていて空はまだ暗いまま。

そのまま川俣温泉方面へ行ってもよかったのですが、道も悪いし、この天候だと露天風呂って気分でもありません。
県道169号に折れて霧降高原へ登ることにし、濡れ落ち葉と流れ出る沢水に気をつけながら登っていきます。

頂上付近でも雲は晴れず、空は一面灰色。
とはいえ、朝日の位置がうっすらわかる程度には薄くなっていました。

大笹牧場の牧草地帯を突っ切って進みます。
定番のツーリングスポットですが、さすがに朝の6:30で都心が雨となると、人出はありませんね。

まだ夏の色をしている丘を眺めながら、ゆるっと通り抜けていきます。
ただでさえ涼しいのに霧で湿ったジャケットの気化熱と標高1,300mとの組み合わせで、とても寒い。
もう夏が終わってしまった感覚ですが、予報によると月曜日からまた真夏日が戻ってくるようで、とことん天気と休みが噛み合わない。

南側斜面を降り始めると、空が俄かに青くなってきました。
北側から流れ込んだ湿気をこの山がブロックして、南側に晴れ間を作っているようですね。
この様相なら東北が雨というのも頷ける。

振り返ると北側はご覧の様子。
カメラ越しだとレンズが曇ってぼやけているように見えますが、肉眼でもこの通り。
ちょうど雲と空の境目にいるようです。

先ほどの写真から1分走ると、景色はいきなりの快晴!
路面はしっとりと濡れているので、夜の間は雲の中だったんでしょうね。
暖かい季節の境目のくっきりした雲は、こういう中身になっているんですね。

キラキラと横から降り注ぐ低い朝日と濡れた路面、眼下には雲海というのがすばらしい。
六方沢橋の飛び降り防止の高い柵が恨めしいですね。
少し走って道路脇の駐車場にバイクを停め、しばし雲海を満喫。
うーん、ここまで見事なのは年に何度も見られるものではないですね。
こちらは方角的には北東側の写真。

頭を振って南東側を見下ろすと、東の山々とその谷は曇っていますが、宇都宮方面まで降りれば晴れていそうです。
どちらにせよ、まずは雲の中に入って山を降りなければならないのが悲しいところ。

再び雲に潜りはじめ、薄い霧の先に太陽が覗く風景は、幻想的で美しくもありますが、実態としてはシールドが水滴でグショグショだし、路面は滑るし、木漏れ日でチラチラ視界が幻惑されるし、おまけにバイクの足回りも泥だらけになります。
まぁ、それがツーリングというものです。

くねくねと霧降高原道路の下り道を楽しみ、日光の観光中心街、神橋へ。
時間はここで7:00を回りました。
さすがにこの時間に霧降高原から降りてくる人はいないようで、道路は独占状態でしたね。
対向車は時々遅いのに譲らない車が隊列を作っていて、哀れみを持ってすれ違います。

日光の中心街を宇都宮方面に向かって下ってもよかったのですが、足尾方面に向かうことにします。
せっかく珍しい時間に珍しい方向に走っているで、普段渋滞だらけでペースの良くない道を満喫しておこうというハラ。
霧降高原道路で味を占めた、ともいえます。

国道122号を南下し、一度抜けた霧にまた入り込みます。

そのまま標高を少しあげ、日足トンネルへ突入。
トンネル内もしっとり湿っており、足元注意でゆっくり抜けます。

トンネルの先は、ごらんの通り晴れ模様。
晴と霧を交互に行き来して、写真ライブラリのサムネイルが面白いことになっています。
霧のトンネルから一転して、塗り替えたばかりの真っ赤な橋のアーチが晴れ模様とのコントラストで美しい。

足尾から草木ダムを抜けて桐生方面へ至る道も、観光の経路として著名な道路。
ここはよほどでなければ土日に気持ちのいいペースで走行できませんが、雨予報の7:30の逆方向となれば話は変わってきます。
飛ばすでなく、減速するでなく、気持ちのいいペースでスイスイと走れば、あっという間に市街地。

桐生の中心部を抜け、国道50号と出会う頃に時間は8:30。
そろそろ太陽も高くなり、平野に降りたこともあって、暑くなってきました。

服装の調整がてらチェーン店に寄って朝食。
薄着に戻したとはいえ、気温はまだ20℃台前半で、暖かいメニューが美味い気候です。
そういえば昨日の昼以来何も食べていなかったので、腹に染み渡ります。

桐生からは、また脇道の県道を乗り継ぎつつ、また下道で帰路につきます。
ずっと雲は立ち込めていたものの、幸い降雨には遭わず、帰宅ごろにはバイクもすっかり乾いていました。

お昼前には自宅に着いて、泥を落としたりチェーン清掃したりしてまだお昼過ぎ。
帰宅時間が早いと短いツーリングに見えますが、結局都合10時間くらいは走っていたので、いつものツーリングとそんなに変わらない時間はかかっていますね。
走行距離は下道オンリーだとまぁそんなもんか、という377.6kmでした。

ODOは図らずしもキリがよく、158,600kmになりました。

コメント